NISA活用も!20万円未満で買える「12月株主優待」銘柄

NISA活用も!20万円未満で買える「12月株主優待」銘柄

投資情報部 鈴木英之 栗本奈緒実

2022/12/02

NISA活用も!20万円未満で買える「12月株主優待」銘柄

11月は、TOPIX+2.9%、S&P500+5.4%、香港ハンセン指数+26.6%、独DAX指数+8.6%など、世界の株式市場はおおむね上昇基調となりました。米国でインフレが鈍化する兆しをみせ、FRB(米連邦準備制度理事会)メンバーからも、政策金利の引き上げペースを緩める可能性が示唆され始めました。市場では、金利上昇・インフレ懸念後退を織り込む形で、米長期金利が低下し、ドル高が一服し、株価が上昇する形となっています。

そうした中、東京市場は「師走相場」を迎えました。金利上昇やインフレを懸念する局面は引き続き後退するとみられ、基本的には堅調な流れを期待したい所です。しかし、金融引き締めの影響で、景気・企業業績が悪化する可能性を十分に織り込んだとはいえず、波乱となる可能性も残っているとみられます。投資家としては、配当や株主優待などの株主還元を着実に享受し、パフォーマンス向上に努めておきたいところです。

そこで、今回の「日本株投資戦略」では「12月株主優待」銘柄にスポットを当てることとしました。12月末に株主優待の権利が確定する会社数は174社あり、3月末に確定する会社数(792社)、9月末に確定する会社数(399社)に次ぎ、3番目に多くなっています。株主優待に強く関心をもつ投資家であれば、12月はある程度、重要な月と考えられます。スクリーニング条件は以下の通りです。

(1)東証上場銘柄
(2)12月に株主優待の権利確定を予定する銘柄

(3)12/1(木)までの20営業日で、1日当たり平均出来高が2万株超

(4)株主優待の権利確保に必要な最短保有期間の条件がない
(5)12月決算企業の場合、第3四半期(累計)の純損益が黒字(REITの場合は前期純損益が黒字)

(6)継続企業の前提に疑義が生じていない
(7)信用取引規制が実施されていない(2022/12/1時点・注意喚起銘柄は除く)
(8)SBI証券株主優待検索ページで、閲覧回数の多い上位50銘柄以内(2022/12/1時点)

すべての条件を満たす銘柄をSBI証券株主優待検索ページで、閲覧回数の多い順に並べたものが下の図表です。

なお、「12月に権利が確定する株主優待銘柄」のほとんどが12/28(水)を権利付最終日としています。この場合、12/29(木)の権利落ち日以降に買い付けができても、配当および株主優待の権利を確保することはできませんので、ご注意ください。

また、権利付最終日に優待実施銘柄を買い、権利落ち日に売ることで、効率良く株主優待の権利獲得を考える投資家の方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここで注意すべき点は、買い付ける時の株価が予想外に高くなったり、売る時の株価が予想外に安くなったりなど、相当額の売却損がでてしまうケースです。配当取りも同様で、権利落ち日には配当実施分だけ株価が下がることが多くなっています。ノーコスト・ノーリスクで株主優待や配当を享受することは難しいでしょう。

それでも、コストやリスクを軽減して、株主優待の権利を確保する方法はあります。ひとつは、複数銘柄に投資をし、リスク分散を図る方法です。今回は、株主優待の権利確定に必要な最低金額を20万円としましたので、資金100万円でも、最低5銘柄以上投資可能ですから、ある程度の分散投資ができる計算です。


もうひとつは「つなぎ売り」を活用した取引です。「つなぎ売り」で株主優待をお得に活用する方法については、SBI証券のWebページでご紹介していますので、ご参考ください。ただ、「つなぎ売り」をした場合、信用取引の「売り」により、配当調整金を支払う必要が出て、実質的に配当を受け取れなくなるなど、重要な注意点*(下記脚注の詳細参照)もあります。メリットとデメリットを十分理解した上でのご利用をお願い申し上げます。

*重要な注意点 ~つなぎ売りを利用した場合の「配当金(現物と信用)受け払いの差額」~

※権利付き最終日の大引け時点でつなぎ売りをしている場合、現物については税金が差し引かれた配当金(配当金の約80%)を受取り、一般信用売り建玉については配当落ち調整(配当金の100%)金をお支払いいただきます。したがいまして、配当金の約20%の差額をお客さまにご負担いただくことになります。
※現物株式の配当金は、源泉税(20.315%)が差し引かれた金額で支払われます。
※一般信用売り取引の場合は、配当落ち調整金として配当金の100%をお支払いいただきます。
※権利付き最終売買日と権利落ち日をまたいで信用売建玉がある場合、権利落ち日に予想配当金相当額(予定配当調整金)をあらかじめ委託保証金現金から拘束させていただき、配当金が確定後に拘束金から支払いを行います。信用売建玉に対する支払予定配当金相当額合計(予定配当調整金合計)は、「口座管理」>「信用建余力」>「建余力・追加保証金」の「増担保・配当調整金」に表示させていただいております。

