暗号資産市場 週刊レポート(2025年9月11日〜9月17日)

暗号資産市場 週刊レポート(2025年9月11日〜9月17日)

株式会社HashHub

2025/09/18

今週の暗号資産市場は、米8CPIの公表後も917日のFOMC0.25%の利下げが見込まれるとの見方が優勢で、イベント待ちのなかでも押し目買いが入りやすい地合いとなりました。

スポットETFへの資金流入は持ち直しており、ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)の下値を支える展開が続いています。ソラナ(SOL)は機関投資家の評価とネットワーク稼働の安定を背景に相対的な強さを維持しました。

価格動向

ビットコイン

週前半は米CPI公表後にいったん押し目を作ったものの、ETF資金フローの追い風とFOMC利下げ観測の強まりから下値は限定的となっています。11.111.7万ドルのレンジでもみ合い、週末にかけて11.6万ドル台へじり高となりました。直近では3週ぶり高値圏を回復しており、8月下旬の急落後に形成した安値(9/1前後の約10.7万ドル)からは切り上げ基調です。

先週からの値動きでは、米国株・日本株・ゴールドが値上がりする中で、ビットコインは出遅れていましたが、この数日(9/16-9/17)に価格を切り上げて追いついています。

イーサリアム

イーサリアムはCPI後の乱高下をこなしつつ、4,3004,650ドルの高値圏レンジで持ち合い。9/12にかけて上値トライ後は一服して4,500ドル前後での推移が中心です。年内のETFマネーの継続流入観測が下支えとなる一方、直近高値(8/24の約4,950ドル)を前に利食いも出やすい地合いです。

XRP(リップル)

XRP(リップル)は節目3.0ドルを軸に上下。2.953.15ドルの往来で、イベント待ちの中で短期フローに振らされる展開でした。中期的には米訴訟の収束・和解による制度面の不確実性低下が支えとなり、3ドル台での定着をうかがう動きです。

ドージコイン

ドージコインは週間では10%を超える高いパフォーマンスを記録しました。ビットコインの値動きが比較的穏やかな中で中堅以下アルトコインが物色されるのは暗号資産相場でよく見られる動きであると言えます。

ソラナ

ソラナは相対的強さを維持。220ドルの上値抵抗を明確に上抜いた後、235242ドルでの高止まりが続きます。機関投資家からの評価報道やネットワークの安定稼働もセンチメントを支援しています。

ソラナはビットコインとイーサリアムに次ぐ有力なブロックチェーンであるにも関わらず、機関投資家のポジション形成は限定的だった銘柄です。これからETF承認が現実的になるにつれて、ポジション形成が徐々に進んでいる値動きではないかと推察できます。

テクニカル分析

サポート・レジスタンス水準

ビットコイン:支持011.1万ドル、次は10.7万ドル(9月安値)、心理的節目10万ドル。抵抗 11.7万ドル、次は12.012.3万ドル(夏場の戻り高値帯)。200日線は10.2万ドル近辺で上昇中。

イーサリアム:支持 4,2004,300ドル、次は4,100ドル。抵抗 4,6504,750ドル、次は史上高値約4,950ドル。

XRP(リップル):支持853.00ドル、抵抗 3.103.30ドル。節目3.0ドルを挟んだレンジ継続。

ドージコイン:支持240.25ドル、次は0.210.22ドル。抵抗 0.280.30ドル。出来高を伴うブレイク確認が焦点。

ソラナ:支持 220ドル、次は205210ドル。抵抗 240245ドル、次は260ドル。直近は上昇トレンド維持。

RSI(相対力指数)

日足ベースでは4060の「中立圏」に収れん。短期では、

ビットコイン:50近辺で勢いは横ばい、上値追いには新規材料が必要。

イーサリアム:50台半ばで過熱感は一服、ETFフローが下支え。

XRP(リップル)/ドージコイン:おおむね中立、レンジ上下限での反応が明確。

ソラナ:50台後半で相対的に強め。

(いずれも参考レンジ観。実運用では時間軸整合・出来高・他指標との併用を推奨)

市場に影響を与えたニュースや経済要因

今週は、まず米国の8CPI公表を受けた金利見通しの再評価が相場のセンチメントを左右しました。ヘッドラインはやや強めの印象となりましたが、市場では917日のFOMC0.25%の利下げが行われるとの見方が優勢で、発表直後のリスク回避は限定的にとどまりました。一方で、利下げは完全に折込済という意見と、利下げ後も相場は上昇するという意見が、市場に混在しており、相場の値動きは限定的となっています。

需給面では、スポットETFへの資金フローが持ち直したことがビットコインとイーサリアムの下支えとなりました。ビットコインETFでは複数営業日にわたり純流入が続き、イーサリアムETFにもまとまった資金流入が確認されています。フローの安定はボラティリティの抑制に寄与し、テクニカル面の節目を下抜けにくい地合いを生みました。

政策・規制面では、米国でビットコインの戦略備蓄構想を巡る議論があり、市場の耳目を集めました。現時点では制度化に向けた初期的な意見交換の段階にとどまりますが、暗号資産のマクロ的な位置づけをめぐる議論の広がりを示す話題として注目されました。米国政府として、予算中立的なビットコイン備蓄に関しては引き続き前向きに検討されているというステータスです。

日本では、金融庁の税制改正要望や業界団体の提言を通じ、分離課税の導入やETF解禁に向けた検討が加速しているとの報が続き、国内制度整備の前進期待が意識されています。

今週以降の見通し

ベースシナリオでは、FOMC0.25%の利下げを実施しつつ「データ次第」のスタンスを維持する展開を想定します。この場合、米長期金利は上値が重く、ドルも頭打ちとなりやすいため、暗号資産には追い風になりやすいと見ています。ビットコインは直近レンジの上限を丁寧に試し、イーサリアムも高値圏での持ち合いを継続しやすいでしょう。ETFへの純流入が続く限り、押し目では需給が機能しやすいと言えます。

強気シナリオでは、FOMCが想定以上にハト派的なメッセージを発し、利下げペースやドットチャートの下方修正が市場のリスク選好を一段と強めるケースを念頭に置きます。これにETFフローの加速が重なれば、ビットコインは史上高値圏の再接近が視野に入り、イーサリアムも上値抵抗帯の連続突破を試みる展開が考えられます。ソラナは節目上での価格帯を切り上げやすく、XRP(リップル)は大台上での定着、ドージコインは心理的節目超えのトライが意識されます。もっとも、上振れ局面では短期筋の利食いも早くなるため、出来高の伴うブレイクか否かを見極める必要があります。

一方、弱気シナリオでは、FOMCが利下げをしながらも、次回以降の利下げについてはタカ派色を残すメッセージを発し、実質金利とドルが反発するケースを想定します。この場合、暗号資産にはリスク資産全体の巻き戻しが及びやすく、ビットコインは直近の支持帯の攻防へ後退する可能性があります。また、今までビットコインの下落局面ではストラテジー社などのトレジャリー企業が大規模な押し目買いを実行していましたが、今では同社のmNAV(保有BTC時価に対する株価プレミアム)も縮減しており、資金調達力がピークと比べて低下しています。そのため、これらの企業の押し目買いがこれまでのように行われなくなるという悪いシナリオも弱気ケースではイメージする必要があります。

いずれにしても次回のFOMCは最近では最も重要なFOMCで、今後の相場を左右する会見となります。

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