投資情報部 齊木 良

レポート作成日:2026/07/03

お知らせ

米国株式市場のポイントや注目銘柄として個別株5銘柄をご紹介いたします。コンテンツは毎月1回の更新予定ですので、ぜひご参考になさってください。7月のコンテンツのテーマは「宇宙関連」です。

6月の米国株式市場は半導体株が牽引を見せるなか、そのボラティリティも大きくなり、半導体以外にも物色が広がるセクターローテーションが見られる展開となりました。米・イランが暫定和平合意に至ったことがポジティブ材料視され、NY原油先物価格はピークアウト感を強めています。一方、ウォーシュ新体制初となったFOMC(米連邦公開市場委員会)では、物価安定への意欲を示すとともに、米金融当局者の金融政策の年内見通しが利上げに傾斜したことから、マーケットでは利上げ観測が高まりました。月間ベースではNYダウと半導体のSOX指数が3カ月続伸、S&P500とナスダックは3カ月ぶり反落となりました。月末にかけてNYダウのほか、S&P500資本財・サービス指数や同ヘルスケア指数が史上最高値を更新する場面がありました。S&P500指数の11業種における月間セクターパフォーマンスは資本財・サービスやヘルスケア、金融などが上げて、コミュニケーション・サービスやエネルギーなどが下げました。なお、6月29日からアルファベットがNYダウに採用されました。

7月の米国株は次の5点がポイントになると考えています。

①中東情勢とNY原油先物価格

4-6月期決算発表シーズン

CPI714日発表予定)

FOMC(同28-29日開催予定)

4-6月期実質GDP速報値(同30日発表予定)

今後、米・イランの暫定和平合意が前進に向かう場合、NY原油先物価格は下落が見込まれインフレ懸念が後退すると考えられます。一方、交渉がまとまらない場合は、原油価格に上昇圧力がかかりやすいため、原油価格動向には引き続き注意が必要です。一方、米企業業績に目を向けると、市場予想でS&P500指数採用企業の4-6月期EPS成長率はエネルギーや情報技術、素材セクターの牽引などで前年比で約23%の高い伸びが見込まれています。今年のS&P500指数の株価上昇要因はEPS成長で総じて説明できるため、好業績を示すことができれば株高をサポートしそうです。特にM7を中心として、AI・半導体関連企業におけるAI収益化の進展状況や半導体需給などがポイントになりそうです。また、FOMCでは政策金利据え置きが見込まれています。声明文の内容に変更が生じるかどうか、今後の金融政策を占ううえで重要視されそうです。

なお、米国株は7月株高傾向のアノマリーがあります。過去20年間のS&P500指数の7月月間騰落率を見ると、その平均は約2.4%高と月別ではトップクラスの上昇率と好調です。特に過去11年連続で7月は月間上昇を記録し、株式市場は季節的な追い風を迎える可能性があります。併せて、好調が見込まれる米企業のファンダメンタルズにマーケットの焦点が集まれば、米国株は上値を試す可能性も想定されます。

今回のコンテンツのテーマは「宇宙関連」です。直近四半期実績では大幅増収を見せる関連企業も散見され、宇宙関連サービスへの需要が確認できます。今回紹介する個別銘柄とETFは、当社においてNISA対象となります。なお、当社Webサイト>マーケット>ランキング>外国株式から米国株式の売買代金ランキングなどが確認できますので、ぜひご活用ください。

当コンテンツはBloombergデータ、各社資料、各種報道、当社Webサイトを基にSBI証券が作成

SBI証券 アナリスト注目銘柄

今回の5銘柄の選定ポイントは次の3点です。

1.宇宙関連

2. 直近四半期実績の売上高成長率30%以上(前年比ベース)

3.年初来パフォーマンスがS&P500(約9.3%高)を上回る(7/2時点)

  1. 1AST スペースモバイル(ASTS)

    ・宇宙空間とのセルラー・ブロードバンド・ネットワーク (スマホ直接通信)を構築しています。衛星とスマホを結ぶスマホ直接通信で圏外が少なくなり、エリアカバーがより広範囲になることが見込まれ、今後の市場拡大が期待されます。地上ゲートウェイ局の納品や米政府向け案件の寄与で、収益化しつつあります。

    ・米通信大手のAT&Tやベライゾン コミュニケーションズなどと関係を構築しています。

    ・2025年12月には商用で過去最大級となる「ブルーバード6(衛星)」の低軌道投入に成功しました。2026年6月には「ブルーバード8」、「ブルーバード9」、「ブルーバード10」も成功しており、会社側は8月にも計画しています。

