暗号資産市場週刊レポート(2026年4月16日〜4月22日)

株式会社HashHub
2026/04/23
今週の暗号資産市場は、中東情勢を巡るリスクプレミアムの縮小期待と、暗号資産投資商品への資金流入が下支えとなり、主要銘柄は週半ばにかけて堅調に推移しました。一方、米国・イラン停戦延長協議や原油価格の変動、米金融政策を巡る見方が交錯し、週末から週明けにかけては上値の重さも意識される展開となりました。ビットコイン(BTC)は一時7.8万ドル近辺まで上伸した後、7.5万ドル台を中心に推移し、イーサリアム(ETH)や主要アルトコインも総じて戻り歩調ながら、銘柄ごとの強弱が分かれました。
価格動向
ビットコイン
ビットコインは週前半から7.5万ドル前後で底堅く推移し、4月17日には中東情勢の緊張緩和期待を背景に7.6万〜7.8万ドル台まで上伸しました。その後は利益確定売りに押される場面もありましたが、4月21日午前時点では7.5万ドル台を維持しています。米FORTUNE誌の4月21日付データではビットコインは75,901ドル近辺、イーサリアムは2,305ドル近辺、XRPは1.43ドル近辺で推移しており、ビットコインは1カ月前比では上昇を保っています。
今週のビットコインは、ETFを含む投資商品への資金回帰と、Strategyによる大規模買い増しが需給面を支えた相場でした。Strategyは4月13日〜19日に34,164ビットコインを約25.4億ドルで取得し、保有総量は815,061ビットコインに達したとSEC提出書類で開示しています。
イーサリアム
イーサリアムは2,200ドル台前半から2,400ドル台半ばまで戻す場面がありましたが、ビットコインに比べると上値追いの勢いは限定的でした。週後半には2,300ドル台前半へ調整し、2,415ドル近辺の上値抵抗を明確に突破できるかが短期的な焦点となっています。イーサリアム投資商品への資金流入が3.28億ドルと強かったことは評価材料ですが、DeFi関連の信用不安やハッキング報道が、イーサリアムエコシステム全体のセンチメントをやや抑えた面もあります。
XRP(リップル)
XRPは1.4ドル台を回復し、主要銘柄のなかでは相対的に底堅い値動きとなりました。OKXの4月21日時点データではXRPは1.41ドル台、過去7日ではプラス圏で推移しています。もっとも、1.50ドル台手前では売り圧力が意識され、価格はまだレンジ上限を明確に突破したとは言い切れません。Wrapped XRPのSolana対応など、ユースケース拡大を意識させる材料はあるものの、CoinSharesの週次データではXRP関連商品から資金流出が確認されており、現物価格の堅調さと機関投資家フローには温度差がみられます。
ドージコイン
ドージコインは週前半に0.10ドル手前まで上昇し、ビットコインやイーサリアムが小幅な値動きにとどまる場面で、相対的に値幅を出しました。ただし、0.10ドルの心理的節目では戻り売りが出やすく、4月21日時点では0.094ドル台へ反落しています。Coinbaseのデータでは1ドージコインは0.0947ドル前後で、SNS上の関心は高いものの、価格面では0.10ドルの定着が次の課題です。
ソラナ
ソラナは85ドル前後で推移し、週半ばのリスクオン局面では買い戻しが入りましたが、90ドル台を回復するには至っていません。Investing.comの4月21日時点データではソラナは85ドル台、日中レンジは84〜86ドル台となっており、値動きは比較的落ち着いています。ビットコイン主導の相場ではソラナの反発も続きやすい一方、90ドル台に乗せられない場合は、再びレンジ下限を試す可能性があります。
テクニカル分析
主要銘柄の支持線と抵抗線
ビットコインは20日移動平均線に相当する72,800ドル近辺が短期支持として意識され、上値は76,000〜78,333ドルの抵抗帯が焦点です。この水準を終値で明確に上抜ければ、80,000ドル台回復から84,000ドル方向への上昇余地が広がります。一方、同抵抗帯で反落し、移動平均線を割り込む場合は、今回のブレイクが失敗したとみなされやすくなります。
イーサリアムは2,252ドル近辺の20日移動平均線が短期支持、2,415ドルが直近の上値抵抗です。2,415ドルを終値で上抜ければ2,800ドル方向への戻りが意識されますが、同水準を突破できなければ1,916〜2,415ドルのレンジ継続となりそうです。XRPは1.27ドルを支持、1.61ドルを抵抗とするレンジが継続しており、1.61ドルを超えるまでは本格的なトレンド転換には慎重な見方が必要です。
