2026年4月の米ドル建既発債 人気ランキングと今後の見通し

投資情報部 土居 雅紹
2026/05/21
2026年4月の米ドル建債券(既発債)の人気ランキング
■いま買われている米ドル建債券
売買ランキングの変化は投資家動向を探る手がかりになります。先月は、2026年2月と3月の米国国債・米ドル建社債(既発債)の人気ランキングを比較し、3月にかけて「超長期債の価格上昇を狙う動き」から、「利金収入を得ながらリスク分散を図る動き」へと投資家心理が変化している可能性を確認しました。3月は、米国国債では2027年の短期ゾーンを残しつつ、2036年債や2056年債など長期の利付債が増え、米ドル建社債でも超長期債より中長期債が中心になった点が特徴でした。
▶「2026年2月と3月の米ドル建既発債 人気ランキングと今後の見通し」(2026/04/09)
では、4月のランキングではどのような変化が見られたのでしょうか?
■米国国債(既発債)の人気ランキング
4月の米国国債(既発債)ランキングを見ると、1位は「米国国債 4.125% 2027/9/30満期」、2位は「米国国債(ストリップス債)2027/5/15満期」となり、上位2銘柄はいずれも残存期間1年前後の短期債でした。一方で、3位には「米国国債 4.125% 2036/2/15満期」、4位には「米国国債 4.625% 2046/2/15満期」、5位には「米国国債(ストリップス債)2048/5/15満期」が入り、短期債と中長期・超長期債が混在するランキングとなっています(図表1)。
3月は、短期ゾーンを残しつつも、2036年・2056年など長期の利付債が目立ち、利金収入を重視しながら金利変動リスクを分散する動きが見られました。4月もその流れは続いていますが、特に注目されるのは、短期債がランキング上位に戻っている一方で、2048年満期のストリップス債も5位に入っている点です。
4月は、中東情勢を背景とした原油価格上昇やインフレ懸念の顕在化により、米金利には上昇バイアスがかかりやすい環境でした。このような環境では、超長期のストリップス債に大きく偏ると、金利上昇時の価格下落リスクが大きくなります。一方で、金利が高止まりしている局面では、将来の利下げを織り込みに行った局面と比べて、購入時の利回り水準そのものは魅力的になりやすい面があります。4月のランキングは、投資家がこの両面を意識し、「短期で守り、長期で狙う」姿勢に移っていることを示唆する可能性があります。
■米ドル建社債(既発債)の人気ランキング
米ドル建社債(既発債)の4月ランキングを見ると、1位は「中国電力 5.742% 2035/1/14満期」、2位は「三菱商事 5.125% 2034/7/17満期」、3位・4位は同じ発行体の「三井住友信託銀行 5.050% 2035/3/13満期」と「三井住友信託銀行 5.350% 2034/3/7満期」、5位には「武田薬品工業 5.650% 2044/7/5満期」が入りました。上位5銘柄はいずれも表面利率が5%(税引前・外貨ベース)を超えていて、残存期間は8年から18年程度と長めでした。日本企業・金融機関の米ドル建社債が上位を占めており、投資家は信用リスクを一定程度に抑えながら、5%前後の表面利率を持つ投資適格債で利金収入を確保しようとしているように見えます。
また、4月は米ドル/円レートが160円前後の水準まで円安方向に進み、為替介入への警戒感が高まった局面でもありました。こういった状況では、米ドル建投資に対して「為替リスクが高い」と感じる方も増える傾向がありますが、高い利回りや利金収入が為替変動に対する一定のバッファとして意識されやすくなります。その意味で、4月の米ドル建社債(既発債)ランキングは、為替リスクを認識しつつも、外貨ベースでの安定したインカムを重視する投資家が多いことを示していると考えられます。
図表1 米国国債(既発債)の人気ランキング(2026年4月)
図表2 米ドル建社債(既発債)の人気ランキング(2026年4月)
今後の見通しと投資アイデア
■足元の利回りは、株式投資と比較検討しやすい水準
中東情勢を背景にインフレ懸念が顕在化し、米金利には上昇バイアスがかかりやすい状況といえます。 一方、米国国債(ストリップス債)の残存20年程度のものや、米ドル建社債の残存期間9年程度の高格付債では、利回り(税引前・複利)が5%に達しています(2026/05/20時点)。この水準になると、株式投資と比較して「債券の方が良いかも」と考える投資家が増えやすいと考えられます。
例えば現時点(2026/05/20)でS&P 500の2026年末の予想PERが21.80倍※となるので、その逆数の株式益回りは1÷21.80 = 約4.58%になります。株式投資は確定リターンではないので、リスクを採った株式投資への期待リターンが株式益回りと言い換えることもできるでしょう。一方の債券の利回りは、償還日まで保有すれば外貨ベースでのリターンは株式投資より確実性が高いといえます(信用リスク等には注意が必要です)。
※Bloomberg データより引用
特にSBI証券は米国国債のラインナップが豊富なので、短期債を活用して為替や金利の変動に備えながら、長期・超長期のストリップス債を一部組み入れることで、将来的な金利低下時の価格上昇を狙う戦略が考えられます。
足元では米ドル/円レートが再び160円手前まで円安・米ドル高が進み、為替介入への警戒も高まっています。円高反転リスクは意識する必要がありますが、米金利が高止まりしている局面では、米ドル建債券の利回りが、為替変動リスクを一定程度吸収する可能性もあります。したがって、米ドル建債券への投資は「もう遅い」というより、利回り・為替・償還差益を総合的に見たトータルリターンの観点から、検討余地が高まっている局面と考えられます。
SBI証券で前月販売件数上位の米国国債(販売中)を探す
ここでは「かんたん検索」を使って、前月販売件数上位の米国国債(販売中)を探してみます。
- SBI証券のトップページにアクセスし、PCの場合は「債券トップ」の左横のメニューから「外貨建」の「+(プラス)」でメニューを広げて、「既発債券」をクリックします(スマホの場合は「債券トップ」から上段メニューの「外貨建」を選び、ページ中央に表示される「既発債券」をクリックします)。
- 次に、検索条件の右に表示されている「かんたん検索」(図表3)から「前月販売件数上位 米国国債(販売中)※残存年数順」を選んでクリックします。
→この操作で、対象の銘柄が10銘柄に絞り込まれました(2026年5月20日時点、図表4参照)。
便利な機能も活用しましょう
- 気になる銘柄は「登録」しておくと、いつでもまとめて確認することができます。
- 「試算」機能を使えば、外貨建債券の場合には、為替変動の影響を含め、購入後の損益をシミュレーションすることもできます。
SBI証券での債券取引の流れやお役立ち機能については、債券取引ガイドをご覧ください。
最後にひとこと
SBI証券で取り扱っている債券の銘柄や条件は、日々変わります。購入前には、必ず最新情報をWebサイトで確認してください。
図表3 かんたん検索
図表4 前月販売件数上位 米国国債(販売中)※残存年数順(2026年5月20日時点)
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