暗号資産市場週刊レポート(2026年3月5日〜3月11日)

暗号資産市場週刊レポート(2026年3月5日〜3月11日)

株式会社HashHub

2026/03/12

先週の暗号資産市場は、週初の戻りを維持できず主要銘柄がいったん調整色を強めた後、週後半から週明けにかけて持ち直す展開となりました。ビットコインは7.3万ドル近辺から6.6万ドル台まで押し戻され、その後7万ドル近辺を回復しました。イーサリアムや主要アルトコインも同様に、上値の重さを確認したあとに自律反発を試す流れとなっています。

背景には、中東情勢の影響による原油急騰を伴う中東情勢の緊迫化、その後の原油反落によるリスク選好の戻りが重なったことがあると考えられます。しかしながらアジアの株式市場の下落と比較して暗号資産市場の下落は限定的となっています。

価格動向

ビットコイン

ビットコインは35日に7.35万ドル近辺まで上伸したものの、その後は利食い売りとETF資金流出が重なり、6日には6.8万ドル台、9日には一時6.58万ドル台まで下押ししました。ただ、週明けには原油価格の反落やリスク回避姿勢のやや後退を受けて持ち直し、10日時点では概ね7万ドル前後を回復しています。週全体で見ると、7.4万ドル台の上値追いには失敗した一方、6.6万ドル前後では押し目買いも確認され、方向感を探る推移でした。

イーサリアム

イーサリアムは週前半に2,160ドル近辺まで買われたあと失速し、6日には2,000ドル割れ目前まで下落しました。9日から10日にかけては2,000ドル台を回復していますが、戻り局面でも2,0802,100ドル台では売りが出やすく、ビットコインに比べると戻りの鈍さが意識されやすい状況です。現物ETFフローも週前半は流出超が続いており、需給面での重石が相対的に大きかったとみられます。

XRP(リップル)

XRPは1.45ドル近辺まで上昇したのち、週後半に1.331.35ドル台へと調整しました。その後は1.381.40ドル方向へ切り返しており、下値不安を広げるほどの崩れには至っていません。ただし、1.40ドル台前半では戻り売りが観測されやすく、短期的にはレンジ色の濃い値動きといえます。相場全体の地合い改善が続くかどうかが、再度1.45ドル台を試せるかの分岐点になりそうです。

DOGE

ドージコインは値動きの振幅が大きく、35日に0.099ドル前後を付けたあと、週後半には0.0870.090ドル台まで押し戻されました。足元では0.0940.095ドル近辺まで戻しているものの、0.10ドル台回復にはなお勢い不足との印象です。市場心理の改善局面では買いが入りやすい一方、リスクオフ局面では真っ先に利益確定売りが出やすい銘柄であり、短期資金主導の色彩が強いといえます。

SOL

ソラナは93ドル近辺まで上昇したあと、週後半には80ドル台前半まで反落しました。9日以降は85ドル前後へ戻していますが、90ドル台定着には至っていません。週中の下げ局面ではアルトコイン全般のリスク圧縮の影響を受けやすく、ビットコインよりも値幅が拡大しやすい動きとなりました。もっとも、80ドル台前半では押し目買いも入り、急落後の下値模索が一巡しつつある可能性もあります。

テクニカル分析

テクニカル面では、主要銘柄はいずれも週前半の高値から反落したあと、直近安値圏でいったん下げ止まりを試しています。ビットコインの支持線はまず6.6万〜6.8万ドル、次いで心理的節目の6.5万ドル近辺です。抵抗線は7.15万〜7.35万ドルで、このゾーンを明確に上抜けられるかが再上昇の条件となります。

イーサリアムは1,9502,000ドルが当面の支持帯で、これを割り込むと1,900ドル、さらに1,800ドル台が意識されやすくなります。上値は2,0802,160ドルが戻り売りの出やすい水準です。XRP1.331.36ドルが下値支持、上値は1.411.45ドルが抵抗帯です。ドージコインは0.0890.090ドルが支持線、0.0990.100ドルが抵抗線です。

