投資情報部 齊木 良

レポート作成日:2026/02/06

お知らせ

米国株式市場のポイントや注目銘柄として個別株5銘柄をご紹介いたします。コンテンツは毎月1回の更新予定ですので、ぜひご参考になさってください。2月のコンテンツのテーマは「宇宙開発関連」です。

1月の米国株式市場はグリーンランドを巡る関税やベネズエラとイラン情勢への懸念がくすぶりましたが、企業業績への期待感やグリーンランド関税撤回とイラン攻撃回避などを背景にNYダウとS&P500指数、半導体のSOX指数が史上最高値を更新する場面がありました。月間ベースでNYダウが9カ月続伸となり、S&P500指数が反発、ナスダックは3カ月ぶり反発となりました。S&P500指数の11業種におけるセクターパフォーマンスはエネルギーや素材、生活必需品などが上げて、金融や情報技術などが下げており、セクターローテーションが目立ちました。なお、1/30にトランプ大統領が新しいFRB議長としてウォーシュ元FRB理事を指名したことで、利下げに前向きながら一部タカ派的な側面があるとの見方から、特に金・銀先物価格が大幅下落となる場面がみられました。

2025年の米国株上昇を牽引した企業業績は引き続き堅調に推移しています。S&P500指数採用銘柄の中で決算発表を行なった287社のうち、EPSが市場予想を上回るポジティブサプライズ比率は約8割とヒストリカルにみて高水準です。主力企業ではアップル(AAPL)の25年10-12月期は売上高とEPSが過去最高となったほか、メタ プラットフォームズ (META)は広告が好調でした。一方、マイクロソフト(MSFT)とアルファベット (GOOGL)、アマゾン ドットコム(AMZN)はアグレッシブな設備投資がネガティブ材料視され、AI過剰投資懸念が根強いことが示唆されました。

2月の米国株は次の5点がポイントになると考えています。

①ウォーシュ氏の次期FRB議長指名が議会承認されるかどうか

②ビットコインや金・銀価格動向

③雇用統計(11日発表予定)

CPI13日発表予定)

⑤エヌビディア決算発表25日予定)

ウォーシュ氏の次期FRB議長指名が議会の承認を得られるかどうか注目されます。なお、任期満了のマイランFRB理事の後任としてウォーシュ氏をFRB理事に充てるとの見方もあります。一方、司法省によるパウエルFRB議長への捜査を理由に、米上院での承認プロセスが遅れる見通しにあり、議会承認に長期化するリスクがある点は注意が必要です。

ビットコインは下げトレンドが続いていて、米大統領選以降の上げが帳消しになっています。金・銀先物価格のボラティリティは依然として高く、当面はビットコインや金・銀先物価格が落ち着きを見せるかどうか注視されそうです。

一方、CPIに関しては市場予想では前年比2.5%増と前回(同2.7%増)からインフレ鈍化が見込まれています。1月のFOMCでは景気認識や雇用に関する表現をやや上方修正したほか、1月のISM製造業景況指数が好不況の節目である50を上回ったことから、「景気堅調+インフレ鈍化」というゴールディロクス(適温状態)的な環境になれば、株式市場にはポジティブな影響をもたらしそうです。なお、雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比7.1万人増と改善見通しです。

エヌビディア(NVDA)の25年11月-26年1月期決算はAI需要を背景に市場予想で前年比67%増収、同71%増益が見込まれています。一方、競合するアドバンスト マイクロ デバイシズ(AMD)は1-3月期売上高見通しが一部の高い市場予想を下回ったことを背景に、決算発表翌営業日に約17%急落したため。エヌビディアも市場予想を大きく上回る売上高見通しが必要になりそうです。それが確認されるまではAI半導体関連株は神経質な展開も想定されます。

今回のコンテンツのテーマは「宇宙開発関連」です。2026年は、①NASA有人月探査(アルテミス計画として月の周回飛行、3月以降予定)、②スペースXのIPO観測(史上最大級か)などが注目されます。

当コンテンツはBloombergデータ、各社資料、各種報道、当社Webサイトを基にSBI証券が作成

SBI証券 アナリスト注目銘柄

今回の5銘柄の選定ポイントは次の3点です。

1.宇宙開発関連

2. 時価総額10億ドル以上(2/5時点、ETFは総資産)

