投資のプロに聞いた! 相場展望と注目の投資テーマ(アセットマネジメントOne編)

投資情報部 髙田 航輝
2026/10/09

当ページの内容につきましては、SBI証券 投資情報部 髙田による動画解説も行っております。
ビギナーからベテランまで楽しんでいただけるような動画投稿を目指しています。
ぜひご覧ください。
投信探求
※YouTubeに遷移します。
意外と知られていない中小型株ファンドの魅力
今回のテーマは「中小型株ファンド」です。
今年の日本の夏は例年と比べて暑さが穏やかだった日も多かったのではないかと思います。
9月は台風や雨が続いて、気持ちが沈む日も多く・・・
落ち着かない中東情勢が続くなか、中間選挙も控えており、日経平均株価は上値がやや重い展開が続いています。
そんな中、筆者は気づいてしまいました!
「中小型株が熱いのでは?」
そこで今回は国内の中小型株ファンドを探求していこうと思います。
レポートの後半部分では中小型株ファンドの運用責任者に直接インタビューした内容を公開しています(ここが今回の一番の見所です)。
今後の相場展望や個人投資家でも使える投資テクニックなど、すべての投資家必見の内容です。
お伝えしたいことが多すぎて、かなり長いレポートになってしまいましたが、ぜひ最後まで(時間がない人は後半部分だけでも)読んでもらえると嬉しいです。
中小型株のパフォーマンス
2026年の日経平均株価は年初から好調でした。半導体関連銘柄がけん引し、6月には史上最高値を付けています。
しかし、7月以降は上値が重く、さえない展開が続いています。
一方で、東証グロース市場指数をみると、2026年前半は株価が軟調でしたが、7月以降は日経平均株価とは逆に株価が上昇基調で推移しています。
指数を比較してみると、今年の前半に苦戦していた東証グロース市場指数が、7月から9月にかけては、日経平均株価やTOPIXのパフォーマンスを上回っています。好調だった半導体関連銘柄が利益確定の売りに押され、その資金が新興市場に流入してきたのではないかとみられます。
また、「SaaSの死」などで売られていた(株価が下落していた)企業や、半導体関連銘柄以外の個別企業が再度評価され、買われたことも東証グロース市場指数上昇の要因ではないかと思います。
図表1は6月末時点の各指数の値を100として、9月末までの推移をグラフ化しました。日経平均株価が苦戦しているのに対して、東証グロース市場指数がおおむね上昇基調で推移していることが分かると思います。
中小型株ファンドに注目
| 買付 | 積立 | チャート | ファンド名 | 基準価額(円) | 純資産額(億円) |
| 47313162 | 企業価値成長小型株ファンド | 24,986 | 295 | ||
| 1831193C | インベスコ 店頭・成長株オープン | 93,516 | 133 | ||
| 0231205B | 日興中小型グロース・ファンド | 45,645 | 110 | ||
| 79311039 | 三井住友・中小型株ファンド | 76,168 | 76 | ||
| 3311946 | Jオープン(小型株) | 30,749 | 71 |
- ※2026年10月1日、SBI証券にて作成。基準価額、純資産額は9月30日時点。
- ※掲載は純資産額が多い順。
- ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。
- ※この図表は客観的データの提供を目的としており、銘柄の推奨を意図するものではありません。
★スクリーニング条件
1.ファンド設定から10年以上経過している。
2.NISA成長投資枠対象。
3.SBI証券の投資信託詳細検索で、ファンド分類が「国内小型」に分類されている。
4.ファンドレーティング(総合)が5段階のうち4以上。
ビギナーの投資家が中小型の個別株を取引するのは、ややハードルが高いかもしれません。中小型、新興株は成長力の高さが魅力である反面、財務基盤が盤石ではない銘柄も少なくないです。そういう面ではプライム市場に上場する大型株よりもリスクは高いと言えるでしょう。
そこで、個人投資家が中小型株に投資するためのツールとして投資信託、中小型株ファンドが有用であると思います。
投資のプロが目利きを行い、分散投資できる投資信託の商品性が中小型株とマッチしていると言えます。
SBI証券でも中小型株ファンドを多数取り扱っており、その中から5銘柄を掲載しています。
企業価値成長小型株ファンド(愛称:眼力)
