暗号資産市場週刊レポート(2026年8月20日〜8月26日 )

株式会社HashHub
2026/08/27
今週の暗号資産市場は、米国の長期金利とドルの動向を背景に、大幅な反発となりました。米財務省が長期国債の買い戻し規模を拡大する方針を示したことで、ドルの価値低下を意識した「ディベースメントトレード」が活発化。ビットコインやゴールドなど代替資産への資金流入が強まりました。これにショートポジションの巻き戻しと現物ETFへの資金流入が重なり、ビットコインは5月以来となる8万ドル台を回復しています。
アルトコインにも買いが波及し、イーサリアム、XRP、ドージコイン、ソラナはビットコインを上回る上昇率を記録する局面が見られました。一方、短期間で価格が急騰したことからテクニカル上の過熱感も強まり、週後半は上昇トレンドの持続性を見極める局面に移りつつあります。
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価格動向
ビットコイン
ビットコインは、週初に6万ドル台後半から上昇を開始し、20日には7万ドル台を回復。その後も買いが継続し、21日には7.7万ドル近辺まで上昇しました。25日には8万ドルを突破し、一時8.1万ドル台まで上昇するなど、約3カ月ぶりの高値圏を回復しています。1週間では20%を超える上昇となり、これまで上値抵抗となっていた200日移動平均線近辺を明確に上抜けたことも、投資家心理の改善につながりました。
イーサリアム
イーサリアムはビットコイン以上に強い値動きとなりました。20日に2,250ドルを上回った後も上昇を続け、25日には2,500ドル近辺まで回復。週間では30%前後の上昇となっています。ビットコイン上昇後にアルトコインへ資金が循環したことに加え、米国の現物イーサリアムETFへの資金流入も下支えとなりました。8月24日には現物イーサリアムETFに約1.16億ドルの純流入が確認されています。
XRP(リップル)
XRPは主要銘柄の中でも特に強い上昇となりました。20日時点では1.1ドル近辺でしたが、その後1.5ドル台まで急伸し、一時1.65〜1.70ドル近辺を試す場面も見られました。週間上昇率は一時50%を超えており、米国で暗号資産市場構造を巡る法整備が前進するとの期待がXRPの買い材料として強く意識されています。
ドージコイン
ドージコインは20日の0.075ドル近辺から0.09ドル台へ上昇し、週間で30%程度の上昇となりました。ビットコインの急騰が一服する中で、高ベータのアルトコインやミームコインに資金が向かった格好です。一方、心理的節目である0.10ドルでは売りが出やすく、足元では0.09ドル近辺で上値を試す展開となっています。
ソラナ
ソラナも相対的に強い値動きとなりました。20日の84ドル台から上昇し、25日には100ドルを回復。週間では30%を超える上昇となっています。市場全体のリスク選好回復に加え、ソラナの新規発行ペースを抑制する案やトークンバーンを増加させる案についてバリデーター投票が行われていることも、需給改善への期待につながりました。
テクニカル分析
主要銘柄の支持線と抵抗線
ビットコイン:支持は72,000〜74,000ドル、次いで69,000〜70,000ドル。抵抗は78,500〜82,000ドルで、このゾーンを明確に上抜ければ85,000〜87,000ドルが次の目安となります。急騰後だけに、8万ドル前後での利益確定売りを吸収できるかが焦点です。
イーサリアム:支持は2,350〜2,400ドル、次いで2,150〜2,250ドル。抵抗は2,500〜2,550ドルで、上抜ければ2,600ドル、さらに2,700〜2,800ドルが意識されます。
XRP:支持は1.35〜1.40ドル、抵抗は1.50〜1.55ドル、その上は直近高値圏の1.65〜1.70ドル。1.35ドルを維持できれば、今回の上昇が単なるショートカバーではなくトレンド転換につながる可能性があります。
ドージコイン:支持は0.081〜0.085ドル、抵抗は0.095〜0.10ドル。0.10ドルを出来高を伴って突破できるかが次の方向性を判断するポイントになります。
