梅雨明けで夏本番~「猛暑」関連の中小型株はコレ?

梅雨明けで夏本番~「猛暑」関連の中小型株はコレ?

投資情報部 鈴木 英之

2022/06/29

ようやく東証マザーズ指数が反発基調となってきました。
そうした中、日本列島において多数の地域で、観測史上最速の梅雨明けとなり、早くも夏本番を迎えることになりました。

今回の「新興株ウィークリー」では、夏本番を迎え、「猛暑」や「熱中症(への対応)」等をキーワードに、関連銘柄をご紹介したいと思います。

新興株ウィークリー※YouTubeに遷移します。

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夏本番!「猛暑」「熱中症」関連の中小型銘柄はコチラ!?

気象庁は6/27(月)、関東甲信や東海などで梅雨明けしたとみられると発表しました。6/28(火)も近畿、中国、四国、九州北部、北陸と広い範囲で梅雨明けとなりました。6月の梅雨明けは観測史上最速とみられます。

現在「ラニーニャ現象」が発生しており、熱帯太平洋東部の海面水温は平年より低く、太平洋西部の水温は高くなりやすいとみられます。さらに、欧州で熱波をもたらした大気が日本付近に達しているという分析も出ています。これらにより、太平洋高気圧が歴史的な強さとなり、異常に早期な梅雨明けにつながったとみられます。

これらの事情から、梅雨が早期に明けたことにとどまらず、暑さの厳しい「猛暑」が到来している可能性が高まりそうです。秋葉原の大手家電ショップのエアコン売り場は既に賑わっていましたが、今後もエアコンが売れ、ビールが飲まれ、アイスクリームが食べられる季節が続きそうです。

一方で、猛暑による熱中症の増加や、渇水被害の発生、台風の増加も心配されます。フィリピン付近の水温が高まり、台風が巨大化する可能性があるので、今から防災対策に心がけたい所です。

今回の「新興株ウィークリー」では、梅雨明けし、夏が本番に入ることで注目される「猛暑」や「熱中症(への対応)」等をキーワードに、関連する銘柄をご紹介したいと思います。一覧表として、下の図表に関連銘柄を掲載していますが、掲載条件は以下の通りです。

(1)スタンダード市場、またはグロース市場に上場
(2)各種報道等、または「猛暑」や「熱中症」、「台風」、「サマーストック」等のキーワードで検索し、導き出される銘柄
(3)6/27(月)までの20営業日の1日当たり平均出来高が1万株以上
(4)「継続企業の前提」に疑義が生じている銘柄でない

図表1の銘柄は、これらの条件をすべて満たしており、銘柄コード順に掲載しています。

今回ご紹介の銘柄に関しては季節性テーマの関連株であること鑑み、事前に投資期間をある程度定めておくことが有用な投資手段であると考えます。また、会社・市場予想の業績等も投資する際の判断材料の一つとしてご確認いただくことをお勧めします。

なお、東証プライム市場に上場するより多彩な銘柄群については、次回の「日本株投資戦略(2022/7/1更新予定)」でご紹介の予定です。

図表1 夏本番!「猛暑」「熱中症」関連の中小型銘柄はコチラ!?

取引 チャート ポートフォリオ コード 銘柄 株価
(6/28)
梅雨明けで注目の意外なサマーストックは?
1914 1914 1914 1914 日本基礎技術 590 建築基礎の特殊分野で活躍。台風による土砂災害を防ぐ等、防災分野の新工法も開発
3161 3161 3161 3161 アゼアス 677 防護服等が主力で「サル痘」関連でも話題。熱中症対策用の「使い切り空調服」を販売
4998 4998 4998 4998 フマキラー 1,142 殺虫剤大手。園芸用品も展開。海外売上高45.5%で円安が追い風か
5199 5199 5199 5199 不二ラテックス 1,946 ゴム製品を展開。繰返し使用が可能な氷枕「ひえぷるやわらかまくら」を販売
6072 6072 6072 6072 地盤ネットホールディングス 141 地盤解析専門企業。住宅の地盤調査・解析や証明サービスを行う
6612 6612 6612 6612 バルミューダ 3,700 デザイン性と機能性にこだわりの家電メーカー。扇風機が主力の一角
6897 6897 6897 6897 ツインバード工業 669 デザイン性の高い小型家電メーカー。扇風機やサーキュレーターも展開
7564 7564 7564 7564 ワークマン 5,310 作業服・作業用品。職人向けウェアの機能性を普段着に取り入れ客層急拡大中
  • ※Bloomberg、会社公表データをもとにSBI証券が作成。

