初級- その株、高い?安い?PER・PBR・ROEでわかる3つの物差し -前編

初級- その株、高い?安い?PER・PBR・ROEでわかる3つの物差し -前編

PER・PBR、その株価は妥当?

今回の【マユコの投資レシピ】は、株価の「割安・割高」にフォーカスしてお送りしていきたいと思います!


皆さまは、株価が下がっている銘柄を見て「今がチャンスかも!」と思ったことはありませんか?
逆に、値上がりしている銘柄を見て「いい株なんだろうな」と感じたことがあるかもしれません。


実は、株価が下がっているからといって、必ずしもお得とは限りません。反対に、値上がりしている株が優良株とも限りません。
投資をする際には「なんとなく」で判断するのではなく、客観的な物差しを持つことが大切です!


今回の前編では株式投資でよく使われる3つの指標のうち、PER・PBRの2つについて、初心者の方にもわかりやすく解説していきます!
それぞれの意味を知るだけではなく、組み合わせて見ることが大切です。


■PER(株価収益率)とは?(図表1)

PERは、「今の株価が、企業の利益に対して高いか安いか」を判断する指標です。日本語では「株価収益率」といいます。
PERを一言で表すと、「今の利益がそのまま続くとしたら、今の株価は何年分の利益に相当するか」を表した数字です。


分かりにくいと思うので、次のようにイメージしてみてください。
株価1,000円の会社Aがあり、1株当たり毎年100円の利益を出しているとします。


この場合、
1年目は、100円
2年経ったら、利益の積み重ねで200円
3年経ったら、300円

10年経ったら、1,000円
となり、ちょうど株価と利益の積み重ねが同じ金額になります。
この「10年」がPERの数字です。


つまり、
PER=株価÷1株当たり利益(EPS)で計算することができます。PERの単位は「倍」を使用します。


先ほどの例だと、1,000円÷100円=10倍となります。


つまり、PERは「その株を買うのにかかったお金を回収するのに何年かかるか」を表した数字であるともいえます。
一般的には、PERの数値が低いほど少ない年数で回収できる=割安、PERの数値が高いほど回収するのに時間がかかる=割高、と判断されることが多いです。


一般的にPERの目安は15倍~20倍といわれています。実際に日本取引所グループが公表している「規模別・業種別PER・PBR」の2026年6月末のデータ(連結ベース)をみると、プライム市場全体の平均PERは19.0倍でした。


しかし、PERは数字を見るだけでは意味がありません。比較をすることが大切です!


比較対象は、
1.その会社の過去の数値
2.同じ業種の他社
の2つが挙げられます。


例えば、いつもPERが10倍前後で推移している会社が、急に20倍まで上がっていたら「何か変化があったのかも?」と気付くきっかけになりますよね。
また、同じ業種の他社と比べることも重要です。例えば、会社BのPERが15倍だったとします。同じ業種の平均PERが10倍前後なら「業界の中ではやや高めかも」と思えますが、平均PERが25倍前後なら会社Bは「割安かも」と思えますよね。


業種によって平均のPERは大きく差が出ます。
先ほどの6月の「規模別・業種別PER・PBR」を見てみると、プライム市場の製造業の平均PERは23.4倍、非製造業は15.4倍と大きく差があります。だからこそ、その会社の数字だけを見るのではなく、過去や同業他社と比較することが欠かせません。


業種別や市場別などの平均PERは日本取引所グループが月次で公表していますので、ぜひ確認してみてくださいね。


■PBR(株価純資産倍率)とは?(図表2)

PBRは、「今の株価が、企業の純資産に対して高いか安いか」を判断する指標です。日本語では「株価純資産倍率」といいます。


まず、「純資産」を簡単に説明すると、会社の資産すべてから、銀行などからの借金(負債)を差し引いた金額のことです。


会社が事業を行うお金を大きく分けると、「株主から出してもらったお金(配当に回さずに蓄積した過去の利益分を含む)」と「銀行や取引先などから借りているお金」の2種類があります。もし、会社が今すぐ事業をやめる場合、資産を全部売ってお金に換えたら、まず借金を返します。その後に残るお金は、もともと株主が出したお金なので、株主の手元に戻ってきます。


この「純資産」をもとに算出できるのがPBRです。
PBR=株価÷1株当たり純資産(BPS)で計算することができます。単位はPERと同じ「倍」を使用します。


例えば、株価1,000円の会社Aの1株当たり純資産(BPS)が800円だとすると、
PBR=1,000円÷800円で1.25倍となります。


もし、PBRが1倍なら株価と「会社が今すぐ事業をやめた場合に株主の手元に戻ってくる金額」がちょうど同じということになります。


1倍を下回っていたら、「純資産よりも会社の株価の合計(時価総額)の方が小さい」ということになるので、極端に言うと、その時点では会社をやめて株主みんなで資産を分け合った方がお得ということになります。つまり、PBRが1倍を下回っている状態は「割安」と判断されます。


反対に1倍を上回っていたら、「純資産よりも時価総額が大きい」ということになります。つまり株主は、「会社をやめた場合に戻ってくる金額」よりも高い金額を払って株を買っている状態です。これは、その分「今後の成長への期待」が株価に上乗せされている、とも言うことができます。つまり、PBRが1倍を上回っている状態は「割高」と判断されます。

図表1 PER(株価収益率)とは?

