ウェルスアドバイザーレポート
ウエルスアドバイザー社が提供する、主要国の金利・為替に関するレポートです。
前週分の振り返りと、今後の為替見通し・注目すべき経済イベントなどの情報をお伝えしますので、ぜひ債券をご購入の際に、ご参考として本レポートをご利用ください。
対象期間:2025年6月20日~2025年6月27日
更新:2025/7/1 10:00(更新予定時間:毎週第2営業日10:00頃)
金利為替動向

中東の緊張緩和も、米関税の先行き不透明感へ懸念
主要通貨は、対円でまちまち。週初23日、前週末に米国がイランの核施設へ空爆を行い、リスク回避のドル買いが優勢に。その後、FRB(米連邦準備制度理事会)高官が早期利下げを支持し、下落に転じた。24日、トランプ米大統領がイスラエルとイランの暫定停戦合意を発表し、有事のドル買いの巻き戻しから続落。また、パウエルFRB議長が議会証言で利下げを急がない姿勢を改めて示し、下押しした。25日は一時反発するも、米5月新築住宅販売件数が市場予想を大きく下回ると伸び悩んだ。26日、トランプ米大統領が次期FRB議長の早期指名を検討と伝わり、米利下げの思惑から下落が続いた。週末27日、米5月コアPCE(個人消費支出)デフレーターが市場予想を上回るも、個人消費支出は減少し、もみ合った。
新興国通貨は対円で下落が目立った。週初23日は中東情勢の緊迫化を背景にした有事のドル買いが先行し、対ドルでの円売りが波及して新興国通貨も全面高となったが、24日にかけては過度の緊張が和らぎ、持ち高調整の円買いにより新興国通貨は下落。25日は、日銀の田村審議委員が追加利上げに慎重な姿勢を示したことで円売りが強まり、多くの新興国通貨が上昇。26日、米利下げ観測の高まりを受けて円が買われ、新興国通貨はほぼ全面安となった。27日は、持ち高調整の円売りが優勢となったが、新興国通貨の上値は限られた。

通貨毎の金利と為替動向を確認
米ドル

- ドル安円高 144.65円(▼1.44円)
- 債券利回り 短期債 低下/長期債 低下
- 予想レンジ:1ドル=142円50銭-146円00銭
■為替
ドル・円は下落した。週初23日、前週末に米国がイランの核施設へ空爆を行い、リスク回避のドル買いが優勢に。その後、FRB(米連邦準備制度理事会)高官が早期利下げを支持し、下落に転じた。24日、トランプ米大統領がイスラエルとイランの暫定停戦合意を発表し、有事のドル買いの巻き戻しから続落。また、パウエルFRB議長が議会証言で利下げを急がない姿勢を改めて示し、下押しした。25日は一時反発するも、米5月新築住宅販売件数が市場予想を大きく下回ると伸び悩んだ。26日、トランプ米大統領が次期FRB議長の早期指名を検討と伝わり、米利下げの思惑が広がり下落が続いた。週末27日、米5月コアPCE(個人消費支出)デフレーターが市場予想を上回るも、個人消費支出は減少し、もみ合った。

■債券
短期債利回り、長期債利回り共に低下した。米国のイラン空爆により中東情勢が一段と緊迫化し安全資産としての米国債需要が高まったほか、米国の早期利下げ観測がくすぶり続けた。ドル建て2年債利回りは前週末の3.91%から3.75%に低下、ドル建て10年債利回りは前週末の4.38%から4.28%に低下して越週した。
■為替見通し
ドル・円は、市場の一部で米国の早期利下げ観測が再燃しつつあり、FRBの金融政策を見極める展開。週後半に米6月雇用統計が控えるほか、週内には米6月ISM(供給管理協会)製造業および非製造業の景況指数などの発表も予定され、足元の米国の経済状態から早期利下げの可能性を探る動きが強まりそうだ。その他、ECB(欧州中央銀行)フォーラムではパウエルFRB議長、植田和男日銀総裁が参加する討論会が予定されている。
ユーロ

