暗号資産市場週刊レポート(2026年8月13日〜8月19日)

株式会社HashHub
2026/08/20
今週の暗号資産市場は、週前半に方向感を欠いたものの、17日以降はビットコインを中心に買い戻しが入り、主要銘柄が持ち直す展開となりました。米国の物価指標が市場予想ほど強くなかったことで金融政策への警戒感がいったん後退したほか、米国の現物ビットコインETFへの資金流入回復も相場を下支えしました。一方、米長期金利の上昇や中東情勢を背景とした原油価格の上昇はリスク資産全般の重しとなりました。
また、規制面では14日に予定されていた米証券取引委員会(SEC)の暗号資産関連の公開会合がいったん中止されたものの、18日には「Regulation Crypto Assets」が正式に提案されました。暗号資産を巡る米国の規制整備の具体化には時間がかかっていますが、同提案も市場心理には一定のプラス材料となっています。
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価格動向
ビットコイン
ビットコインは13日に6万3,000ドル台半ばで推移した後、14日には一時6万2,500ドル付近まで下落しました。週末にかけても6万3,000ドル前後で上値の重い状態が続きましたが、17日に約2.6%上昇して6万4,500ドル台を回復。18日には一時6万5,000ドル台に乗せました。19日早朝時点では6万4,000ドル台後半で推移しており、週前半の下落分をおおむね取り戻しています。
イーサリアム
イーサリアムは13日から16日にかけて1,860~1,900ドル程度のレンジで推移しました。14日には1,864ドル付近まで下落しましたが、1,850ドル台を明確に割り込む動きには至らず、17日に1,900ドル台を回復。18日は一時1,920ドルを上回りました。BTCと同様に週後半に買い戻され、足元では1,900ドル台前半を維持しています。
XRP(リップル)
XRPは引き続き1ドル近辺での攻防となりました。13日には1.015ドル付近まで上昇したものの、その後は上値を抑えられ、14日には0.988ドル付近まで下落しました。16日にも1ドルを割り込みましたが、17日以降は再び1ドル台を回復しています。ただし、他の主要銘柄と比較すると戻りは鈍く、1ドルが心理的な節目として強く意識されています。
ドージコイン
ドージコインは0.07ドルを挟んだ小幅な値動きが続きました。期間中のレンジは概ね0.069~0.071ドルで、13日の0.0708ドル付近を上抜けることができず、16日には0.0692ドル付近まで下落しました。17日には反発したものの、値幅は限定的で、方向感に乏しい状態が継続しています。
ソラナ
ソラナは主要アルトコインの中では比較的底堅い値動きとなりました。13日は76ドル台で推移した後、16日に74.2ドル付近まで下落しましたが、17日、18日と連日上昇し、18日には77.3ドル付近まで回復しました。80ドルを前に戻り売りが意識されるものの、短期的なモメンタムは改善しています。
テクニカル分析
主要銘柄の支持線と抵抗線
ビットコインは6万2,500~6万3,000ドルが短期的な支持線として意識されます。この水準は14~16日の下値を支えたゾーンであり、割り込んだ場合は6万ドル付近まで調整余地が広がる可能性があります。上値では6万5,000~6万5,500ドルが最初の抵抗線で、ここを明確に突破できれば6万6,500~6万7,000ドルが次の目標となりそうです。
イーサリアムは1,860~1,880ドルが支持線、上値は1,920~1,950ドルが抵抗線となっています。1,950ドルを上回れば節目の2,000ドルが視野に入ります。XRPは0.99~1.00ドルが重要な支持帯で、上値は1.015~1.03ドルが抵抗線です。ドージコインは0.069ドル近辺が下値支持、0.071~0.072ドルが上値抵抗となります。ソラナは74~75ドルが支持線として機能しており、77~78ドルを明確に上抜ければ80ドルを試す展開が考えられます。
RSI(相対力指数)の分析
日足ベースの値動きからみると、ビットコインのRSIは50台後半まで持ち直しており、中立圏からやや買い優勢の状態です。イーサリアムは60前後、ソラナは60台後半が意識され、主要銘柄の中ではソラナのモメンタムが比較的強いとみられます。ただし、ソラナは70に近づくほど短期的な過熱感にも注意が必要です。
