暗号資産市場週刊レポート(2026年8月27日〜9月2日)

株式会社HashHub
2026/09/03
今週の暗号資産市場は、週前半に米国の国債買い戻し拡大や暗号資産ETFへの資金流入を背景に上昇した後、ジャクソンホール会議でのウォーシュFRB議長のタカ派的な発言をきっかけに反落する展開となりました。
ビットコインは一時8万ドル台を回復し、ソラナを中心にアルトコインにも買いが広がりました。一方、週後半には米国の利上げ観測に加え、中東情勢の緊迫化による原油価格と長期金利の上昇がリスク資産全般の重石となっています。
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価格動向
ビットコイン
ビットコインは8月27日に8万ドルを回復し、28日には一時8万1,300ドル近辺まで上昇しました。米財務省による長期国債の買い戻し拡大への期待や、米国の現物ビットコインETFへの継続的な資金流入が買い材料となりました。
しかし、8万ドルを超えた水準では利益確定売りも出やすく、ウォーシュFRB議長がインフレ抑制のため追加利上げの可能性を示唆すると反落。9月1日には米・イラン情勢の緊迫化を背景に原油と米長期金利が上昇し、9月2日朝には7万7,000ドル前後まで下落しています。週を通じて見ると「8万ドル突破を試した後の調整」という値動きとなりました。
イーサリアム
イーサリアムは8月27日に2,560ドル台まで上昇し、その後は2,500ドルを挟んだ攻防となりました。現物ETFへの資金流入が強く、8月27日には約2.35億ドルの純流入を記録するなど、機関投資家の需要が下値を支えました。
ただし、週後半はビットコインと同様に金利上昇を嫌気した売りが優勢となり、9月2日朝には2,400ドル近辺へ下落しています。8月全体では大幅上昇となったことから、足元では上昇に対する利益確定の側面も強いと考えられます。
XRP(リップル)
XRPは8月27日に1.47ドル近辺まで上昇しましたが、その後は上値を維持できず、1.35ドル前後まで調整しています。8月中旬から下旬にかけて急騰していた反動が大きく、短期筋による利益確定が出やすい局面となりました。
8月後半にはXRP関連商品への資金流入も確認されていましたが、短期間での大幅上昇によってポジションが積み上がっていたこともあり、ビットコイン以上に値動きが大きくなっています。
ドージコイン
ドージコインは8月27日に0.09ドル近辺まで上昇しました。ビットコインの8万ドル回復に伴い、リスク選好が高まったことでミームコインにも資金が波及した格好です。
しかし、0.09ドル台では上値が重く、その後は0.08ドル台前半まで反落。8月は月間では好調なパフォーマンスを記録しましたが、足元ではその反動による調整局面に移行しています。
ソラナ
ソラナは主要銘柄の中で相対的に強い値動きを見せ、8月27日には110ドル近辺まで急伸しました。米国のソラナ現物ETFには同日約6,091万ドルが流入し、2026年最大の日次流入となったことが買い材料として意識されました。
もっとも、その後は市場全体のリスク回避とともに上昇分を縮小し、9月2日朝には100ドル前後まで下落しています。それでも8月全体では大幅な上昇となっており、ETFを通じた機関投資家需要が今後も継続するかが重要です。
テクニカル分析
主要銘柄の支持線と抵抗線
ビットコインは7.6万〜7.7万ドルが目先の支持帯となり、ここを明確に割り込む場合は7.3万〜7.5万ドルが次の下値目途となります。上値では7.9万〜8.0万ドルが最初の抵抗帯で、8万1,000〜8万1,500ドルを突破できるかが上昇再開の条件となりそうです。
イーサリアムは2,380〜2,400ドルが支持帯、上値は2,480〜2,500ドル、その上では2,530〜2,570ドルが抵抗帯です。XRPは1.33〜1.35ドルが支持帯、1.38〜1.40ドル、さらに1.47〜1.50ドルが抵抗帯となります。
ドージコインは0.080〜0.081ドルが重要な支持帯で、割り込めば0.075ドル前後まで調整余地が広がります。抵抗は0.085〜0.09ドルです。ソラナは98〜100ドルが目先の支持帯で、次は95ドル前後。上値では103〜105ドル、さらに108〜111ドルが抵抗帯として意識されます。
RSI(相対力指数)の分析
9月2日朝時点の短期RSI(14)は、ビットコインが36前後、イーサリアムが33前後、XRPが35前後、ドージコインが37前後まで低下しています。8月下旬の急騰時に見られた過熱感は大きく解消され、短期的には売られ過ぎに近い水準まで調整が進みました。
特にソラナはRSIが30を下回る水準まで低下しており、短期的な自律反発が入りやすい一方、100ドルを明確に割り込む場合には下落トレンド継続への警戒も必要です。全体としてRSIは「上昇相場の過熱」から「調整局面」へ急速に移行したことを示しています。
市場に影響を与えたニュース
今週最大の材料となったのは米国の金融政策を巡る見方の変化です。週前半は米財務省による長期国債買い戻しの拡大を背景に長期金利低下への期待が高まり、暗号資産には追い風となりました。現物ビットコインETFには8営業日連続で資金が流入し、その期間の純流入は約28億ドルに達しました。イーサリアムETFへの資金流入も続き、現物主導の買いが市場を支えました。
しかし8月28日のジャクソンホール会議で、ウォーシュFRB議長がインフレ率が十分に低下しない場合には追加利上げが必要になる可能性を示唆すると、市場の利上げ観測が急速に上昇しました。これを受け米長期金利が上昇し、暗号資産を含むリスク資産には売り圧力が強まりました。
さらに9月1日には米国とイランを巡る緊張が再び高まり、原油価格が急騰しました。WTI原油が90ドルを超え、米10年債利回りも4.8%近辺まで上昇しました。市場では9月FOMCでの利上げ確率が一時70%近くまで高まり、ビットコインも7万7,000ドル台へ下落しました。ETFへの資金流入は続いているものの、マクロ環境が短期的な上値を抑えている状況です。
今週以降の見通し
ベースシナリオでは、8月後半の急騰に対する調整を消化しつつ、主要銘柄が支持帯を中心にレンジ形成へ移行すると想定します。ビットコインでは7.6万〜7.7万ドルを維持できるかが重要で、ETFへの純流入が継続すれば下値では買いが入りやすいと考えられます。
強気シナリオでは、今後発表される米雇用統計や9月11日の米CPIがインフレ鈍化を示し、9月FOMCでの利上げ観測が後退する展開が考えられます。その場合、米長期金利とドルが低下し、ビットコインは再び8万ドル突破を試す可能性があります。
一方、弱気シナリオでは、中東情勢の一段の悪化によって原油高が続き、米インフレ懸念と利上げ観測がさらに強まるケースを警戒する必要があります。ビットコインが7.6万ドルを明確に割り込めば、アルトコインではより大きなポジション調整が起きる可能性があります。
足元ではETFという暗号資産固有の需給要因は引き続き良好である一方、金融政策と地政学要因がそれを相殺している状態です。当面は価格そのものだけでなく、米長期金利、原油価格、ETFフローの3点を合わせて確認することが重要になるでしょう。
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