2024年夏の相場急変
2024年7月から8月にかけて米ドル/日本円 為替および主要国、特に日本の株式市場は短期間で大きく変動しました。下図は、2024年6月末から8月5日までの米国株式(S&P500)、日本株式(TOPIX)、為替(米ドル/日本円)の値動きを表すチャートです。※グラフはBloomberg社が提供するデータを基に作成したものです。
*S&P500、TOPIXは、それぞれ現地通貨建ての終値を用いています。
*信頼できると考えられる情報を用いて作成しておりますが、情報の正確性、完全性等について保証するものではありません。将来の運用成果等を示唆又は保証するものではありません。
7月中旬の米政府による半導体貿易の規制強化報道や相次ぐ米大手IT企業の低調な決算発表を受けて、日米の株式市場はいずれも軟調に推移しました。為替は、日米金利差の縮小を想像させる経済指標の発表や、それにタイミングを合わせる形での日本の通貨当局によるドル売り・円買い介入とみられる動き、月末の日銀による利上げなどから、7月10日を頂点として、円高・ドル安が急速に進みました。特に7月末の日銀の利上げおよび日銀の植田総裁の記者会見でのタカ派発言(利上げに前向き)や、FRB(米連邦準備制度理事会)が利下げを見送ったものの景気後退懸念が根強く意識されていることが、市場参加者に対して日米金利差の急速な縮小を予想させる材料となり円高・ドル安基調が続きました。その後の8月2日には、米景気後退を印象付ける低調な米国雇用統計を受けて米金利が急低下し、さらに一段と円高・ドル安が進行しました。その結果日本株式は急落、TOPIXは2024年7月の最高値から2024年8月5日までで約23.9%下落しました。一方で、米国株式は半導体/ハイテク関連銘柄の下落が目立つものの、S&P500指数においては2024年7月の最高値から2024年8月5日までで約8.4%の下落(現地通貨建て)にとどまっています。このように足元の相場では、ひとくちに「株式」と言っても国やエリア、業種等によって異なる値動きとなっています。AIラップの投資配分とパフォーマンス
AIラップの投資配分を詳しく見ていきます。AIラップのパフォーマンスと各投資対象ファンドの騰落率、および2024年7月8日時点での投資配分は以下の通りでした(※1,2)。急速に進んだ円高・ドル安の影響を受けて、すべての投資対象ファンドがマイナスリターンとなっています。しかし、同期間のAIラップのパフォーマンスは同期間で-8.22%と、比較的下落幅を抑えることができました。(※3,5)その理由として、第一に、米国株式の下落がありながら、比較的下落を抑えられた米国不動産、金、米国債券を多く保有していたことが挙げられます。なお、投資対象ファンドの最終的な投資先である米ドル建てのETFでは、米国不動産、金、米国債券は同期間でいずれもプラスリターンとなりました。第二に、株式という資産クラスのなかでも国やエリアを分散させていたことがあります。冒頭でもお伝えした通り、現地通貨建てで今回特に下落の大きかったのは日本株式でした。しかしAIラップでは、そもそも「日本株式」という資産クラスを独立した投資対象として設けておらず、「先進国株式」という資産クラスの一部(市場規模等に応じた割合)として日本株式を投資対象に含めることに留めているため、結果として下落の影響は限定的となりました。このように適切な資産クラスの保有、および各資産クラスの中での分散、などが奏功し、下落幅を一定程度抑えることができました。一般的なロボアドの-12.03%というパフォーマンスと比較しても、AIラップの投資戦略は有効に機能していたと考えられます。(※4,5)※1 AIラップの投資対象である8種類の専用投資信託(以下、「投資対象ファンド」と表示)は、米国市場の終値を翌営業日に取り込み基準価額に反映しています。本コラムの2024年8月6日までの運用実績は、8月5日までの米国市場の値動きが反映されています。
※2 「AIラップのパフォーマンスと各投資対象ファンドの騰落率」は、2024年6月28日から2024年8月6日までのAIラップのパフォーマンス、一般的なロボアドアドバイザーの運用シミュレーション、各投資対象ファンドの騰落率を比較したものです。
※3 AIラップの運用実績について 2024年6月28日から2024年8月6日まで、AIラップに投資していた場合の運用実績です。過去の運用実績であり将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。 リバランスは最適ポートフォリオとの乖離がないように実施したと仮定して計算しています。(※5)
※4 一般的なロボアドバイザーの運用シミュレーションについて 一般的な運用アルゴリズム(ノーベル賞を受賞した理論に基づき、金融機関において広く使われている平均分散法を採用。平均分散法における期待リターンはCAPMを用いて算出しており、リスク許容度はやや高めとし、5%~40%の保有比率制限を設けて最適ポートフォリオを算出)を用いて、投資対象ファンドに分散投資を行ったと仮定した2024年6月28日から2024年8月6日までのシミュレーション結果を示しています。(※5)
※5 運用実績または運用シミュレーションの計算方法について 表示している期間における、投資対象ファンドの基準価額(信託報酬やその他の費用、投資対象ファンドを通じて保有するETFの分配金が考慮されています。)をもとに、「(計算期間終了日時価/計算期間開始日時価)-1」で計算したものを%表示しています。運用手数料を年率0.66%(税込)徴収したと仮定して計算を行っています。本文及びグラフ上で表示している割合は年率ではありません。計算後の数値の小数第3位以下を切り捨てて表示しています。将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。
※6 7月の投資配分について
表示している投資配分は2024年7月8日のリバランス時点において目標とする比率であり、実際の運用では市場変動等の影響により表示の比率と乖離が発生することがあります。また、各投資配分の数値は小数点以下を切り捨てています。
*信頼できると考えられる情報を用いて作成しておりますが、情報の正確性、完全性等について保証するものではありません。将来の運用成果等を示唆又は保証するものではありません。
様々な相場局面への対応を目指すAIラップを長期投資にご活用ください
運用を続けていると、下落相場は避けては通れませんが、AIラップはAI予測を活用することで、あらゆる相場局面への対応を目指しているため、下落相場への対応に期待でき、結果的に長く続けていただきやすいと考えています。また、AIラップの投資対象ファンドはすべて、米ドル建ての米国上場ETFを通じて投資を行うため、今回のように為替が円高・ドル安となった場合には、どうしても円建てリターンにはマイナスに影響してしまいます。株式市場も為替市場も動きが速い場面があり、投資タイミングを正確に予想することは非常に難しいですが、市場の上下を気にすることなく、積立投資などもご利用いただくと、その影響が平準化されることが期待できます。ぜひ積立投資などもご利用いただきリスクを抑えながら、AIラップで資産運用を継続していただければ幸いです。本資料について
・投資環境に関する過去の事実等の情報提供や作成時点での見解をご紹介するために、「AIラップ」の投資運用業務を行う株式会社FOLIOが作成した資料です。
・記載内容は作成時点のものであり、将来の市場環境の変動や運用成果等を示唆又は保証するものではありません。
・信頼できると考えられる情報を用いて作成しておりますが、その正確性、完全性等について保証するものではありません。
■株式会社SBI証券
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