暗号資産市場週刊レポート(2026年3月12日〜3月18日)

株式会社HashHub
2026/03/19
今週の暗号資産市場は、中東情勢の悪化に伴う原油高とインフレ再燃懸念が重石となる一方、2月の米CPIが前年比2.4%、前月比0.3%と概ね市場予想の範囲内にとどまったことから、過度なリスク回避はやや後退しました。週前半はマクロ不透明感を意識して上値の重い場面もありましたが、週後半にかけてはビットコインを中心に持ち直し、主要アルトコインにも買い戻しが波及しました。米スポットETFへの資金流入再開や、Strategyによる追加購入も需給面の安心感につながっています。
価格動向
ビットコイン
ビットコインは、3月12日に7.0万ドル前後で推移した後、13日には一時7.39万ドル台まで上昇し、16日から17日にかけては7.48万〜7.56万ドル近辺まで上値を伸ばしました。週初は中東情勢を受けた原油高、ドル高、金利高が重石となったものの、7万ドル近辺では押し目買いが入りやすく、週を通じてみると下値を切り上げる展開となっています。直近では、マクロ不安が残る環境下でも底堅さを維持した点が印象的でした。
イーサリアム
イーサリアムは、3月12日時点で2,000ドル台前半に位置し、その後は段階的に買い戻されました。13日から15日にかけては2,070〜2,200ドル台での持ち合いが中心でしたが、16日には2,384ドル台まで上昇し、17日も2,350ドル台を維持しています。ビットコインに比べれば戻りのテンポは慎重でしたが、相場全体の地合い改善に連動して水準を切り上げました。
XRP(リップル)
XRP(リップル)は、週前半に1.38〜1.40ドル台で推移した後、16日には1.55ドル近辺、17日には一時1.60ドル台まで上昇しました。値動き自体はビットコイン主導の戻りに追随する色彩が強かったものの、1.40ドル前後での押し目買い意欲は比較的はっきりしており、主要アルトコインの中では底堅い部類に入ります。足元では1.50ドル台での定着を試す動きとなっています。
ドージコイン
ドージコインは、3月12日に0.094ドル前後で推移した後、16日に0.103ドル台、17日も0.103〜0.104ドル近辺まで上昇しました。ビットコインの反発を受けて個人投資家の資金が中小型アルトコインへ広がる中、週間では比較的高いパフォーマンスを示しています。
ソラナ
ソラナは、3月12日に86ドル台で推移した後、15日に93ドル台、16日には97ドル台まで上昇し、17日も96ドル台を維持しました。主要アルトコインの中では戻りが比較的鮮明で、リスク選好が改善する局面では値動きの軽さが再び意識されています。もっとも、上昇トレンドへ明確に復帰したと断定するにはなお早く、現状は反発局面の継続性を確認する段階と言えます。
テクニカル分析
サポート・レジスタンス水準
ビットコイン:支持 7.0万ドル前後、次は6.9万ドル台。抵抗 7.5万ドル前後、次は7.6万ドル台。週後半にかけて戻り高値を試したものの、7.5万ドル台では利食いも出やすく、まずは7.0万ドル台を維持できるかが焦点です。
イーサリアム:支持 2,150〜2,200ドル、次は2,000ドル近辺。抵抗 2,350〜2,400ドル、次は2,500ドル近辺。2,000ドル台前半からの反発は確認できる一方、2,400ドル前後では戻り売り圧力も意識されやすい局面です。
XRP(リップル):支持 1.40ドル前後、次は1.30ドル台後半。抵抗 1.55〜1.60ドル。1.40ドル台を軸に持ち直しており、1.60ドル近辺を明確に上抜けるかが次のポイントとなります。
ドージコイン:支持 0.095ドル前後、次は0.090ドル近辺。抵抗 0.103〜0.105ドル、次は0.11ドル近辺。短期資金の流入で反発しているものの、値動きはなお荒く、出来高を伴う上抜けかどうかを見極めたいところです。
ソラナ:支持 90ドル前後、次は85ドル近辺。抵抗 97〜100ドル、次は105ドル近辺。主要アルトの中では戻りが鮮明で、100ドル台を回復できるかが地合い改善の確認ポイントとなります。
市場に影響を与えたニュース