ドージコインは0.09ドルが短期支持、0.10ドルが心理的抵抗です。0.10ドルを上抜けて維持できれば0.12ドル方向が視野に入る一方、0.09ドル割れでは0.08ドル、さらに0.06ドル方向への調整リスクが高まります。ソラナは76ドルが下値支持、90ドルが上値突破の第一関門です。90ドル台を回復すれば98ドル、さらに117ドル方向の戻りを試す余地があります。
RSI(相対力指数)の分析
日足ベースのRSIは、主要銘柄の多くが中立圏にとどまっています。XRPはRSIが中間水準をやや上回る程度で、レンジ上限を試すには出来高の増加が必要です。ソラナとドージコインは移動平均線が横ばいで、RSIも中間水準付近にあるため、買い手・売り手のどちらにも明確な優位性はありません。ビットコインは押し目買いが確認されているものの、76,000〜78,000ドル台の抵抗帯を抜けるまでは、RSI面でも過熱というより「戻りを試す局面」と整理できます。
市場に影響を与えたニュース
今週は、米国・イランの停戦延長協議やホルムズ海峡を巡る不透明感が、原油、株式、暗号資産のリスク選好を左右しました。金融市場は全体的に、中東情勢が加熱した3月以降からのボラティリティが落ち着きつつあり、S&P500は史上最高値を更新しました。株式市場では、中東情勢から企業業績に関心が移りつつあります。
暗号資産の需給面では、暗号資産投資商品への資金流入が相場を支えました。特にビットコインとイーサリアムへの資金集中が目立ち、アルトコイン全体を広く買うというより、流動性の高い主要銘柄へ選別的に資金が向かう展開でした。一方で、XRPとソラナ関連商品では資金流出がみられ、現物価格の反発が必ずしも機関投資家フローの全面的な回復を意味していない点には留意が必要です。
規制・業界面では、Charles Schwabが個人投資家向けにビットコインとイーサリアムの現物取引サービスを段階的に開始すると発表しました。既存の株式・投資信託・ETF取引環境と暗号資産取引を同一プラットフォーム上で扱える点は、伝統的金融機関による暗号資産アクセス拡大として市場心理を支えました。
また今週には、Ethereum上のDeFi(分散型金融)で大規模な流出事故(ハッキング)が起こりました。ステーキング/DeFiプロトコル KelpDAO を狙った攻撃で、4月18日、攻撃者は LayerZero連携ブリッジの検証経路 を突き、偽造メッセージで 約11.65万rsETH、約2.9億ドル規模 を不正流出させました。rsETHは最大レンディングプロトコルのAaveの担保資産に採用されていたこともあり、Aaveプロトコルにも不良債権が発生、同プロトコルに資産を貸し出ししていたユーザーはイーサリアムやステーブルコインを引き出せなくなっています。この影響でイーサリアムはビットコインに対して価格が出遅れている格好になっています。
今週以降の見通し
今後の焦点は、ビットコインが76,000〜78,333ドルの抵抗帯を明確に上抜けられるかです。強気シナリオでは、中東情勢の落ち着き、ETFを含む投資商品への継続的な資金流入、米株式市場の底堅さが重なり、ビットコインは80,000ドル台回復を試す展開が想定されます。この場合、イーサリアムは2,415ドル突破から2,800ドル方向、ソラナは90ドル突破から98ドル方向、ドージコインは0.10ドル定着、XRPは1.61ドル突破がそれぞれ確認ポイントとなります。
一方、弱気シナリオでは、停戦協議の不透明化、原油高によるインフレ懸念、米金利上昇、DeFi関連の信用不安が重なり、リスク資産全体に売りが出る可能性があります。その場合、ビットコインは72,800ドル近辺の支持を試し、イーサリアムは2,252ドル割れ、ドージコインは0.09ドル割れ、ソラナは76ドル方向への調整が意識されます。
総じて、足元の暗号資産市場は押し目買いが入りやすい地合いを維持しているものの、上値追いには追加材料と出来高の伴ったブレイクが必要です。ビットコイン主導の相場が続く限り、アルトコインは個別材料による短期物色が中心となり、持続的な上昇には主要銘柄の抵抗線突破と投資商品フローの継続が不可欠と考えられます。
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