暗号資産市場週刊レポート(2026年6月11日〜6月17日)

暗号資産市場週刊レポート(2026年6月11日〜6月17日)

株式会社HashHub

2026/06/18

今週の暗号資産市場は、前週までの下落基調からいったん自律反発に転じました。米・イラン情勢の緊張緩和観測、原油価格の下落、米国株の反発を背景にリスク選好が戻り、ビットコインは611日の6.3万ドル前後から、週後半には一時6.7万ドル台を回復しました。ただし、617日のFOMCを控えて米金利見通しへの警戒感は残り、上値追いには慎重さも見られます。

価格動向

ビットコイン

ビットコインは週前半に6.2万〜6.3万ドル台で下値を固めた後、米・イラン合意観測を受けたリスクオンの流れで6.7万ドル近辺まで戻しました。616日時点では6.5万ドル台で推移しており、急落後の買い戻しは入ったものの、7万ドルをうかがうほどの強いトレンド回帰には至っていません。オンチェーン面では、5日以降に5.9万〜6.7万ドルの価格帯で約25.9万ビットコインの純増が確認され、下値では長期・大口投資家を含む買いが入りやすい地合いです。

イーサリアム

イーサリアムは相対的に堅調でした。611日時点の1,650ドル前後から、週後半には1,800ドル近辺まで値を戻し、ビットコインを上回る反発率となりました。Glamsterdamアップグレードが最終開発段階に入ったとの報道もあり、短期のマクロ要因に加えて、ネットワーク改善期待が投資家心理を支えました。もっとも、2,000ドルの大台を前に戻り売りも出やすく、現時点では反発局面の範囲にとどまっています。

XRP(リップル)

XRPは1.10ドル台前半から1.20ドル台へ切り返しました。アジア需要やETF資金流入を背景に、長らく上値を抑えていた1.20ドルを上抜き、一時1.25ドル近辺まで上昇しましたが、その後は利食いに押されました。短期的には1.20ドルを維持できるかが焦点で、同水準を割り込むと1.141.15ドル台への戻りも意識されます。

ドージコイン

ドージコインは0.08ドル台後半で方向感を探る展開でした。週中には0.09ドル台を試す場面もありましたが、上抜けの勢いは続かず、616日時点では0.087ドル前後で推移しています。ミームコイン特有の短期資金流入は見られるものの、ビットコイン主導のリスクオンが本格化しない限り、0.090.10ドルの心理的節目を突破するには材料不足です。

ソラナ

ソラナは主要銘柄の中でも相対的な強さが目立ちました。611日前後の60ドル台半ばから、週後半には70ドル台半ばまで上昇し、7日騰落率でもビットコインやXRPを上回る動きとなりました。ソラナ関連ファンドへの小幅な資金流入も確認されており、アルトコインの中では押し目買いが入りやすい銘柄として意識されています。

テクニカル分析

サポート・レジスタンス水準

ビットコインは、6.3万ドル前後が短期サポート、次いで6.0万〜6.2万ドルが重要な下値支持帯です。上値は6.7万ドル前後が直近の抵抗線で、ここを明確に上抜けると7.0万ドル回復が次の焦点となります。

イーサリアムは、1,700ドル前後が最初の支持線、次に1,650ドル近辺が下値めどです。抵抗線は1,850ドル、さらに1,9002,000ドルの大台が意識されます。

XRPは1.20ドルが攻防の中心です。維持できれば1.25ドル、1.301.32ドルが上値目標となり、1.20ドル割れでは1.141.15ドルへの調整リスクが高まります。

ドージコインは0.085ドル前後が目先の支持線、0.0820.083ドルが次の下値めどです。上値は0.0900.092ドル、さらに0.10ドルが心理的な節目となります。

