ウエルスアドバイザーレポート
ウエルスアドバイザー社が提供する、主要国の金利・為替に関するレポートです。
前週分の振り返りと、今後の為替見通し・注目すべき経済イベントなどの情報をお伝えしますので、ぜひ債券をご購入の際に、ご参考として本レポートをご利用ください。
対象期間:2025年9月19日~2025年9月26日
更新:2025/9/30 10:00(更新予定時間:毎週第2営業日10:00頃)
金利為替動向

米利下げ前提でリスクオン
主要通貨は、対円で堅調に推移した。週初22日は日本株の上昇などを背景にリスクオンのドル買い・円売りが先行したが、その後伸び悩んだ。23日、米8月PMI(購買担当者景気指数)が市場予想を下回り、上値重く推移。同日、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が追加利下げに慎重姿勢を示し、24日にかけて上昇基調が強まった。24日は米8月新築住宅販売件数が市場予想を大きく上回ったことも、ドル・円の上昇に拍車をかけた。25日、米4-6月期GDP(国内総生産)確報値が大幅に上方修正され、米追加利下げ観測が後退し急伸。週末26日、米8月PCE(個人消費支出)デフレーターが市場予想通りにとどまったほか、米9月ミシガン大学消費者信頼感指数の確報値が市場予想を下回り、下押しした。
新興国通貨も対円で軒並み上昇した。週初22日は、米追加利下げ観測を背景にした対ドルでの円買いが波及し、下落する新興国通貨が目立った。23日は、東京市場が休場ということもあって方向感が乏しく、まちまち。24日の米8月新築住宅販売件数の急回復や、25日の米4-6月期GDP確報値の上方修正など良好な米経済指標を受けて米利下げ観測がやや後退する中、対ドルで円売りが優勢となり、新興国通貨もほぼ全面高となった。26日は、米物価指標が市場予想と一致したことから対ドルで円が買い戻されたものの、新興国通貨も買われたため、対円では上昇する新興国通貨が目立った。

通貨毎の金利と為替動向を確認
米ドル

- ドル高円安 149.49円(▲1.54円)
- 債券利回り 短期債 上昇/長期債 上昇
- 予想レンジ:1ドル=147円00銭-151円00銭
■為替
ドル・円は上昇した。週初22日は日本株の上昇などを背景にリスクオンのドル買い・円売りが先行したが、その後伸び悩んだ。23日、米8月PMI(購買担当者景気指数)が市場予想を下回り、上値重く推移。同日、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が追加利下げに慎重姿勢を示し、24日にかけて上昇基調が強まった。24日は米8月新築住宅販売件数が市場予想を大きく上回ったことも、ドル・円の上昇に拍車をかけた。25日、米4-6月期GDP(国内総生産)確報値が大幅に上方修正され、米追加利下げ観測が後退し急伸。週末26日、米8月PCE(個人消費支出)デフレーターが市場予想通りにとどまったほか、米9月ミシガン大学消費者信頼感指数の確報値が市場予想を下回り、下押しした。

■債券
短期債利回り、長期債利回り共に上昇した。パウエルFRB議長が追加利下げに慎重姿勢を示したほか、米4-6月期GDP確報値など堅調な米経済指標の発表が相次ぎ、目先の米利下げ観測が弱まった。ドル建て2年債利回りは前週末の3.57%から3.64%に上昇、ドル建て10年債利回りは前週末の4.13%から4.18%に上昇して越週した。
■為替見通し
ドル・円は、米経済指標からFRBの利下げペースをうかがう展開。週末に米9月雇用統計が控えるほか、週を通して米9月コンファレンスボード消費者信頼感指数、米9月ADP(オートマチック・データ・プロセッシング)雇用統計、米9月ISM(供給管理協会)製造業景況指数、同非製造業景況指数など重要指標の発表が相次ぐ。対する日本では自由民主党総裁選を前に、候補者の発言などに関心が向かいやすい。
ユーロ

