暗号資産市場週刊レポート(2026年1月29日〜2月4日)

暗号資産市場週刊レポート(2026年1月29日〜2月4日)

株式会社HashHub

2026/02/05

今週(1/292/4)の暗号資産市場は、リスクオフが優勢となり、主要銘柄は軒並み下落基調で推移しました。背景として、米金融政策を巡る不確実性(次期FRB議長人事を含む)や、株式・貴金属を巻き込むボラティリティ上昇が重なり、暗号資産も「高流動性のリスク資産」として売り圧力が波及しやすい地合いとなりました。また、デリバティブ市場ではレバレッジ解消(ロング・ショート双方の清算)が観測され、下落局面の値幅拡大を助長した点が特徴的です。週末は流動性が薄くなりやすく、価格が振れやすい環境も意識されました。

価格動向

ビットコイン

ビットコインは1/2989,000ドル台から84,000ドル台へ大きく下押しした後、1/31にかけて78,000ドル台まで一段安となりました。その後2/2に持ち直す場面があったものの、2/3は再び74,00076,000ドル台へ弱含み、週間を通じて「戻り売りが出やすい」展開でした。直近の値動きとしては、高値89,000ドル台〜安値73,000ドル台とボラティリティが高い推移です。

イーサリアム

イーサリアムは週初(1/29)に3,000ドル近辺から2,800ドル台へ調整し、その後も下落圧力が継続。1/312,400ドル台、2/1にかけては2,200ドル台まで下押ししました。2/22/3は反発と再調整が交錯し、執筆時点では2,200ドル台前半〜2,300ドル台中心の推移です。週間レンジは概ね3,000ドル台〜2,100ドル台と、ビットコイン以上に下落のインパクトが目立ちました。

XRP(リップル)

XRPは1/291.90ドル台を付けた後、1/31にかけて1.60ドル台へ急落し、安値は1.52ドル近辺まで下振れしました。2/22/31.61ドル近辺へ戻す動きがみられる一方、上値追いは限定的で、週を通じて戻りの鈍さが残る推移となりました。

ドージコイン

ドージコインは1/290.12ドル台前半から0.11ドル台へ急落し、1/31には0.10ドル近辺まで下押し(安値0.095ドル台)しました。その後は2/22/3にかけて0.10ドル台後半へ持ち直し、短期資金の買い戻しが入る一方で、依然として高ベータらしい値幅の大きさが継続しています。

ソラナ

ソラナは1/29125ドル台から117ドル台へ急落し、1/31には105ドル台まで下落(安値は98ドル台)しました。2/2は反発で104ドル台を回復したものの、2/3は再び100ドル近辺まで押し戻されました。週間レンジは概ね125ドル台〜96ドル台です。

テクニカル分析

サポート・レジスタンス水準

直近1週間の高値・安値、および心理的節目から、日足ベースの目安は以下の通りです。

  • ビットコイン:支持線 73,00075,000ドル、下抜け時は70,000ドル近辺が次の焦点。抵抗線は 80,000ドル、上は 84,00085,000ドル。
  • イーサリアム:支持線 2,1002,200ドル、下抜け時は2,000ドル台。抵抗線は 2,400ドル、上は 2,7002,800ドル。
  • XRP:支持線1.531.55ドル、下抜け時は1.50ドル割れ。抵抗線は 1.65ドル近辺、上は 1.751.80ドル。
  • ドージコイン:支持線0.10ドル、下は 0.095ドル台。抵抗線は 0.11ドル台後半、上は 0.12ドル台。
  • ソラナ:支持線 96100ドル、下抜け時は90ドル台。抵抗線は 105ドル近辺、上は 117120ドル。

RSI(相対力指数)

RSI(14日)は、急落局面の後に「中立圏(概ね4555)」へ戻りつつある銘柄が多く、短期的な過熱感は一巡した一方、明確な上昇トレンド再開を示すほどの強さもまだ限定的です。一般にRSIが中立圏で推移する局面では、材料次第でレンジの上抜け・下抜けが生じやすく、イベントドリブンのボラティリティ上昇に留意が必要です。

  • ビットコイン:45前後(中立〜やや弱含み)
  • イーサリアム:52前後(中立)
  • XRP:46前後(中立〜やや弱含み)
  • ドージコイン:54前後(中立)
  • ソラナ:46前後(中立〜やや弱含み)

市場に影響を与えたニュース

第一に、マクロ面では米連邦準備制度理事会(FRB)の金融環境を巡る観測がリスク資産全般の重しとなりました。とりわけ、ケビン・ウォーシュ氏の次期議長観測(および実際の選定報道)を受けて、流動性環境の先行きが意識され、暗号資産にも売りが波及しました。昨年末頃の段階では議長候補はケビン・ハセットが有力で、彼が候補から外れても、ケビン・ウォーシュよりもブラックロックの幹部であるリック・リーダーのほうが可能性が高いとメディアや予測市場でも言われてきました。その中でケビン・ウォーシュの候補指名はサプライズだったと言えます。彼は利下げをしながらバランスシートを縮小するべきであると主張しています。中央銀行がバランスシートを拡大するとマネタリーベースが増えることで、歴史的に様々な資産クラスの価格高騰に影響を与えてきました。特にビットコインはその典型ですし、昨年から法定通貨の信任低下がさらに加速してゴールド高騰に繋がっていました。

彼の政策観は以下の4点に集約されます。

■インフレ・スタグフレーション観

今後数年間のスタグフレーション予測を放棄すべき。AIが生産性を向上させ、重要なデフレ圧力になると主張。

■バランスシート(BS)縮小

インフレは政府の過剰支出と紙幣の過剰印刷が原因。肥大化したFRBBSを大幅に縮小すべき。

■規制失敗の責任

シリコンバレー銀行の破綻等、FRB自らの規制上の失敗に対する責任を認めるべき。

■新たな規制体系

複雑で強すぎる国際規制(バーゼル規制等)から脱却し、アメリカ独自の新しい規制体制を目指すべき。

特に注目されるのは、バランスシート(BS)縮小で、過去10年のFRBはバランスシートを拡大しすぎていて、金利の上下で経済に与える影響が不感応になりつつあると主張しています。またバランスシートの拡大はウォールストリートには恩恵があったが、メインストリートには恩恵はなく格差拡大を助長していると言います。 この思想自体は明らかにビットコインやゴールドの資産クラスにはネガティブ要因で、マーケットの初期反応は頷けます。利下げや規制緩和には肯定的(ハト派)であるが、バランスシート(BS)の縮小には極めて前向き(タカ派)という独特のスタンスを持ちます。

今週以降の見通し

暗号資産のセンチメントは極めて悪く、ビットコインは74,000ドルの下値を固められるか探る展開となります。

このサポートが割れる場合、チャート上の下値サポートはほとんどなく過去出来高が多い水準は5万ドル台になります。RSIが中立圏に戻りつつあるため、自律反発は入りやすい一方、上抜けには出来高・フローの改善が必要です。

リスクオフ継続シナリオでは、金利・ドル高観測の再燃、もしくは株式・コモディティの変動拡大が続き、ETF流出も止まらない場合、ビットコインは73,000ドル近辺の支持線の攻防が焦点となります。下抜ける場合は70,000ドル割れも視野に入り、イーサリアム・ソラナなど高ベータ銘柄の下落が相対的に大きくなる可能性があります。

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