ウエルスアドバイザーレポート
ウエルスアドバイザー社が提供する、主要国の金利・為替に関するレポートです。
前週分の振り返りと、今後の為替見通し・注目すべき経済イベントなどの情報をお伝えしますので、ぜひ債券をご購入の際に、ご参考として本レポートをご利用ください。
対象期間:2025年8月1日~2025年8月8日
更新:2025/8/13 10:00(更新予定時間:毎週第2営業日10:00頃)
金利為替動向

米早期利下げ観測背景に、リスクオン広がる
主要通貨は、対円で上昇した。週初4日、前週末に発表された米7月雇用統計の弱い結果を受けて、FRB(連邦準備制度理事会)による早期利下げ観測が広がり、下落した。5日は反発基調となるも、米7月ISM(供給管理協会)非製造業景況指数が市場予想を下回り、重荷になった。6日、FRBの早期利下げに対する思惑がくすぶり続け、軟調に推移。7日、トランプ米大統領が退任するクグラーFRB理事の後任に、ハト派とされるミランCEA(大統領経済諮問委員会)委員長を指名すると報じられ、下押しした。週末8日、米関税政策の不透明感の後退などを背景に日本株が大幅高となり、リスクオンからドル・円が上昇するも、その後は動意薄。新興国通貨は対円でほぼ全面高。週初4日は、前週末の米7月雇用統計を受けた対ドルでの円買いが続いて下落する新興国通貨が目立った。ただ、新興国通貨に対しても円高が急速に進んだことから、5日にかけては持ち高調整の円売りにより持ち直した。6日は、根強い米利下げ観測が円買いを誘う一方、高金利通貨への資金流入も観測され、まちまち。7日は資金流入の動きを支えに堅調な新興国通貨が目立ったが、トランプ米大統領による新たなFRB理事の指名を受けて上値が重くなった。8日は、株高や、翌週の米7月CPIへの思惑などで円売りが優勢となり、新興国通貨は軒並み上昇した。

通貨毎の金利と為替動向を確認
米ドル

- ドル高円安 147.74円(▲0.34円)
- 債券利回り 短期債 上昇/長期債 上昇
- 予想レンジ:1ドル=146円00銭-150円00銭
■為替
ドル・円は上昇した。週初4日、前週末に発表された米7月雇用統計の弱い結果を受けて、FRB(連邦準備制度理事会)による早期利下げ観測が広がり、下落した。5日は反発基調となるも、米7月ISM(供給管理協会)非製造業景況指数が市場予想を下回り、重荷になった。6日、FRBの早期利下げに対する思惑がくすぶり続け、軟調に推移。7日、トランプ米大統領が退任するクグラーFRB理事の後任に、ハト派とされるミランCEA(大統領経済諮問委員会)委員長を指名すると報じられ、下押しした。週末8日、米関税政策の不透明感の後退などを背景に日本株が大幅高となり、リスクオンからドル・円が上昇するも、その後は動意薄。

■債券
短期債利回り、長期債利回り共に上昇した。米7月ISM非製造業景況指数が市場予想を下回ったほか、米10年債、米30年債の入札が不調だったことを受け、米金利が上昇した。ドル建て2年債利回りは前週末の3.68%から3.76%に上昇、ドル建て10年債利回りは前週末の4.22%から4.28%に上昇して越週した。
■為替見通し
ドル・円は、米7月CPI(消費者物価指数)、米7月PPI(生産者物価指数)が焦点。米7月雇用統計以降、FRBの早期利下げ観測が勢いを増す中、重要物価指標から今後の利下げペースをうかがう展開となる。経済指標では米7月小売売上高、米8月ニューヨーク連銀製造業景況指数、米8月ミシガン大学消費者信頼感指数なども発表予定。その他、FRB高官の講演内容にも注意したい。
ユーロ