眼力は各市場に上場している小型株や、東証グロース市場または新興市場に上場している株式を主要投資対象としています。
ROE(株主資本利益率)の水準や改善の可能性に着目し、利益成長の見込みが高いと判断される銘柄を選定しています。
委託会社はアセットマネジメントOne株式会社です。
組入銘柄数の上限は原則60銘柄としており、ファンドマネージャーが精選した成長期待の銘柄で構成されています。
年2回(毎年2月、8月の各月20日。休業日の場合は翌営業日)の決算時に収益の分配を行う場合があります(※1)。
2019年にはR&Iファンド大賞で国内中小型株式のカテゴリーで優秀ファンド賞を受賞しています。
ファンド設定日は2016年2月29日で、設定から10年以上経過しており、騰落率(税引き前分配金再投資)は設定来で+502.0%です(※2)。
運用責任者は関口智信さんです。後半には関口さんから伺ったお話を掲載しています。
※1:分配金については、基準価額等を勘案し、委託会社がその額を決定します。分配がない場合もあります。
※2:2026年8月31日基準。
投資のプロに聞いた! 相場展望と注目の投資テーマ
ここからは眼力の運用責任者である関口智信さんへのインタビューを掲載したいと思います。
【相場展望について】
(髙田)
本日はよろしくお願いします。
まずは、2026年の年末から来年にかけての相場展望を聞かせてください。
(関口さん)
最初に相場の予想となるベースラインの話をしたいんですけど、今の相場は過熱感はなく、景気もいいと思います。企業業績も好調で問題ないです。金利の上昇が話題ですが、国内の政策金利は、まだ緩和的な水準です。日経平均株価で考えると73,600円から76,000円まで上昇してもいいかなと。このあたりがベースラインになって、中東情勢悪化などの理由で下振れしたり、逆に好材料で上振れすることがあると思います。今は不安定な中東情勢などでベースラインからディスカウントされた状態です。
(髙田)
今日(2026年10月1日)の日経平均株価68,956円72銭よりベースラインは高い水準ですね。株価が上がっていく大きな要因は何でしょうか?
(関口さん)
東証改革(※1)は効いていると思います。これは結果的にROEの向上につながっていくので。
あと、日本は先進国の中でも政治が安定している国なんです。解散がなければ2030年までは政権交代が起こるような選挙もありません。現在の政策は経済フレンドリーなので、株価にとってはプラスです。下振れ要因については、不安定な中東情勢やアメリカ中間選挙後の混乱などを想定していますが、ある程度、株価には織り込まれているかなと。
※1:2023年3月に東京証券取引所はPBR1倍割れなどの企業に対し、資本コスト、株価を意識した経営を要請。
【注目の投資テーマについて】
(髙田)
続いて注目の投資テーマを教えてください。
(関口さん)
引き続きAI・半導体関連銘柄には注目なんですけど、今までとは着眼点が変わりそうです。今まではハイパースケーラーによるデータセンター投資などで、アメリカが注目されていたんですけど。次は中国に注目ですね。中国はこれまで、鉄鋼やリチウムイオン電池、電気自動車など過剰投資をしてきた歴史があるので、今回もAI半導体にかなり投資してくると思います。中国の半導体技術のレベルも徐々に上がってきていますし、量産体制になったら、かなりの投資が見込まれます。
(髙田)
AI・半導体の相場、第二波が来るイメージですか?
(関口さん)
来ると思います。そこに関連する日本企業も恩恵を受けることになりますね。
(髙田)
AI関連だと、フィジカルAIについてはどうお考えでしょうか?
(関口さん)
フィジカルAI、いろいろありますね。ロボットとか。いろいろある中でも、まずは自動運転の分野がくるんじゃないですかね。自動運転もフィジカルAIに当たると思うんですけど、例えば無人タクシーとか、自動運転に注目ですね。
【眼力について】
(髙田)
次に、眼力について教えてください。
(関口さん)
まずは担当しているすべてのファンドに言えることですが、買ってくれた投資家の資産形成に貢献したいと思っています。アクティブファンドはインデックス型よりも高いコストをいただいているので、それに見合った成果をあげられるように努力しています。
ほかにも、日本の素晴らしい企業を発掘していきたいです。アメリカのハイテク企業にも負けてない、日本にも利益を出せるいい企業があって。日本株は海外の株式のパフォーマンスに負けてないぞっていうのを証明したいっていうところがあります。
(髙田)
その中でも眼力については、どのような想いがありますか?
