※基本報酬の他にパフォーマンスに応じて実績報酬がかかります。
※当シリーズのリターンがマイナスであった場合でも、ベンチマークとするインデックスに対して+αのリターンがあったときは、実績報酬を頂きます。
三井住友トラスト・アセットマネジメントは、昨年11月27日に市場インデックスにプラスαの超過収益をめざす「SMT iPlusシリーズ」の運用を開始した。
新たに設定したファンドは、米国株式(MSCI USAインデックス(配当込み、円換算ベース))を上回る投資成果をめざす「SMT iPlus 米国株式<愛称:つみたてインデックスプラス・アメリカ>」と、全世界株式(MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース))を上回る投資成果をめざす「SMT iPlus 全世界株式<愛称:つみたてインデックスプラス・オール・カントリー>」の2本だ。
新ファンドは、「クオンツ(数量的・定量的分析)」といわれる手法を使って、インデックスと同じような運用成果を示しながら中長期的にはインデックスにプラスαの投資成果をめざすファンドだ。また、SMT iPlusシリーズの運用管理費用(信託報酬)は基本報酬となる年率0.055%(税込)+実績報酬となっており業界でも珍しい。ベースとなる基本報酬は業界最低水準であり、気になる実績報酬については、設定来および前四半期のファンドの騰落率(年率換算)がベンチマーク(年率換算)を上回っている場合にのみ発生する。ここから運用会社として運用力で勝負したいという思いが伺える。
同ファンドの運用責任者である同社アクティブ運用部のファンドマネジャーである柿島啓暢氏は、「クオンツ運用は、長期投資を支える運用手法に最適」とした上で、「αを狙っていくことは依然として重要です。インデックス投資をしているお客様、今から資産運用を始めてみようと思っているお客様には、新しい選択肢として当シリーズを新NISAで是非ご検討頂きたい。」と語っている。同ファンドのプロモーションを担当する投信営業部の藤田鷹彦氏とともに、新ファンドシリーズの特徴と魅力について聞いた。
「SMT iPlusシリーズ」を立ち上げた狙いは?
- 藤田氏:
- 当シリーズを立ち上げた狙いは、「お客様の長期の資産形成に真に資するファンドを作りたい」という想いがあったからです。
- 当社の運用部門の強みは、長期投資のプロともいえる年金運用の世界で長年培ってきた運用力にあります。具体的には「長期で安定的に資産を増やす運用」が当社の得意分野です。昨今、老後2,000万円問題や新NISA制度の設立など、長期で資産形成を行うことの重要性やニーズが高まっている中で、当社の得意分野が活かせると考え、このファンドを立ち上げました。
- 現在、インデックスファンドによる長期の積立投資がひとつのブームのように広がっていますが、当然ながらインデックスファンドだけが投資手段ではありません。アクティブファンドにもたくさん魅力的な商品があります。当ファンドシリーズは、インデックスファンドとアクティブファンドをつなぐような役割も期待できるのではないかと考えています。
- 柿島氏:
- アクティブファンドを評価する時、ベンチマーク(インデックス)に対する超過リターンという概念は非常に重要です。年金運用の世界では、超過リターンによるファンド評価が一般的ですが、公募投信の世界ではあまり広まっていません。公募投信の世界で、有名な残高の大きいアクティブファンドの中には、想定されるベンチマークのリターンを上回っていないファンドが実はあります。特に、外国株式はこれまで長期で多くの銘柄が上昇しているので、ベンチマークに対する超過リターンではなく、絶対リターンがプラスになっていることが評価される場合があります。今回、当シリーズは、超過リターンにフォーカスして提供することで、超過リターンをみる重要性を公募投信の世界にも広めたいという想いもあります。
三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社
投信営業部
藤田 鷹彦氏
同シリーズの魅力は?
- 柿島氏:
- 長期投資において、インデックスファンドを使うのは一つの正解だと思いますが、唯一絶対的に正しい訳ではないと思います。長期で安定してインデックスに勝てる可能性の高いアクティブファンドがあるのなら、そこに投資する意義はあるのではないでしょうか?