一方、XRPは足元の下落を反映して30台を意識する水準まで低下しており、売られ過ぎ感が出やすい状況です。ただし、RSIの低下だけでトレンド転換とは判断しにくく、まず1.02~1.03ドルを回復できるかが焦点です。ドージコインは50前後で推移しているとみられ、強弱感に乏しい状態です。なお、RSIは取引所や算出時点によって数値に差が生じます。
市場に影響を与えたニュース
直近1週間のマクロ指標で注目されたのは、13日に発表された米国の7月生産者物価指数(PPI)です。前月比は横ばい、前年同月比では4.7%上昇となり、インフレ再加速への警戒がやや後退しました。市場では9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利が据え置かれるとの見方が強まり、ドルや金利の上昇圧力がいったん和らいだことが暗号資産市場にもプラスに作用しました。
需給面では米国の現物ビットコインETFの資金動向が大きな材料となりました。13日に約1億3,110万ドル、14日に約5,620万ドルの純流出となった一方、17日には約2億9,750万ドルの純流入へ転じました。17日のビットコイン上昇とタイミングが重なっており、機関投資家の需要回復を確認する材料となっています。現物イーサリアムETFも13日に約590万ドル、17日に約3,090万ドルの純流入となりました。
規制面ではSECの動向が注目されました。14日に予定されていた暗号資産の募集制度を議論する公開会合はいったん中止されましたが、18日にSECは「Regulation Crypto Assets」を正式に提案しました。一定の暗号資産関連の募集について証券登録要件からの免除制度を設けるほか、条件付きのセーフハーバーを導入する内容で、米国内での資金調達やトークン発行に明確な道筋を示すことを目的としています。一方、より恒久的な市場構造を定めるCLARITY法案は上院で停滞しており、議会立法を巡る不透明感は残っています。
もっとも、18日には米長期金利が再び上昇し、30年債利回りが2007年以来の高水準となりました。中東情勢への警戒から原油価格も高止まりし、米ハイテク株が売られるなどリスク回避の動きがみられました。こうした環境下でもビットコインが6万4,000ドル台を維持した点は一定の底堅さを示していますが、金利上昇が継続する場合には暗号資産市場にも売り圧力が波及する可能性があります。
今週以降の見通し
目先は米金融政策、ETFの資金フロー、米国の暗号資産規制、地政学リスクの4点が引き続き焦点となります。米国時間19日には7月28~29日開催分のFOMC議事要旨が公表される予定で、インフレや今後の政策金利に対する当局者の認識が注目されます。また、20日にはCFTCのInnovation Advisory Committeeが開催され、暗号資産規制も議題となる予定です。
強気シナリオでは、ビットコインが6万5,000~6万5,500ドルの抵抗帯を明確に上抜け、ETFへの資金流入が継続した場合、6万6,500~6万8,000ドル方向への上昇が想定されます。この場合、イーサリアムは1,950ドルから2,000ドル、ソラナは78ドルから80ドルを試す動きとなる可能性があります。SECの新規則案が規制の明確化につながるとの評価が広がれば、アルトコインにも資金が波及しやすくなります。
一方、弱気シナリオでは、米長期金利の一段の上昇や原油高、ETFからの再度の資金流出が重なった場合、ビットコインは6万2,500ドル付近の支持線を試す展開が考えられます。ここを割り込めば6万ドルが次の重要水準となります。
現時点では、ビットコインを中心に短期的なモメンタムは改善しているものの、直近の抵抗線を完全には突破していません。したがって、相場が本格的な上昇トレンドへ移行したと判断するにはなお材料不足であり、ビットコインの6万5,500ドル突破とETFへの継続的な資金流入が確認できるかが、次の方向性を見極めるうえで重要となりそうです。
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