ルメンタム、コヒレント、コーニングの米国電線株が急騰!!なぜ今、電線株なのか?

ルメンタム、コヒレント、コーニングの米国電線株が急騰!!なぜ今、電線株なのか?

投資情報部 榮 聡

2026/03/11

(1)大幅に上昇した米国の電線株

今回は日米の株式市場で盛り上がっている電線株について、アップデートいたします。

〇米国の電線株も大幅な株価上昇

米国の電線株については、2024年9月4日掲載の「株価大幅上昇のフジクラは北米DC向けが好調!!米国の類似銘柄を探る」で取り上げました。

その後の1年程度は大勢横ばい圏の推移となりましたが、2025年7-9月期決算が発表された昨年10月頃に動意付いてから大幅な上昇となっています。

株価は光ファイバーのコーニング(GLW)3.3倍、光学部品のコヒレント(COHR)3.5倍ルメンタム ホールディングス(LITE)12.1倍と、AIデータセンター関連銘柄の中でも、目立つ上昇となりました(図表2、レポート掲載日から 3/10(火)まで)。

このような大幅な株価上昇を受けて、コヒレントとルメンタムは3/23(月)からS&P500指数に新規採用となります(コーニングはS&P500指数の構成銘柄です)。

〇エヌビディアが光学部品のコヒレント、ルメンタムに出資

また、3/2(月)にエヌビディアが光学部品企業のコヒレントとルメンタムに20億ドルずつ出資することが報じられて、電線株(光関連銘柄)全般に注目が集まりました。

エヌビディアはAI半導体市場の8割以上のシェアを保持しており、AIデータセンター投資の端から端までを見渡す立場にあり、盟主的な役割を果たしています。AIデータセンター投資のボトルネックとなり得る要素に対して、先回りして資金を提供して、設備投資を促しているとみられます。これは光関係の製品が、これから重要性を増すと示唆していると言えるでしょう。

年初のCES(家電見本市)でエヌビディアのフアンCEOが、「データセンターのストレージは完全に供給不足の市場だ(unserved market)」とコメントして、ストレージ関連銘柄の株価が急騰したことは記憶に新しいです。

〇株価上昇幅の違いはどこにあるのか?

電線株3社の株価はいずれも上昇基調となっていますが、上昇幅には大きな違いがあります。

上昇幅の違いの主な要因は、データセンターに関連する売上比率の違いだとみられます。

コーニングは光ファイバー、光コネクタ以外にフラットディスプレイのガラス基板、スマホのガラスなどの事業も大きいため、データセンター関連の売上比率が他社よりも小さいことで株価の上昇が相対的に小さくなっているとみられます。

コヒレントのデータセンター&コミュニケーション部門の売上構成比は65%で、データセンター関連の売上構成比はコーニングよりも大きいと考えられます。

ルメンタムはデータセンター事業の売上構成比が80%以上と考えられる上に、光通信の新技術に関連する受注(第2、第3節で述べています)が積みあがっていることが、大幅な株価上昇の要因とみられます。

図表2 大幅に上昇した米国の電線株

(2)データセンター内で光技術が重要になっている

光関連銘柄の株価が大幅に上昇したり、エヌビディアが出資するといった背景には、データセンター内で光技術が重要になっているためと考えられます。

〇データセンター内で光技術が重要になっている理由

現在のAIデータセンターでは、AIのモデルが巨大になったために、1台のAIコンピュータでは必要な計算を処理することができず、AIコンピュータを複数格納したラック単位で処理する、また、複数のラックを接続して処理するようになっています。このため、ラック間の通信、ラックの中のAIコンピュータ間の高速通信が必要となり、光技術に対する需要が拡大しています。

この状況を確認できるのが、エヌビディアのデータセンター売上の動向です。同社は昨年8-10月期からデータセンターの売上をコンピュート(AI半導体)とネットワーキング(接続機器)に分けて開示していますが、ネットワーキングの伸びが著しく、データセンター売上の中で比率が上昇しています。

図表3に示した11-1月期のケースでは、コンピュート売上は前年同期比57%増であるのに対して、ネットワーキング売上は同3.7倍に増えて、データセンター売上の構成比も2割を超えてきています。

このような勢いで増えているために、光学部品のルメンタム、コヒレント、光ファイバー・光コネクタのコーニング、アンフェノールなど光関連銘柄の売上急増につながっているとみられます。

