衆院選結果を受け 豪ドル建債でリスク分散?

投資情報部 土居 雅紹
2026/02/12
「責任ある積極財政」で為替はどうなる?
■自由民主党(自民党)圧勝で株高だが
衆議院選挙で、高市首相が率いる自民党が、単独で総定数の3分の2を超える歴代最多の316議席を獲得する歴史的な勝利を収めました。この結果、仮に与党が過半数の議席を持たない参議院で法案が否決されても、衆議院で再可決できるようになりました。
これを受けて、2月9日と10日の日経平均株価は大幅に上昇し、5万8,000円目前まで上昇しました。2025年12月30日の終値5万339円48銭からわずか1カ月で15%もの上昇となり、2012年12月に始まったアベノミクス初期の値動きに似たものがあると感じている方も多いと思われます。
■米ドル/円レートと金利には織り込み済?
選挙結果を受けて大幅な株高となったのに対して、米ドル/円レートと10年日本国債利回りには大きな動きはありませんでした。「既に織り込み済だった」という見方もあるようですが、それならなぜ株価が大幅高になったのかという説明がつきません。証券会社の都市伝説的な「債券投資家と株式投資家は考え方が違う」とする見方も全くないわけではありません。しかしながら、情報が瞬時に拡散し、多くの投資家が株式・債券・為替市場に目を配っている現状では、それも想像しがたいものがあります。
■介入懸念で動けなくなった?
図表1は2025年10月からの国債利回りと米ドル/円レートの推移です。これを見ると確かに2025年10月の自民党総裁選で高市氏が選出されると米ドル/円レートは円安に大きく動き、20年国債利回りと10年国債利回りはじわじわと上昇しました。その後2026年1月に衆議院解散の観測報道が流れると、この時も円安・債券安(金利上昇)となっていました。しかし、その後の1月23日夜に日米通貨当局による為替協調介入懸念(実際にはレートチェックのみ)が出ると、一旦大きく円高・米ドル安に振れ、金利も上がりにくくなっていることが見てとれます。仮定の域を出ませんが、「円売りも債券売りも、介入が怖くて手が出しにくい」という考え方が浸透している可能性があります。
図表1 米ドル/円レートと10年・20年国債利回り
米ドル/円レートが動かなくても米ドル安は続く?
■トランプ関税ショックで米ドル安?
2025年4月に同盟国を含めた多くの国や地域に米国が「相互関税」をかけることが発表されました。これが、米国が自らドル覇権を放棄するような行為となり、米ドル安要因の一因となっている可能性があります。
図表2は米ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円の2025年2月10日終値を100として、その後の相対的な値動きをみたものです。2025年4月以降、米ドル/円レート(赤い線)は一旦円高・米ドル安に振れましたが、その後ゆっくりと円安・米ドル高に戻り、2025年10月の高市自民党総裁誕生で、トランプ関税ショック前の水準まで円安・米ドル高が進みました。
■日米通貨協調介入懸念も豪ドルには効果薄?
その間に、ユーロ/円レートと豪ドル/円レートがどうなったかというと、2025年10月までにトランプ関税ショックの2025年4月よりも大きく円安となっていました。つまり米ドル/円レートが元の水準まで戻った半年の間に、ユーロと豪ドルに対して米ドルが大きく下落していたことになります(日本円は米ドルとともに対ユーロと対豪ドルで下落したため、米ドル/円レートは同程度の水準を維持)。
2026年1月の為替協調介入懸念から円高・米ドル安方向に相場が動いた際に、ユーロ円、豪ドル/円レートも若干円高方向に動きましたが、その後、ともに円に対して強含みとなり、特に豪ドル高・円安が進んでいます。
■日豪金利差と豪ドル高基調継続なら、為替リスクの分散に豪ドル建債券?
図表3は直近1年の日豪10年国債利回りと豪ドル/円レートの推移です。これを見ると、日本の10年国債利回り(紫線)はここ1年で約1%pt上昇しています。一方、豪10年国債利回り(水色線)も同期間に0.45%pt程度上昇しました。とはいえ、未だに利回り水準の差は大きく、2.6%pt程度豪国債利回りが上回っています。
さらに、豪ドル/円レートを見ると、2025年4月以降、一本調子に豪ドル高円安が続いています。今後も世界的なコモディティ価格の上昇が資源国通貨である豪ドルの買い要因となるだけでなく、米ドルからの逃避で豪ドルが買われやすい状況が続くと考えられます。一方の日本円は積極財政で円安・債券安に動きやすいところを介入懸念が押さえつける状況が続く可能性が高いといえます。その結果、日豪の金利差は縮まりにくく、豪ドル/円レートは米ドル安・豪ドル高を反映して、円安・豪ドル高の展開となりやすいと予想されます。
この前提に立つなら、現時点での豪ドル建債券への投資に妙味があるといえます。さらに、リスク分散の観点からも、米ドルと円以外の資産として豪ドル建債券は効果的と考えられます。
■まとめ
・米ドル/円レート、日本の10年国債利回りは介入懸念で動きにくい
・米ドルはユーロ、豪ドル等に対して下落が続いている
・豪ドル建債券は好利回りで、豪ドル高・円安のメリットを享受し続ける可能性あり
図表2 米ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円レートの値動き比較
図表3 日豪10年国債利回りと豪ドル/円レート
SBI証券で豪ドル建既発債を探す
SBI証券で豪ドル建ての既発債を探してみましょう。
1.SBI証券のトップページにアクセスし、PCの場合は「債券トップ」の左横のメニューから「外貨建」の「+(プラス)」でメニューを広げて、「既発債券」をクリックします(スマホの場合は「債券トップ」から上段メニューの「外貨建」を選び、ページ中央に表示される「既発債券」をクリックします)。
2.次に、絞込条件の設定画面が閉じられている場合には、「絞込条件を開く」をクリックします。通貨「豪ドル」にチェックを入れ、ここでは4年から10年程度の残存期間の銘柄を探すと仮定して、残存期間(年)に「3~11」を入力して「検索」をクリックします。
この操作で、対象の銘柄が5銘柄に絞り込まれます(2026年2月12日時点、図表4参照)。最低買付額面が1,000豪ドルの銘柄と5,000豪ドルの銘柄があることに注意しながら、運用期間と予算にあった銘柄を選択するとよいと思われます。
便利な機能も活用しましょう
・気になる銘柄は「登録」しておくと、いつでもまとめて確認することができます。
・「試算」機能を使えば、外貨建て債券の場合には、為替変動の影響を含め、購入後の損益をシミュレーションすることもできます。
SBI証券での債券取引の流れやお役立ち機能については、債券取引ガイドをご覧ください。
最後にひとこと
SBI証券で取り扱っている債券の銘柄や条件は、日々変わります。購入前には、必ず最新情報をWEBサイトで確認してください。
図表4 豪ドル建既発債 検索結果(2026年2月12日時点)
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