- ユーロ高円安 169.48円(▲1.14円)
- 債券利回り 短期債 上昇/長期債 上昇
- 予想レンジ:1ユーロ=168円00銭-171円50銭
■為替
ユーロ・円は上昇した。週初23日は、中東情勢の緊迫化を受けてドル買いが強まる中、ユーロ・円も堅調に推移した。24日は、トランプ米大統領がイスラエルとイランが停戦で合意したと発言したことから、ユーロ・円は下落した。25日は、独国債の利回り上昇を受け、ユーロ買い・円売りが優勢となった。26日は、米国の利下げ観測の高まりから、ユーロ・円は軟調に推移した。27日は、6月の東京都区部のCPI(消費者物価指数)が市場予想を下回ったことから、ユーロ買い・円売りが強まった。

■債券
短期債利回り、長期債利回り共に上昇した。トランプ米大統領がイスラエルとイランが停戦で合意したと発言し、リスク回避の動きが弱まり利回りは上昇した。ユーロ建て独2年債利回りは前週末の1.85%から1.86%に上昇、ユーロ建て独10年債利回りは前週末の2.52%から2.59%に上昇して越週した。
■為替見通し
ユーロ・円は、堅調か。ECB(欧州中央銀行)フォーラムでのラガルドECB総裁の発言が注目となる。7月3日には高田創日銀審議委員の会見が予定されており、政策金利への見方が関心を集めそうだ。
豪ドル

- 豪ドル高円安 94.47円(▲0.25円)
- 債券利回り 短期債 低下/長期債 低下
- 予想レンジ:1豪ドル=93円00銭-95円50銭
■為替
豪ドル・円は上昇した。週初23日は、前日の米軍によるイラン核施設への空爆を受けた円全面安の中、豪ドル・円は反発。24日はトランプ米大統領によるイスラエルとイランの停戦合意を受けたドル・円の急落により上値を抑えられる。25日は豪5月CPI(消費者物価指数)が市場予想を下回ったことで利下げ前倒し観測が強まり、一旦値を下げるが、米5月新築住宅販売件数が市場予想を大きく下回る中、豪ドル・円は反発。27日はトランプ政権によるFRB(米連邦準備制度理事会)への利下げ圧力を受けた米長期金利の低下により、豪ドル・円は一時95円に接近する局面があった。

■債券
短期債利回り、長期債利回り共に低下した。豪債はもち合いで始まり、週末にかけて買い優勢に傾く展開。豪ドル建て2年債利回りは前週末の3.27%から3.19%に低下、豪ドル建て10年債利回りは前週末の4.18%から4.13%に低下して越週した。
■為替見通し
7月2日発表の豪5月小売売上高、米6月ISM(供給管理協会)製造業景況指数、3日の米6月雇用統計に要注目。ECB(欧州中央銀行)フォーラムでの日米欧英の中央銀行総裁が参加する討論会(1日)での発言も注目が怠れない。
NZドル

- NZドル高円安 87.61円(▲0.41円)
- 債券利回り 短期債 ―/長期債 低下
- 予想レンジ:1NZドル=85円50銭-88円50銭
■為替
NZドル・円は上昇した。週初23日は、前日の米軍によるイラン核施設への空爆を受けた円全面安の中、NZドル・円は上伸。24日はトランプ米大統領によるイスラエルとイランの停戦合意を受けたドル・円の急落により上値を抑えられる。25日は豪5月CPI(消費者物価指数)を受け、豪ドル・円は一旦値を下げるが、上昇に転じる中、NZドル・円は反発。27日はトランプ政権によるFRB(米連邦準備制度理事会)への利下げ圧力を受けた米長期金利の低下により、NZドル・円は上昇した。