- ユーロ高円安 172.03円(▲1.24円)
- 債券利回り 短期債 上昇/長期債 上昇
- 予想レンジ:1ユーロ=169円50銭-174円50銭
■為替
ユーロ・円は上昇した。週初4日は、前週末の米7月雇用統計を受けた円買いが一服したものの、全体的に方向感が乏しかった。5日はユーロ圏6月PPI(生産者物価指数)が上昇に転じたことからユーロが買われ、6日はユーロ圏6月小売売上高が前月を上回る伸びとなったためユーロ買いが継続。7日、利益確定目的のユーロ売りが優勢となったが、トランプ米大統領がクグラーFRB(米連邦準備制度理事会)理事の後任にハト派とされるCEA(大統領経済諮問委員会)のミラン委員長を指名したことから下げ止まった。8日は、日経平均株価の大幅高などを背景にユーロ・円も上昇した。

■債券
短期債利回り、長期債利回り共に上昇した。BOE(英中銀)が7日の金融政策委員会で利下げを発表したものの、追加利下げ観測が後退したことで英金利が上昇し、独金利も上昇した。ユーロ建て独2年債利回りは前週末の1.93%から1.96%に上昇、ユーロ建て独10年債利回りは前週末の2.68%から2.69%に上昇して越週した。
■為替見通し
ユーロ・円は、しっかりした展開とみる。ECB(欧州中央銀行)の利下げ打ち止め観測が高まる一方、FRB(米連邦準備制度理事会)はハト派色が強まっている。また、日本の政局不透明感から円も売られやすく、ユーロは相対的に底堅く推移しそうだ。一方、週末15日には米ロ首脳会談を控えており、ウクライナ停戦期待が高まるか見守りたい。週内の主な経済指標は、英7月失業率、独8月ZEW景況感指数、ユーロ圏8月ZEW景況感指数、英4-6月期GDP(国内総生産)速報値、ユーロ圏6月鉱工業生産など。
豪ドル

- 豪ドル高円安 96.36円(▲0.96円)
- 債券利回り 短期債 低下/長期債 低下
- 予想レンジ:1豪ドル=95円00銭-98円00銭
■為替
豪ドル・円は上昇した。週初4日は米関税政策の影響で世界的な鉱物需要が減退するとの観測を背景に豪ドル・円は下落。ただ、5日の米7月ISM(供給管理協会)非製造業景況指数が予想を下回る中、豪ドル・円は反発。6日に米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁が年内複数回の利下げを支持したこと、7日の豪6月貿易収支が予想を上回る黒字となったことを受け豪ドル・円は上昇。8日はドル・円の上昇に伴う円売りとともに豪ドル・円はさらに値を上げた。

■債券
短期債利回り、長期債利回りともに低下した。豪債は買い優勢で始まり、週末にかけてもち合う展開。豪ドル建て2年債利回りは前週末の3.40%から3.35%に低下、豪ドル建て10年債利回りは前週末の4.32%から4.25%に低下して越週した。
■為替見通し
経済指標では12日の米7月CPI(消費者物価指数)、14日の米7月PPI(生産者物価指数)、豪7月雇用統計、15日の8月ニューヨーク連銀製造業景気指数、米7月小売売上高、米7月鉱工業生産、8月ミシガン大学消費者信頼感指数などに注目したい。
NZドル

- NZドル高円安 87.97円(▲0.77円)
- 債券利回り 短期債 ―/長期債 低下
- 予想レンジ:1NZドル=86円50銭-89円00銭
■為替
NZドル・円は上昇した。週初4日は米関税政策の影響で世界的な鉱物需要が減退するとの観測を背景にNZドル・円は下落。ただ、5日の米7月ISM(供給管理協会)非製造業景況指数が予想を下回る中、NZドル・円は反発。6日に米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁が年内複数回の利下げを支持したこと、7日の豪6月貿易収支が予想を上回る黒字となったことを受けた豪ドル・円の上昇とともにNZドル・円は上昇。8日はドル・円の上昇に伴う円売りとともにNZドル・円はさらに値を上げた。