(関口さん)
すべてのファンドについて頑張って運用しているんですけど、イチから自分で企画して、スタートさせて、運用している眼力は思い入れがありますね。自分の中で「中小型株ファンド、これならいける」と考えてスタートを切ったファンドなので。
(髙田)
中小型株ファンドの魅力を教えてください。
(関口さん)
運用者の個性が出やすいところが魅力ですね。大型株のファンドを見比べると、組入銘柄が似通ってきてしまう傾向がある。中小型株ファンドの組入銘柄は運用者が独自にリサーチして、勝負しているので、ファンドごとに組入銘柄が様々です。眼力も組入銘柄数が60銘柄までなので、1銘柄のウェイトが大きい。「とりあえず様子見でこの銘柄入れておくか」みたいなことはできないです。そういう意味では個別株を運用している感覚に近いですかね。
(髙田)
ちなみに、投資の失敗談みたいなものはありますか?
(関口さん)
過去に組入銘柄が成功した割合なんですけど、だいたい6割がうまくいっているイメージです。残りの4割の銘柄はうまくいかなかったり、思い描いた株価の推移と異なる動きをしたりしてしまった。こういうときは悔しいって思いますね。
(髙田)
投資のプロでも4割はうまくいかないんですね。
それでも高いパフォーマンスを残しているっていうことは、残りの6割を伸ばしているということですか?
(関口さん)
そのとおりです。せっかく選んだ銘柄はできるだけ長く持ちたいっていう思いがあるので。できれば数年単位で保有したい。うまくいっている銘柄をできるだけ伸ばしてあげるのが大切。逆に、自分が思い描いたストーリーとは異なる動きをした場合や、銘柄が中小型株から成長して、大型株になってしまった場合は素直に売却することもあります。
(髙田)
次に、関口さんが銘柄のリサーチや選定を行う際に気を付けていること、テクニックなどを教えてください。
(関口さん)
まずは会社の沿革や歴史を知るようにしています。WEBサイトや有価証券報告書に記載された沿革を見て、その会社が持っているコアとなる技術(祖業)を見極めます。事業内容が多角化しても、その会社が持っている強みは何か、その強みを生かせているのかを確かめることができるので。さらに、その強みが同業他社との差別化につながることになります。
そういうことから始まって、業績予想ができるまでヒアリングなどを行います。その会社の商品の成長性とか、販売エリアとか、他に育成している事業とか。それらの数字を計算していって業績を予想していきます。
あと、マネジメントについてもチェックします。大企業と比べて小さい企業の方が、より経営者のマネジメント、舵取りが業績に直結しやすいので。
【私たちも実践できる投資テクニック】
(髙田)
ぜひ、私たちにも実践できる投資テクニックを教えてください!
(関口さん)
やっぱり投資テーマは大事ですよね。成長テーマだったりとか。ニュースで入手できる情報とか業績の変化を見て、どんな成長ストーリーが描けるのかイメージしたり。
その際に注意しなければいけないのが、利益がしっかり出ているかどうかですね。投資テーマに飛びついて株を買っても、利益が出ていない会社は一過性の上昇で終わる可能性があるので。株価が急騰した後も、利益が出ている会社であれば、PERが下がって、また株を買う材料になる。
(髙田)
銘柄の売却についてはどうでしょうか?
(関口さん)
株価が上がったときは、全体のウェイトを調整して、少しずつ売却するのもいいかもしれません。株価が上がったら少しずつ売却していけば、天井を打って、株価が下落し始めても、利益を確定させた資金を手元に残しておくことができますから。株価も確認しないで保有を続けていると、下落局面で、せっかく上がった分が帳消しになってしまうことがあります。
あと、銘柄数の上限を決めるのも大切ですね。いたずらに銘柄数を増やすと、それぞれの銘柄に対する思い入れが薄まってしまう。
さらに上限数を決めておくことで、魅力的な銘柄が見つかったときに、銘柄を入れ替えるきっかけになります。その入れ替えのタイミングで、保有している銘柄の利益確定や損切りを行うことができるので。
(髙田)
個人投資家が1,000万円を個別株に投資しようとすると、何銘柄に分散させるのがいいでしょうか?