図表2 PBR(株価純資産倍率)とは?

2つの指標を組み合わせてみると見えてくること

これまで、PERとPBRをそれぞれ簡単に解説させていただきました!
実はこの2つ、組み合わせることで初めて見えてくるものがあります。


例えば、次の2つの会社を比べてみましょう(図表3)。


会社X:PER低め(=少ない年数で投資額の元を取れる=割安)・PBR低め(=会社をやめた場合に手元に戻ってくる金額より株価の方が安い=割安)
会社Y:PER高め(=投資額の元を取るのに時間がかかる=割高)・PBR高め(=会社をやめた場合に手元に戻ってくる金額より株価の方が高い=割高)


Xのような会社は、自動車や鉄道など、すでに事業基盤が確立していて安定した業種が当てはまります。大きな成長はあまり見込まれていない分、PER・PBRともに低めになりやすいです。


反対にYのような会社は、ゲームやIT関連など、これから利益を大きく伸ばすと期待されている業種が当てはまります。将来の成長への期待が株価に織り込まれる分、PER・PBRともに高めになりやすいです。


このように、業種によってPER・PBRの数値水準には違いがあります。だからこそ、その会社の数字を見るだけでなく、同業他社や過去の数値と比較することが欠かせません。


ただ、ここで1つ疑問が浮かびます。
「PERもPBRも低い会社」を見つけたとして、それは本当にお得な会社なのでしょうか?


実は、PER・PBRだけではその会社が「まだ見つかっていない穴場株」なのか、「安いのにはそれだけの理由がある」のかを見分けることはできません。
この続きは次回の【マユコの投資レシピ】で、株式投資でよく使われるもう1つの指標「ROE」を使って詳しく解説していきます!

図表3 業種によってPER・PBRの数値水準は異なる

図表4 【マユコの投資レシピ】PER・PBRでわかる「株価の妥当性」 

SBI証券で実際に確認してみよう

ここまで、PERとPBRについて、2つの指標を組み合わせてみることをお伝えさせていただきました!
ここからは、実際にSBI証券で確認する方法をご紹介します。


SBI証券の画面では、「予想PER」「実績PBR」を確認することができます。


「予想PER」は、会社の利益予想をもとに計算されたPERのことです。ここまでご説明してきたPERの計算は「今の利益がそのまま続いたら」という考え方でしたが、予想PERは「これから先、会社がどれだけ利益を伸ばす見込みか」を踏まえた数値になっています。


「実績PBR」は、直近の決算ですでに確定した純資産をもとに計算されたPBRのことです。こちらはここまで説明してきた計算方法と同じ考え方で見ることができます。


当社の売買代金上位ランキング(東証プライム)1位(2026/7/28時点)のキオクシアホールディングス(285A)を例に取り上げます。

【SBI証券 株アプリでの確認方法(図表5)】
個別銘柄画面 > その他「銘柄詳細」 > 「企業情報タブ」の中の「予想PER」「実績PBR」をチェック

【SBI証券 メインサイトでの確認方法(図表6)】
個別銘柄画面 > 「株価」タブにて「投資指標」の中の「予想PER」「実績PBR」をチェック
※ログインが必要です


今回は、PER・PBRについて簡単に解説させていただきました!


この2つの指標は、どちらも「株価が妥当な水準にあるか」を判断するための大切な物差しです。ただし、数値を単体で見るだけでなく、その会社の過去の数値や同業他社と比較すること、そして業種によって水準が異なることを意識するのがポイントでしたね。


そして、PER・PBRだけでは「本当にお得な会社」なのか「安いのには理由がある」のかまでは見分けられない、というところまでお伝えしました。
次回は、もう1つの指標「ROE」を使って、その見分け方を詳しく解説していきます!


今回もお読みいただきありがとうございました!次回は8月13日に更新予定です。それではまたお会いしましょう👋🏻


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図表5 PER・PBRの確認方法(SBI証券 株アプリ)

図表6 PER・PBRの確認方法(SBI証券 メインサイト)

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