ソラナは70ドル前後が短期サポート、68ドル台が次の支持帯です。7576ドル台を明確に上抜ければ、80ドル台回復を試す展開が想定されます。

RSI(相対力指数)の分析

RSIは全体として中立圏です。RSIは一般的に70超で買われ過ぎ、30未満で売られ過ぎとされますが、主要銘柄の14RSIはおおむね40台半ば〜50台前半にとどまり、過熱感は限定的です。ビットコイン、XRP、ソラナは50前後で方向感を探る水準、イーサリアムとドージコインはやや弱めながら売られ過ぎ圏には入っていません。したがって、今週の反発は「過熱した上昇」というより、急落後の戻りを確認する局面と見るのが妥当です。

市場に影響を与えたニュース

今週の最大材料は、米・イラン情勢の緊張緩和と、それに伴う原油価格・金利見通しの変化でした。米・イランは停戦の合意に関する覚書を締結する見通しが高まっており、中東リスクの後退観測を受けて原油が下落し、長期金利も下落、米株が反発したことで暗号資産にも買い戻しが入りました。一方で、ビットコインは株式市場ほど強く反応せず、過去の停戦期待による反発が短命に終わった記憶から、投資家は合意の正式署名とFOMCを待つ姿勢を強めています。

金融政策面では、617日のFOMCが最大の焦点です。UBSは、FRBが年内利下げを行わないとの見方に修正し、今回会合では据え置きながらもタカ派的なトーンが示される可能性を指摘しています。米5CPIは前年比4.2%と3年ぶりの高い伸びとなった一方、コア部分への波及は限定的との見方もあり、市場は「利上げ再開か、様子見継続か」を見極める段階にあります。

日本では、日銀が政策金利を0.75%から1.0%へ引き上げ、1995年以来の高水準となりました。通常、日銀の引き締めは円キャリー取引の巻き戻しを通じてリスク資産の逆風となり得ますが、今回は国債買い入れ縮小の一時停止も示されたため、市場は比較的落ち着いて受け止めました。

需給面では、米スポットビットコインETFから純流出が続いています。またストラテジー社がビットコインの購入を再開しています。しかしながら同社の調達金利は上昇しており、手元の配当支払い現金は7か月分しか残っていません。同社は直近も買い増していますが、同社のリスクに関する警戒感も高まっています。

今週以降の見通し

ベースシナリオでは、FOMCが政策金利を据え置き、声明文やドットチャートでタカ派色をやや残しつつも、市場を大きく揺さぶるほどのサプライズは避ける展開を想定します。ケビン・ウォーシュ氏が新議長に就任してから初めてのFOMCであり、どのような発言が出るか市場が注目しています。この場合、ビットコインは6.3万〜6.7万ドル台のレンジを中心に推移し、イーサリアムは1,7001,850ドル、ソラナは70ドル台の維持を試す展開となりやすいでしょう。XRP1.20ドル上での定着、ドージコインは0.09ドル台回復が短期の焦点です。

強気シナリオでは、FOMC後に米長期金利とドルの上値が抑えられ、米・イラン合意が正式に進展し、ETFフローも改善するケースです。この場合、ビットコインは6.7万ドルを上抜けて7.0万ドル方向、イーサリアムは1,9002,000ドル、ソラナは80ドル回復を試す可能性があります。XRP1.30ドル台、ドージコインは0.10ドルの心理的節目が意識されます。

一方、弱気シナリオでは、FRBが想定以上にタカ派的な見通しを示し、年内利上げ観測が強まるケースです。加えて中東情勢を巡る合意への期待が後退し、原油価格の上昇やインフレ懸念が再燃すれば、暗号資産は再びリスク資産全体の売りに巻き込まれやすくなります。その場合、ビットコインは6.2万ドル、さらに6.0万ドル近辺の攻防へ後退し、イーサリアムは1,650ドル、ソラナは68ドル台、XRP1.141.15ドル、ドージコインは0.083ドル付近までの調整を想定する必要があります。

いずれにしても、今週以降は「FOMC後の米金利見通し」「米・イラン合意の実効性」「ETF資金フローの持続性」が相場の方向性を決める主要因となります。足元の反発は下値確認として前向きに評価できますが、主要銘柄のRSIが中立圏にとどまる以上、明確な上昇トレンド再開には、出来高と資金流入を伴った抵抗線突破が必要です。

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