3.アナリストの投資判断が買いと中立で過半数

  1. 1ロケット ラボ コーポレーション(RKLB) 

    カリフォルニア州に本社があり、2006年創業の宇宙関連企業です。小型ロケット「エレクトロン」の設計・製造と中型ロケット「ニュートロン」の開発を行っています。2018年の初打上げ成功後、「エレクトロン」は打上げ回数で米国トップクラスです。NASAのミッションをサポート。2025年は21回打上げて、100%成功しました。同12月には日本のJAXAの小型実証衛星4号機を打上げました。市場予想では26/12期EPSは赤字見通しですが、27/12期に黒字転換の見通しです。

    1. ロケット開発

    2. 時価総額は約385億ドル

    3.アナリスト投資判断:買い10、中立5、売り0

  2. 2インテュイティヴ マシーンズ A(LUNR) 

    テキサス州に本社がある宇宙技術・インフラ・サービス会社です(月への輸送、データ伝送など)。顧客はNASAや米国防総省、企業、欧州やアジアの宇宙関連機関です。2024年に同社の月着陸船「オデュッセウス」が民間企業として初となる月面着陸に成功しました。市場予想では25/12期EPSは赤字見通しですが、26/12期に黒字転換の見通しです。

    1. 宇宙技術・インフラ・サービス会社

    2. 時価総額は約30億ドル

    3.アナリスト投資判断:買い8、中立1、売り1

  3. 3AST スペースモバイル(ASTS) 

    宇宙空間とのセルラー・ブロードバンド・ネットワーク(スマホ直接通信)を構築しています。25年10月に米通信大手ベライゾン コミュニケーションズと契約合意、26年から必要に応じてサービス開始へ。25年12月には低軌道上での商用で過去最大級となる「ブルーバード6(衛星)」の打上げに成功しました。顧客として米国政府を抱えています。なお、スペースXのスターリンク(衛星インターネットサービス)と競合関係にあります。

    1.宇宙空間とのセルラー・ブロードバンド・ネットワーク構築

    2.時価総額は約344億ドル

    3.アナリスト投資判断:買い4、中立5、売り2

  4. 4ボーイング(BA) 

    民間航空機、防衛・宇宙&セキュリティ、グローバル・サービス部門(メンテナンスやトレーニングサポートなど)の3つのセグメントで事業展開しています。アルテミス計画で打上げ予定の宇宙船「オリオン」を搭載するスペース・ローンチ・システム(SLS)ロケットを製造しています。なお、25年10-12月期のフリーキャッシュフローは2四半期連続のプラスでキャッシュ創出が進んでいます。

    1. 防衛・宇宙関連大手

    2.時価総額は約1861億ドル

    3.アナリスト投資判断:買い25、中立7、売り1

  5. 5iシェアーズ 米国航空宇宙&防衛 ETF(ITA) 

    ダウ・ジョーンズ米国セレクト航空宇宙&防衛指数の価格および利回りにほぼ連動する投資成果を目指すETFです。保有銘柄上位はGE エアロスペース(GE)やRTX(RTX)、ボーイング(BA)、ロッキード マーチン(LMT)、ノースロップ グラマン(NOC)などです。設定は2006年5月、経費率は0.38%です。

    1. 航空宇宙・防衛関連ETF

    2.総資産は約146億ドル

    3.無し

著者プロフィール

齊木 良 (さいき りょう)

シニア・マーケットアナリスト(米国株担当)
(日本証券アナリスト協会 認定アナリスト) 

名古屋大学経済学部卒業。東海東京証券において主に外国株プロモーション、外国株トレーディングに従事。機関投資家向けの日本株トレーディングにも携わる。米国の証券会社へのトレーニー、コロンビア大学ビジネススクール客員研究員等を経て2022年4月よりSBI証券投資情報部に所属。ファンダメンタルズとトレーディングの両面から米国株を分析する。初心者向けやETFなど幅広いコンテンツも作成している。各種メディアでマーケットや個別銘柄に関するコメントも行う。毎週3Km泳ぐことをルーティンとしているほか、プロ野球やバレーボール等のスポーツ観戦のため野球場やドーム、アリーナによく通っている。

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