- 長期で安定してインデックスを上回る運用という意味ではクオンツ運用は最適です。なぜなら、クオンツ運用は100%データに基づく運用であり、リターンの再現性が高いため、一貫して長期的に有効な戦略にベットし続けることが可能だからです。一般のアクティブファンドのように、ファンドマネジャーという人が判断して運用する場合は、運用がその人の状況に依存してしまう「人間リスク」といえるリスクがあります。その点で、クオンツ運用は、正しいデータを入力すれば、定量モデルによって常に一定の品質でポートフォリオを組みます。
- また、市場の大きな変化にあっても、人間であれば「この勢いで下げたら、もっと下げるのではないか」など経験則に基づく逡巡もありますが、クオンツ運用は機械と同じように、淡々とモデルが示すタイミングで売買を進めます。運用の品質が安定しているということは、長期に投資し続けるファンドとして重要な要素になります。
- 一方、当シリーズでは、特徴の異なる4つの戦略に分散投資を行い、地域や業種の配分なども含めてリスクコントロールをしっかりと行うことで、長期的に安定してインデックスに勝つことをめざします。
当シリーズの過去のシミュレーション
- ※当ファンドモデルは、それぞれSMT iPlus 米国株式およびSMT iPlus 全世界株式と同様の運用プロセスに基づき算出したシミュレーションのデータ(信託報酬(基本報酬+実績報酬)控除後)です。
※超過収益率は、当ファンドモデルの累積リターンから各株式インデックスの累積リターンを差し引いたもの。
※年率リターンは算出期間の当ファンドモデル、各株式インデックスの月次騰落率を基に年率換算しています。
※使用したインデックスは、米国株式インデックス:MSCI USAインデックス(配当込み)、全世界株式インデックス:MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み)を使用。米ドルベースのデータを当該日の為替データを基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが円換算。
出所:Bloombergのデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメント作成
※上記の当ファンドモデルは所定の前提条件を基に行ったシミュレーションであり当ファンドの運用実績ではありません。また過去のデータであり、将来の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。
「インデックス+α」のリターンを稼ぎ出す仕組みは?
- 柿島氏:
- 当ファンドのリターンを稼ぎ出す仕組みは、大きく2つあります。ひとつは、特徴の異なる4戦略に分散投資することで、あらゆる市場環境に対応し、安定的に超過リターン(インデックス+αのリターン)を稼ぐことです。2つめは、それぞれの戦略の構築にあたって従来運用に使用してきたデータに加えて、オルタナティブデータ(非財務情報)と呼ばれる新しいデータを組み合わせることで銘柄選択の精度を向上させている点にあります。4つの戦略は、リスクの低い戦略や少し高い戦略もありますが、全体では長期で平均して2~3%程度の超過リターンが獲得可能であると考えています。
- 4つの戦略の1つは、「バリュー戦略」で、本来あるべき水準まで株価が上昇する可能性の高い割安銘柄に投資します。また、「モメンタム戦略」は、株価の上昇トレンドの継続が見込める銘柄に投資する戦略です。「クオリティ戦略」は、持続的な業績成長に伴う株価の安定的な上昇が見込める優良銘柄に投資する戦略です。そして、「ディフェンシブ戦略」は、株価の値崩れの可能性が低い銘柄に投資する戦略になっています。
当シリーズの運用方法
マイナスのパフォーマンスにはならないのですか?
三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社
アクティブ運用部 ファンドマネジャー
柿島 啓暢氏
- 柿島氏:
- マイナスのパフォーマンスとなる可能性は当然あります。ただ、特徴の異なる4つの戦略に分散投資し、地域や業種のリスクコントロールをしっかり行うことで、大幅なマイナスとならないよう運用しています。
- また、4戦略はいずれも過去のデータ検証では長期的に有効性が高く、将来にわたっても有効性が期待できるものであると共に、徹底的に使用する指標・データにこだわってひとつひとつの戦略を構築しています。加えて、各指標・データの有効性については定量・定性の両面から常に評価を行っており、パフォーマンスの検証~定量モデルのブラッシュアップまで一貫して取り組む体制が確立されていることからも、短期的にマイナスとなることはあっても長期ではプラスのパフォーマンスを獲得できると考えています。
- 4つの戦略を組み合わせた結果出来上がるポートフォリオは、インデックスに対して、地域分散や業種分散では、あまり差異はありません。同じ地域、同じ業種で投資する銘柄が異なります。当戦略では、その時々の市場で、より良い銘柄を選ぶことでインデックスに勝る投資成果をあげることをめざします。
そもそも三井住友トラスト・アセットマネジメントのクオンツ運用力の実力とは?
