レポート・コラム

<SBIラップ AI投資コース 2025年5月の実績>

<SBIラップ AI投資コース 2025年5月の実績>

2025年5月の実績、投資配分、寄与度

「SBIラップ AI投資コース(愛称:AIラップ)」(以下、「AIラップ」といいます)は、AIを使って市場動向を先読みしながら投資配分の最適化を目指し、人を凌駕するパフォーマンスを目指す資産運用サービスです。2022年3月31日より提供を開始し、2022年4月7日に運用を開始しています。(※1)2025年5月の世界の株式市場を振り返ると、上旬に米英・米中の間での関税交渉において一定の合意が成立したことが好感され、回復基調となりました。しかし、日本やEUとの関税交渉が依然として難航していることや、日米で高まった財政拡大への懸念や米国債券の格下げ等から長期金利が上昇している(債券価格は低下)ことなどで、金融市場の不安感は継続し、上値は抑えられる展開でした。為替市場では、関税交渉の合意等でリスク回避の円買いが一服した際には円安・ドル高が進みましたが、財政懸念の高まりや米国債格下げに伴うドル売り等で再び円が買われるなど、神経質な動きが続きました。以下は、そのような環境下における2025年5月の約1ヵ月間のAIラップのパフォーマンス(※1,4)とAIラップの各投資対象ファンドの騰落率(※5)です。
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AIラップの投資対象である8種類の専用投資信託(以下、「投資対象ファンド」と表示)は、米国市場の終値を翌営業日に取り込み基準価額に反映しています。本レポートの2025年5月の運用実績は、5月29日までの米国市場の値動きが反映されています。

2025年5月のリバランスの内容

AIラップの2025年5月9日のリバランス時点における投資配分(※6)をリバランス前と比較すると、約31%保有していた先進国株式を約17%に、約13%保有していた新興国株式を約7%に減らした代わりに、約41%保有していた米国株式を約45%に、約2%保有していた米国不動産を約8%に増やしたほか、債券資産(米国債券、米国ハイイールド債券、新興国債券)もそれぞれ比率を増やしました。結果として、米国株式を中心とする投資配分は維持しつつ、前月9割弱組み入れていた株式資産を7割強に減らし、米国不動産や債券資産を増やして、資産の分散によりポートフォリオ全体のバランスを取るような投資配分となりました。
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2025年5月のパフォーマンスの振り返り

2025年5月のマーケットを振り返ると、米英・米中の間での関税交渉が一定の合意を得たことで、株式市場が世界的に大きく上昇しました。ドル/円為替は、関税交渉の進展で円安・ドル高が進みましたが、その後、財政懸念の高まりや米国債格下げに伴うドル売り等で反転し、月間では小幅に円安・ドル高となりました。投資対象ファンドの動きを見ると、米国債券以外の投資対象ファンドはすべて上昇しました。特に+7%超となった米国株式を筆頭に株式資産が大幅に上昇しました。AIラップにおいては、上昇した米国株式を約45%と最も多く保有していたことなど、株式資産がポートフォリオの大半を占めていたことがプラスに寄与して、2025年5月の月間パフォーマンスは+5.44%となりました。以下のグラフは、AIラップのリターンに対する各投資対象ファンドの寄与度(どの資産がどのくらいAIラップの騰落に影響を与えているか)です。(※5)
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リリース来の実績

以下の折れ線グラフは「AIラップ(※1)(青色線)」と「一般的なロボアドバイザー(※2)(水色線)」、「TOPIX(※3)(灰色線)」の比較グラフで、開始点はAIラップが運用を開始した2022年4月7日です。運用開始日の2022年4月7日から2025年5月30日の期間で、AIラップの運用実績は+42.19%(※1,4)となり、一般的なロボアドバイザー(※2,4)との比較では+2.64pt(※7)となりました。
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 また以下は、直近1ヵ月、3ヵ月、6ヵ月、1年およびAIラップのリリース来のパフォーマンスです。(※8)
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※1 AIラップの運用実績について

2022年4月7日(サービスリリースした3月31日に申込を行い最短で運用を開始した場合の投資対象ファンドの買付約定日)から表示日まで、または表示している期間において、AIラップに投資していた場合の運用実績です。過去の運用実績であり将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。 リバランスは最適ポートフォリオとの乖離がないように実施したと仮定して計算しています。(※4)

※2 一般的なロボアドバイザーの運用シミュレーションについて

一般的な運用アルゴリズム(ノーベル賞を受賞した理論に基づき、金融機関において広く使われている平均分散法を採用。平均分散法における期待リターンはCAPMを用いて算出しており、リスク許容度はやや高めとし、5%~40%の保有比率制限を設けて最適ポートフォリオを算出)を用いて、投資対象ファンドに分散投資を行ったと仮定したシミュレーション結果を示しています。(※4)

