暗号資産市場 週刊レポート(2025年9月25日〜10月1日)

暗号資産市場 週刊レポート(2025年9月25日〜10月1日)

株式会社HashHub

2025/10/02

直近1週間の相場は、週中央にかけて米GDP改定の強含みと政府機関閉鎖(シャットダウン)懸念が重なり、一時的にリスク回避が優勢となって下振れたものの、週末から週明けにかけては現物ETFフローの改善が確認され、全体としては切り返し基調に転じました。規制面では、SECが対話的なスタンスを徐々に可視化しており、制度設計の前進が中長期的に市場を支える支援材料として評価されつつあります。

価格動向

ビットコイン

週初は11.3万ドル台からスタート後、9/26に一時10.9万ドル台まで下押しをしました。その後は警戒されていていたPCEコアが大幅なインフレーションにはなっていないことを確認でき、ETFフローの持ち直しを受けて戻り歩調となりました。9/30終値で11.43万ドルまで回復しました。9/25→9/30で見ると小幅高ながら、週内は「下押し自律反発」の往来でした。しかしながらゴールド・シルバー・プラチナなどと比べると、世界の代表的な無国籍アセットとしてはここ数ヶ月引き続き出遅れしている状況が続いています。

イーサリアム

9/25に4,149ドル、9/26には3,863ドルまで軟化し、心理的節目の4,000ドル近辺での攻防になりました。週末〜週明けにかけて切り返し、9/304,216ドルと4,200ドル台を回復、価格面ではビットコイン同様にV字の戻りを演出しました。しかしながら、夏にETH相場のけん引役になっていたトレジャリー企業の株価は冴えなく、当時のような相場けん引役がかけている状態が続いています。

XRP(リップル)

3ドル台を上に重く、9/262.74ドルまで調整。その後は買い戻しが優勢となり2.88ドル近辺で週を終えています。大台(3.0ドル)を挟むレンジトレードが継続しました。CMEグループがSOLXRPの先物オプション取引を20251013日開始予定と発表済みであり、この日程が近づくとXRPが暗号資産市場の中で相対的に強含む可能性もありますが、今のところ顕在化していません。

ドージコイン

週内のレンジは0.220.24ドル中心。9/260.222ドルまで売られた後、0.235ドル近辺へ持ち直し。ビットコインに対してベータは高いものの、方向性は限定的でした。

ソラナ

9/26に192ドルまで下押し後、需給の改善で212213ドルを回復。9/25211.6ドルから終盤にはやや強含みで週を終えました。ここ数ヶ月では200ドルが繰り返し意識される水準となっています。XRPと同様に、CMEグループが先物オプション取引を20251013日開始予定と発表済みですが、相場が動意づくことは今のところしていません。

テクニカル分析

サポート・レジスタンス水準

ビットコイン:支持 109,000111,000ドル9/26安値帯)、次107,000ドル。抵抗 116,000118,000ドル、次120,000123,000ドル8月高値圏)

イーサリアム:支持 3,9004,000ドル9/26安値付近)、次3,800ドル台前半。抵抗 4,4004,650ドル9月前半の戻り高値帯)

XRP(リップル):支持2.702.85ドル、抵抗 3.003.20ドル(大台&9月高値帯)

ドージコイン:支持0.22ドル、次0.21ドル。抵抗 0.280.30ドル(心理的節目)

ソラナ:支持 200ドル、次190ドル台。抵抗 235245ドル、次260ドル

※いずれも日足終値ベースの高安・過去の反応水準からの目安

RSI(相対力指数)

日足ベースでは総じて4060の中立圏に収れん。9/26の一斉安で多くの銘柄が40台前半まで低下週明けに50台へ回復。

ビットコイン/イーサリアム:50前後で横ばい、続伸には新規材料(ETFフローの安定やマクロ改善)が必要

XRP/ドージコイン:レンジ上下限で反応が明確な「もみ合い型」のRSI

ソラナ:やや上振れ(50台後半)で相対的強さを示唆

市場に影響を与えたニュースや経済要因

直近1週間の値動きの背景には、米マクロ指標の強弱のミックスがありました。925日に公表された米Q2実質GDP+3.8%は想定超えの堅調さを示し、利下げ観測を後退させて、金利高・ドル高バイアスを通じてリスク資産に一時的な逆風となりました。翌26日には8PCEデフレーター(前年比+2.7%)が発表され、大きくインフレーションが起きていないことを確認して市場参加者は安心をしました。

一方、米政府機関の一部閉鎖(シャットダウン)懸念が930日の会計年度末を前に強まり、投資家はイベント通過までリスク選好を抑制する側面もあります。

需給面では、現物ETFフローの振れが価格形成を主導しました。米ビットコイン現物ETF9/2526にかけて日次で大幅な純流出(合計▲671百万ドル)を記録し、週央の相場の重さとリンク。一方で9/29+518百万ドルへと急反発し、週明けの戻りを牽引しました。

規制・制度面ではポジティブなニュースが相次ぎました。SECが暗号資産関連ETPの上場手続きを簡素化する新基準を9月下旬に整備し、XRPやソラナといった単一資産型の新規ETFパイプライン拡大期待が高まっています。加えて、SECDoubleZeroに対してノーアクション・レターを発出(9/29)したことは、特定のトークン設計における対話的スタンスの可視化として受け止められました。

今週以降の見通し

当面の基本シナリオは、米政府閉鎖の回避/早期収束可否、現物ETFフローの安定化の二点が相場の方向感を規定するというものです。シャットダウンが回避され、予定通り103日(金)の米雇用統計が公表されれば、労働需給の減速サイン(消費者心理・求人統計の鈍化と整合)が再確認される公算が高く、金利上昇圧力が和らぐことで暗号資産には追い風となりえます。

また、ゴールド・シルバー・プラチナが大きく上昇しており、マーケットは明らかに無国籍アセットを求めているようです。各国のソブリン債が今まで通りリスクフリーと言えなくなっていることや、米国株のPERが非常に高い水準にあり、マネーの向かい先となっています。ビットコインは、このラリーの恩恵を直近3ヶ月ほど受けれていないですが、金融市場全体が崩れない限り大幅上昇している貴金属相場が波及する可能性を意識したいと言えます。

下振れリスクは、政府閉鎖の長期化で主要経済統計が遅延し、金融政策や市場の「拠り所」が一時的に失われるケース、あるいはPCEの粘着性再認識などで金利が再び上向き、ETFに純流出が戻る局面です。

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