暗号資産市場週刊レポート(2026年9月10日〜9月16日)

暗号資産市場週刊レポート(2026年9月10日〜9月16日)

株式会社HashHub

2026/09/17

今週の暗号資産市場は、米国のインフレ指標と金融政策を巡る思惑、米長期金利の上昇、さらに米国の暗号資産規制を巡る動きが相場を大きく左右しました。

週前半はビットコインが7万7,000〜7万8,000ドル台まで持ち直し、イーサリアムやXRPなど主要アルトコインにも買いが広がりました。しかし、米PPI、CPIを受けてインフレへの警戒感が高まり、FOMCでの金融引き締め観測が強まると上値が重くなりました。原油高を背景に米長期金利が上昇したことも、暗号資産を含むリスク資産の重荷となっています。

さらに15日には、米上院で暗号資産市場の包括的な規制枠組みを定める「CLARITY Act」を前進させるための採決に必要な60票に届かず、法案審議が停滞しました。採決は賛成50、反対49でしたが、手続きに必要な60票を確保できず、ビットコインは7万5,000ドル前後まで下落しました。

一方、主要アルトコインではRSIが30近辺、あるいは30を下回る水準まで低下する銘柄が増えており、短期的には売られ過ぎ感も意識されます。今後はFOMCの結果と米長期金利の動向に加え、ビットコインが7万5,000ドル近辺の支持帯を維持できるかが焦点となりそうです。

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価格動向

ビットコイン

ビットコインは7万6,000ドル台で週をスタートした後、米国の物価指標やFOMCを巡る思惑を背景に方向感の定まりにくい展開となりました。9月11日から12日にかけては7万7,000ドル台で底堅く推移し、14日には7万8,000ドル台まで上昇しましたが、その後は米長期金利の上昇と規制関連のニュースを受けて売りが強まりました。

15日には米上院でCLARITY Actを前進させるための手続きが不成立となったことで、一時7万5,000ドル近辺まで下落しました。9月16日朝時点では7万5,000〜7万6,000ドル近辺で推移しており、週前半の上昇分をほぼ失う形となっています。

イーサリアム

イーサリアムは9月10日の2,440ドル近辺から反発し、11〜14日は2,500ドル前後での推移が中心となりました。一時2,550ドル近辺まで上昇する場面もあり、週前半から中盤にかけてはビットコインと比べて底堅い動きとなりました。

しかし、15日以降は市場全体のリスク回避に巻き込まれ、2,400ドル近辺まで反落しています。2,500ドル台での定着には至らず、再び8月末から続く持ち合いレンジの下限を試す展開です。

XRP(リップル)

XRPは1.33ドル近辺から週をスタートし、14日には1.42ドル近辺まで反発しました。ただし、米国の暗号資産規制整備への期待が後退した15日には売りが強まり、1.30ドルを割り込む場面が見られました。

9月16日朝時点では1.28〜1.29ドル近辺まで下落しています。制度整備への期待が価格材料となりやすいXRPでは、規制関連のニュースに対する値動きが相対的に大きくなりました。

ドージコイン

ドージコインは0.083ドル前後から始まり、12日には0.085ドル近辺まで上昇しましたが、その後は上値が重くなりました。15日のリスク回避局面では0.08ドルを割り込む場面もあり、週前半まで見られたアルトコインへの資金流入が後退しています。

主要銘柄と比較して値動きの大きい状態が続いており、短期資金の動向に左右されやすい相場となっています。

ソラナ

ソラナは9月10日の99ドル近辺から反発し、11〜14日にかけて100〜103ドル台で推移しました。しかし、105ドル近辺の抵抗帯を突破するには至らず、15日以降は再び100ドルを割り込んでいます。

9月16日朝時点では97ドル前後まで下落しており、100ドルを維持できるかが焦点だった先週から一段弱い値動きへ移行しました。

テクニカル分析

主要銘柄の支持線と抵抗線

直近の日足高安値と移動平均線から、以下の価格帯を目安と考えます。

ビットコインは7.5万〜7.6万ドルが目先の支持帯です。ここを明確に割り込む場合は7.3万〜7.4万ドルが次の下値目途となります。上値では7.7万〜7.8万ドル、その上では7.9万〜8.0万ドルが抵抗帯です。

