投資信託目利き力で高い運用成果を提供する投信の「真の力」が試される時

コロナのパンデミックが開いたESG投資の時代

新型コロナウイルスのパンデミックは、国内の投信市場の「ESG投資」(環境・社会・ガバナンスに配慮した投資)の浸透を後押しした。新型コロナは、地球環境問題やSDGs(持続可能な開発目標)への関心を呼び、欧州から米国へと広がっていたESG投資の波が国内にも波及した。その象徴的な出来事は、7/20に設定された「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)<愛称:未来の世界(ESG)>」が設定額3800億円という20年ぶりの大型設定となり、12月には純資産総額が8000億円を突破する超大型ファンドに成長したことだ。この動きは、ESG投資が国内に浸透したことを示すといえるだろう。

2021年はアクティブファンド復権が明瞭に

2020年のパフォーマンス格差は、アクティブファンドの復権のノロシだと考えている。米国に出遅れた日本株式の見直しが2021年の大きなテーマとして意識される中、日本株アクティブファンドで運用各社が成績を競い合う展開が予想される。1年間のトータルリターンはTOPIX(東証株価指数)が3.27%に対し、日経平均株価は13.48%だった(11月末現在)。日本株アクティブファンドの中には30%以上の投資成績になった銘柄も数多い。2021年はコロナ禍からの復活で企業業績の格差が拡大することになり、銘柄選定能力によりインデックスをアウトパフォームする優良なアクティブファンドに注目したい。

「ESG投資」「つみたてNISA」「iDeCo」

コロナ・パンデミックで経験した「得体のしれない不安」や「急激な生活環境の変化」は、2019年の「老後2000万円不足問題」よりも資産形成への意欲を掻き立てた。Eコマース(電子商取引)で買い物をする感覚で、20代、30代の若者が、株式や投資信託をオンライン取引で購入するようになった。この動きを定着させることが2021年の課題だ。若い投資家層の関心は、SDGsやESGなど地球環境に優しい「ESG投資」、または、「つみたてNISA」を使ったインデックス投資だ。これを一歩進めて、60歳まで換金できない超長期の積立投資を実行する「iDeCo(個人型確定拠出年金)」の利用拡大につなげられるか注目している。

朝倉 智也
ウエルスアドバイザー 代表取締役社長

1989年慶應義塾大学卒。95年米国イリノイ大学経営学修士号取得(MBA)。同年、ソフトバンク株式会社を経て、98年ウエルスアドバイザー株式会社設立に参画し、2004年より現職。 第三者の投信評価機関として、常に中立的・客観的な投資情報の提供を行い、個人投資家の的確な資産形成に努める。資産運用にかかわるセミナー講師を多数務め、各種メディアにおいても、個人投資家への投資教育、啓蒙活動を行う。

著書:『一生モノのファイナンス入門』(ダイヤモンド社)、『ものぐさ投資術』(PHP研究所)、『マイナス金利にも負けない究極の分散投資術』(朝日新聞出版)『「iDeCo」で自分年金をつくる』(祥伝社新書)、『ETFはこの7本を買いなさい』(ダイヤモンド社)、『つみたてNISA』(ダイヤモンド社)、『ものすごく真っ当で、ありえないほど簡単な お金の増やし方』(幻冬舎)、『怖がりの人ほど成功する! 丸投げ投資生活』(ナツメ社)、『お金の未来年表』(SBクリエイティブ)、「全面改訂 投資信託選びでいちばん知りたいこと」(ダイヤモンド社)等。

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