暗号資産市場週刊レポート(2026年10月1日〜10月7日)

株式会社HashHub
2026/10/08
今週の暗号資産市場は、米雇用統計の下振れによって追加利上げ観測が後退したことを背景に、週後半にかけて買いが優勢となりました。一方、米長期金利が歴史的な高水準で推移していることや、中東情勢を背景に原油価格が高止まりしていることが上値を抑え、週明け以降は伸び悩む展開となっています。
ビットコインは一時8万6,000ドル台まで上昇し、ソラナも120ドル台を回復しました。一方、イーサリアム、XRP、ドージコインは概ねレンジ内での値動きとなりました。米国の現物ビットコインETFには週前半に資金流入が確認された一方、イーサリアムETFでは資金流出が続いており、銘柄ごとの需給には差が見られます。
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価格動向
ビットコイン
ビットコインは10月1日の8万4,000ドル台後半から上昇し、2日に発表された米雇用統計が市場予想を下回ると買いが強まりました。週末にかけて8万6,000ドル台まで上昇し、一時8万7,000ドルに接近する場面もありました。
9月の米非農業部門雇用者数は前月比2.9万人増と、市場予想の9万人増を大幅に下回りました。失業率も4.2%へ上昇したことで、10月FOMCでの追加利上げ観測が大きく後退し、暗号資産を含むリスク資産には追い風となりました。
もっとも、8万7,000ドル近辺では上値が重く、米長期金利の高止まりもあって週明けには利益確定売りが優勢となりました。10月7日朝時点では8万5,000ドル台後半で推移しています。現物ビットコインETFには10月1日に約1.03億ドル、2日に約1.90億ドルが流入した一方、5日には約0.90億ドルの流出となっており、ETFフローも一方向ではなくなっています。
イーサリアム
イーサリアムは10月1日に2,700ドル近辺で推移した後、2日には一時2,650ドル台まで下落しました。その後はビットコインの上昇に連れて持ち直し、4日には2,700ドル台前半まで回復しましたが、10月7日朝時点では2,700ドル前後で推移しています。
ビットコインと比較すると上値の重い展開が続いています。米国の現物イーサリアムETFでは10月1日に約5,540万ドル、2日に約3,740万ドル、5日に約5,080万ドルの純流出となり、3営業日合計で約1.44億ドルが流出しました。ETFを通じた機関投資家需要の弱さがビットコインとのパフォーマンス格差につながっています。
XRP(リップル)
XRPは1.48〜1.52ドルを中心としたレンジ相場となりました。10月2日には一時1.45ドル近辺まで下落しましたが、その後は反発し、4日には1.52ドル近辺まで上昇しています。10月7日朝時点では1.50ドル前後で推移しています。
ビットコイン上昇時にも大きく上値を伸ばす展開とはならず、9月までの上昇に対する持ち高調整が続いているとみられます。ただし、1.45〜1.50ドル近辺では押し目買いも入りやすく、方向感を探る局面となっています。
ドージコイン
ドージコインは0.09ドル台前半を中心に推移しました。10月2日には一時0.090ドル近辺まで下落した後、市場全体のリスク選好回復を受けて4日には0.096ドル近辺まで上昇しましたが、その後は再び0.09ドル台前半へ反落しています。
ビットコインの上昇に対してミームコインへの資金波及は限定的で、9月に見られたような高い投機需要は足元ではやや後退しています。
ソラナ
ソラナは主要銘柄の中では比較的底堅い値動きとなりました。10月1日の118ドル前後から上昇し、4日には121〜122ドルまで上昇。その後も120ドル近辺を維持しており、10月7日朝時点では120ドル台で推移しています。
米国のソラナETFへの資金流入は今週やや鈍化しており、10月1日、2日、5日の合計では小幅な純流出となりました。それでも価格が120ドル前後を維持している点は、他のアルトコインと比較すると相対的な強さを示しています。
テクニカル分析
主要銘柄の支持線と抵抗線
ビットコインは8万4,500〜8万5,000ドルが目先の支持帯となります。ここを明確に下回る場合は8万3,500ドル前後、さらに8万2,000ドル台前半が次の下値目途となります。上値では8万6,500〜8万7,000ドルが最初の抵抗帯で、これを突破すれば8万8,500〜9万ドルが視野に入ります。