(関口さん)
ファンドの運用とは異なりますが、5銘柄(1銘柄あたり200万円程度)でいいんじゃないでしょうか?
それ以上銘柄を増やしてしまうと、1銘柄ごとの重みがなくなってしまいますし。
(髙田)
ありがとうございます。
話は変わって、全世界株式に投資するインデックスファンドの積立がスタンダードになっていますが、アクティブファンドのファンドマネージャーとして、どのように見られていますか?
(関口さん)
投資手法として悪くないと思いますよ。
ただし、中身を理解して商品を買ってほしいです。全世界株式とはいいつつ、アメリカの投資割合が高いことや、基準価額の上昇要因の大部分が為替(円安効果)によるものであったりとか。そういう特徴を理解しないで、「ただ勧められたから買う」みたいなのは、よくないです。
商品性を理解して、新興国株式ファンドや国内株式ファンド、眼力などを組み合わせて分散させるなど、欠点を補う工夫をするといいと思います。
(髙田)
商品の中身を理解して納得したうえで買うことが大切なんですね。
眼力という商品や中小型株の魅力、明日から使える投資テクニックなど、貴重なお話を伺うことができました。
本日はありがとうございました。
【インタビューの感想】
今回、現役のファンドマネージャーである関口さんに貴重なお話を伺うことができました。
インタビューを通じて、関口さんは商品や株式について説明されるときに、真剣でありながらも、楽しそうにお話しされていたことが印象的でした。
「株式や投資が本当に好きなんだろうな」と感じました。筆者も株式投資が好きで、多くの人に「投資って楽しい」と感じてもらいたいと思っています。個人的な感想ですが、せっかくお金を預けるのであれば、関口さんのような人柄の方に運用してもらいたいと感じました。
リターンや騰落率などの指標・データで選ぶ、コストで選ぶ、WEBサイトやYouTubeで見たものを選ぶなど、投資信託の選び方は様々です。
その選び方の一つとして、運用責任者やファンドマネージャーの個性、投資哲学などを知って、そのファンドマネージャーが運用する商品から選択するのもアリだと思います。
運用者について知ることで、商品性への理解も深まりますし、運用成績にも納得できるのではないでしょうか?
さらに、自分と同じ投資哲学や考え方をもつファンドマネージャーが運用する商品には愛着が湧くと思います。
ファンドマネージャーの「推し活」が新しい投資トレンドになる日が来るかもしれません。
最後になりますが、今回取材にご協力いただいたのは、
アセットマネジメントOne株式会社の関口智信さんでした。
ご協力いただき、ありがとうございました。
※今回はアセットマネジメントOne株式会社様にご訪問し、相場展望や中小型株ファンドについてインタビューさせていただきました。
投信探求では今後も投資のプロにインタビューを継続していく予定です。
特定の企業、商品をお勧めする意図はございませんので、予めご了承ください。
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年間投資枠と非課税保有限度額が設定されます。
年間投資枠は成長投資枠が240万円、つみたて投資枠が120万円までとなり、非課税保有限度額は成長投資枠とつみたて投資枠合わせて1,800万円、うち成長投資枠は1,200万円までとなります。非課税保有限度額は、NISA口座内上場株式等を売却した場合、売却した上場株式等が費消していた非課税保有限度額の分だけ減少し、その翌年以降の年間投資枠の範囲内で再利用することができます。 投資信託における分配金のうち元本払戻金(特別分配金)は、非課税でありNISAにおいては制度上のメリットは享受できません。
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NISAの口座で発生した損失は税務上ないものとされ、一般口座や特定口座での譲渡益・配当金等と損益通算はできず、繰越控除もできません。
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NISAで買付した投資信託の信託報酬等の概算値を原則として年1回通知いたします。
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