暗号資産市場 週刊レポート(2025年10月2日〜10月8日)

暗号資産市場 週刊レポート(2025年10月2日〜10月8日)

株式会社HashHub

2025/10/09

今週はビットコイン(BTC)が105日に史上最高値を更新した後、利益確定売りをこなしつつ高値圏での持ち合いに移行しました。ETF(上場投資信託)への資金流入が過去最大を記録し、相場の下支えとして機能しました。米政府機関の一部閉鎖で経済指標の発表が遅延するなど、イベント面の不確実性は残存していますが、むしろ無国籍資産であるビットコインへの資金退避の材料になりました。金価格の最高値更新、ドル安基調も相まって、リスク資産と安全資産が同時高となる「流動性相場」色が強まった一週間でした。

価格動向

ビットコイン

10/5に一時12.5万ドル超と史上最高値を更新後(前週末比で急伸)、現在は12万ドル台前半でもみ合いになっています。過去最大のETF流入が価格を押し上げた反面、高値圏では短期筋の利食いも出やすく、上値追いは材料待ちとなりました。総じて、押し目は買われやすいが、上値は段階的に試す展開となっています。10月はシーズナリティ的にもビットコインは強気であることが多く下値はある程度硬いといえます。

イーサリアム

4,500ドル近辺での持ち合い。年内の資金フローの継続観測に加え、セルサイドからのETH見通し上方修正も話題化しています。ビットコイン主導の上昇相場が一服する局面では、アルトコイン全般へのローテーションが起こりやすいのが暗号資産市場のいつもの光景ですが、今回もそのように機能しています。

XRP(リップル)

2.8〜3.0ドルを軸にレンジ推移しています。夏に米SECとの訴訟が終結し法的オーバーハングが後退したこともあり、イベント不確実性の低下が中期的な下支えとなっています。直近はETF枠拡大期待の思惑も交錯し、短期的にはニュースフローで振れやすい局面が続きました。

ドージコイン

0.25ドル前後での往来。ミーム性に加えて「決済導入テーマ」への思惑が断続的に台頭するものの、トレンドの腰はまだ弱く、ビットコインの方向転換に対するβの高さが意識されました。関連の決済報道や提携観測が材料視されやすい地合いです

ソラナ

220ドル台での高止まり。ネットワークの大規模強化(AlpenglowFiredancer)への期待と、米市場でのETF審査・承認観測がテーマ性を強め、相対的な強さを維持しているものの、大きな上昇こそ見せていません。

テクニカル分析

サポート・レジスタンス水準

ビットコイン:支持 118,000120,000/次 115,000。抵抗 125,000128,000/次 130,000。高値更新後の「上昇フラッグ」様の持ち合い。出来高増を伴う8万超の定着が続伸条件。

イーサリアム:支持 4,3004,400/次 4,200。抵抗 4,7004,900(史上最高値帯)。4,500攻防の収斂が続く。4,700突破はモメンタム再加速のサイン。

XRP(リップル):支持2.702.85。抵抗 3.103.30。大台3.00を挟んだボックス。ETF関連のヘッドラインに敏感。

ドージコイン:支持0.240.25。抵抗 0.280.30。上限ブレイクはトレンド転換の初期サインだが、ダマシ回避に出来高確認が必須。

ソラナ:支持 215220/次 205。抵抗 240245/次 260。トレンドライン上での高値圏持ち合い。240台定着で一段高の余地。

RSI(相対力指数)

ビットコイン/イーサリアム50台半ばで中立〜やや強含み。上抜け余地を温存する落ち着いたモメンタム。

XRP/ドージコイン50前後でレンジ内。水準感よりもヘッドライン次第で振れやすい配置。

ソラナ50台後半。相対強度は保たれるが、短期の過熱には注意。

(注:いずれも参考レンジ、単位はドル。実運用では時間軸整合、出来高、移動平均・ボラティリティ指標との併用を推奨)

市場に影響を与えたニュースや経済要因

今週の相場を押し上げた最大の材料は、現物・先物を含む暗号資産ETFへの潤沢な資金流入でした。先週から今週前半にかけて純流入が高水準で継続し、特にビットコイン関連の買い需要が現物サイドの売りを吸収したことで、史上最高値更新後の高値圏維持につながりました。マクロ環境も追い風です。米政府機関の一部閉鎖をめぐる不透明感で主要経済指標の公表が後ずれし、イベントドリブンの売買が抑制される一方、実質金利の低下観測とドル安基調が進行、安全資産である金の最高値更新とリスク資産の堅調が同居する流動性相場の色合いが強まりました。需給の締まりとマクロの緩和的な空気感が重なり、押し目では買いが入りやすい地合いが確認されています。

個別テーマでは、イーサリアムに対する機関投資家の評価見直しが進みました。シティグループは、投資家の資金流入やマクロ経済の逆風の変化を理由に、イーサリアムの年末見通しを引き上げています。

ソラナはネットワーク堅牢化に向けた大型アップグレード(例:複数クライアント化・処理系の刷新)への期待が高まり、基盤面の改善が価格の相対的な強さに反映されています。

今週以降の見通し

足元のベースシナリオは、ETFへの純流入が概ね維持される限り、主要銘柄が高値圏での「押し目買い優位」を保つ展開です。ビットコインは史上最高値更新後の持ち合いを続けながら、12.5万ドル近辺の上値帯を丁寧に試す公算が大きいでしょう。イーサリアムは4,500ドル前後の収斂を経て、ファンダメンタルズ(機関投資家のフロー、ステーキング需要、L2を含めたDeFiTVL拡大)を背景に4,700ドル方向への上抜け余地を温存しています。ソラナは240ドル台の定着が次の一段高の条件となり、基盤強化が投資家のリスク許容度を下支えする見立てです。アルト全般には循環物色の芽が残るものの、個別のヘッドライン耐性はまちまちで、ニュースドリブンの値動きには引き続き注意が必要です。

一方、下振れリスクは、米政府機関の機能停止問題の長期化や主要統計の遅延で不確実性が高まり、株式市場の下落、あるいは同時に米金利・ドルが反発する局面です。米政府機関の停止が長引くとGDP成長が下振れすることが懸念されるほか、政府職員の給与はあとから補填されるのが通常の政府閉鎖ですが今回は政府職員給与が補填されない可能性も政権から示唆されており、不透明感があります。政府信任の低下や通貨離れは無国籍資産の追い風になりやすいですが、それも行き過ぎると株式市場が下落してその際には暗号資産市場も調整を免れないことを意識しておきたいところです。

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