2019年は、米中通商交渉や英EU離脱問題など政治的案件に翻弄された印象が強い一年となりました。
また、米FRBが7月以降3度の利下げを行ったほか、ECB、豪中銀、NZ中銀、トルコ中銀など、各国中銀がこぞって緩和政策を加速させた一年でもありました。
一方、日銀の金融政策は、現状どおり緩和を維持し、フォワードガイダンスのみの修正に終始したことを考えると、ドル円は底堅く推移したと評価できそうです。言い換えれば、ドル円の円高に対する耐性が示された一年であったと言えるでしょう。
2020年も、2019年同様に金利差を背景にした円高警戒論は説得力を持たないと思われます。むしろ、米国の緩やかな成長や低インフレを背景にした「適温相場」が継続するのか、NY株式市場がさらに市場最高値を更新するのか、また、大統領選や米中通商問題に対する懸念が山場を超えたのかが注目されます。通商問題が最悪のシナリオを回避し、中国経済の下振れに歯止めがかかれば、リスク選好の流れが継続する可能性もあり、注目されます。

為替英国との通商交渉が欧州経済回復の足かせになる
2019年の振り返りと2020年の展望
2020年のドル・円、ユーロ・円相場の予想レンジ
ドル円 107円00銭~120円00銭
ユーロ円 118円00銭~130円00銭
ドル円は、107円から120円のレンジで円安加速を見込んでいます。その根拠は、FRBの金融政策が今年10月の利下げを当面の最終とし、大統領選を踏まえ現状の金融政策を来年一年間維持すると思われるからです。
また、米中通商問題の最悪シナリオが回避されたことで、米製造業を中心に設備投資の底打ちから持ち直しの動きとともに、経営者の心理的な改善がISM製造業景況指数や製造業PMIなどの指数の改善に寄与すると思われ、NY株式市場の堅調さが来年の大統領選までは継続すると思われます。
2019年と同様に、金利差以上にリスク選好の動きが活発となり、2018年、19年と2年連続で10円を下回った史上最低の年間値幅に留まった反動が、円安基調への転換を加速させると予想します。
一方、ユーロ円は、英国の秩序ある離脱への道筋が整う一方で、英国のEU関税同盟脱退後の通商交渉の難航が欧州経済回復の足かせになることが予想されます。
ドル円が上昇する一方、ユーロは1.0800ドルから1.1800ドル、ユーロ円は118円から130円のレンジで円安基調に回復することを予想します。
2020年の注目の通貨(国)
注目の通貨は英ポンドです。
ジョンソン首相は、正式な離脱までの移行期間の延長を否定し、2020年末のEUからの正式な離脱を表明しました。EUとの関税同盟が来年末で期限切れとなるだけに、2021年1月以降のEUとの新たな通商条約の締結が疑問視されており、実質的には「合意なき離脱」と変わらないと警戒する見方も聞かれます。
実際、EU とカナダとの通商交渉は、2009年5月に交渉を開始し、2009年6月には一般的な方針で合意するなど順調な滑り出しだったものの、その後、様々な条件面で折り合いがつかず、2016年10月の合意に至るまで7年もの歳月を費やしており、EUと英国の新たな通商協定の締結を来年末までの1年足らずで合意するのは難しいと見られます。
さらに、選挙戦で大きく議席を伸ばしたSNP(スコットランド国民党)が改選前議席(35議席)から48議席へと大きく躍進しました。今後いずれかの時点でスコットランドの英国からの独立問題が再燃する可能性もあり、ポンドの下落要因として注意が必要かもしれません。
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