■債券
長期債利回りは低下した。NZ債は買い優勢で始まり、その後、もち合う展開。NZドル建て10年債利回りは前週末の4.52%から4.40%に低下して越週した。
■為替見通し
経済指標では12日の米7月CPI(消費者物価指数)、14日の米7月PPI(生産者物価指数)、豪7月雇用統計、15日の米8月ニューヨーク連銀製造業景気指数、米7月小売売上高、米7月鉱工業生産、8月ミシガン大学消費者信頼感指数などに注目したい。
南アフリカランド

- ランド高円安 8.33円(▲0.22円)
- 債券利回り 短期債 ―/長期債 上昇
- 予想レンジ:1ランド=8円00銭-8円60銭
■為替
ランド・円は上昇した。前週末の米7月雇用統計を材料視したランド売り・円買いが一服し、ランド・円は週初から堅調推移となった。南ア株高に加え、南アの主要産品である金やプラチナの価格が上昇したこともランド・円の支えになったほか、米利下げ観測を背景に、高金利通貨として金利差に着目したランド買いも誘った。南ア経済指標では、7月のS&PグローバルPMI(購買担当者景気指数)が市場予想をやや上回ったこともランド買いの材料となった。

■債券
長期債利回りは上昇した。前週にSARBによる政策金利の引き下げなどを受けて債券買いが進んだ反動もあり、週前半に債券売りが優勢となったが、週半ば以降は売り買いが交錯し、動意薄となった。南アランド建て15年債利回りは前週末の10.52%から10.59%に上昇して越週した。
■為替見通し
ランド・円は、上値の重い展開か。高金利通貨としてのランド買いがランド・円の支えになる。一方、トランプ米政権による南アに対する30%の高関税はある程度織り込み済みとの見方があるものの、影響が確認できるまで積極的なランド買いは期待しにくい。今後の南ア経済の状況次第ではSARBの追加利下げの可能性も高まりそうだ。週内の主な南ア経済指標は、6月製造業生産、6月鉱物生産量、4-6月期失業率、7月企業景況感、6月小売売上高など。
ブラジルレアル

- レアル高円安 27.18円(▲0.59円)
- 債券利回り 短期債 低下/長期債 ―
■為替
レアル・円は上昇した。週初は、前週末に発表された米7月雇用統計の弱い結果を受けて、FRB(連邦準備制度理事会)による早期利下げ観測が広がり、米国株式が上昇すると、リスクオンからレアル・円は上昇した。米国との関税交渉を巡り、ベッセント米財務長官とハダジ財務相の会談が決まったことも支援材料。週後半は、トランプ政権がブラジルに課した、自動車や鉄鋼製品など700品目超を除く輸入品への50%(基本税率10%と追加関税40%)関税がスタートしたものの、ブラジルのルラ大統領が米国に報復措置を講じない考えを示したことがレアルの支えとなった。

■債券
短期債利回りは低下した。米国の関税を巡り、ブラジルが報復措置を講じない考えをしめしたことから、ブラジル債券は買われた。ブラジルレアル建て3年債利回りは前週末の13.46%から13.31%に低下して越週した。
トルコリラ

- リラ高円安 3.63円(わずかに上昇)
- 債券利回り 短期債 ―/長期債 低下
■為替
リラ・円はわずかに上昇した。トルコ7月CPI(消費者物価指数)の前年比が市場予想を下回り、前月実績からも伸び幅が縮小した。利下げを再開したばかりのトルコ中央銀行の、さらなる利下げを支援する材料となり、リラ・円は上値重く推移。一方、ドル・円が前週末に発表された米7月雇用統計後の急落からの反発もあり底堅く推移し、ドル買い・円売り基調となりリラ・円を支えた。

■債券
長期債利回りは低下した。トルコ7月CPIが同国のインフレ鈍化傾向を示し、トルコ中央銀行による追加利下げが意識された。ドル建てトルコ10年債利回りは前週末の7.15%から7.00%に低下して越週した。
※為替および債券利回りは、8月8日のニューヨークの終値を使用
※( )内は、先週末比の数字
※リラ債券:債券マーケットが小規模のため、ドル建ての債券利回りを指標として用いています。
提供:コメント/ウエルスアドバイザー社、グラフ/SBI証券
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