株価下落で、どうする個別株投資

株価下落で、どうする個別株投資

投資情報部 栗本 奈緒実

2024/10/28

【1】「損」で大きく動揺するのは、人間の特性

株式投資を行っていると、何かしらの悪材料による株価の大幅下落を経験することがあります。投資で損失が発生することに対し、「怖い」と思うことは人間心理として当然といって良いでしょう。

2002年、「プロスペクト理論」を提唱した行動経済学者がノーベル経済学賞を受賞しました。同理論は、「なるべく損をしたくない!」という人間の心理的傾向を経済学に応用した論説です。これによると、同じ金額の利益よりも、損失の方が精神的に大きな影響を及ぼすとされています。

保有株式の価格下落で焦ったり、戸惑ったりしてしまうことは、一種の科学的理論に基づいた人間の特性であることがわかります。決して初心者だからではなく、人間であるがゆえにあたり前のことです。ただ、同理論を念頭に置いておくことで、状況を少しでも客観的かつ落ち着いて確認することが可能だと考えられます。

【2】個別株投資は「長期・積立・分散」だけじゃダメ!?

全世界や主要国等のインデックス(指数)に連動する商品を、長期にわたり積立投資をしたい方or積立投資を行っている方は、急激な相場変動でも動揺することは少ないと思われます。一般的には、株価が大幅に下落した際に「長期・積立・分散」を意識しながらコツコツ買いましょうといった声が頻繁に聞こえます。

しかし、個別株投資を行っている方は注意が必要です。大きな材料が発生した際、放置はおすすめできません。個別株投資では、インデックス投資より値上がり・値下がりが大きくなり易いため、その企業や事業環境の変化といった情報を注意深く確認する必要があります。その企業や周辺を取り巻く事業環境などの情報を確認する必要があります。

保有株式が大幅に下落した時は、慌てず、一旦立ち止まってみてください。まず、株価が下落した理由を探りましょう。主に大きな理由として、2点挙げられます。

① 想定していた成長ストーリーなどに悪影響を及ぼすもの

  • ▷ ① の場合、売却するのも一手です。例えば、「新薬開発による業績拡大期待から製薬会社A社の株を買っていたが、競合他社に後れをとった」、「海外での売上増加を見込みメーカーB社の株を買ったが、国家間の関係悪化により輸出制限が行われ業績悪化の懸念が生じた」などが挙げられます。

② 相場全体の下げに連動したもの、いわゆる連れ安

  • ▷ ② の場合は、特筆する悪材料がなく、周りにつられて売られた(下落した)状態です。その場合、割安と判断して買い増しを行うことも一手です。また、反面、今まで買いたかったけれど、中々高くて手が出しにくかった株を買うチャンスとも捉えることができます。

まとめ

個別株投資では、長期的な積立と分散投資だけでなく、企業や事業環境などの情報を随時確認する必要があります。「ほったらかし」はおすすめできません。株価の大幅下落時には、買い増しや売却等の判断を状況に応じて行うことも重要です。

免責事項・注意事項

・本資料は投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたもので、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資に関する最終決定は投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。万一、本資料に基づいてお客さまが損害を被ったとしても当社及び情報発信元は一切その責任を負うものではありません。本資料は著作権によって保護されており、無断で転用、複製又は販売等を行うことは固く禁じます。

【手数料及びリスク情報等】

SBI証券で取り扱っている商品等へのご投資には、各商品毎に所定の手数料や必要経費等をご負担いただく場合があります。また、各商品等は価格の変動等により損失が生じるおそれがあります(信用取引、先物・オプション取引、商品先物取引、外国為替保証金取引、取引所CFD(くりっく株365)では差し入れた保証金・証拠金(元本)を上回る損失が生じるおそれがあります)。各商品等への投資に際してご負担いただく手数料等及びリスクは商品毎に異なりますので、詳細につきましては、SBI証券WEBサイトの当該商品等のページ、金融商品取引法等に係る表示又は契約締結前交付書面等をご確認ください。