「アルテミス2」打ち上げ、「スペースX」IPOで注目高まる宇宙関連銘柄

投資情報部 榮 聡
2026/04/08
NASAの「アルテミス2」の打ち上げ成功、「スペースX」のIPO申請を受けて宇宙関連銘柄への注目が高まっています。「なぜ、いまなのか?」を踏まえて、宇宙関連の注目銘柄をご紹介いたします。
図表1 注目銘柄
| 銘柄 | 株価(4/7) | 52週高値 | 52週安値 | 最低購入金額 (4/7) |
| ロッキード マーチン(LMT) | 627.70ドル | 692.00ドル | 410.11ドル | 99,804円 |
| ロケット ラボ コーポレーション(RKLB) | 66.32ドル | 99.58ドル | 14.71ドル | 10,545円 |
| インテュイティヴ マシーンズ A(LUNR) | 22.73ドル | 24.30ドル | 6.14ドル | 3,614円 |
注:最低購入金額は、1ドル=159円で1株当たりの購入金額を円換算しています。
※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
(1)注目が高まる宇宙関連銘柄
今回はNASAの「アルテミス2」の打ち上げ成功、「スペースX」のIPO申請などを受けて市場の注目が高まっている宇宙関連銘柄についてご報告します。
〇NASAの「アルテミス2」が打ち上げ成功
NASAによる有人ミッション「アルテミス2」の打ち上げが4/1(水)に成功しました。NASAによる大型ロケット「スペース・ローンチ・システム(SLS)」が4人の宇宙飛行士を乗せた宇宙船「オリオン」を打ち上げました。
「アルテミス2」は月を周回して帰還する約10日間にわたるもので、人類が地球周回軌道を離れたのは1970年代のアポロ計画以来53年ぶりです。
アルテミス計画は、人類が月で活動するための足掛かりを構築しようとするもので、2028年の「アルテミス4」で有人の月面着陸を目指しています。実現すれば1972年のアポロ計画による月面着陸以来となるもので、宇宙開発に対する株式市場の注目を刺激しています。
〇イーロン・マスク氏の「スペースX」がIPO申請
さらに、イーロン・マスク氏が率いる宇宙開発会社の「スペースX」は、4/1(水)に米証券取引委員会(SEC)に非開示で新規株式公開(IPO)を申請しました。報道によれば6月上旬にもロードショー(投資家に対する会社内容の説明会)が開催される見通しです。
スペースXは2026年2月にマスク氏のAIスタートアップ企業「xAI」を買収しており、この取引で統合後の企業価値は1兆2500億ドルと評価されましたが、IPOにおいては2兆ドル(約320兆円)の時価総額を目指すと言われています。
過去最大級となる大型上場として市場の注目を集めています。
〇宇宙関連銘柄の値動きは?
宇宙関連銘柄の値動きを確認するため、事業が宇宙事業に集中している代表的な銘柄であるロケット ラボ コーポレーション(RKLB)の株価チャートを確認してみます。
同社の株価は2023年末に5.53ドルに過ぎませんでしたが、2024年9月頃から上昇し始めて、過去1年半で10倍以上に上昇しています。
40ドルを超えた辺りからは、株価の変動性も大きくなっています。2026年初には一時100ドル近くに到達しましたが、足もとでは70ドル前後でのもみ合いとなっています。
図表2 ロケットラボコーポレーションの株価チャート(週足、2年)
(2)宇宙関連への注目、「なぜ、いまなのか?」
株式市場で宇宙関連銘柄が注目されるのは、第1節でみたようなイベントもありますが、もっと本質的には宇宙空間のビジネス利用が拡大しようとしていることにあると考えられます。
〇「衛星コンステレーション」への投資
「衛星コンステレーション」は、数百~数千の小型人工衛星を低軌道(高度200~2,000km)上に配置して、連携させて一体運用するシステムで、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)、衛星電話、衛星インターネットアクセスなどに使われています。
このシステム自体は古くからありました。例えば、GPSが米国の軍事プロジェクトとして始まったのが1973年、民間での利用が始まったのは1990年代です。
ただし、当時は衛星の打ち上げコストが高かったために、サービスが高価なものとなり、GPS以外は期待されたほど普及しませんでした。
衛星電話を手掛けるイリジウム コミュニケーションズ(IRDM)が資産を受け継いだ最初の法人は、1998年にサービスを開始したものの、1999年には破産しています。
〇技術進歩が背景に
しかし、半導体の性能向上、機器の小型化技術の進展、ロケットの再利用技術などの技術進歩を背景に打ち上げコスト、衛星運用コストの低下が進んだことで、ビジネス利用の拡大が可能との判断から投資が進んでいます。
特に衛星コンステレーションによって地球上のあらゆる場所からのインターネットアクセスを提供しようとしているスペースXのプロジェクトが図表3の通り突出して大きく、市場拡大をけん引しています。
また、中国企業も壮大な計画を立てて、これを追っています。
〇ロケットの打ち上げが急増
「衛星コンステレーション」投資への需要を受けてロケットの打ち上げ数は、図表4の通り、過去3~5年で急増しています。
2025年については内閣府によるデータがないため同じ基準にはなりませんが、宇宙関連サイト「Sorae」の集計では329回(軌道到達は321回)とされ、2024年との比較で約3割の増加となっています。
このような増加をリードしているのがイーロン・マスク氏が率いるスペースXで、2024年の打ち上げ数の半分以上を同社が占めています。
図表3 「衛星コンステレーション」の主なプロジェクト
図表4 世界のロケット打ち上げ回数
(3)宇宙関連銘柄のご紹介
宇宙関連銘柄にどのようなものがあるかご紹介いたします。
〇宇宙関連銘柄のリスト
まず、S&P500指数の「航空・宇宙防衛」のサブセクターに属する銘柄から、宇宙関連事業の比率が相対的に高そうなものを5銘柄(時価総額の上位5銘柄に相当します)選びました。
さらに日本で販売されている宇宙関連投信の純資産額上位3ファンド(※)の2月末組み入れ銘柄から、宇宙事業の比率が高そうな銘柄を加えたのが、図表5になります。
※「東京海上・宇宙関連株式ファンド(為替ヘッジなし)」、「ニッセイ宇宙関連グローバル株式ファンド(資産成長型・為替ヘッジなし)」、「eMAXIS Neo 宇宙開発」の3ファンドです。
〇スペースXの上場で景色は一変?