イーサリアムは2,680〜2,700ドルが支持帯となり、割り込めば2,650ドル前後が次の下値目途です。上値では2,720〜2,750ドル、その上では2,775〜2,800ドルが抵抗帯として意識されます。
XRPは1.47〜1.48ドルが支持帯で、次は1.42ドル前後。上値では1.52ドル、さらに1.55〜1.56ドルが抵抗帯となります。ドージコインは0.091〜0.094ドルが支持帯、0.097〜0.099ドルが抵抗帯です。ソラナは119〜120ドルが目先の支持帯となり、割り込めば116ドル前後まで調整余地があります。上値では122ドル、さらに125ドル近辺が抵抗帯となります。
RSI(相対力指数)の分析
10月6〜7日時点の日足RSI(14)は、ビットコインが64前後、イーサリアムが62前後、XRPが57前後、ドージコインが57前後、ソラナが63前後となっています。ビットコインとソラナは買いのモメンタムが比較的強い一方、いずれも一般的に買われ過ぎとされる70には達していません。イーサリアムも60台を維持しており、テクニカル面では弱気トレンドには入っていません。
XRPとドージコインは50台半ばで、方向感の乏しい中立圏です。市場全体としては9月下旬の調整からモメンタムが改善しているものの、現時点では明確な過熱感が生じている状況ではありません。
市場に影響を与えたニュース
今週最大の材料となったのは、10月2日に発表された米雇用統計です。9月の非農業部門雇用者数は前月比2.9万人増と市場予想を大幅に下回り、失業率も4.2%へ上昇しました。平均時給の伸びも鈍化したことで、労働市場からのインフレ圧力が弱まりつつあるとの見方が広がりました。これを受け、市場では10月FOMCでの追加利上げ確率が大きく低下しました。しかし来年夏頃までに追加2回の利上げを見込む予想が、依然として市場予想の中央値です。
加えて、暗号資産市場の上値を抑えているのが米長期金利です。米10年債利回りは週明けに5.3%近辺まで上昇し、約24年ぶりの高水準を記録しました。10月6日にはやや低下したものの、依然として高い水準にあります。また、中東情勢を背景に原油価格も高止まりしており、ブレント原油は1バレル100ドル前後で推移しています。雇用の減速による利上げ観測後退と、原油高によるインフレ懸念が同時に存在している状況です。ビットコインは金利を生まないため、長期金利5%超えは向かい風となります。
暗号資産固有の需給では、現物ビットコインETFへの資金流入が引き続き相場の下支えとなっています。10月1〜2日の2営業日には合計約2.93億ドルが流入しました。一方でイーサリアムETFからは資金流出が続いており、機関投資家の需要がビットコインに集中する構図も見られます。
今週以降の見通し
ベースシナリオでは、米雇用統計を受けた上昇を消化しながら、主要銘柄が現在の水準を中心にレンジを形成すると想定します。ビットコインでは8万4,500〜8万5,000ドルを維持できるかが重要です。この水準を維持し、ETFへの資金流入が再び強まれば、8万7,000ドル突破を試す展開が考えられます。
強気シナリオでは、米長期金利が低下し、金融政策への警戒がさらに後退するケースです。10月7日には9月15〜16日開催分のFOMC議事要旨、10月14日には9月の米CPIが公表されます。議事要旨やCPIが追加利上げに慎重な内容となれば、ドルと米長期金利の低下を通じて暗号資産には追い風となり、ビットコインは8万8,000〜9万ドルを試す可能性があります。レンジ相場の中でも下値を大きく試しにいく展開には今のところなっていないため、時間の問題で上に行くことを期待したい局面と言えます。
一方、弱気シナリオでは、原油高が長期化し、インフレ懸念から再び追加利上げ観測が強まるケースに注意が必要です。ビットコインが8万4,500ドルを明確に割り込めば、8万3,000ドル台から8万2,000ドル台まで調整する可能性があります。その場合、XRPやドージコインなどのアルトコインではビットコイン以上に下落率が大きくなる可能性があります。
足元では、米雇用市場の減速とETFを通じた機関投資家需要が暗号資産市場を支える一方、高水準の米長期金利と原油価格が上値を抑えています。当面は価格そのものに加え、米10年債利回り、現物ETFへの資金フロー、原油価格、そして10月14日の米CPIを確認することが重要になるでしょう。
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