イーサリアムは2,360〜2,400ドルが支持帯、次は2,300〜2,350ドル。上値では2,500〜2,550ドルが重要な抵抗帯となります。XRPは1.25〜1.28ドルが支持帯で、割り込めば1.20ドル前後が意識されます。抵抗は1.33〜1.35ドル、さらに1.40〜1.45ドルです。

ドージコインは0.078〜0.080ドルが目先の支持帯で、次は0.075ドル前後。抵抗は0.083〜0.085ドル、その上では0.09ドルです。ソラナは96〜98ドルが支持帯、次は92〜95ドル。上値では100〜103ドル、さらに105ドル近辺が抵抗帯となります。

RSI(相対力指数)の分析

9月16日朝時点の日足・14期間RSIは、ビットコインとイーサリアムが30台前半まで低下しています。XRP、ドージコイン、ソラナについても30前後、もしくはそれを下回る水準まで低下しており、アルトコインを中心に一般的に「売られ過ぎ」とされる水準が意識されています。

先週は主要銘柄のRSIが50〜60台にありましたが、15日の下落によって短期モメンタムは急速に悪化しました。一方、RSIが30近辺まで低下したことで自律反発が入りやすい水準でもあります。RSIだけで底打ちを判断せず、主要支持帯を維持できるか、反発局面で出来高が増加するかを合わせて確認する必要があります。

市場に影響を与えたニュース

今週のマクロ面で大きな材料となったのは、米国のインフレ指標とそれを受けた金融政策見通しの変化です。物価上昇圧力が十分に後退していないとの見方から、FOMCを前に金融引き締めへの警戒が強まりました。本コラムの執筆時点で、債券市場は利上げを9割の確率で織り込んでいます

また、中東情勢を背景とした原油高も市場の重荷となりました。原油価格の高止まりはインフレ再加速への警戒につながり、米長期金利にも上昇圧力をかけています。金利上昇とドル高は、利息を生まない暗号資産を含むリスク資産にとって逆風となりました。

米国の10年債利回りは2023年以来で初めて5%に到達し、2008年以降で最も高い水準になりました。米国債の供給が消化できないことや、データセンター投資が金利を押し上げており、足元では金利低下の兆しが見えず、リスク資産にとってのマクロ環境は悪化しています。

暗号資産固有の材料では、9月15日に米上院でCLARITY Actを前進させるための採決が行われました。同法案はデジタル資産に対する規制の枠組みを明確化することを目的としていましたが、採決は賛成50、反対49となり、審議を進めるために必要な60票に届きませんでした。これを受け、暗号資産市場では規制整備が早期に進展するとの期待が後退し、ビットコインなど主要銘柄に売りが広がりました。

ただし、この結果によって法案そのものが完全に廃案になったわけではありません。一方で、中間選挙を控えて議会日程が限られる中、短期的な法案成立への不透明感は高まっています。

今週以降の見通し

目先最大の焦点は、9月15〜16日に開催されるFOMCと、その後の米金利の反応です。政策金利そのものに加え、声明文や経済見通し、FRBの今後の政策スタンスが暗号資産市場の方向性を左右すると考えられます。

ベースシナリオでは、金融政策への警戒が残る一方、直近の下落によって一定程度の悪材料が価格に織り込まれ、ビットコインは7.5万〜8.0万ドルを中心としたレンジで値固めを続ける展開を想定します。RSIが低下しているアルトコインでは短期的な買い戻しが入りやすいものの、明確な上昇トレンドへ転じるには米金利の安定が必要です。

強気シナリオでは、FOMC後に金融引き締めへの警戒が後退し、米長期金利が低下するケースを想定します。ビットコインが7.8万〜8.0万ドルを回復すれば、イーサリアムやソラナなど主要アルトコインにも買いが波及する可能性があります。

一方、弱気シナリオでは、FRBが追加的な金融引き締めに積極的な姿勢を示し、米長期金利がさらに上昇する展開に注意が必要です。

当面はFOMC後の米金利の反応に加え、ビットコインの7.5万ドル、イーサリアムの2,400ドル、ソラナの100ドルといった主要な節目を回復・維持できるかが、短期的な相場の方向性を判断するポイントとなりそうです。

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