- ユーロ高円安 174.95円(▲1.14円)
- 債券利回り 短期債 上昇/長期債 ほぼ横ばい
- 予想レンジ:1ユーロ=174円00銭-176円50銭
■為替
ユーロ・円は上昇した。週初9月22日は、日本株が上昇する中、リスク選好の動きが強まり、ユーロ買い・円売りが優勢となった。23日はユーロ圏9月総合PMI(購買担当者景気指数)が市場予想を上回ったことから、ユーロ・円は堅調となった。24日は、米利下げ期待の後退を受け、ユーロ・円は上昇した。25日は、欧州株式が下落する中、ユーロ・円は上値の重い展開となった。26日は米長期金利の上昇を受け、ユーロ買い・円売りが進んだ。

■債券
短期債利回りは上昇、長期債利回りはほぼ横ばいとなった。米国の金利上昇の影響を受けたものの、その後は利回りが低下した。ユーロ建て独2年債利回りは前週末の2.02%から2.03%に上昇、ユーロ建て独10年債利回りは前週末の2.75%からほぼ横ばいで越週した。
■為替見通し
ユーロ・円は、もみ合いか。10月2日に日銀の内田副総裁、3日には植田総裁の講演がそれぞれ予定されており、発言内容次第では今後の利上げが意識されそうだ。4日の自民党総裁選の投開票を控え、候補者の発言などが為替市場に与える影響についても注視したい。経済指標では、ユーロ圏9月HICP(消費者物価指数)速報値が予定されている。
豪ドル

- 豪ドル高円安 97.87円(▲0.32円)
- 債券利回り 短期債 上昇/長期債 上昇
- 予想レンジ:1豪ドル=96円00銭-99円00銭
■為替
豪ドル・円は上昇した。週初22日、23日と豪ドル・円は小安く推移するが、24日は豪8月CPI(消費者物価指数)が前年同月比3.0%上昇と、7月の同2.8%上昇から加速し、市場予想も上回ったことで利下げ観測が後退し、豪ドル・円は急伸。25日は米新規失業保険申請件数が予想以上に改善し、豪ドルが対ドルで下落する中、豪ドル・円は反落。豪ドル・円は26日も小幅に続落し、越週した。

■債券
短期債利回り、長期債利回り共に上昇した。豪債は週を通して売り優勢の展開。豪ドル建て2年債利回りは前週末の3.37%から3.52%に上昇、豪ドル建て10年債利回りは前週末の4.24%から4.39%に上昇して越週した。
■為替見通し
9月30日にRBA(豪準備銀行)政策理事会が開催され、10月3日には米9月雇用統計が発表される。RBA政策理事会では政策金利の据え置きが有力視されているが、声明の内容が想定以上にタカ派的となった場合、追加利下げ観測がさらに後退する可能性がある。
NZドル

- NZドル安円高 86.31円(▼0.39円)
- 債券利回り 短期債 ―/長期債 上昇
- 予想レンジ:1NZドル=85円00銭-87円00銭
■為替
NZドル・円は下落した。週初22日、23日とNZドル・円は小安く推移するが、24日は豪8月CPI(消費者物価指数)が前年同月比3.0%上昇と、7月の同2.8%上昇から加速し、市場予想も上回ったことで利下げ観測が後退し、豪ドル・円が急伸する中、NZドル・円は小反発。25日は米新規失業保険申請件数が予想以上に改善する中、NZドル・円は反落。NZドル・円は26日も小幅に続落し、越週した。

■債券
長期債利回りは上昇した。NZ債は弱含みでもち合う展開。NZドル建て10年債利回りは前週末の4.20%から4.23%に上昇して越週した。
■為替見通し
9月30日にRBA(豪準備銀行)政策理事会が開催され、10月3日には米9月雇用統計が発表される。RBA政策理事会では政策金利の据え置きが有力視されているが、声明の内容が想定以上にタカ派的となった場合、豪の追加利下げ観測がさらに後退する可能性があり、NZの追加利下げ観測が強まる中、NZドルの上値は重い展開が続きそう。
南アフリカランド