ソラナ:支持は93〜95ドル、次いで84〜90ドル。抵抗は102〜105ドルで、中期的には115ドル近辺も重要な上値抵抗となります。
RSI(相対力指数)の分析
急激な上昇を受け、主要銘柄のRSIには過熱感が表れています。ビットコインのモメンタム指標は25日に78近辺まで上昇し、一般に「買われ過ぎ」とされる70を上回りました。イーサリアムも日足ベースで80近辺、XRPも急騰局面では80台まで上昇しており、短期的な調整には注意が必要です。
一方、ソラナやドージコインでは週前半の急騰後に短期RSIが中立圏まで低下する時間帯も確認されており、価格が高値圏を維持しながらRSIが低下する「過熱解消」が進めば、上昇トレンド継続にはむしろ好材料となります。現状は全面的な弱気転換というより、急騰後の値固め局面に入る可能性を意識する局面と言えます。
市場に影響を与えたニュース
今週最大の材料は、米財務省による長期国債の買い戻し拡大です。財務省は長期ゾーンの買い戻しを1回あたり少なくとも40億ドルへ倍増する方針を示しました。米国の財政赤字や政府債務への警戒から長期金利が高止まりしていた中、市場ではこの措置を流動性供給に近い政策と受け止める動きが広がりました。
また実際には、長期金利を政府が作為的に抑制することは、貯蓄の価値を低下させて、ドル価値下落も連想させます。結果として、ドル安とともにビットコインやゴールドなどへの資金流入が強まりました。いわゆるディベースメントトレード(通貨価値下落に賭けたトレード)となっています。
需給面では現物ETFへの資金回帰が重要です。米国の現物ビットコインETFは8月20日に約6.06億ドルの純流入となり、その後も流入が継続。6営業日では約22.6億ドルに達しました。イーサリアムETFにも資金が戻っており、先物市場のショートカバーだけでなく現物需要が上昇を支え始めた点は注目されます。
規制面では、トランプ政権が暗号資産市場の法的枠組みを定める「CLARITY Act」の成立を改めて求めたことが好感されました。またSECは8月18日、一定の暗号資産・トークン発行について既存の証券規制からの適用除外を設ける新たな枠組みを提案しています。法制化にはなお不透明感が残るものの、米国の規制環境が従来の執行中心からルール整備へ移行しているとの期待が、XRPを中心としたアルトコインの評価改善につながっています。
今週以降の見通し
ベースシナリオでは、急騰後の利益確定をこなしながらビットコインが74,000〜81,000ドル程度で高値持ち合いとなる展開を想定します。ETFへの純流入が続き、73,000ドル前後の支持帯を維持する限り、相場の基調は改善したと見ることができます。BTCが高値圏で安定すれば、イーサリアムやソラナ、XRPなどへの資金循環も続きやすいでしょう。
強気シナリオでは、ビットコインが82,000ドルを出来高を伴って明確に突破することが条件となります。この場合は85,000〜87,000ドルが次のターゲットとなり、イーサリアムは2,600ドル超、XRPは1.70ドル突破、ソラナは105〜115ドル、ドージコインは0.10ドル突破をそれぞれ試す展開が考えられます。
一方、弱気シナリオでは、最大のリスクは米連邦準備制度理事会(FRB)のケビン・ウォーシュ議長によるジャクソンホールでの講演でなにかしらの材料が出るかどうかです。インフレ警戒を強めるタカ派的な発言となれば、今回の流動性相場が巻き戻される可能性があります。ビットコインのRSIはすでに高水準にあり、72,000〜73,000ドルを下回る場合は69,000〜70,000ドル付近までの調整を念頭に置く必要があります。
ジャクソンホールでの講演を警戒して、その手前までに短期筋のポジション整理も起こり得るでしょう。
当面は「上昇トレンドへの転換」と「急騰後の反動」の双方を想定し、ビットコインの8万ドル定着、ETFフロー、米長期金利、そしてジャクソンホール後のドルの反応を確認することが重要となります。
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