NYダウが1,008ドル安!~どうなる米国株&日本株?

NYダウが1,008ドル安!~どうなる米国株&日本株?

投資情報部 鈴木 英之

2022/08/29

8/26(金)の米国株式市場では、NYダウが1,008ドル安と波乱になりました。この日、ジャクソンホール会合においてパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が講演し、「歴史は時期尚早の金融緩和を強く戒めている」とし、インフレ抑制対策(金融引き締め)を「やり遂げるまで続ける」と発言したことから、2023年の利下げ観測が後退したことが大きな要因と考えられます。

事前に市場では、ジャクソンホール会合において、金融政策の方向感を強く示唆する発言はないとの期待もあり、株価はやや反発傾向にありました。パウエル議長が、金融政策に対してタカ派的な発言をしたことは確かに意外でした。8/29(月)~9/2(金)は週末に雇用統計(8月)発表を控えており、短期的に米国は不安定な展開になる可能性も残りそうです。

ただ、米国株の下げは、長くは続かないと筆者は考えています。市場にあった「2023年のFRBは利下げに転じる」という一部の見方は確かに「前のめり過ぎ」であり、FRB議長の発言自体に違和感は感じられません。足元では、FRBメンバーから、2023年の利下げ転換をけん制するような発言も目立っており、FRB議長の発言もこれらの延長線上にあるとみられます。

「Fedウォッチャー」によると、8/27(土)20時現在、9/21(水)に結果発表のFOMC(米連邦公開市場委員会)において政策金利が0.75%引き上げられる確率は1週間前の47%から61%に上昇しました。政策金利の予想引き上げ幅について、メインシナリオが0.5%から0.75%に代わったことは確かですが「0.5%か0.75%」という大枠については変化がありません。

米10年国債利回りは、8/24(水)3.10%から8/26(金)は3.04%と下がっています。米国市場は、景気・企業業績の悪化を織り込むステージとなっており、長期金利自体は上がりにくくなっており、グロース株の下支え材料になりそうです。

日経平均株価についても、下げは短期間で収束し、上昇基調に転じると筆者は考えています。4~6月期の決算発表を経て、日経平均株価の予想EPS(1株利益)は過去最高を更新するなど、企業業績は底堅いためです。新型コロナウイルスの感染は第7波の拡大期となりましたが、政府は逆に規制緩和の方向であり、経済再開の流れも続きそうです。8/25(木)に金融庁は、自民党財務金融部会で2023年度税制改正に向け、NISA(少額投資非課税制度)を拡充する要望書を正式に提出しました。そこには、非課税枠を増やし、さらに非課税の期間を恒久化することが盛り込まれています。

仮に金融庁の要望が通れば、個人投資家の株式市場への資金流入を見越し、海外投資家の資金流入が増える可能性も十分ありそうです。

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