暗号資産市場週刊レポート(2026年9月25日〜9月30日)

株式会社HashHub
2026/10/02
今週の暗号資産市場は、前週までの上昇を消化する形で上値の重い展開となりました。米国の現物暗号資産ETFへの大規模な資金流入が下値を支えた一方、原油高を背景としたインフレ懸念と米長期金利の上昇がリスク資産全般の重石となっています。
ビットコイン(BTC)は9月25日に一時8万5,000ドル台まで上昇しましたが、その後は8万3,000ドル前後へ反落しました。イーサリアム(ETH)は相対的に底堅く推移した一方、XRPやドージコイン(DOGE)など一部のアルトコインでは利益確定売りが優勢となっています。
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価格動向
ビットコイン(BTC)
ビットコインは9月25日に8万5,200ドル近辺まで上昇しましたが、同日の終値は8万4,100ドル前後となり、その後は上値の重い展開となりました。週末には一時8万5,000ドル近辺まで戻す場面もありましたが、9月28日以降は再び売りが優勢となり、9月30日朝には8万3,000ドル前後で推移しています。
米国の現物ビットコインETFには9月25日までの1週間で約24億ドルの資金が流入し、2026年の累計フローも再び純流入に転じました。現物市場への資金流入が下値を支えている一方、米長期金利の上昇がBTCの上値を抑える構図となっています。
イーサリアム(ETH)
イーサリアムは9月25日に2,740ドル近辺まで上昇した後、2,600ドル台後半を中心とした値動きとなりました。9月29日には一時2,650ドル台まで下落したものの、BTCや主要アルトコインと比較すると下落は限定的で、9月30日朝も2,660ドル前後で推移しています。
米国の現物イーサリアムETFにも前週約6.9億ドルが流入しており、機関投資家による現物需要が引き続き価格の下支えとなっています。
XRP(リップル)
XRPは9月25日に一時1.62ドル台まで上昇しましたが、その後は利益確定売りが優勢となり、9月30日朝には1.50ドル前後まで下落しています。9月25日の終値1.57ドル前後から見ると、主要銘柄の中ではやや弱い値動きとなりました。
XRP関連ETFへの資金流入は継続していますが、9月中旬以降の急上昇によって短期ポジションが積み上がっていたこともあり、足元ではその調整が進んでいると考えられます。
ドージコイン(DOGE)
ドージコインは9月25日に0.10ドル近辺まで上昇しましたが、その後は0.094〜0.096ドル前後まで反落しました。一時0.091ドル台まで下落しており、市場全体のリスク回避局面ではBTC以上に売られやすい展開となっています。
前週に大きく上昇していた反動もあり、今週は利益確定の動きが目立ちました。BTCが再び上昇基調を取り戻せるかがDOGEの短期的な方向性を左右しそうです。
ソラナ(SOL)
ソラナは9月25日に約4%上昇し、122ドル前後まで上昇しました。27日には一時125ドル近辺まで上値を伸ばしましたが、その後は反落し、9月30日朝には119〜120ドル前後で推移しています。
一方、米国のソラナ現物ETFには9月25日までの1週間で過去最高となる約1.88億ドルが流入しました。ETFを通じた機関投資家需要は引き続き強く、主要アルトコインの中では相対的に良好な需給環境が続いています。
テクニカル分析
主要銘柄の支持線と抵抗線
ビットコインは8.2万〜8.3万ドルが目先の重要な支持帯となります。ここを明確に割り込む場合は8.0万〜8.1万ドルが次の下値目途となります。上値では8.45万〜8.55万ドルが最初の抵抗帯で、さらに8.7万〜8.75万ドルを突破できるかが上昇再開の焦点です。
イーサリアムは2,625〜2,650ドルが支持帯、上値は2,720〜2,750ドル、その上では2,780〜2,810ドルが抵抗帯となります。XRPは1.46〜1.48ドルが支持帯、1.53〜1.57ドルが抵抗帯です。
ドージコインは0.091〜0.093ドルが目先の支持帯で、割り込む場合は0.087〜0.090ドルが次の下値目途となります。ソラナは116〜118ドルが支持帯、122〜125ドルが抵抗帯です。125ドルを出来高を伴って突破できれば、130ドル近辺が次の上値目途として意識されます。
RSI(相対力指数)の分析
9月30日朝時点の日足ベースのRSI(14)の概算値は、BTCが57前後、ETHが59前後、XRPが56前後、DOGEが57前後、SOLが62前後となっています。
主要銘柄はいずれも50を上回っているものの、70を超える明確な「買われ過ぎ」の水準には達していません。特にSOLは主要銘柄の中でRSIが最も高く、相対的な強さを維持しています。全体としては9月中旬からの上昇による過熱感を一定程度消化しながら、依然として中立からやや強気のモメンタムを維持している状態と考えられます。
市場に影響を与えたニュース
今週最大の材料となったのは、米長期金利の上昇です。中東情勢を背景とした原油価格の上昇から米国のインフレ再加速への警戒感が高まり、9月29日には米10年債利回りが5.29%前後と2007年以来の高水準まで上昇しました。30年債利回りも5.6%台まで上昇しており、暗号資産を含むリスク資産のバリュエーションを圧迫しています。
しかし、長期金利の上昇で、ゴールドは大きく売られたものの、ビットコインは相対的な強さを示しています。神経質なマクロ環境の中で、ビットコイン固有の需給環境は相対的に強いと言えます。
原油市場ではブレント原油が一時1バレル105ドルを上回りました。その後はやや反落したものの、原油高が長期化すればインフレ鈍化を遅らせ、FRBによる追加利上げ観測を高める可能性があります。一方、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が追加利上げを急ぐ必要はないとの認識を示したことで、10月FOMCでの利上げ確率は一時の約70%から低下しました。
暗号資産固有の需給環境は引き続き良好です。ビットコインETFには前週約24億ドル、イーサリアムETFには約6.9億ドル、ソラナETFには約1.88億ドルが流入しました。またStrategyは9月21〜27日に1,665BTCを約1.43億ドルで追加取得しています。マクロ環境が悪化する中でも、現物ETFと企業による需要が価格の下支えとなっています。
今週以降の見通し
ベースシナリオでは、BTCは8.2万〜8.55万ドルを中心としたレンジを形成しながら、米経済指標と長期金利の動向を確認する展開を想定します。ETFへの資金流入が続いているため下値では買いが入りやすい一方、米10年債利回りが5%を大きく上回っている環境では上値も限定されやすいと考えられます。
強気シナリオでは、10月2日の米雇用統計がインフレ・労働市場の鈍化を示し、追加利上げ観測が後退する展開が考えられます。その場合、米長期金利とドルが低下し、BTCは8.55万ドルを突破した後、再び8.7万〜8.75万ドルを試す可能性があります。ETHやSOLなどETFへの資金流入が強い銘柄にも買いが波及しやすくなります。
一方、弱気シナリオでは、米経済指標が上振れするか原油価格が再び上昇し、インフレ懸念と利上げ観測が強まるケースを警戒する必要があります。BTCが8.2万ドルを明確に割り込めば8万ドル前後まで調整余地が広がり、XRPやDOGEなど値動きの大きいアルトコインではBTC以上の下落となる可能性があります。
足元では現物ETFを中心とした暗号資産固有の需給は良好である一方、米長期金利と原油価格というマクロ要因が上値を抑えている状態です。当面は価格そのものだけでなく、米長期金利、原油価格、ETFフローの3点を合わせて確認することが重要になるでしょう。
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