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米国株式市場のポイントや注目銘柄として個別株5銘柄の紹介を致します。コンテンツは毎月1回の更新予定ですので、ぜひご参考になさってください。7月のコンテンツのテーマは「アップルとアップル関連」です。

レポート作成日:2024/07/01

6月の米国株式市場を振り返ると、CPI(消費者物価指数)が市場予想を下回りインフレ鈍化が好感された他、小売売上高が市場予想を下回り米10年債利回りが低下基調だったこと等を背景にS&P500指数とナスダックが終値ベースで史上最高値を更新する場面がありました。エヌビディア(NVDA)が一時時価総額で世界最大になりましたが、その後は短期調整モードで半導体株全般がやや弱い動きとなりました。セクター(S&P500の11業種)は情報技術や一般消費財・サービス、コミュニケ-ション・サービス等が上げ、公益や素材、エネルギー等が下げました。個別株ではマイクロソフト(MSFT)やアルファベット A(GOOGL)、アマゾン ドットコム(AMZN)等が上場来高値圏で、フェデックス(FDX)やAT&T(T)等が52週高値圏です。また、アーム ホールディングス ADR(ARM)は6月24日からナスダック100指数に採用されています。なお、S&P500指数採用銘柄で株価が200日線を超えている比率は67%です。

7月の米国株の注目点は、①CPI(7月11日発表予定)、②4-6月期決算発表シーズン、③トランプ前大統領への量刑言い渡し(7月11日予定)、④FOMC(7月30-31日予定)と考えています。CPIについては市場予想を下回りインフレ鈍化を示すかどうか注視されます。S&P500指数採用銘柄の4-6月期決算は市場予想で約9%増益が見込まれており、実績がこれを上回るかどうか注視されます。また、米大統領選挙まで残り約4カ月となる中、トランプ前大統領への量刑言い渡しで人気や支持率等に影響が生じるかどうか注視されます。FOMCでは政策金利の据え置きが見込まれています。本格的なサマーラリーになるかどうかを占う上で、上記4つのポイントのうち特にCPIと決算発表が重要と考えられます。なお、米大手金融機関のストラテジストは年末時点のS&P500指数の目標値を5600に上方修正しています。

今回のコンテンツではテーマとしてアップルとアップル関連を取り上げます。アップル株は年初来パフォーマンスでマイナス基調が続いていましたが、WWDC(世界開発者会議)におけるAI戦略発表等を背景にそのパフォーマンスがプラス転換して上場来高値圏で推移しており、復活の動きが見られます。また、過去5年の7月月間騰落率はいずれもプラスとなっており、こうした堅調な動きも今後フェイバーに捉えられる可能性があります。以上を背景としてアップルとアップル関連が注目される可能性があると考えています。

当コンテンツはBloombergデータ、各社資料、各種報道、当社Webサイトを基にSBI証券が作成

投資情報部 齊木 良

SBI証券 アナリスト注目銘柄

今回の5銘柄の選定ポイントは次の3点です。

1.アップルとアップル関連

2. 市場予想で2期増収見通し

3.12カ月トータルリターンがプラス

  1. 1アップル(AAPL)

    スマートフォンの「iPhone」、タブレットの「iPad」、パソコンの「Mac」、ウェアラブルデバイスの「Apple Watch」、音楽ストリーミングの「Apple Music」、決済サービスの「Apple Pay」、クラウドサービスなどの機器やサービスを手がけています。地域別の売上高構成比をみると米州が42%、欧州が25%、大中華圏が19%、日本が6%、その他アジア太平洋が8%となっています(2023年9月期)。6月に実施されたアップルのWWDC(世界開発者会議)におけるAI戦略発表(オープンAIのチャットGPTとの連携等)をきっかけに同社株が回復基調にあります。なお、5月には1100億ドルの米史上最大規模の自社株買い計画を発表しました。

    1.アップル(時価総額はマイクロソフトに次いで2位、6月28日時点)

    2. 24/9期は1%増収見通し、25/9期は8%増収見通し

    3.12カ月トータルリターンは+9.2%

  2. 2アファーム ホールディングス(AFRM)

    後払い決済で有名な同社は2012年に設立され、2021年にナスダックに新規上場しました。アクティブ・コンシューマーの年平均成長率は52%、売上高は35%です(2021-2023年度)。2023年6月期のアクティブ・コンシューマーは1650万、取引総額は202億ドルです。地域別売上高比率は米国が97%、カナダ3%等です。アクティブ・マーチャント(販売業者)は2023年6月末時点でおよそ25.4万です。アマゾン ドットコムやショッピファイ A等と提携しています。なお、アップルはアファーム社の決済サービスを米国のアップルペイユーザーが今年後半から利用できるようになると明らかにしており、成長分野として業績成長期待が高まる可能性があります。

    1.アップル関連

    2. 24/6期は43%増収見通し、25/6期は22%増収見通し

    3.12カ月トータルリターンは+97.1%

  3. 3ブロードコム(AVGO)

    カリフォルニア州に本社がある半導体企業です。ブロードバンドやネットワーキング、ワイヤレスといった様々な分野における半導体の設計・開発・供給を行っています。2023年10月期の売上高比率は半導体ソリューション79%、インフラストラクチャ・ソフトウェア21%です。アップル向け売上高比率はおよそ20%です。2-4月期はAI需要等を背景に売上高及びEPSともに市場予想を上回りました。2024年10月期の売上高見通しを上方修正しました(約500億ドル→約510億ドル)。なお、会社側は2024年10月期のAI関連売上高を110億ドル強と見込んでいます。1対10の株式分割計画も発表しました。

    1.アップル関連

    2.24/10期は44%増収見通し、25/10期は17%増収見通し

    3.12カ月トータルリターンは+88.4%

  4. 4シーラス ロジック(CRUS)

    テキサス州に本社があります。世界の主要なモバイル及びコンシューマー・アプリケーション向け(タブレットやウェアラブル、ラップトップ、拡張現実/仮想現実ヘッドセット等)に省電力及び高精度ミックスド・シグナル・プロセッシング・ソリューションを提供しています。2024年3月期の売上高比率は中国が62%、米国1%、その他海外37%です。1-3月期は売上高とEPSともに市場予想を上回り、決算発表以降の株価は上値追いで好調に推移しています。同社にとってアップルは大手のエンドカスタマーであり、アップル株のパフォーマンス改善局面では同社にもマーケットの関心が集まりやすいと考えられます。

    1. アップル関連

    2.25/3期は1%増収見通し、26/3期は8%増収見通し

    3.12カ月トータルリターンは+57.6%

  5. 5台湾セミコンダクター ADR(TSM)

    台湾に本社がある世界最大のファウンドリー(半導体受託生産)です。2023年には528の顧客にサービスを提供し、ハイ・パフォーマンス・コンピューティングやスマートフォン、IoT、自動車、デジタル家電等の様々な最終市場をカバーする11895の製品を製造しました。日本の熊本県の工場が完成し、2024年末までに生産を開始する計画です。また、米国アリゾナ州の第1工場は2025年前半の生産開始を計画しており、第2工場は2028年予定です。第3工場の建設計画も発表しました。なお、月次売上高の伸び(前年比)は2024年1月が約8%増、2月約11%増、3月約34%増、4月約60%増、5月約30%増と好調トレンドです。

    1.アップル関連

    2.24/12期は22%増収見通し、25/12期は22%増収見通し

    3.12カ月トータルリターンは+75.2%

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