暗号資産市場週刊レポート(2026年5月28日〜6月3日)

暗号資産市場週刊レポート(2026年5月28日〜6月3日)

株式会社HashHub

2026/06/04

今週の暗号資産市場は、中東情勢の緊迫化、原油高、米利下げ期待の後退、米スポット ETF からの資金流出が重なり、主要銘柄は総じて軟調に推移しました。ビットコインは心理的節目の7万ドルを意識する水準まで下落し、イーサリアムも2,000ドル前後で上値の重い展開となりました。本稿は62日時点で確認できる市場データを基に、63日にかけての週次概況として整理します。

価格動向

ビットコイン

ビットコインは週前半から売り優勢となりました。528日には米国・イランを巡る緊張、原油価格の上昇、ETF からの資金流出を背景に7.6万ドル近辺から7.3万ドル割れまで下落し、その後も戻りは限定的でした。61日時点では7.1万ドル台、62日には6.8万ドル台まで下押しし、7日間では二桁近い下落率となっています。7万ドル近辺は心理的な節目である一方、ETFフローの悪化が続く限り、押し目買いは慎重になりやすい地合いです。

イーサリアム

イーサリアムは2,100ドル近辺を維持できず、週を通じて2,000ドルを挟んだ攻防となりました。ビットコイン同様、スポット ETF の資金流出と金利上昇懸念が上値を抑え、62日時点では1,900ドル台後半で推移しています。イーサリアムは相対的に開発・ステーキング需要の下支えが意識されるものの、短期的にはリスク資産全体の調整に連動しやすい局面です。

XRP(リップル)

XRPは1.3ドル台を維持できず、1.2ドル台前半まで値を切り下げました。62日時点の参考価格は1.27ドル前後、7日間では6%台の下落となっており、主要アルトコインのなかではビットコインやイーサリアムと同様にリスク回避の影響を受けています。中期的には決済ネットワークとしての利用期待は残る一方、短期では1.3ドル台を回復できるかが焦点です。

ドージコイン

ドージコインは0.10ドル近辺で粘る場面もありましたが、週後半には0.09ドル台半ばまで下落しました。528日の0.099ドル近辺から62日には0.095ドル前後まで下げており、ミームコイン特有の短期資金の出入りに左右される展開でした。市場全体のリスク許容度が低下する局面では、ドージコイン のような投機性の高い銘柄は上値を追いにくくなります。

ソラナ

ソラナは80ドル台前半から70ドル台後半へ下落しました。62日時点では79ドル前後、7日間では約7%の下落となっており、ビットコインに対して大きくアウトパフォームするには至りませんでした。ネットワーク利用や DeFi・ミームコイン関連の取引需要は一定の支えとなるものの、足元ではETF流出やマクロ要因に連動したポジション縮小が優勢です。

テクニカル分析

主要銘柄の支持線と抵抗線

短期ピボットと主要移動平均を確認すると、全体として「戻り売り優勢」の形状です。ビットコイン は67,000ドル近辺が目先の支持線で、割り込む場合は66,00065,000ドル台が次の下値目途となります。上値は68,000ドル台前半、次いで70,000ドル、50日移動平均が位置する71,000ドル台が抵抗帯です。イーサリアム は1,9001,920ドルが支持線、1,9301,940ドルが短期抵抗線で、2,000ドル回復には出来高を伴う反発が必要です。XRP 1.201.22ドルが支持線、1.241.26ドル、さらに1.291.30ドルが抵抗線です。ドージコイン は0.0930.094ドルが下値支持、0.096ドル近辺から0.10ドルが戻りの壁です。ソラナ は7576ドルが支持線、77.580ドル台前半が抵抗線として意識されます。

RSI(相対力指数)の分析

RSI は一般に70以上で買われ過ぎ、30以下で売られ過ぎとされるモメンタム指標です。足元ではビットコインの14RSI16台、イーサリアムが26台、XRP27台、ドージコインが25台、ソラナが24台まで低下しており、主要銘柄の多くが売られ過ぎ圏に入っています。これは短期的な自律反発余地を示す一方、強い下降局面ではRSIが低位に張り付くこともあるため、単独で底打ちを判断するには不十分です。ETF流出の鈍化、原油価格の落ち着き、米金利の低下など外部環境の改善とセットで確認する必要があります。

市場に影響を与えたニュース

今週のマクロ市場では引き続き、米国・イランを巡る地政学リスクと原油高です。528日にはWTI原油が91ドル台、ブレント原油が96ドル近辺まで上昇し、インフレ長期化への懸念が再燃しました。暗号資産市場ではビットコインが75,000ドル近辺の支持を失ったことでレバレッジポジションの清算が広がり、24時間で9億ドル超の暗号資産ポジションが清算されたと報じられました。

暗号資産固有の需給面では、米スポット ETF からの資金流出が相場の重石となりました。CoinDesk によれば、米スポットビットコイン ETF 515日から29日までに29.7億ドルの純流出となり、連続流出日数も過去の記録を上回る水準に拡大しました。最近では流出が続き、ビットコインETF残高は約1年前の水準にまで後退しています。昨年7月から10月頃にはETFへの資金流入が活発だったものの、そのときに積み上げた残高をほとんど吐き出した形になります。投資家の資金はAI関連銘柄に吸収されており、足元ではビットコインは注目を失いつつあります。

また需給面で、もう一つの大きな要素として、ビットコイン最大のストラテジー社が保有しているビットコインの一部売却を行いました。今回売却したビットコインの量は大きくありませんが、同社は配当支払義務があり、その配当を支払うために今後も売却する可能性があります。これまで同社はビットコインの構造的買い手でしたが、構造的売り手にまわる懸念があり、ビットコインのセンチメントをさらに一段階悪くしています。

一方、規制・市場インフラ面では前向きなニュースもありました。CFTC 529日、Coinbase Financial Markets Deribit関連の一部デジタル商品デリバティブを顧客に提供する計画に関し、一定の解釈およびノーアクションの立場を公表しました。米国で暗号資産のパーペチュアル先物を規制された枠組みへ取り込む動きは、中長期的には市場の厚みを増す要因となり得ますが、短期では高レバレッジ取引の拡大に対する警戒も残ります。

今週以降の見通し

ベースシナリオでは、ビットコインは65,00070,000ドル台前半で下値を探る展開を想定します。RSI は売られ過ぎ圏にあり、短期的な反発余地はありますが、ETF流出が止まらない限り、70,000ドル台回復後も上値では戻り売りが出やすいでしょう。

2月につけた安値の63,000ドルを試す下落もあり得るかもしれません。米国政府は近日中に、ビットコイン準備金に関する何かしらのアナウンスを出すとも述べており、その内容次第では市場の雰囲気に変化がある可能性もありますが、そのような大きなポジティブニュースがない限り足元の下落トレンドの反転が期待しにくい展開となっています。

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