以下、一部の銘柄について、ポイントをご紹介します。

日本基礎技術(1914)

★週足チャート(過去3年)

  • ※データは2022/6/29(日足) 10:30 時点。
  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

★連結業績(百万円)

  • ※当社Webサイトの業績表示ツールをもとに、SBI証券が作成。

■独自技術を持つ、地盤のスペシャリスト集団

独自技術を持つ地盤のスペシャリスト集団で、土地の調査から施工(地盤改良、地盤補強、自然復元、防災、減災)まで行う基礎工事の専門会社です。

官公庁への完成工事高(売上高)が全体の約6~7割となっており、主要取引先には国土交通省ほか各中央官庁、地方自治体、各独立行政法人があります。
また、7/10(日)に投開票日の参院選でも、主要政党は揃って防災・減災、国土強靭化に向けたインフラ投資に対し積極的姿勢を示しています。

■台風等の自然災害における被害の甚大化を防ぐ

猛暑日が多くなると、海面温度が上昇し、それに伴い台風勢力が強大化しやすくなります。

台風や地震、大雨等から起こる自然災害の被害の甚大化を防ぐために活躍しているのが当社です。

今期(2023/3期)については、国土強靭化関連の防災減災を中心とした公共事業投資は引き続き堅調に推移するとの見通しを示しました。

しかし、民間工事については、新型コロナウイルス感染拡大の影響や資材価格の高騰、働き方改革の進捗に伴う賃金の上昇による工事採算の悪化などで、前期以上に予断を許さない厳しい状況が続くとの見通しを示しています。

今期営業利益は会社予想が9億円で前期比19.8%増ですが、純利益に関しては民間工事での見通し悪化や米国現地法人の赤字経営等もあり、同19.7%減としています。             

猛暑で強大化する台風等、自然災害による被害が年々甚大化する中、公共事業投資がどれだけなされるのかが、業績面で大きな鍵となりそうです。

ワークマン (7564)

★週足チャート(過去3年)

  • ※データは2022/6/29(日足) 10:30 時点。
  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

★連結業績(百万円)

  • ※当社Webサイトの業績表示ツールをもとに、SBI証券が作成。

■一般顧客向けのPB(プライベートブランド)拡大で急成長

職人御用達店から、一般顧客向けのPB(プライベートブランド)拡大で急成長した衣料品チェーンです。

職人用作業服の最大手として長年培ったノウハウや技術力を用い、高機能且つ安価な製品を一般消費者に提供できることが強みです。

女性向けアパレル(ワークマン女子)や郊外(ワークマンプラス)への出店拡大と同時に、DX化で生産性の向上も図っています。

■猛暑で冷感ウェア等の需要拡大に期待

冷感ウェアも多数展開しており、高い遮熱機能と優れた接触冷感素材を使用し、インナーやTシャツといった一般的な商品のみならず、「4D冷感アイスパンツ」のようなデニム風ボトムスまで、他アパレルメーカーと比較して非常に幅広いラインナップとなっています。

さらに特筆すべき点として、今年は従来現場作業員向けであった「電動ファン付ウェア」の販売数量を一般顧客向けに増大し、販売数量を前年比約1.7倍にしたことが報じられています。

今期会社予想営業利益は前期比8.7%減ですが、猛暑日が続くことで売上高増加となり、今期業績予想の上方修正も期待できるかもしれません。

東証マザーズ指数の動きと物色傾向

東証マザーズ指数は、6/9(木)取引時間中高値700.75ポイントから6/20(月)同安値607.33まで13.3%下落後、6/28(火)の同高値678.98ポイントまで11.8%も反発しました。金利上昇・インフレと景気減速・後退が同居するスタグフレーションが懸念されて下げてきましたが、足元では下げ過ぎへの反動が出ているように思われます。