今週の最大の材料は、中東情勢の悪化に伴う原油高と、それを通じたインフレ見通しの再評価でした。ロイターによると、2月の米CPIは前年比2.4%、前月比0.3%で市場予想並みでしたが、その後のエネルギー価格上昇を受けて、金融市場ではFRBの利下げ開始時期が後ろ倒しになるとの見方が強まりました。原油高は通常、リスク資産全般には逆風となりやすく、暗号資産市場でも週前半の上値を抑える要因となりました。
しかしながら、アメリカとイスラエルが、イランへの攻撃を開始した2/28を起点に主要資産の騰落率を概観すると以下のようになっております。
- WTI原油:+39.3%
- ビットコイン:+6.7%
- 金(スポット):-5.9%
- S&P 500:-1.54%
- ドル円:+1.46%(ドル高・円安)
- 米10年債利回り:+24.5bp
ホルムズ海峡が実質的に封鎖されており、原油が上昇していることは言うまでも無いですが、特筆すべきはゴールドが買われていないこと、対照的にビットコインが底堅く、下げないどころか物色の対象になっている点です。昨年10月に高値をつけて以降、約半年間売られ続けた暗号資産がようやく買われる局面がやってきて、しかもそれが主要なアセットクラスのほとんどが下げている中で訪れているということになります。
ゴールドの下落については、原油高によるインフレ再燃懸念から金利を下げることができないというマーケット心理が働いているのが主要な見方です。また、公式の発表はないものの、一部の国は外貨準備や中央銀行の準備通貨にしているゴールドを売却するのではないか?という憶測も出回っています。売却をして軍事費や原油購入に充当するためや、自国通貨安に対応するためです。これは現時点でSNSで出回っている憶測ではありますが、論理的にはあり得る話です。ゴールドはすでに外貨準備に組み込まれており、それは各国が必要な局面に応じて売却されるタイミングはありえることと同義だからです。
対照的に、ビットコインはすでに高値から30%以上も売られていて、ポジションが混み合っていない資金の逃げ先と見做された可能性があります。加えて、投資家は株式のポジションを落としたいものの、スタグフレーション懸念から現金も価値保存には適さない、先述した理由からゴールドも需給環境に懸念がある憶測ができてた、そういった局面でビットコインが消去法的に買われている側面もあるのではないかと推察できます。
暗号資産市場固有の需給は改善している傾向にあると言えます。米スポットETFへの資金流入がわずかながら再開しつつあることに加え、Strategyが3月9日から16日にかけて2万2337ビットコインを約15.7億ドルで追加購入したことは、市場に対して押し目買い需要の強さを印象づけました。機関投資家による継続的な需要が確認されたことで、ビットコインの7万ドル近辺では売りが続きにくい地合いが形成されています。
他方で、中期的な制度面ではやや慎重な見方も残っています。Citigroupは、米国の暗号資産法制整備の進展鈍化を理由に、ビットコインとイーサリアムの12カ月目標価格を引き下げました。短期の需給改善と、中期の制度期待の後退が同時に存在している点は、足元の相場をみる上で重要です。
今週以降の見通し
ベースシナリオでは、FOMC通過後に市場が据え置きは概ね織り込み済みと受け止める場合、ビットコインを中心にもう一段の上値試しが続く可能性があります。需給面ではETFフローと企業の押し目買いが下支えとなりやすく、ビットコインは7.5万ドル前後が意識されそうです。
一方、弱気シナリオでは、これまでの2週間の上昇がStrategy社の単独での購買が要因として大きかったとするならば、後続の買いがなく反落の可能性もあります。原油高の長期化やインフレ警戒の強まりを受けて、FRBがタカ派色を残すケースもあるでしょう。この場合、ドル高・金利高が再び意識され、ビットコインは7.0万ドル近辺、イーサリアムは2,100ドル台の支持線を改めて試す可能性があります。現状は上昇基調への回帰を試しつつも、なおマクロ環境に大きく左右されやすい戻り局面と位置づけるのが妥当でしょう。
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