※3 「TOPIX」はBloombergが提供するデータを基にFOLIOにて計算し作成しています。信頼できると考えられる情報を用いて算出しておりますが、情報の正確性、完全性等について保証するものではありません。またAIラップの基準価額に市場価格が反映されるタイミングを考慮し、計算期間開始日および終了日を前倒して表示しています。

※4 運用実績または運用シミュレーションの計算方法について

2022年4月7日から表示日までの、または表示している期間における、投資対象ファンドの基準価額(信託報酬やその他の費用、投資対象ファンドを通じて保有するETFの分配金が考慮されています。)をもとに、「(計算期間終了日時価/計算期間開始日時価)-1」で計算したものを%表示しています。運用手数料を年率0.66%(税込)徴収したと仮定して計算を行っています。本文及びグラフ上で表示している割合は年率ではありません。計算後の数値の小数第3位以下を切り捨てて表示しています。将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。

※5 騰落率グラフは2025年4月30日の基準価額を基準として、2025年5月30日における各投資対象ファンドおよび、AIラップのリターンを示したものです。各投資対象ファンドの騰落率の計算は、「(2025年5月30日時点の基準価額/2025年4月30日時点の基準価額)-1」で行い、%表示をしています。寄与度グラフは騰落率グラフのデータを用いて、AIラップの投資配分(指定期間の途中で行われたリバランスも考慮)に従って、AIラップのリターンに対する各投資対象ファンドの寄与度を示したものです。計算期間中に実施されるリバランスの影響により、騰落率グラフが示す各投資対象ファンドのリターンがプラスであっても、寄与度グラフにおいてはマイナスとなる場合があります(逆の場合もあります)。AIラップのリターンの算出方法については、※1をご参照ください。将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。

※6 表示の投資配分はリバランス実施時に目標とする比率であり、実際の運用では市場変動等の影響により表示の比率と乖離が発生することがあります。

※7 表示期間における、AIラップの運用実績と一般的なロボアドバイザーの運用シミュレーションの比較です。小数第3位以下を切り捨てて表示しているため、表示上の数値を用いて計算すると数値が一致せず誤差が生じる場合があります。

※8 1ヵ月、3ヵ月、6ヵ月および1年のパフォーマンスは、それぞれ直近Nヵ月前およびN年前の資産の評価額と2025年5月30日における評価額を元に計算しています。AIラップリリース来のパフォーマンスは、2022年4月7日の資産評価額と2025年5月30日における評価額を元に計算しています。表示している割合は年率ではありません。将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。

運用会社FOLIOからのメッセージ

トランプ関税ショックの中、AIラップはわずか3ヵ月で最高値を回復

米国の強硬な関税政策等により、2025年2月から米国株式を筆頭に不安定な値動きを繰り返していた各国の株式市場は、4月2日に発表された相互関税がマーケット参加者の想定を大きく超える厳しい内容であったことから、急落しました。マーケットには悲観的な見方も広がりAIラップも4月の前半には相場変動の影響を受けて一時は大きく下落しましたが、AIラップは株式に対する積極的な投資配分を維持し続けました。更に、臨時リバランスも含めた投資配分の変更により機動的に保有資産の比率を調整した結果、2025年5月13日には最高値を更新しました。
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※9 過去の実績は将来の運用成果等を示唆又は保証するものではありません。AI予測の好事例のみを示しており、市場動向等によっては上記のような運用ができない場合があります。​

※10 折れ線グラフは、2025年2月13日を基準としてFOLIOにて計算したAIラップと一般的なロボアドバイザーおよび、投資対象ファンドである「米国株式」の騰落率の推移を円建てで表示しています。表示の数字は2025年2月13日時点の円建て価額を基準にして、表示している時点における円建て価額で計算した騰落率を%表示しています。グラフ上で表示している割合は年率ではありません。計算後の数値の小数第3位以下を切り捨てて表示しています。​(※1,2,4)

※11 ​投資配分に関する帯グラフについて、それぞれ表示している時点の投資配分の比率を示しています。2025年4月は、通常の変更に加えて4月14日に臨時リバランスを実施しました。グラフおよび本文中に表示している投資配分の各数値は小数点以下を切り捨てて表示しています。

