暗号資産市場週刊レポート(2026年7月22日〜7月29日)

株式会社HashHub
2026/07/30
今週の暗号資産市場は、前週後半の上昇が一巡し、主要銘柄が総じて上値の重い展開となりました。米国とイランを巡る緊張緩和観測や原油価格の急落はリスク資産の下支え材料となったものの、米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えた金融政策への警戒、米スポットビットコインETFからの資金流出、暗号資産市場構造法案を巡る不透明感が相場の重石となりました。
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価格動向
ビットコイン
ビットコインは7月22日に6万6,500ドル前後で取引を開始し、一時6万6,700ドル近辺まで上昇しました。しかし、その後はETFからの資金流出や米金融政策への警戒を背景に上値を切り下げ、25日には6万4,000ドル前後まで下落しました。
27日には米国とイランの外交協議への期待から一時6万5,300ドル台へ反発したものの、買いは続かず、29日の執筆時点では6万3,600ドル前後で推移しています。期間騰落率は約4%の下落となり、週間の値幅はおおむね6万2,700〜6万6,700ドルでした。
イーサリアム
イーサリアムは7月22日に1,928ドル前後で始まり、一時1,955ドル付近まで上昇しました。その後、25日には1,850ドル台まで下落しましたが、1,800ドル台後半では押し目買いが入り、29日には1,900ドル前後へ持ち直しています。
期間全体では小幅安にとどまり、ビットコインや主要アルトコインを上回る底堅さを示しました。米スポットイーサリアムETFへの資金流入が期間合計でプラスを維持したことも、相対的な強さにつながったと考えられます。
XRP(リップル)
XRPは7月22日の1.14ドル台から下落基調となり、29日には1.06ドル前後まで値を下げました。期間騰落率は約7%の下落となり、今回取り上げた主要銘柄の中では相対的に弱い値動きです。
前週まで相場を支えていた米国の暗号資産市場構造法案「CLARITY Act」に対する期待が後退し、短期筋の利益確定売りが強まったとみられます。1.05ドル近辺では下げ止まる動きも見られましたが、反発力は限定的でした。
ドージコイン
ドージコインは0.073ドル前後から緩やかに下落し、29日には0.0706ドル付近で推移しています。値動きはおおむね0.069〜0.074ドルの範囲にとどまりましたが、ビットコインの反発局面でも買いの勢いは弱く、投機的な資金流入は限定的でした。
0.070ドルは心理的な節目であり、同水準を維持できるかが当面の焦点となります。
ソラナ
ソラナは7月22日の77〜78ドル台から下落し、29日には73.8ドル前後となりました。期間中は一時72ドル台まで値を下げており、80ドルの大台回復に失敗したことで短期的な売りが優勢となりました。
米国のソラナ関連ETFの資金フローも期間合計ではほぼ横ばいで、相場を押し上げるほどの需給改善は確認されませんでした。
テクニカル分析
主要銘柄の支持線と抵抗線
ビットコインは、期間中の安値に近い6万2,700〜6万3,000ドルが当面の支持帯です。ここを下回った場合は6万1,500ドル、さらに心理的節目の6万ドルが意識されます。上値では6万4,500〜6万5,000ドルが最初の抵抗帯となり、その上には7月22日の高値を含む6万6,700〜6万8,000ドルの抵抗帯があります。
イーサリアムは1,850〜1,880ドルが支持帯、1,950〜2,000ドルが抵抗帯です。XRPは1.04〜1.05ドルが支持となり、下抜けた場合は1.00ドルが次の目安です。抵抗は1.08〜1.10ドル、その上は1.14〜1.15ドルとなります。
ドージコインは0.069〜0.070ドルが支持帯、0.072〜0.073ドルが抵抗帯です。ソラナは72〜73ドルが支持帯で、割り込んだ場合は70ドルが意識されます。上値では75〜76ドル、次いで78〜80ドルが抵抗帯となります。
RSI(相対力指数)の分析
7月29日時点の14日RSIは、ビットコインが47前後、イーサリアムが52前後、ドージコインが49前後、ソラナが48前後となり、いずれも中立圏に位置しています。相場全体が調整局面にある一方、明確な売られ過ぎを示す水準には達していません。
XRPのRSIは40前後と主要銘柄の中では最も低く、売りの勢いがやや強い状態です。ただし、一般的な売られ過ぎの目安である30を上回っているため、RSIだけを根拠とした反発判断は時期尚早です。支持線での値動きや出来高の回復を確認する必要があります。
市場に影響を与えたニュース
直近の最大の注目材料は、7月28〜29日に開催されるFOMCです。結果は日本時間の2026年7月30日(木)午前3:00に発表されます。前回6月会合では政策金利の誘導目標が3.50〜3.75%に据え置かれた一方、インフレ率は依然として高いとの認識が示されました。今回の会合を前に、市場では据え置きと利上げの見方が分かれ、ドルや米長期金利の変動を通じて暗号資産市場にも慎重姿勢が広がりました。今週のFRBの政策決定に対する市場の期待は、近年の歴史の中で最も分かれています。比較すると、2020年3月以降のほぼすべてのFed会合は、決定日の時点でおおよそコンセンサスを持って当日を迎えてきましたが、ウォーシュ議長が実質的に市場への織り込み機能を排除したことにより、発表前に市場にほとんど方向性を残していません。
金利先物は利上げの確率を約30%、金利据え置きの確率を約70%と示唆しています。また毎回不確実性がある中で、予測市場でも同様に見方が分かれているため、参照先の1つとして予測市場もある程度機能しています。
地政学面では、米国とイランの外交協議への期待を受け、原油価格が27日に8〜9%、28日にも約5%下落しました。原油安は将来のインフレ再加速懸念を和らげ、27日のビットコイン反発につながりました。ただし、FOMCを控えて積極的な買いは続かず、影響は一時的なものにとどまりました。
需給面では、米スポットビットコインETFが7月22日に約6,910万ドルの純流入となった後、23日に約2億2,510万ドル、24日に約2億4,010万ドルの純流出となりました。22〜27日の合計では約4億800万ドルの純流出となり、ビットコインの上値を抑える要因となりました。
規制面では、米上院におけるCLARITY Actの審議が、制裁法案や人事案件を優先するため一時的に棚上げされたと報じられました。年内の法案可決期待が後退しています。
今週以降の見通し
今後はFOMCの結果と声明文に対する市場の反応が最大の焦点となります。政策金利が据え置かれた場合でも、インフレや今後の利上げに対して強い警戒姿勢が示されれば、ドル高・米金利上昇を通じて暗号資産の上値が抑えられる可能性があります。FOMC後に発表される米GDPや個人消費支出(PCE)物価指数にも注意が必要です。
ベースシナリオでは、ビットコインは6万2,500〜6万5,000ドルを中心としたレンジ推移を想定します。ETFからの流出が縮小すれば6万3,000ドル近辺では押し目買いが入りやすいものの、6万5,000ドルを回復するまでは戻り売りが優勢となる可能性があります。
強気シナリオでは、FOMCが市場想定よりも金融引き締めに慎重な姿勢を示し、米金利とドルが低下するケースが考えられます。ETFへの資金流入が再開すれば、ビットコインは6万6,700ドルを突破し、6万8,000〜7万ドルを試す展開が想定されます。弱気シナリオでは、追加利上げやタカ派的な政策見通し、ETFからの資金流出継続、地政学リスクの再燃を警戒します。
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