グロース市場全般の反発を反映し、東証マザーズ指数組み入れ銘柄の中で時価総額最大※のビジョナル(4194)は11.9%高となりました。さらにメドレー(4480)についても、特に材料がない中で同期間に14.3%高となりました。

その他の銘柄では、プレシジョン・システム・サイエンス(7707)が同期間に40.9%も上昇しました。6/24(金)の取引時間中にサル痘ウイルス向け検査キットの発売開始を発表し、当日含め2営業日連続でストップ高となりました。電力切り替え事業を手掛けるENECHANGE(4169)も急騰しました。需給ひっ迫で電力価格が上がる中、電力価格を抑えたい家庭や企業の利用が増えるとみられました。

※東証プライム市場に上場市場区分を変更したメルカリ(4385)は除外

図表2 日経平均株価と東証マザーズ指数の推移

  • ※SBI証券チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※2021/9/30終値を1として指数化。 期間:2021/9/30~2022/6/28

図表3 主な東証マザーズ指数構成銘柄の値動き

コード 銘柄名 株価(6/28) 週間 年初来
4194 ビジョナル 6,380 11.9% -34.3%
4478 フリー 3,400 7.6% -46.5%
4485 JTOWER 6,400 7.0% -33.7%
4565 そーせいグループ 1,161 12.4% -39.0%
4071 プラスアルファ・コンサルティング 2,257 6.8% -29.0%
4180 Appier Group 893 11.5% -33.0%
4480 メドレー 2,743 14.3% 15.6%
6027 弁護士ドットコム 3,935 7.7% -35.4%
7342 ウェルスナビ 1,829 0.3% -10.5%
3479 ティーケーピー 1,768 4.1% 28.3%
【ご参考】 日経平均株価 27,049.47 3.1% -6.1%
  TOPIX 1,907.38 2.8% -4.3%
  東証マザーズ指数 677.37 5.8% -31.4%
  • ※Bloombergデータを用いてSBI証券が作成。
  • ※銘柄名はBloombergの表記により、当社WEBサイト・本文中の表記と異なる場合があります。
  • ※東証マザーズ指数構成銘柄の時価総額上位10銘柄について、6/28時点での各種騰落率を掲載。(東証プライム市場に上場市場区分を変更したメルカリ(4385)は除外)
  • ※新規上場銘柄は東証マザーズ指数への組み入れ後に掲載開始となります。
  • ※「週間」は2022/6/21~2022/6/28の騰落率。
  • ※個別銘柄の「年初来」は昨年末株価と6/28時点の株価比較。
  • ※指数の「年初来」は株価による単純計算。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

図表4 6/21(火)~6/28(火)で株価上昇が大きかった東証マザーズ指数構成銘柄

コード 銘柄名 株価(6/28) 週間 年初来
4772 ストリームメディアコーポレーション 233 44.7% 59.6%
7707 プレシジョン・システム・サイエンス 541 40.9% 11.5%
4169 ENECHANGE 1,366 32.2% -31.4%
4168 ヤプリ 2,184 30.9% -41.1%
4013 勤次郎 1,183 28.2% 16.6%
3496 アズーム 8,140 25.6% 33.4%
4375 セーフィー 671 23.6% -69.4%
3936 グローバルウェイ 397 22.9% 31.0%
3793 ドリコム 640 19.9% 40.0%
9522 リニューアブル・ジャパン 741 19.7% -56.6%
  • ※Bloombergデータを用いてSBI証券が作成。
  • ※銘柄名はBloombergの表記により、当社WEBサイト・本文中の表記と異なる場合があります。
  • ※東証マザーズ指数構成銘柄(前月末時価総額100億円以上)において、週間の株価上昇率が大きい上位10銘柄を掲載。(東証プライム市場に上場市場区分を変更したメルカリ(4385)は除外)
  • ※新規上場銘柄は東証マザーズ指数への組み入れ後に掲載開始となります。
  • ※「週間」は2022/6/21~2022/6/28の騰落率。
  • ※個別銘柄の「年初来」は昨年末株価と6/28時点の株価比較。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

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