- 柿島氏:
- 当社のクオンツ運用の歴史は古く、国内株式は30年超、外国株式は20年超の歴史があります。長きにわたるクオンツ運用の歴史の中で、経験豊富なファンドマネジャー、クオンツアナリストが多数在籍しています。また、国内株式・外国株式のそれぞれに、設定から現在まで途切れることなく一貫して運用されてきた旗艦ファンドが存在しており、リーマンショックや欧州債務危機、コロナ禍といった様々な市場環境を実際に経験したことで得た知見が既存ファンドの改良や新ファンドの構築に活かされています。
- 資産残高は、国内株式2,500億円程度、外国株式3,000億円程度と長期に亘って多額の資金を運用しています。クオンツ運用の残高が多い運用会社はありますが、現在まで続く一貫したファンドが存在している運用会社は多くありません。様々な投資環境を潜り抜けて、その経験が今に続いているということは大きな強みになります。
- また、当社のクオンツ運用の最大の特徴、かつ、強みは、ファンドマネジャーとクオンツアナリストという別の役割を担う人間が一体となって一つのファンドを運用していることです。クオンツアナリストがアカデミックな“理論”方面で、ファンドマネジャーが日々ファンドを運営しながらマーケットを見る中で得た“実践”方面で貢献するというように、“理論”と“実践”の両面からファンドの定量モデルを構築しています。
- クオンツ運用は得てして、理論が先行しがちです。当然、理論は非常に重要ですが、必ずしも理論通りにいかないのが現実のマーケットです。そこで、ファンドマネジャーが日々のマーケットから得た知見を定量モデルの開発や改良に還元することで、“生きた”定量モデルを開発することが可能となると考えています。
- また、ファンドマネジャーの役割は、過去の分析に終始しがちなクオンツ運用にフォワードルッキングの視点をもたらし、将来を見据えた定量モデルの開発・改良を行うことにもあります。この理論と実践はどちらも非常に重要であり、それぞれを担う人員を一つのファンドに配置していることが、弊社のクオンツ運用の競争力の源泉であると考えています。
インデックス+αで運用する効果とは?
- 藤田氏:
- 25歳の人が60歳まで毎月5,000円積み立てた場合、毎年8%の運用利回りで仮定すると、約1,150万円になりますが、そこで安定して2%上回ったとして、つまり年間10%リターンがあると仮定した場合は約1,910万円になります。その差は約760万円です。年間10%の運用利回りがあれば、毎月5,000円積み立てて約1,910万円になる計算となり、昨今話題の老後2,000万円問題なども、毎月5,000円の投資で届く計算になります。
積立投資シミュレーション
- ※上記は所定の前提条件を基に行ったシミュレーションであり、将来の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。また、購入時における手数料、税金等の諸費用は考慮しておりません。
出所:三井住友トラスト・アセットマネジメント作成
- インデックスファンドでは届かない+αを取りに行くことで、20年、30年という期間をかけることで大きな差を生み出すことができます。代表的なインデックスは、時価総額加重平均といわれる株式の時価総額に基づいた組み入れルールに従って作られていますが、クオンツ運用は、そのルールに「割安」とか「クオリティ(高品質)」などの個別銘柄を分析する視点を加えることによって、徐々にインデックスを上回る成果につなげます。そのような運用の違いを丁寧に説明することで、投資の必要性を訴求したいと思っています。
- 当ファンドシリーズは、信託報酬の一部を運用実績に応じた実績報酬にすることで、投資家の皆様と同じ方向を向いて運用していく姿勢が、一層明瞭になっていると思います。私たちがより良い報酬を得ようと思えば、より良い投資成果をあげるしかないのです。また、当ファンドのめざす+αの効果は、年率2%~3%程度という水準であることから、実績報酬には年率1.1%(税込)という上限を設けました。20年、30年という長い期間でお使いいただけるファンドとして、ぜひ「SMT iPlusシリーズ」をご検討いただきたいと思います。
実績報酬率の計算イメージ
- ※実績報酬の有無にかかわらず、基本報酬はファンドの保有期間中は常にご負担頂きます。
※上記は実績報酬率の計算イメージであり、将来の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。
出所:三井住友トラスト・アセットマネジメント作成
ファンド情報
ご注意事項
- 「毎⽉分配型」「隔⽉分配型」の投資信託については、お取引の前に必ず「毎⽉または隔⽉分配型投信の収益分配⾦およびNISAでのご注意事項、ならびに通貨選択型投信に関するご注意事項」の内容をご確認いただきますようお願いいたします。
- 投資信託は、主に国内外の株式や債券等を投資対象としています。投資信託の基準価額は、組み⼊れた株式や債券等の値動き、為替相場の変動等により上下しますので、これにより投資元本を割り込むおそれがあります。
- 投資信託は、個別の投資信託毎にご負担いただく⼿数料等の費⽤やリスクの内容や性質が異なります。 ファンド・オブ・ファンズの場合は、他のファンドを投資対象としており、投資対象ファンドにおける所定の信託報酬を含めてお客さまが実質的に負担する信託報酬を算出しております (投資対象ファンドの変更等により、変動することがあります)。
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