 AIラップが早期に最高値を更新できた要因を確認するために、2025年5月末までのAIラップの実績を、AIラップがトランプ関税ショック前の高値を付けた2月13日を基準として、主に米国株式(円建て)と比較しながら振り返ります。2月の後半に米国で軟調な経済指標が発表され、カナダ・メキシコ・中国に対する強硬な関税政策が示唆されたこと等で米国を中心に株式市場は下落を始めました。一方でAIラップは、株式を比較的多く組み入れていたものの高値を更新し続けた金の保有もあり、相対的に下落幅を小さく抑えることができました。そして、相互関税が発表された4月に、米国株式が最大で22.89%下落した際にも、AIラップは最大下落幅を14.96%に抑えています。相互関税の追加部分の一時停止が発表された後に、株式市場は回復基調となりましたが、AIラップは株式市場の下落に合わせて株式資産の組み入れを引き上げていたため、回復局面でも上昇に追従することができ、5月13日にはリリース来の最高値を更新しました。このように、トランプ関税ショック下で、AIラップは下落幅を抑制しつつ回復局面でのリターン獲得に成功したということができます。 米国の関税政策については各国との交渉が継続しており、今後も神経質な値動きは続くと予想されます。しかし、このような大きな変動の最中にいる時ほど、冷静に長期の目線で分散投資を継続することが重要だと考えます。AIラップは、今後もAIによる将来予測を活用して機動的に投資配分を変更するほか、相場変動に際しても感情に左右されない合理的な判断を行い、リターンの最大化を目指します。また、月に1度のリバランスに加えて、相場の変動が大きくなったと判断された際には臨時でリバランスを行い、その時々に応じた投資配分へと変更します。是非、不安定な局面こそAIラップで運用を継続いただけると幸いです。

2025年5月のマーケットを振り返る

ここで2025年5月のマーケットを振り返ります。 【米国市場概況】
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米国株式市場の指標であるS&P500は上旬、前月下旬からの連騰で過熱感が意識されるなか、政策金利が事前の想定通り据え置かれたことによる安心感等もあり、小幅な推移となりました。中旬には、米英および米中の関税交渉で一定の合意を得たこと等が好感され、大きく上昇しました。特に米中が相互に関税を115%引き下げた(一部は90日間の停止)ことは関税政策の不透明感の払拭に大きく寄与しました。一方で下旬には、日欧をはじめとする各国との関税交渉が難航していることや、米国債の格下げや長期国債の入札が低調であったこと等から米国の金融市場への不安感が高まり、上値が抑えられ、最終的に前月比+6.15%となりました。【先進国市場概況】
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日本株式市場の指標であるTOPIXは上旬から中旬にかけて、米英および米中の関税交渉が一定の合意を得たこと等を受けて上昇しました。その後は過熱感への警戒や円高等が下押し圧力となりましたが、月末の円高一服感等で再度上昇に転じ、最終的には前月比+5.03%となりました。欧州株式市場の指標であるストックス欧州600指数は上旬から中旬にかけて、新政権が発足したドイツや米国と関税交渉で合意した英国が牽引し、上昇しました。下旬には、予想を下回るユーロ圏景況感指数の発表や対米関税交渉の不透明感等から上値が抑えられる場面もありましたが、最終的に前月比+4.01%となりました。【新興国市場概況】
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中国株式市場の指標である上海総合指数は上旬から中旬に、追加の金融緩和策や米国との相互関税を115%引き下げる(一部は90日間の停止)合意等を受けて大きく上昇しました。下旬は、小売りや不動産をはじめとする経済指標の低迷と当局による支援策への期待が交錯するなかで小幅に下落し、最終的には前月比+2.08%となりました。インド株式市場の指標であるインドSENSEXは、上旬にパキスタンとの国境を巡る緊張感の高まり等で下落する局面がありましたが、中旬には米中関税交渉での一定の合意成立等により上昇に転じました。その後は経済成長率への懸念等の悪材料に対して6月の利下げ期待が下支えする展開となり、最終的に前月比+1.50%となりました。【為替・その他】
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ドル/円為替相場は中旬にかけて、米国が対英・対中関税交渉で合意を成立させたこと等で米国から資金が逃避する動きが和らぎ、一時148円台まで円安・ドル高が進みました。月の後半には、日米間で円安是正が協議されるとの観測や米国債の格下げ等で円高・ドル安方向に大きく戻しましたが、月末には一服し、最終的に前月比で0.66%の円安・ドル高となりました。米国10年債利回りは、当局の利下げに慎重な姿勢を示す中、米国債の格下げ、トランプ米大統領による大型減税政策等に対する財政懸念、米長期債の不調な入札など、金利を押し上げる要因が多かったことから、月間で概ね上昇基調となり、最終的に4.40%台で5月を終えました。

各指数等のデータはBloombergが提供する値を用いています。表示されている値(米国10年債利回りを除く)は、小数第3位以下を切り捨てています。

最新の投資配分の確認方法AIラップではAIによる予測技術を利用して投資配分を決定しています。最新の投資配分が気になる方は、AIラップ契約後のサマリー画面にてご確認いただくことができます。口座開設・ログインはこちらスマートフォンでの利用方法SBI証券スマートフォン専用サイトや各種アプリを経由して、スマートフォンでもAIラップを便利にご利用いただけます。詳しくはコラムでご紹介しています。

■本資料について

・投資環境に関する過去の事実等の情報提供や作成時点での見解をご紹介するために、AIラップの投資運用業務を行う株式会社FOLIOが作成した資料です。

・記載内容は作成時点のものであり、将来の市場環境の変動や運用成果等を示唆または保証するものではありません。

・信頼できると考えられる情報を用いて作成しておりますが、その正確性、完全性等について保証するものではありません。

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