〇光技術のさらなる発展も見込まれている

AIデータセンター内での通信の高速化、大容量化、省電力化のカギとなっているのが光技術であると考えられます。これまで主にAIコンピュータのラック間の通信で使われてきましたが、ラック内のAIコンピュータ同士の接続にも使われるようになっています。

さらに、以下にあげる新技術の発展が見込まれています。

・OCS(optical circuit switches) ・・・光信号を電気に変換せず、光のまま経路を切り替えるスイッチ技術です。低遅延、高帯域、低消費電力(従来の電子スイッチの5~10倍)が特徴です。パケット単位のような超高速切り替えには適しませんが、データセンター内には適した用途があります。

・CPO(co-packaged optics)・・・AI半導体チップのパッケージの中に光通信のモジュールを搭載する技術です。従来の基板上の光モジュールとは異なり、チップの直近に配置することで銅配線を短縮し、データ伝送の高速・大容量化と、消費電力(約30%削減)および低遅延を同時に実現します。

〇光関連の基本的な製品

光関連製品は普段あまり目にすることがなくなじみがないため、どのようなものがあるか簡単に説明いたします。

・レーザーダイオード・・・電気信号を光に変換する発光素子。

・フォトダイオード・・・光を電気信号に変換する受光素子。

・光トランシーバ・・・電気信号と光信号を相互変換する送受信用機器。

・光アンプ・・・長距離伝送を可能にする増幅装置。

・光コネクタ、光ファイバー・・・光信号の通り道。

図表3 重要性を増す「ネットワーキング」

(3)電線関連3社のご紹介

コーニング(GLW)

【企業概要】

ガラス関連製品を様々な産業に提供している会社です。部門別売上は、オプティカル・コミュニケーション(光ファイバーなど)が40%、ディスプレイ(フラットディスプレイのガラス基板)が24%、特殊素材(スマホ用ガラスなど)が14%、ライフサイエンスが6%、Hemlockほか新規事業が9%、自動車が12%、調整が-5%です。

【業績動向】

10-12月期決算は、データセンター投資の恩恵を受けるオプティカル・コミュニケーションの売上が前年同期比35%増、純利益が同71%増となって全体をけん引しました。同社が提供する光ファイバーやその他の接続技術は、AIコンピューティングハードウェアの基盤となっています。メタプラットフォームズと60億ドルに達する光ファイバー供給契約を締結したことも好感されました。

コヒレント(COHR)

【企業概要】

光学部品メーカーです。光学部品のほか、光通信システム、産業用高出力レーザーなどを手掛けます。2025年6月期の売上構成比は、データセンター&コミュニケーションが65%、インダストリアルが35%です。元はII-VI(ツー・シックス)という名前の会社が、2019年のFinisar買収を経て、2022年に旧Coherent社と統合してできた会社です。エヌビディアとCPO(Co-Packaged-Optics、半導体チップと光部品を同一基板上に収める技術)に取り組んでいます。

【業績動向】 

10-12月期の業績は売上が前年同期比22%増、調整後EPSが同35%増と好調でした。部門別売上は、データセンター&コミュニケーションが同34%増と全体をけん引、インダストリアルは同0%でした。1-3月期の売上ガイダンスは17.0~18.4億ドル(前年同期比13~23%増)です。同社CEOは、データセンターからの需要と生産能力の増強により、2026年度後半から2027年度にかけても売上成長が続くと自信を見せました。

ルメンタム ホールディングス(LITE)

【企業概要】

光学部品メーカーです。2015年に通信ソリューションを提供するビアビ・ソリューションズ(旧JDSユニフェーズ)から独立しました。2025年6月期の売上構成比は、部品が68%、システムが32%を占めます。2025年6月期からセグメントが変更されましたが、2024年6月期の売上構成比はクラウド&ネットワーキングが80%、インダストリアルテックが20%で、データセンターや通信事業者向けのオプティカル製品の構成が高いです。

【業績動向】 

10-12月期決算は、売上が前年同期比66%増、調整後EPSが同52%増と好調です。部門別売上は、部品が前年同期比68%増、システムは同60%増です。部品売上は、データセンター内、データセンター間、長距離通信用とも好調です。1-3月期売上ガイダンスは7.8~8.3億ドルで、これは前年同期比84%~95%増に相当します。

同社CEOは、OCS(optical circuit switches)とCPO(co-packaged optics)の2つの重要な事業機会について、まだスタートラインに立ったばかりだと言います。OCSの受注は4億ドル以上に達し、CPOでは追加で数億ドル規模の受注を受け、2027年前半(暦年)に納入開始が見込めるとしています。

図表4 電線3社の業績推移

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