図表1 20万円未満で買える「12月優待銘柄」

取引 チャート ポートフォリオ コード 銘柄 株価(11/30) 信用取引 12月末予想1株配当※ 優待獲得最低株数での優待内容
3452 3452 3452 3452 ビーロット 575 一般 クオカード1,000円相当
7613 7613 7613 7613 シークス 1,399 一般・制度 16.0 ギフトカード1,000円相当
2216 2216 2216 2216 カンロ 1,119 制度 17.5 自社製品(カンロ飴等)1,000円相当他
4633 4633 4633 4633 サカタインクス 1,105 一般・制度 15.0 クオカード500円相当(保有期間によって増額)
2418 2418 2418 2418 ツカダ・グローバルホールディング 395 一般・制度 5.0 自社施設飲食・宿泊代金等の割引券2枚
3302 3302 3302 3302 帝国繊維 1,663 一般・制度 45.0 クオカード1,000円相当、自社製品3,000円相当
3001 3001 3001 3001 片倉工業 1,975 制度 16.0 自社グループ製品1,000円相当他
3486 3486 3486 3486 グローバル・リンク・マネジメント 1,254 一般・制度 52.5 ※クオカード1,000円相当
7989 7989 7989 7989 立川ブラインド工業 1,142 一般・制度 21.0 クオカード500円相当(3年以上継続保有の株主は1000円相当)
2982 2982 2982 2982 ADワークスグループ 156 一般・制度 4.5 ※(1,000株)2,000ポイント
3663 3663 3663 3663 セルシス 687 - 8.0 自社子会社製品のアクティベーションコード
8963 8963 8963 8963 インヴィンシブル投資法人 47,650 一般・制度 655.0 ホテル宿泊代金割引
2311 2311 2311 2311 エプコ 739 - 18.0 抽選で太陽光発電施設無料設置他
3964 3964 3964 3964 オークネット 1,951 一般・制度 25.0 クオカード1,000円相当(1年以上継続保有の株主は2000円相当)
3981 3981 3981 3981 ビーグリー 1,300 - 12.0 まんが王国図書券1,000ポイント分
6078 6078 6078 6078 バリューHR 1,675 一般・制度 17.0 6,000円相当年会費無料他
2436 2436 2436 2436 共同ピーアール 717 - 8.5 ※(200株)1,500ポイント
3416 3416 3416 3416 ピクスタ 804 - 0.0 出張撮影サービス5,000円割引
3719 3719 3719 3719 ジェクシード 170 - 0.0 株主アクション200ポイント付与(電子議決権行使を利用した株主)
3807 3807 3807 3807 フィスコ 146 制度 3.0 投資情報サイト無料クーポン他
4912 4912 4912 4912 ライオン 1,465 制度 13.0 自社製品(日用品)

※会社公表データ、SBI証券株主優待検索ページを参考にSBI証券が作成。
※結果的に全銘柄が12月決算となっており、「12月末予想1株配当」は、会社予想ベースの期末1株配当を示しています。
※「信用取引」の欄において、「一般」は「一般信用取引」、「制度」は「制度信用取引」での取引が可能であることを示しています。
※「優待獲得最低株数での優待内容」は、優待獲得最低株数を保有時の株主優待の内容についてその概要を示しており、すべてを示していないこともありますので、ご注意ください。また、保有株数により、株主優待の内容が異なることもありますので、ご注意ください。
※ビーロット(3452)の会社予想期末1株配当は「未定」ですが、前期は1株当たり中間期末0円、期末15円(配当性向28.0%)を実施しました。
※ADワークスグループ(2982)、グローバル・リンク・マネジメント (3486)の株主優待は2022/12の株主への贈呈をもって廃止される予定です。
※共同ピーアール(2436)は、2022年12月末日現在および2023年6月末日までにおいては株主名簿に、同一の株主番号で継続して記載または記録された 200株(2単元)以上を保有する株主が優待対象。

掲載銘柄の投資ポイント

以下、掲載銘柄の一部についてご紹介します。

■インヴィンシブル投資法人 投資証券(8963)

シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテルとマイステイズホテルグループの全てのホテルが株主優待価格で宿泊できます。利用回数はなんと無制限です。なお、ホテルブランドによって予約方法や優待内容が異なる点にはご注意ください。利用に関しては、実際に宿泊する人が対象投資主以外でも利用可能となっています。また、「全国旅行支援(全国旅行割)」事業との併用は可能です。

■エプコ(2311)

100万円相当の『太陽光発電システム(工事・メンテナンス込み)を戸建住宅(新築及び既築)に無償で設置する権利』が抽選で当たります。2022年の当選者は6名予定されており、期末である12月末は3名が当選予定です。100株ごとに1口応募が可能で、10口が上限です。太陽光パネルは10年間の機器保証及び工事保証も含まれています。(※自然災害に起因する故障は保証対象外)

注意点としては、抽選参加希望の株主は、ただ単に株を保有していても抽選には参加できないということです。株主自身で“応募”することが必須条件です。会社から抽選式株主優待の対象者へは応募書類が届く仕組みです。書類に記載された応募用WEBサイトから必要事項を記入し、抽選への参加が完了となります。電話やメールによる応募受付はできませんのでご注意ください。

■セルシス(3663)

当社製品のイラスト・マンガ・アニメーション制作アプリ「CLIP STUDIO PAINT EX(1デバイス6ヵ月版)」が無料で利用できます。

権利確定後、アプリを利用するためのアクティベーションコードが記載されたカードが株主に送付されます。アプリの月額料金は980円なので、あくまでも単純計算で、980(円)×6(ヵ月)=5880円相当です。なお、カードには有効期限がありますので、ご注意ください。

同アプリの月額料金プランを既に利用している方も、優待のアクティベーションコードは有効であり継続的に利用することができます。

■ピクスタ(3416)

「fotowa(フォトワ)」という当社のプロカメラマンによる家族向け出張撮影サービスの5,000円割引クーポンが貰えます。1単元(100株)につき1枚、上限10枚です。1回の予約につき1枚のクーポンのみが使用可能となっています。同サービスの料金は税抜きで平日19,800円、土日祝が23,800円です。すべてデータ納品になりますが、75枚以上の写真を受け取ることができます。なお、fotowaギフト、ママ割3回パック、フォトブックはクーポンの対象外となりますのでご注意ください。

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