暗号資産市場 週刊レポート(2025年9月4日〜9月10日)

暗号資産市場 週刊レポート(2025年9月4日〜9月10日)

株式会社HashHub

2025/09/11

この週の価格動向は、ビットコイン(BTC)が10.9万〜11.3万ドルのレンジで小幅高にとどまり、イーサリアム(ETH)は4,300ドル前後でもみ合いとなりました。XRP(リップル)とソラナ(SOL)は相対的に堅調に推移し、ドージコイン(DOGE)は短期資金の流入を背景に大きく上昇しています。

テクニカル面では、ビットコインは10.9万ドル付近が支持で11.311.5万ドルが抵抗、イーサリアムは4,250ドルが支持で4,4504,500ドルが抵抗、XRP(リップル)2.80ドルが支持で3.003.10ドルが抵抗、ドージコインは0.21ドルが支持で0.240.25ドルが抵抗、SOL200ドルが支持で216220ドルが抵抗帯となっています。日足のRSIはいずれも総じて中立〜やや強含みの水準です。

直近の注目材料はPPI9/10)、CPI9/11)の経済発表で、利下げ再開されると見込まれる次回のFOMC9/16–17)を前にした重要な経済指標になります。

価格動向

ビットコイン

週内は概ね10.9万〜11.3万ドルでの往来。週初の軟化後に買い戻しが入り、執筆時点(9/9 UTC)終値ベースで+0.5%の小幅高となりました。日中ボラはやや高まりつつも、11.3万ドル近辺で戻り売り、10.9万ドル台で押し目買いという力関係が続きました。

イーサリアム

イーサリアム(ETH)は4,300ドル前後でもみ合い。週中に4400ドル台まで上伸する場面もありましたが伸び悩み、執筆時点の終値は前週比ほぼ横ばいです。週内レンジは4,2454,487ドルしています。数ヶ月続いたイーサリアムトレジャリー企業の購入フローが鈍化していることが明確に相場の伸び悩みになっています。イーサリアムトレジャリー企業の株価はピークから下落傾向にあり、資金調達は以前ほど簡単ではなくなっています。

XRP(リップル)

XRP(リップル)は3.0ドルを意識した攻防で、週内は2.793.04ドルのレンジで推移しています。週間パフォーマンスは+4%強と堅調です。

ドージコイン

ドージコイン(DOGE)は短期フローの影響を強く受け、0.210.25ドルの広めのレンジで推移しています。執筆時点の終値は+14%前後と上昇が目立ちます。ドージコインのETFの上場が近い可能性がニュースとなりフローが流入しました。

ソラナ

ソラナ(SOL)は相対的に強含みをしています。200ドル割れを回避しつつ、週後半は215ドル台まで切り返し、レンジは約200220ドル、終値は+67%程度です。引き続きETF承認を期待していると読み取れます。ETHが伸び悩む中で循環物色されている側面もあるでしょう。

テクニカル分析

サポート・レジスタンス水準

ビットコイン:支持=9万〜10.8万ドル、心理的節目=10万ドル。抵抗=11.3万ドル、次いで11.411.5万ドル

イーサリアム:支持=4,2504,300ドル、抵抗=4,4504,500ドル、その上は4,700ドル近辺

XRP(リップル):支持=802.85ドル、抵抗=3.003.10ドル

ドージコイン:支持=210.22ドル、抵抗=0.240.25ドル

ソラナ:支持=200ドル前後、抵抗=216220ドル、上抜けなら225ドルが視野

RSI(相対力指数)

総じて4060の中立帯に収れんしています。ビットコインとイーサリアムは中立圏、XRP(リップル)とソラナはやや強含み(50台後半)、ドージコインは短期の過熱感が一部見られ60台に乗せやすい形で、時間軸や出来高の確認、移動平均や出来高プロファイル等との併用を推奨します。

※RSIはいずれも日足

市場に影響を与えたニュースや経済要因

今週は米・雇用の弱さがテーマを主導しました。現在、アメリカの雇用は明確に鈍化しつつあることが鮮明になっています。95日に発表された非農業部門雇用者数は予想7.5万人に対し結果2.2万人でした。また9/9BLSのベンチマーク改定で「244月〜253月の雇用増が従来より911千人少なかった」ことが示されました。

暗号資産マーケットの反応として、金利低下観測ドル安圧力を通じて、暗号資産には下支えとなる局面がありました。またビットコインと同様の性格を持つ側面があるゴールドは非常に力強く上昇しています。

非農業部門雇用者数が月次ベースでマイナスを記録したのは2020年の新型コロナ以来初めてのことです。アメリカの社会および経済構造上、雇用が悪化しはじめると消費が鈍化して、企業はさらにレイオフをすることで急激な景気鈍化サイクルに陥ることがあります。そのシナリオの場合は高いバリュエーションで取引されているアメリカ株は少なくとも一旦下げる可能性があります。

そしてそのシナリオを意識する場合、アセット性質としてはゴールドと近いものの相場相関では株に連動性が高いビットコインは売られる可能性があります。ビットコインが売られる時は暗号資産全体が売られます。このシナリオが多少なりとも意識されていることが今週ゴールドは大きく上昇してもビットコインの上昇が鈍かった要因の可能性があります。

企業動向では、Strategy(旧MicroStrategy)が1,955 BTC(約2.17億ドル)の追加取得を公表。トレジャリー企業の買いが下支えとして意識されました。

今週以降の見通し

直近の注目材料は米国PPI9/10)、米国CPI9/11)の経済発表です。

利下げが再開されると見込まれる次回のFOMC9/16–17)を前にした重要な経済指標になります。もしインフレーションが強含むとFRBは利下げの舵取りが難しくなり、相場のボラティリティは高まります。

関税の影響が限定的でマイルドなインフレーションであれば年内に複数回の利下げが可能であると市場が判断して、暗号資産市場にはプラスに働くはずです。

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