    1. 宇宙空間とのスマホ直接通信のネットワーク構築

    2. 2026年1-3月期の売上高は前年比約20.5倍

    3.年初来パフォーマンスは約17.2%高

  2. 2インテュイティヴ マシーンズ A(LUNR) 

    ・宇宙技術インフラ・サービス企業です(月への輸送、データ伝送など)。顧客はNASA(米航空宇宙局)や米国防総省などです。

    ・2024年に同社の月着陸船「オデュッセウス」が民間企業として世界初となる月面着陸に成功しました。

    ・2026年1-3月期は調整後EBITDAが黒字転換、3月末の受注残高は約10.5億ドルに拡大しました。会社側は2026年12月期の売上高を最大10億ドル、調整後EBITDAの黒字を見込んでいます。

    ・2026年6月に、NASAから⽉⾯ミッションで最大1.48億ドルの契約獲得を発表しました。

    1.宇宙技術インフラ・サービス企業

    2.2026年1-3月期の売上高は買収効果などを背景に前年比約3倍

    3.年初来パフォーマンスは約20.6%高

  3. 3プラネット ラボズ(PL) 

    ・数百基の衛星を運営し、地球上の陸地に関する平均3,000枚強の画像データセットを収集しています。NASA出身の3名の科学者によって、2010年に設立されました。

    ・2026年1月期の売上高は過去最高で、調整後EBITDAは黒字化しました。顧客は農業やエネルギー、金融、政府機関など業種が多岐にわたります。

    ・2026年2-4月期の売上高は過去最高で、受注残高は前年比72%増の約9億ドルと好調です。会社側は2027年1月期の調整後EBITDAを損益トントンから1,000万ドルの黒字と見込んでいます。

    1.衛星データの提供サービス企業

    2.2026年2-4月期の売上高は前年比約42%増

    3.年初来パフォーマンスは約59.1%高

  4. 4ロケット ラボ コーポレーション(RKLB)  

    ・小型ロケット「エレクトロン」の設計・製造と中型ロケット「ニュートロン」の開発を行っています。6月22日からナスダック100指数に採用されています。

    ・2025年は21回打上げて、100%成功しました。同12月には日本のJAXA(宇宙航空研究開発機構)の小型実証衛星4号機を打上げました。

    ・2026年6月には、打上げ実績や高い精度などを理由にNASAの2つのミッション向けに同社が選定されました。2027年から順次、同社「エレクトロン」が打上げされる見通しです。このほか、イリジウム コミュニケーションズの買収合意も発表しました。同社の打上げおよび衛星製造事業がイリジウムの衛星ネットワークと統合されます。垂直統合型の宇宙関連企業として注目されそうです。

    1.ロケット製造・開発企業

    2.2026年1-3月期の売上高は前年比約63%増

    3.年初来パフォーマンスは約44.0%高

  5. 5iシェアーズ 米国航空宇宙&防衛 ETF(ITA) 

    ・ダウ・ジョーンズ米国セレクト航空宇宙&防衛指数に連動する投資成果を目指すETFです。

    ・保有上位銘柄は、ボーイングやロッキード マーチン、ロケット ラボ コーポレーションなどです。

    ・設定は2006年5月、経費率は0.38%、総資産は約144億ドルです(7/1時点)。

    1. 代表的な宇宙関連ETFのひとつ

    2.「ー」

    3.年初来パフォーマンスは約15.6%高

著者プロフィール

齊木 良 (さいき りょう)

シニア・マーケットアナリスト(米国株担当)
(日本証券アナリスト協会 認定アナリスト) 

名古屋大学経済学部卒業。東海東京証券において主に外国株プロモーション、外国株トレーディングに従事。機関投資家向けの日本株トレーディングにも携わる。米国の証券会社へのトレーニー、コロンビア大学ビジネススクール客員研究員等を経て2022年4月よりSBI証券投資情報部に所属。ファンダメンタルズとトレーディングの両面から米国株を分析する。初心者向けやETFなど幅広いコンテンツも作成している。各種メディアでマーケットや個別銘柄に関するコメントも行う。毎週3Km泳ぐことをルーティンとしているほか、プロ野球やバレーボール等のスポーツ観戦のため野球場やドーム、アリーナによく通っている。

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