暗号資産市場週刊レポート(2026年5月1日〜5月6日)

株式会社HashHub
2026/05/08
今週の暗号資産市場は、ビットコインが8万ドル台を回復し、主要アルトコインにも押し目買いが広がる展開となりました。米国の暗号資産規制を巡る進展期待、スポットETFへの資金流入、米・イラン情勢の緊張緩和観測が相場を支えた一方、米金融政策の先行きや原油価格を通じたインフレ懸念は引き続き上値を抑える要因となっています。ビットコインは5月1日に7.6万ドル台で推移した後、5月5日以降は8.1万ドル台へ上昇し、5月6日には一時8.2万ドル近辺まで上値を伸ばしました。
価格動向
ビットコイン
ビットコインは週前半に7.6万〜7.9万ドル台で底堅く推移した後、週後半に8万ドルの心理的節目を回復しました。5月1日時点では7.7万ドル前後で緩やかな強気基調とされていましたが、ETF資金流入と米・イラン和平期待を背景に買いが強まり、5月6日には3カ月ぶり高値圏に接近しました。もっとも、8.2万〜8.3万ドル台では戻り売りも出やすく、短期的には8万ドル台定着を確認する局面です。
イーサリアム
イーサリアムは2,250〜2,420ドル近辺のレンジで推移しました。ビットコインに比べると上昇率は限定的でしたが、2,300ドル台を維持し、下値では買いが入る展開となりました。5月1日のイーサリアムは2,256ドル近辺で始まり、週末から週明けにかけて2,300ドル台を中心とする値動きとなっています。スポットETFへの資金流入は下支え材料ですが、ビットコイン主導の相場であるため、相対的にはやや出遅れ感があります。
XRP(リップル)
XRP(リップル)は終値が1.38ドル台、5月5日前後には1.40ドル近辺で推移しており、節目の1.40ドルを挟んだ攻防が中心です。米国の暗号資産規制法案を巡る進展期待やXRP関連ETFへの資金流入観測は支えとなる一方、明確なブレイクには1.45ドル超えと出来高増加が必要です。
ドージコイン
ドージコインは0.108〜0.116ドル近辺で推移し、週を通じて底堅さを見せました。ビットコインの反発局面ではミームコインや中小型アルトにも短期資金が入りやすく、ドージコインもその流れを受けています。ただし、出来高の増加は限定的で、現時点では強い上昇トレンドというより、リスク選好改善に伴う反発色が強い値動きです。
ソラナ
ソラナは83〜90ドル近辺で推移し、主要銘柄の中では比較的しっかりした値動きとなりました。5月1日は83ドル台で始まり、週後半には90ドル近辺まで切り上げています。DeFi・決済・トークン化資産領域での期待に加え、ソラナ関連ETFへの小幅な資金流入もセンチメントを支えました。もっとも、90ドル台前半は戻り売りが出やすい水準で、上値追いにはネットワーク利用増加やETFフローの継続が必要です。
テクニカル分析
サポート・レジスタンス水準
ビットコイン:支持は7.8万〜8.0万ドル、次は7.6万ドル近辺。抵抗は8.25万〜8.5万ドル、次は9万ドル台前半。8万ドルを明確に維持できるかが短期トレンドの焦点です。
イーサリアム:支持は2,250〜2,300ドル、次は2,150ドル近辺。抵抗は2,420〜2,500ドル、次は2,650ドル近辺。ビットコインに追随して2,500ドルを回復できるかがポイントです。
XRP(リップル):支持は1.35〜1.38ドル、抵抗は1.45ドル、次は1.55〜1.60ドル。1.40ドル台での定着が短期的な強弱を分けます。
ドージコイン:支持は0.108〜0.110ドル、抵抗は0.116〜0.120ドル。0.12ドルを出来高を伴って超えられるかが焦点です。
ソラナ:支持は83〜85ドル、抵抗は90〜92ドル、次は100ドル。90ドル台での上値の重さをこなせば、アルトコイン全体のリスク選好を測る銘柄となりそうです。
RSI(相対力指数)の分析
日足ベースのRSIは、主要銘柄全体として中立圏からやや強めの水準にあります。ビットコインは8万ドル回復に伴い50台後半〜60台前半へ改善し、過熱というより反発初期の形です。イーサリアムは50台半ばで、上昇モメンタムはビットコインほど強くありません。XRPとドージコインはおおむね50前後で、レンジ相場の性格が強い状態です。ソラナは50台後半に近く、主要アルトの中では相対的に強めですが、90ドル台で失速する場合はRSIも再び中立圏へ戻る可能性があります。
市場に影響を与えたニュース
今週最も大きな要点は、米・イラン情勢の緊張緩和観測です。中東情勢の悪化は原油高を通じてインフレ懸念を高め、リスク資産の重荷となっていましたが、和平合意に向けた期待が報じられたことで、原油価格が下落し、株式・暗号資産ともにリスクオンへ傾きました。ビットコインが8.2万ドル近辺まで上昇した背景も、暗号資産固有の材料だけでなく、マクロ環境の改善が大きかったとみられます。
需給面では、スポットETFへの資金流入が相場を下支えしました。5月5日にはビットコイン ETFに約4.67億ドル、イーサリアム ETFに約9,757万ドル、XRPおよびソラナ関連ETFにも小幅ながら純流入が確認され、機関投資家による押し目買い姿勢が意識されました。ETFフローが継続する限り、ビットコインの下落局面では一定の買い需要が入りやすい地合いと言えます。
また重要な動向として、ストラテジー社がトレジャリー戦略を見直して、ビットコインを配当金支払いのために売却するシナリオも場合によってはあり得るということを示しました。同社はビットコインを大量保有するトレジャリー企業で、配当支払いが約束された優先株式を発行してその資金を元手にビットコインを買い進めてきた経緯があります。この財務戦略は、株式での資金調達なのでバランスシート上は自己資本になりますが、配当が約束されているので実態的には借入に近いレバレッジ取引です。この配当金の支払いのために同社のビットコインが売却される可能性は中長期のビットコインの価格動向にとって非常に重要です。
今週以降の見通し
ベースシナリオでは、ビットコインが8万ドルを維持しながら8.5万ドル方向を試す展開を想定します。ETFへの資金流入が継続し、米・イラン情勢の緊張緩和が続く場合、暗号資産市場では押し目買いが入りやすいでしょう。イーサリアムは2,300ドル台での値固め、ソラナは90ドル台定着、XRPは1.45ドル超え、ドージコインは0.12ドル回復がそれぞれ確認ポイントです。
強気シナリオでは、原油価格の下落と米長期金利の低下が同時に進み、リスク資産全体への資金流入が加速するケースを想定します。この場合、ビットコインは8.5万ドルを突破し、9万ドル台前半が視野に入ります。
一方、弱気シナリオでは、中東情勢の再緊張、FRBのタカ派姿勢、ETFフローの鈍化が重なるケースです。この場合、ビットコインは8万ドルを割り込み、7.6万ドル前後まで調整する可能性があります。アルトコインはビットコインよりも下落率が大きくなりやすく、イーサリアムは2,250ドル割れ、ソラナは83ドル割れ、XRPは1.35ドル割れ、ドージコインは0.108ドル割れに注意が必要です。
総じて、今週の暗号資産市場はマクロ環境の改善とETF需給が上昇を支えた一方、米金融政策と地政学リスクはなお完全には解消されていません。ビットコインの8万ドル台定着が確認されれば、相場の地合いは一段と改善しやすいですが、上値追い局面では出来高とETFフローを伴うかどうかを慎重に見極めたい局面です。
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