暗号資産市場 週刊レポート(2025年8月19日〜8月26日)

暗号資産市場 週刊レポート(2025年8月19日〜8月26日)

株式会社HashHub

2025/08/28

価格動向

ビットコイン

週初は11.6万ドル近辺から始まり、FOMC議事要旨公表とジャクソンホール会議を前に上値の重さが意識されるなか、週後半にかけて11.0万ドル前後まで反落。週内レンジは概ね11.0万〜11.7万ドルで、リスクイベント通過後のポジション整理でボラティリティが上昇しました。足元の水準は直近1週間で約▲5%の軟化です。

イーサリアム

ETHは月前半にかけての強い資金流入の余熱を残しつつ、今週は4,700ドル台から急反落して4,3004,400ドル帯で着地。レバレッジ解消の売りが出て日中の値幅が拡大しました。週足でみると方向感はやや鈍化しつつも、対BTCでの相対強さは残存。

XRP(リップル)

XRPは3.0ドルを挟む攻防が続き、2.853.05ドルのレンジで推移。規制面の進展(後述)で長期の不確実性は一部後退したものの、ETF判断の先送り観測が重しとなり、週末は2.9ドル近辺で弱含みました。

ドージコイン

DOGEは0.24ドル台から0.21ドル台へ往復し、短期のフローに振らされる展開。週内の上下動は大きく、終わりにかけては0.21ドル近辺での持ち合いに収れんしています。

ソラナ

SOLは相対的に底堅く、180ドル台後半で推移。25日には一時205ドル付近まで買われた後に戻り売りが出るなど、ボラは高いものの基調は堅調でした。

テクニカル分析

サポート・レジスタンス水準

主要銘柄の支持線と抵抗線を週足ベースの目安として整理します。

まずビットコインは、11.0万~10.8万ドル付近が支持帯として意識されます。心理的な大台である10万ドルも下支えとして機能しやすい一方、上値は11.6万ドル(今週の上限)から12.012.3万ドル(8/14の戻り高値圏)にかけてが抵抗帯となりやすいです。モメンタムは中立寄りで、戻り局面では売りが出やすい地合いとみています。

イーサリアムは、4,2004,300ドルが支持帯として機能しやすく、4,7004,900ドルが当面の抵抗帯になります。イベント通過によって一時的な過熱感は薄れ、いったんは持ち合いを形成しやすい局面だと判断します。

XRP(リップル)は、2.852.90ドルのゾーンが支持として意識され、3.103.30ドルが上値の壁として控えます。節目である3.0ドルを挟んだ攻防が続きやすく、レンジの上下限での反応を丁寧に見極めたいところです。

ドージコインは、0.210.22ドルが支持帯、0.240.25ドルが抵抗帯として観測されます。短期フローの影響を受けやすく、出来高を伴うブレイクが確認できるかどうかが方向性を左右しやすいです。

ソラナは、180ドル前後が支持帯となり、200206ドルの戻り高値圏が目先の抵抗帯になります。トレンドは比較的強い一方、値動きが荒くなりやすいため、追随の際はストップ水準を明確にして臨むのが無難です。

RSI(相対力指数)の分析

全体として日足ベースで4060の中立圏に収れんしています。ETHは前週までの上昇で一時的に過熱していましたが、今週の反落で過熱感が解消しました。BTCは中立圏の下限寄りでやや鈍化しており、XRPDOGEは横ばい圏、SOLは相対的に強含みで推移していると評価します。いずれも参考レンジ観であり、実際のエントリーや手仕舞いでは時間軸の整合性と出来高の確認、ならびに他指標(移動平均や出来高プロファイル等)との併用を推奨します。

市場ニュース/ファンダメンタルズ

今週は、米金融政策関連のイベントを起点に金利とドルが振れ、暗号資産全体のセンチメントも往来する展開となりました。公表された議事要旨や要人発言は、年内の政策スタンスを巡る思惑を再調整させ、金利低下観測が強まる局面ではリスク選好が戻り、逆にタカ派に傾く解釈が広がると上値が重くなる、といったパターンが繰り返されています。

同時に、先物・オプション市場では清算の連鎖などが現物マーケットに波及し、短期的なボラティリティを押し上げました。資金フロー面では、スポット型ETFの出入りが引き続き需給を左右し、日次ベースで流出超から流入超へと振れ戻す場面も見られました。

個別にみると、ビットコインはマクロの風向きとETFフローの影響を最も色濃く受ける形で、節目付近では戻り売りが出やすい一方、深押しでは長期保有者やトレジャリー企業の買い需要が下値を支える構図が続いています。

イーサリアムは、前週までの相対的な強さの余韻を残しつつも、今週はレバレッジの巻き戻しに伴う上下をこなしながら、ステーキング需給やL2エコシステムの堅調さが中期の支えとして機能しているように見受けられます。またトレジャリー企業の活発さについて目を配ると、ETHのトレジャリー企業の資金調達や購買の勢いはBTCのトレジャリー企業をここ数週間では上回っています。これはビットコイントレジャリー企業は過去数年の歴史があるのに対してETHトレジャリー企業は直近数ヶ月の新しいトレンドだからです。

総じて、今週の市場はマクロ(金融政策)とETFフローがボラティリティを形成した一週間で、個別銘柄ではETHがマーケットの主役となっています。

見通し(1〜2週間)

今週は、米エヌビディアの決算や、経済指標ではPCE、新規失業保険件数などが発表されます。決算により株式市場のモメンタムが失われたり、ここまで織り込んだ利下げ期待を後退させるような経済指標が発表されると、マーケットを押し下げる要因になり得ます。

イベント前のポジション管理には注意する必要があります。

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