暗号資産市場 週刊レポート(2025年11月13日〜11月19日)

株式会社HashHub
2025/11/20
今週は、暗号資産市場は大きく下落しました。ほとんど毎日、安値を切り下げてビットコイン88,000ドル台を一時つけて年初来の上昇を帳消しにしました。200日移動平均線を下回り、反発できなければ、2023年から始まった上昇相場のトレンド転換の可能性も意識されます。
株式市場はAI相場がバブル化していることへの懸念から値を下げていますが、株式市場に先行して株式市場以上の値幅で売られているのが暗号資産市場です。目先は下値を探る展開になります。また金融市場全体では、明日以降、政府閉鎖で公表されていなかった経済指標の発表や、マーケット全体に影響を与えるNVIDIAの決算などイベントが控えます。
価格動向
ビットコイン
今週、ビットコインは1週間で約10%と大きく下落をしました。ほとんど毎日、安値を切り下げてビットコイン88,000ドル台を一時つけて年初来の上昇を帳消しにしました。200日移動平均線を下回り、反発できなければ、2023年から始まった上昇相場のトレンド転換の可能性も意識されます。
株式市場はAI相場がバブル化していることへの懸念から値を下げていますが、株式市場に先行して株式市場以上の値幅で売られているのが暗号資産市場です。目先は下値を探る展開になります。
ビットコインの下落要因を1つに特定することは難しく、トレジャリー企業の購入停止・暗号資産市場を後押ししてきたトランプ政権の支持率が低下している・401Kなどを発表したあとの材料不足・短期市場でのドル流動性低下など、様々な要因があります。
現物ETFへの資金流出入も増加しており、下値を探る展開が続きそうと言えます。
イーサリアム
イーサリアムは、ビットコインに比べると相対的に落ち着いた値動きとなり、3,000ドル台をキープしました。週を通じて3,000〜3,250ドル程度のレンジで推移し、目先はビットコイン主導の地合いを横目に、底値を固める展開が続いています。ETFでのステーキング承認の需要や、今後のスケーリング改善への期待など、ファンダメンタルズ面での支えも意識されやすい状況です。
XRP(リップル)
XRP(リップル)は、2ドル前半でのレンジ相場が続きました。2.10〜2.35ドル程度のレンジ内での上下となっており、大きな方向感はまだ出ていません。訴訟リスクが後退した一方で、新たな成長ストーリーが明確に意識される段階には至っていないと言えます。
ドージコイン
ドージコインは、0.15〜0.17ドル前後の限られたレンジ内での推移にとどまりました。短期筋による回転売買は続いているものの、目新しい材料に欠ける中で、ビットコインやソラナなど他銘柄の動きに連れた値動きが中心です。
ソラナ
ソラナは、現物ソラナETFの上場を背景とした資金流入期待が続くなか、他の主要アルトと比較すると底堅い動きとなりました。水準としては140ドル前後での推移となり、135〜150ドルのレンジでの持ち合いが続いています。ETFを通じた機関投資家マネーの流入期待が、全般的なリスクオフムードの中でも相対的な下支え要因となっていると考えられます。
テクニカル分析
サポート・レジスタンス水準
ビットコイン:支持 88,000〜90,000、次 85,000。抵抗 96,000、次 100,000(心理的節目)。
イーサリアム:支持 3,000、次 2,900。抵抗 3,300、次 3,500。
XRP(リップル):支持 2.10〜2.20、次 2.00。抵抗 2.35、次 2.50。
ドージコイン:支持 0.150、次 0.140。抵抗 0.170、次 0.180。
ソラナ:支持 135、次 130。抵抗 150、次 160。
(※いずれもチャート上の参考レンジ、単位はドル。実運用では時間軸の整合、出来高、移動平均・ボラティリティ系指標との併用を推奨)
RSI(相対力指数)
日足ベースでは40〜55に収れんする「中立圏」が中心。ビットコインは40台後半で勢い横ばい、イーサリアムは50前後で中立、ソラナはやや強めの50台前半、XRP/ドージコインはレンジ上限・下限でRSIが反応しやすい局面。
(※いずれもチャート上の参考レンジ、単位はドル。実運用では時間軸の整合、出来高、移動平均・ボラティリティ系指標との併用を推奨)
市場に影響を与えたニュース
今週の暗号資産市場は、アメリカ株式市場のAIバブルの懸念と、利下げ観測の後退がトリガーとなり、大きく下落しました。
アメリカ株式市場のAIバブルの懸念については、映画ビッグショートのモデルとなった空売り投資家のマイケルバーリ氏が、AI関連株はバブルであるという旨をXに投稿して、注目を集めました。ビッグテック各社はGPUの減価償却期間を長期化することで、単年度の利益を水増ししていると主張しています。これによってマーケットは警戒して、株式市場の恐怖指数は上昇しています。
また、次回の連邦準備制度理事会(FRB)会合での利下げ確率は一時期は80%を超えていたものの、現在では45%にまで低下しています。FOMCに参加する地区連銀のメンバーが立て続けに利下げに慎重なコメントを出したためです。これによって金利感応度が高い暗号資産は真っ先に弱気市場入りしています。
今週以降の見通し
今週以降の暗号資産市場を展望するにあたっては、米経済指標の公表再開とともに、市場が改めて金利や景気を織り込み直す過程で、暗号資産も含めたリスク資産全般が方向感を探る局面が続くという見立てが想定されます。
政府機関の閉鎖が解消されたとはいえ、10月分の統計に欠測が残ることで、インフレや成長のトレンドを判断するうえで材料が十分とは言えず、投資家はETFの資金フローや金利動向といった代替的な指標に頼りながらポジションを調整していくことになりそうです。この環境下では、ビットコインは9.0〜9.6万ドル程度のレンジ圏での推移を基本線とし、イーサリアムは3,000ドル台を中心とした持ち合いを続ける公算が大きいとみられます。
強気シナリオとしては、米経済指標が再びディスインフレの流れを確認させる内容となり、長期金利が落ち着きを取り戻す一方で、ビットコイン現物ETFへの資金流入が再加速する展開が挙げられます。この場合、ビットコインは心理的節目である10万ドルの再トライに向けて上値を伸ばす可能性があります。
逆に弱気シナリオとしては、米経済データの再開後にインフレ指標や賃金関連統計が想定以上の強さを示し、実質金利が再上昇するなかで、ビットコイン現物ETFの資金フローが流出超の状態で定着してしまうケースが考えられます。その場合、ビットコインは9万ドルのサポートを割り込んで8.8万ドル近辺の下値目処を試す展開も想定されます。
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