■債券
長期債利回りは低下した。NZ債はもち合いで始まり、週末にかけて買い優勢に傾く展開。NZドル建て10年債利回りは前週末の4.59%から4.51%に低下して越週した。
■為替見通し
7月2日発表の豪5月小売売上高、米6月ISM(供給管理協会)製造業景況指数、3日の米6月雇用統計に要注目。ECB(欧州中央銀行)フォーラムでの日米欧英の中央銀行総裁が参加する討論会(1日)での発言も注目が怠れない。
南アフリカランド

- ランド高円安 8.12円(▲0.01円)
- 債券利回り 短期債 ―/長期債 低下
- 予想レンジ:1ランド=7円90銭-8円30銭
■為替
ランド・円は小幅に上昇した。米国によるイランへの攻撃で中東情勢が緊迫化する中、週初は南アの主要産品である金価格の上昇などを材料にランド買いが先行。その後、イランが報復として中東にある米軍の基地にミサイル攻撃を行ったが、事前に告知していたことなどから被害は限定的で、報復は抑制的だったと受け止められ、加えてイスラエルとイランが停戦で合意したことから過度の緊張が後退する中で金価格が下落し、ランド・円も下落した。南ア5月PPI(生産者物価指数)の低下を受けてSARB(南ア準備銀行)による早期利下げ観測などもランド・円を押し下げたが、週末にかけては持ち高調整のランド買いにより持ち直した。

■債券
長期債利回りは低下した。イスラエルとイランが停戦で合意したことからリスクオンの債券買いが優勢となった。SARBの利下げ観測も債券買いを支えた。南アランド建て15年債利回りは前週末の10.95%から10.89%に低下して越週した。
■為替見通し
ランド・円は、商品市況をにらみながらの展開か。中東情勢をめぐって主要産品である金価格が大きく動いており、ランド・円も目先は金価格の動きに神経質な反応をみせそう。米国とイランの核協議の行方などには目を配っておきたい。週内の主な南ア経済指標は、5月貿易収支、6月製造業PMI(購買担当者景気指数)など。
ブラジルレアル

- レアル安円高 26.37円(▼0.12円)
- 債券利回り 短期債 低下/長期債 ―
■為替
レアル・円は下落した。週初23日、米国によるイランの核施設への空爆を受け、リスク回避のレアル売り優勢となった。24日、トランプ米大統領がイスラエルとイランの暫定停戦合意を発表、有事のドル買いの巻き戻しからレアル・円は下落した。25日のレアル・円は引き続き軟調、米関税問題への先行き不透明感が強まった。26日、トランプ米大統領が次期FRB(米連邦準備制度理事会)議長の早期指名を検討していると伝わり、ドルが売られる中、レアル・円は上昇した。週末27日は米関税の先行き不透明感もあり、もみ合った。

■債券
短期債利回りは低下した。中東情勢の緊張が急速に低下すると、ブラジル債券は買われた。ブラジルレアル建て3年債利回りは前週末の13.57%から13.43%に低下して越週した。
トルコリラ

- リラ安円高 3.62円(▼0.06円)
- 債券利回り 短期債 ―/長期債 低下
■為替
リラ・円は下落した。期間中に発表された経済指標で、トルコ5月外国人観光客の前年比がマイナスに転じたほか、トルコ6月設備稼働率が前月から低下するなど、さえない内容が目立った。また、イスラエルとイランの暫定停戦合意により中東の地政学リスクに対する過度な懸念が後退したものの、リスク回避のドル買いの巻き戻しからドル売り・円買い基調となり、リラ・円の推移にも下押し圧力がかかった。

■債券
長期債利回りは低下した。中東情勢をめぐる過度な警戒感が緩和したほか、米国の利下げに対する思惑からトルコ国外への資金流出懸念が弱まった。ドル建てトルコ10年債利回りは前週末の7.62%から7.53%に低下して越週した。
※為替および債券利回りは、6月27日のニューヨークの終値を使用
※( )内は、先週末比の数字
※リラ債券:債券マーケットが小規模のため、ドル建ての債券利回りを指標として用いています。
提供:コメント/ウエルスアドバイザー社、グラフ/SBI証券
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