ソラナは8183ドルが支持帯、8890ドルが最初の戻りの壁として機能しやすいと考えられます。

RSI(相対力指数)については、週後半の下押しにより過熱感が大きく後退しました。ビットコインは中立圏近辺まで低下しており、上昇再開には50台回復がひとつの目安となります。イーサリアムは足元で売られ過ぎに近い水準が意識されており、2,000ドル近辺での反発力が試されやすい局面です。XRPとドージコインも過熱感は乏しく、短期的には戻り余地を残す一方、強い上昇トレンドへ復帰したと判断するにはなお材料不足です。ソラナもモメンタムは弱中立に傾いており、まずはRSIの持ち直しと価格の90ドル台回復を同時に確認したい局面です。総じて、現状は「買われ過ぎの調整は進んだものの、強い再上昇シグナルはまだ限定的」という評価が妥当です。

市場に影響を与えたニュース

直近でマーケットの最大の関心の対象は、地政学リスクと原油相場の急変です。中東情勢の緊迫化を背景に原油価格が急騰した局面では、投資家心理が悪化し、暗号資産市場でもリスク圧縮の動きが強まりました。米国とイスラエルのイランへの攻撃から1週間が経過して、ホルムズ海峡の実質的封鎖となり、原油価格は一時120ドル近くまで高騰しました。攻撃後に最も売られている資産は日本や韓国、ヨーロッパの株式、またタイやベトナムなど新興国も売られています。これらの資産は昨年から米国株式市場をアウトパフォームしてきて、特に日本や韓国は加熱感もあったため利益確定の絶好の口実にされた背景もあります。そしてなによりこれらの国のいずれもが中東の原油依存度が高いエネルギー輸入国です。原油輸出国である米国の株式はそこまで大きく売られていません。また暗号資産市場もそこまで売られていないことにも注目したいです。暗号資産市場が大きく崩れていない背景は、イラン攻撃前から大きく調整したことや、アメリカ市場との結びつきが強くそのアメリカが崩れていないことで説明できるでしょう。

火曜日にはトランプ大統領による「今回の攻撃の目的は大体達成された」という停戦期待を意識した発言などを受けて原油が反落すると、ビットコインや主要アルトコインには自律反発の動きがみられました。暗号資産市場は伝統的な安全資産ではないため、原油高と地政学リスクの高まりは基本的にリスクオフ要因として作用しやすい状況です。また執筆時点で、停戦期待がマーケットに若干生まれたものの、具体的な停戦協議は行われていません。

その他、米国のマクロ環境としては37日公表の2月雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比9.2万人減となり、市場予想を下回ったうえ、失業率は4.4%へ上昇しました。これ自体は利下げ期待を高めやすい内容ですが、同時に景気減速懸念も意識され、リスク資産にとっては素直な追い風になりにくかったといえます。金融市場では、3FOMCでの据え置き観測が中心である一方、その後の利下げ時期を巡る思惑が交錯し、暗号資産市場でも値動きが不安定になりました。

需給面では、米国の現物ETFフローが週前半の上値を抑えました。ビットコイン現物ETFは週前半に資金流出が目立った一方、週明けには流入へ転じています。イーサリアム現物ETFは全体として軟調で、需給面の重石が意識されやすい展開でした。足元の相場は、ETFを通じた資金流入が再び安定するかどうかに左右されやすい地合いといえます。

今週以降の見通し

今週以降の焦点は、まず311日の米2CPI、次いで317日〜18日のFOMCです。インフレ指標が市場予想に比べて落ち着いた内容となり、かつ原油相場が再び落ち着きを取り戻すようであれば、ビットコインは7.15万〜7.35万ドルの抵抗帯を再度試す可能性があります。その場合、イーサリアムは2,100ドル台回復、XRP1.45ドル近辺、ドージコインは0.10ドル台、ソラナは90ドル台回復をうかがう展開が想定されます。反対にホルムズ海峡の実質的封鎖が長引く再び原油が100ドル台になり、リスク資産が売られることも考えられます。引き続き中東情勢に振り回されるマーケットになるでしょう。

一方、CPIが再びインフレの粘着性を示し、原油が再上昇、あるいはETFフローが再び大幅流出に傾く場合には、戻り売り優勢の展開に注意が必要です。

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