暗号資産市場 週刊レポート(2026年1月15日〜1月21日)

株式会社HashHub
2026/01/22
米国のグリーンランド統治要求および関税を巡る地政学・通商リスクが株式を含むリスク資産全般の重荷となり、暗号資産も連れ安する局面が目立ちました。また米国の暗号資産規制を巡るClarity Act(デジタル資産市場の枠組み法案)への期待も剥落したことも暗号資産のセンチメントを悪くしています。ビットコイン は 9.7 万ドル台を試した後、9 万ドル割れ近辺まで急速に調整し、アルトコインは下落率が相対的に大きい相場となりました。
価格動向
ビットコイン
ビットコイン は1/15に 9.7 万ドル近辺まで上値を試したものの、その後は戻り売りが優勢となり、1/20 にかけて 8.9 万ドル台(安値 8.9 万ドル台)まで下落しました。週間レンジは概ね 8.9〜9.7 万ドル。
背景として、現在法案として出されているClarity Act(デジタル資産市場の枠組み法案)の問題点をCoinbase社が指摘して、銀行など金融機関・ホワイトハウス・従来の暗号資産取引所企業それぞれの間で溝が明らかになったことがセンチメントを悪くしました。規制期待で積み上がったポジションの巻き戻しに加え、リスクオフ局面で暗号資産が「流動性の高いリスク資産」として売られやすかった点が示唆されます。
イーサリアム
イーサリアム は 1/15 時点で 3,300 ドル台中心だったものの、週後半に下落が加速し、1/20 に 3,000 ドル近辺(安値 2,980 ドル台)まで押し込まれました。
XRP(リップル)
XRP は 2.1 ドル近辺から上値が重く、1/20 にかけて 1.90 ドル近辺まで軟化しました。レンジは概ね 1.90〜2.14 ドルです。相対的に値幅が出やすい局面で、短期資金の回転が速く、押し目での買い支えが入りつつも戻りが限定されました。
ドージコイン
ドージコイン は 1/15 に 0.14 ドル台から急落し、その後も軟調地合いが継続。1/20 には 0.12 ドル前半(安値 0.123 付近)まで下落しました。レンジは概ね 0.123〜0.147 ドルです。
ソラナ
ソラナ は 1/15 に 146 ドル台まで上昇した後、1/20 に 127 ドル近辺(安値 126 ドル台)まで調整しました。レンジは概ね 126〜146 ドルです。
テクニカル分析
サポート・レジスタンス水準
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直近 1 週間の高値・安値、および心理的節目から、日足ベースの目安は以下の通りです(執筆時点)。
- ビットコイン:支持線8.9〜9.0 万ドル、下抜け時は 8.8 万ドル近辺が次の焦点。抵抗線は 9.3 万ドル、次いで 9.5 万ドル(戻りの分岐点)、上は 9.7 万ドル台。
- イーサリアム:支持線 2,980〜3,000 ドル、戻り局面の抵抗線は 3,100〜3,200 ドル、上は 3,300 ドル台。
- XRP:支持線1.90 ドル近辺、抵抗線は 2.05〜2.08 ドル、上は 2.14 ドル近辺。
- ドージコイン:支持線0.123〜0.125 ドル、抵抗線 0.135〜0.138 ドル、上は 0.147 ドル近辺。
- ソラナ:支持線 126〜128 ドル、抵抗線 133〜135 ドル、上は 145〜146 ドル。
RSI(相対力指数)
RSI(14 日)は主要銘柄で揃って低下し、短期的な「過熱(買われ過ぎ)」は解消されました。反面、トレンドが弱い状態であることを示しやすく、反発があっても戻り売りに押されるパターンには注意が必要です。
- ビットコイン:RSI は 20 台半ばで「売られ過ぎ」示唆。
- イーサリアム:RSI は 20 を下回る水準で「売られ過ぎ」示唆が強い。
- XRP:RSI は 20 台後半で弱含み。
- ドージコイン:RSI は 30 前後で弱含み。
- ソラナ:RSI は 30 前後で弱含み。
市場に影響を与えたニュース
先週までClarity Act(デジタル資産市場の枠組み法案)規制明確化への期待が相場の追い風となった一方、上院委員会で予定されていた議論が延期されました。Clarity Act(デジタル資産市場の枠組み法案)の問題点をCoinbase社が指摘して、銀行など金融機関・ホワイトハウス・従来の暗号資産取引所企業それぞれの間で溝が明らかになったことがセンチメントを悪くしました。材料の織り込みが進んでいた分だけ反動が出やすい展開となりました。
米国スポット ETF のフローについては、ビットコイン に1/14 に大幅流入が観測された後、1/15 は流入縮小、1/16 には流出超へ転じています。イーサリアム・ソラナ も同様に、流入はあるものの勢いが鈍化(または小幅流出)しています。
また、1/18の週末から1/21にかけて米国がグリーンランドを巡る態度を硬化させており、ヨーロッパとの関係が悪化しています。グリーンランド統治を支持しなければヨーロッパ各国への関税を段階的に引上げることも発表されており、週明けから全世界的に株式市場に売りが出ています。日本の長期金利が急ピッチで上昇しており、金利上昇が米国にも波及しており、リスク資産のセンチメント悪化に拍車をかけています。
今週以降の見通し
RSI が「売られ過ぎ」圏に近づいているため、短期的には自律反発が入りやすい地合いです。ただし、規制材料の進展が一度織り込まれた後の調整局面であり、ETF フローが再び明確な流入基調に戻るまでは、戻りも限定的になりやすいと見ます。目線としては、ビットコイン が 9 万ドル近辺を維持できれば 9.3〜9.5 万ドルを試す余地、イーサリアム は 3,000 ドル台の回復・維持が焦点です。
強気シナリオを想像するならば上院での議論再開に向けた前向きな材料(修正案の合意形成、審議日程の具体化)が出て、ETF フローが再び流入優勢となれば、ビットコイン は 9.5 万ドル台回復を起点に 9.7 万ドル台(レンジの上限)を意識することがありえます。
弱気シナリオでは、関税・地政学要因で株式のボラティリティが高止まりし、ETF フローが流出基調に傾く場合、ビットコイン は 8.9〜9.0 万ドルの支持線を割り込み、下の節目(8.6-8.8 万ドル近辺)を試す展開に警戒が必要です。
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