- ランド高円安 8.63円(▲0.10円)
- 債券利回り 短期債 ―/長期債 低下
- 予想レンジ:1ランド=8円30銭-8円70銭
■為替
ランド・円は上昇した。週初はミランFRB(米連邦準備制度理事会)理事が利下げの必要性を指摘したほか、米上院がつなぎ予算を否決したことで米政府閉鎖が意識され、円買いが優勢となった。ただ、南アの主要産品である金やプラチナ価格の上昇、南ア全株指数の堅調推移などを背景にランド買いが先行。米8月新築住宅販売件数や、米4-6月期GDP(国内総生産)確報値など強い米経済指標が続いたことでランドは対ドルで売られたものの、円がそれ以上に売られたためランド・円は上昇した。週末は米物価指標を材料に米利下げ期待が再び高まり、ランド買いが継続した。

■債券
長期債利回りは低下した。週前半は米長期金利の低下を受けて南ア債利回りも低下。週後半は南ア8月PPI(生産者物価指数)の強い結果を受けて債券売りが優勢となる場面もあったが、週末は南ア株高などを背景にしたリスクオンの債券買いが強まった。南アランド建て15年債利回りは前週末の10.17%から10.14%に低下して越週した。
■為替見通し
ランド・円は、方向感の乏しい展開とみる。金やプラチナ価格、南ア株の上昇が続けばランド相場の支えになるが、週内は雇用関連の米経済指標が相次ぐほか、週末には自民党総裁選の投開票を控えている。米労働市場の状況や、自民党総裁選の候補者の動向を見ながら思惑が交錯しそうだ。週内の主な南ア経済指標は、4-6月期雇用統計、8月貿易収支、9月製造業PMI(購買担当者景気指数)など。
ブラジルレアル

- レアル高円安 27.98円(▲0.20円)
- 債券利回り 短期債 上昇/長期債 ―
■為替
レアル・円は上昇した。週初22日は、米国の新たな制裁措置の発表を受け、レアルの上値は重かった。23日は、トランプ米大統領がブラジルとの対話を望んでいると発言したことが好感され、買いが優勢となった。週後半は9月中旬時点のIPCA(拡大消費者物価指数)やブラジル中銀総裁の会見待ちとなったが、引き続き、トランプ大統領のブラジルとの関係改善の意向が好感され、買いが優勢となった。また、原油高を背景にレアル・円は底堅く推移した。

■債券
短期債利回りは上昇した。米国の新たな制裁措置の発表を受け、ブラジル債券は売り優勢の展開となった。ブラジルレアル建て3年債利回りは前週末の13.18%から13.25%に上昇して越週した。
トルコリラ

- リラ高円安 3.59円(▲0.03円)
- 債券利回り 短期債 ―/長期債 上昇
■為替
リラ・円は上昇した。パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が米国の追加利下げに慎重姿勢を示したほか、強い米経済指標の発表が目立ったことで早期の米利下げ観測が後退し、ドル買い・円売りとなりリラ・円の上昇に波及した。期間中に発表された経済指標では、トルコ8月外国人観光客(前年比)がプラスに転じ前回分も上方修正されたほか、トルコ9月設備稼働率が前回分から若干ながら上昇した。

■債券
長期債利回りは上昇した。米国の追加利下げ観測の後退を背景に米金利が上昇し、トルコ国外への資金流出懸念がくすぶる中でトルコ債券が売られやすかった。ドル建てトルコ10年債利回りは前週末の6.76%から6.82%に上昇して越週した。
※為替および債券利回りは、9月26日のニューヨークの終値を使用
※( )内は、先週末比の数字
※リラ債券:債券マーケットが小規模のため、ドル建ての債券利回りを指標として用いています。
提供:コメント/ウエルスアドバイザー社、グラフ/SBI証券
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