暗号資産市場週刊レポート(2026年7月16日〜7月22日)

株式会社HashHub
2026/07/23
今週の暗号資産市場は、週前半に地政学リスクへの警戒から下落したものの、米国の暗号資産市場構造法案を巡る進展や、機関投資家向け商品の拡充を受けて持ち直す展開となりました。ビットコインは一時6.3万ドルを割り込んだ後、6.6万ドル台まで反発。イーサリアムも1,900ドル台を回復しました。一方、XRP、ドージコイン、ソラナは上昇したものの、銘柄ごとの強弱が残っています。
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価格動向
ビットコイン
ビットコインは7月16日に6.45万ドル前後で推移した後、中東情勢への警戒や原油高を背景に売りが優勢となり、17日には6.3万ドル近辺まで下落しました。しかし、週後半は押し目買いが入り、米国のCLARITY法案を巡る協議進展も支援材料となって、21日には6.64万ドル前後まで上昇しました。これは6月上旬以来の高値水準です。週間ではおおむね6.29万〜6.68万ドルのレンジとなり、6.5万ドルを上回って推移する時間が増えています。
イーサリアム
イーサリアムは1,800ドル台後半を下値に底堅く推移し、週後半に1,900ドル台へ上昇しました。7月21日の終値は1,938ドル前後となり、月初からの反発基調を維持しています。ビットコインに比べて7月の上昇率が大きく、機関投資家や暗号資産トレジャリー企業による保有需要への期待が支えとなりました。ただし、1,950〜2,000ドルには戻り売りが出やすく、中期的な下降トレンドを完全に脱したとは言いにくい状況です。
XRP(リップル)
XRPは週前半に1.05ドル台まで下落した後、1.10ドル台を回復し、21日から22日にかけては1.14ドル前後まで上昇しました。米国の市場構造法案が前進するとの期待が、規制の影響を受けやすいXRPの追い風となっています。ただし、1.15〜1.20ドルには売り圧力が残り、現時点ではレンジ上限を試している段階です。
ドージコイン
ドージコインは0.070〜0.075ドルを中心とした狭い範囲で推移しました。ビットコインの反発に連動して0.073ドル台へ持ち直しましたが、出来高を伴った上放れには至っていません。ミームコインへの短期資金流入は限定的であり、主要アルトコインのなかでは相対的に弱い値動きとなりました。
ソラナ
ソラナは75ドル台まで下押しした後、77〜78ドルへ回復しました。週間騰落率は小幅なプラス圏にとどまり、ビットコインやイーサリアムに比べると方向感に欠けています。一方、複数銘柄を組み入れる新たな暗号資産商品で投資対象に採用されたことは、中長期的な機関投資家需要を意識させる材料となりました。
テクニカル分析
主要銘柄の支持線と抵抗線
ビットコインは6.4万〜6.5万ドルが目先の支持帯です。これを割り込む場合は、今週安値に近い6.28万〜6.3万ドル、次いで心理的節目の6万ドルが下値目途となります。上値は6.68万〜6.8万ドルが重要な抵抗帯であり、明確に突破すれば7万ドル、さらに7.2万ドル台が視野に入ります。6万ドル近辺で複数回下げ止まったことで、短期的にはトリプルボトムに近い形状も意識されています。
イーサリアムは1,880〜1,900ドルが支持線、次いで1,800〜1,850ドルが重要です。抵抗は1,950ドルおよび2,000ドルに位置します。XRPは1.10〜1.12ドルが支持線、1.15ドルと1.20ドルが抵抗線です。ドージコインは0.070〜0.072ドルが支持線、0.075〜0.077ドルが抵抗線。ソラナは75〜77ドルが支持帯、79〜80ドルが引き続き上値の壁となっています。
RSI(相対力指数)
日足RSIは、主要銘柄の多くで40台後半から50台半ばの中立圏にあります。ビットコインは50台半ばまで改善しており、短期モメンタムは上向きです。一方、6.8万ドルを突破できなければ上昇の勢いが失速する可能性があります。
イーサリアムとXRPは50前後で、価格上昇の割に過熱感は限定的です。ドージコインとソラナもRSIは48前後にあり、明確な方向性は確認できません。全体として過熱による急反落リスクは大きくないものの、出来高が伸びていない銘柄では価格上昇の持続性を慎重に確認する必要があります。
市場に影響を与えたニュース
今週の前半は、米国とイランを巡る緊張や原油高が市場心理を圧迫しました。エネルギー価格の上昇はインフレ再加速につながる可能性があり、FRBが金融引き締め姿勢を維持するとの警戒から、17日にはビットコインが6.3万ドル近辺まで下落しました。FRB高官からも、インフレが鈍化しない場合には政策対応が必要との発言があり、金利感応度の高い暗号資産の上値を抑えました。
一方、週後半には米国のCLARITY法案を巡り、ホワイトハウスと共和党上院議員が倫理規定について合意したとの報道が伝わりました。法案成立には民主党を含む60票の確保が必要であり、成立が確定したわけではありませんが、市場では規制整備が前進したと受け止められました。21日には暗号資産関連株が上昇し、ビットコインも6.6万ドル台を回復しています。
需給面では、米国のビットコイン現物ETFに7月16日と17日の両日で純流入が確認され、機関投資家の需要が下値を支えました。また、米国ではAI半導体の価格が崩れて物色先として資金の一部がビットコインに戻っている可能性もあります。
さらに、ヘッジファンドのシタデル・セキュリティーズによるCrypto.comへの4億ドル出資も発表されました。短期的な価格への影響は限定的でしたが、大手ヘッジファンドによる業界参入の拡大は、市場インフラや流動性の改善期待につながります。
今週以降の見通し
ベースシナリオでは、ビットコインが6.3万〜6.8万ドル、イーサリアムが1,850〜2,000ドルを中心とするレンジを継続すると想定します。CLARITY法案への期待やETFへの資金流入が下値を支える一方、原油高と米金利上昇への警戒が上値を抑える構図です。
強気シナリオでは、CLARITY法案の超党派協議がさらに進み、ETFへの純流入が継続するケースが考えられます。ビットコインが6.8万ドルを出来高を伴って突破すれば、7万〜7.2万ドルへの上昇が視野に入ります。イーサリアムは2,000ドル、XRPは1.20ドル、ソラナは80〜85ドルを試す展開となる可能性があります。
一方、弱気シナリオでは、中東情勢の悪化による原油高や、FRBのタカ派姿勢を受けて米長期金利とドルが上昇するケースを想定します。ビットコインが6.3万ドルを割り込めば、6万〜6.1万ドルの支持帯を再び試す可能性があります。投機性の高いドージコインや、80ドルを突破できていないソラナは、相場全体の下落時に値幅が拡大しやすい点に注意が必要です。
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