暗号資産市場週刊レポート(2025年10月23日〜10月29日 )

株式会社HashHub
2025/10/30
今週(10/23〜10/29)の暗号資産市場は、FOMC(10/28–29)を控えたイベント待ちのなかで、ビットコイン(BTC)が11万ドル台前半〜後半のレンジで底堅く推移しました。先物建玉の未決済建玉(オープンインタレスト、以下OI)は増加傾向で、方向感が出れば値動きが拡大しやすい地合いです。また、米国でソラナ(SOL)などのスポットETFが相次ぎ上場承認され、アルトコインへの資金導線整備が進展しました。
また週中では貴金属市場(ゴールド・シルバー・プラチナ)が急落しました。その前後暗号資産市場は小幅な値上がりをしており、貴金属市場との逆相関を印象づけました。
価格動向
ビットコイン
FOMC前で上値の重さを残しつつも、11.0〜11.6万ドルのレンジで推移。週末にかけて一時11.6万ドル近辺を試す場面があり、その後は11.1〜11.4万ドル帯での持ち合いに移行しました。直近では200日線(約10.88万ドル)付近での押し目買いが意識され、50日線(約11.43万ドル)が上値目安として意識されています。デリバティブではOIが約250億→300億ドル近辺へ増加しており、FOMCの結果次第でボラティリティ拡大に要警戒です。
先週に発表された9月消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回る結果となり、利下げ継続に対する期待が高まっています。リスク資産には追い風ですが、先週だけで見れば、この恩恵は株式と長期国債に集中しています。暗号資産へのローテーションが起こることが期待できるか、あるいは過去半年で既に利下げを織り込んでしまっているかマーケット参加者によって意見が分かれるでしょう。
また暗号資産トレジャリー企業によるビットコイン購買力は完全に停止しており、mNAVが1倍割れのトレジャリー企業も増えており、ビットコインを新規購入どころか自社株買いする企業も散見されます。日本で代表的なトレジャリー企業のメタプラネットも自社株買いを発表しました。やはりこれらの企業が相場のけん引役になることは当面期待できないでしょう。
イーサリアム
イーサリアムは4,000ドル前後での持ち合い継続しています。現物ETF資金フローは直近週で純流出に転じたとの集計が示され、短期の上値追いは鈍化。一方で大局的にはETF導線の整備と機関投資家の関心維持が下値を支えています。テクニカル面では4,100〜4,200ドルのレジスタンスを明確に回復できるかが重要です。
XRP(リップル)
XRP(リップル)は2.6〜2.7ドルでの攻防。週明けに2.63ドルの上値抵抗突破を示現しており、2.61〜2.63ドル帯が新しい支持として意識されやすい構図です。米ETFの上場基準整備により将来的な商品化期待が残っており、材料待ちの揉み合い基調。
ドージコイン
ドージコインは0.21ドルの節目を明確に上抜け、レジスタンス→サポート転換を確認。出来高増加を伴ったレンジ上放れで相対的強さを示しました。0.21ドル維持なら段階的な上値試しが視野。
ソラナ
ソラナは190〜200ドル中心の高止まり。米国初のSOL現物ETFが上場し、Hedera・Litecoinの現物ETFと合わせオルトコインETFの裾野拡大がフォローしています。ファンダメンタルズ面の追い風が続く一方、短期的にはイベント通過後の利食いにも注意が必要です。
テクニカル分析
支持線・抵抗線/RSI
ビットコイン
- 支持線:111,000〜112,000ドル、次に110,000/108,800ドル(200日線近辺)
- 抵抗線:115,500〜116,000ドル、次に117,000〜120,000ドル
- RSI:50前後で中立圏、方向感はイベント待ち
イーサリアム
- 支持線:3,900〜3,950ドル、次に3,800ドル
- 抵抗線:4,100〜4,200ドル、次に4,500ドル
- RSI:50台前半、過熱感は一服
XRP(リップル)
- 支持線:2.61〜2.63ドル、次に2.55ドル
- 抵抗線:2.70〜2.75ドル、次に2.80ドル
- RSI:50台半ば、ブレイクの“定着”監視
ドージコイン
- 支持線:0.21ドル、次に0.20ドル
- 抵抗線:0.23〜0.24ドル、次に0.25ドル
- RSI:50台後半、ブレイク後の持ち合い
ソラナ
- 支持線:190ドル、次に185/175ドル
- 抵抗線:200〜205ドル、次に210〜220ドル
- RSI:55前後、相対的強さを維持
(※いずれもチャート上の参考レンジ、単位はドル。実運用では時間軸の整合、出来高、移動平均・ボラティリティ系指標との併用を推奨)
市場に影響を与えたニュースや経済要因
ファンダメンタルズ面では、米国でソラナなどアルトコイン銘柄の現物ETFが相次いで上場し、規制の枠組みの中で新たな資金導線が拡充したことが市場心理を下支えしました。背景には、9月に導入された米SECの上場手続きの効率化があり、デジタル資産の現物型商品が相対的に出しやすくなったとの見方が広がっています。
資金フロー面では、直近週でビットコイン関連に資金流入が戻る一方、イーサリアムは純流出に転じたとの集計が示され、ETF経由の需給が個別銘柄の強弱を左右する構図が鮮明になりました。トレジャリー企業の新規購入が停止している中、ETFフローが重要度を増しています。
今週以降の見通し
今週は、10月28〜29日のFOMCを控えたイベント待ちのムードが色濃く、市場全体でポジションがやや軽くなる一方、先物のオープンインタレストは若干積み上がりました。しかしそれでも10月前半の相場急落前と比べると、先物ポジションは遥かに軽い状態です。これは急落でダメージを受けたトレーダーが新たにリスクを取れず、相場が動きずらいことを表しています。一方で動き出せばロング建玉は若干増えているとはいえ、限定的なため、相場上昇シグナルがあれば最高値までの上値が軽い可能性もあります。

引用:https://www.binance.com/en/futures/funding-history/perpetual/trading-data
金利・ドル動向を見極めたい投資家が増えるなか、レバレッジの増加は上下いずれかにトレンドが発生した際の値幅拡大につながりやすく、短期的なボラティリティの種となっています。
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