まず時価総額の欄を見ると、スペースXが目指すとする2兆ドルがいかに大きいかがわかります。図表5の全銘柄の時価総額を合計しても1兆ドルに達しません。
スペースXの上場によって、宇宙関連銘柄の景色は一変しそうです。そういう意味では、宇宙関連銘柄の株式需給に対するスペースX上場の影響は非常に大きく、どのような反応になるかは注意が必要でしょう。
S&P500指数採用銘柄から1銘柄、それ以外から2銘柄を選んで、以下ご紹介いたします。
米国最大の軍用機メーカーで、柱の航空機事業ではステルス戦闘機F-35が主力です。ミサイル防衛システム、軍事情報システム、人工衛星なども手掛けます。2025年12月期の売上構成比は、航空機40%、ロータリー&ミッションシステム23%、ミサイル・火器管制19%、宇宙18%です。NASAの「アルテミス2」では、有人宇宙船「オリオン」の主契約者であり、計画の中核企業となっています。
10-12月期決算は、ミサイル・火器管制部門がけん引して増収増益、2026年12月期はガイダンス中央値で売上は前年比5%増、EPSは同39%増の見込みです。引き続きミサイル・火器管制部門がけん引する見通しです。
米カリフォルニア州に本社を置く航空宇宙企業です。現CEOのピーター・ベック氏が2006年にニュージーランドで創業、現在もアメリカとニュージーランドに拠点を持ちます。小型ロケット「エレクトロン」を使った人工衛星などの打ち上げサービスのほか、宇宙船や衛星の本体・部品の設計・製造、軌道上運営も手掛けます。中型ロケット「ニュートロン」を開発中で、2026年10-12月期の投入を目指しています。NASA、米宇宙軍、DARPA(国防高等研究計画局)、米国家偵察局などが主要な顧客です。
業績は売上が2025年実績602百万ドル、2026年予想852百万ドル、2027年予想1,195百万ドル、2028年予想1,568百万ドルと高成長が続く見通しで、2027年に黒字転換が予想されています。
宇宙サービス・技術会社。2013年に創業、テキサス州ヒューストンに本社を置きます。月面への到達、月周回軌道への輸送、宇宙システム、月面での通信サービスを提供します。NASAによる月面探査において、中心的な役割を果たしている企業です。NASAによる「アルテミス計画」の進展によって、活躍の場が広がる期待があります。
業績は売上が2025年実績210百万ドル、2026年予想932百万ドル、2027年予想1,090百万ドル、2028年予想1,410百万ドルと高成長が続く見通しで、2027年に黒字転換が予想されています。
図表5 宇宙関連銘柄(時価総額順)
免責事項・注意事項
※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
・レポートおよびコラムの配信は、状況により遅延や中止、または中断させていただくことがございます。あらかじめご了承ください。
・本資料は投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたもので、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資に関する最終決定は投資家ご自身の判断と責任でなさるようお願いします。万一、本資料に基づいてお客さまが損害を被ったとしても当社及び情報発信元は一切その責任を負うものではありません。本資料は著作権によって保護されており、無断で転用、複製または販売等を行うことは固く禁じます。
【手数料及びリスク情報等】
SBI証券で取り扱っている商品等へのご投資には、商品毎に所定の手数料や必要経費等をご負担いただく場合があります。また、各商品等は価格の変動等により損失が生じるおそれがあります(信用取引、先物・オプション取引、商品先物取引、外国為替保証金取引、取引所CFD(くりっく株365)、 店頭CFD取引(SBI CFD)では差し入れた保証金・証拠金(元本)を上回る損失が生じるおそれがあります)。各商品等への投資に際してご負担いただく手数料等及びリスクは商品毎に異なりますので、詳細につきましては、SBI証券WEBサイトの当該商品等のページ、金融商品取引法等に係る表示または契約締結前交付書面等をご確認ください。
・ご紹介するブルベアETFはお客さまの想定以上に値上がり、あるいは値下がりする可能性があり、予想と逆方向に相場が動いた場合には大きな損失を被るリスクがあります。
・レバレッジ型・インバース型 ETF等(ETN含む)は、主に短期売買により利益を得ることを目的とした商品です。レバレッジ指標の上昇率・下落率は、2営業日以上の期間の場合、同期間の原指数の上昇率・下落率のレバレッジ倍(またはマイナスのレバレッジ倍)とは通常一致せず、それが長期にわたり継続することにより、期待した投資成果が得られないおそれがあります。上記の理由から、一般的に長期間の投資には向かず、比較的短期間の市況の値動きを捉えるための投資に向いている金融商品といえます。投資経験があまりない個人投資家の方が資産形成のためにこうしたETF等を投資対象とする際には、取引の仕組みや内容を十分理解し、取引に伴うリスク・コストを十分に認識することが重要です。レバレッジ型・インバース型 ETF等に係る商品の特性とリスクについてはこちらのリーフレットをあわせてご確認ください。