暗号資産市場週刊レポート(2026年10月29日〜11月4日)

株式会社HashHub
2026/11/05
今週の暗号資産市場は、前週からの調整が深まる展開となりました。ビットコインは8万ドルを割り込み、ソラナも100ドルを下回って推移しています。Binanceでの大規模な不正流出が明らかになり、取引所の安全性に対する警戒が市場の重荷となりました。
米国の現物ETFからも資金流出が続き、押し目買いによる回復は限定的となっています。米連邦準備制度理事会(FRB)は政策金利を据え置きましたが、インフレへの警戒を維持しました。市場は米中間選挙の結果と、その後の経済指標を見極める局面に入っています。
※お取引にはリスクが伴います。口座開設・取引にあたっては免責事項・注意事項をご確認ください。
価格動向
ビットコイン(BTC)
BTCは10月29日に8万1,000ドル台から7万8,000ドル近辺へ下落し、30日には7万6,400ドル前後まで売られました。11月1日には7万8,000ドル台へ戻しましたが、2日の終値は7万6,820ドルとなっています。前週の支持帯である7万9,300〜7万9,500ドルを割り込み、短期的な下落基調が強まりました。
イーサリアム(ETH)
ETHは10月29日の2,360ドル前後から下落し、30日には2,188ドルまで下げました。その後は2,200ドル台半ばへ戻り、11月2日の終値は2,254ドルとなっています。前週に意識された2,290〜2,300ドルの支持帯を下回り、戻り売りが出やすい状況です。
XRP(リップル)
XRPは10月29日に1.33ドル近辺から1.24ドルへ下落し、30日には1.20ドルを付けました。その後は1.25ドル前後でのもみ合いとなり、11月2日の終値も1.25ドルでした。急落後に下げ止まる動きはみられますが、前週の支持帯である1.26〜1.28ドルの回復が課題です。
ドージコイン(DOGE)
DOGEは10月29日に0.08ドル近辺から下落し、30日には0.073ドル前後まで売られました。一時0.076ドル近辺へ戻しましたが、11月2日の終値は約0.0741ドルとなっています。前週の0.075〜0.076ドルの支持帯を下回っており、買い戻しの持続力は弱い状態です。
ソラナ(SOL)
SOLは10月29日の102ドル台から下落し、100ドルの節目を割り込みました。30日には98ドル台へ戻す場面もありましたが、その後は再び水準を切り下げ、11月2日の終値は91.99ドルとなっています。前週の98〜100ドルの支持帯から大きく離れ、主要銘柄の中でも調整の深さが目立ちました。
テクニカル分析
主要銘柄の支持線と抵抗線
BTCの支持帯は、10月30日と11月2日の安値がある7万6,400〜7万6,800ドルです。上値では7万8,300〜7万8,700ドル、その上では前週の支持帯だった7万9,300〜7万9,500ドルが抵抗帯となります。
ETHは2,230〜2,240ドルが近い支持帯、その下では2,180〜2,200ドルが意識されます。抵抗帯は2,280〜2,310ドルで、その先には2,360〜2,380ドルがあります。XRPは1.24ドル近辺、さらに1.20ドル近辺が支持の目安となり、1.26〜1.28ドル、1.31〜1.33ドルが上値の節目となります。
DOGEの支持帯は0.0730〜0.0732ドル、抵抗帯は0.0755〜0.0766ドルです。SOLは90〜91ドルが心理的節目と直近安値を含む支持の目安となり、95〜96ドル、その上では98〜100ドルが抵抗帯です。
RSI(相対力指数)の分析
CoinLoreの日足・14期間の参考値は、BTCが36.2、XRPが38.4、SOLが28.7となっています。更新時刻は日本時間11月3日の順に21時10分、20時45分、22時10分です。DOGEは11月2日22時55分更新の35.2で、ほかの銘柄より古い参考値となります。ETHは指標の更新時刻を確認できないため、数値の掲載を見送ります。
確認できた4銘柄はいずれも50を下回り、買いの勢いが弱い状態です。SOLは一般的に売られ過ぎとされる30を下回りました。ただし、下落局面では低いRSIが続くこともあります。日中に更新される参考値であり、30割れだけを反転の根拠にせず、安値の切り上げや抵抗帯の回復を合わせて確認する必要があります。
市場に影響を与えたニュース
最大の材料は、Binanceの不正流出です。同社の10月30日公表によると、29日20時5分ごろ(UTC)にホットウォレットが侵害され、約63億ドル相当の暗号資産が流出しました。同社は自己資金などで損失を補填する方針を示し、30日時点で約30億ドル相当が凍結されたと説明しています。信頼回復には、安全対策の実施と説明が重要になるでしょう。今回のハッキングは、暗号資産史上でも過去最大となっています。また、FBIは北朝鮮の国家的ハッカー集団による犯行であると断定しています。Binanceは暗号資産業界の中で最も累積利益が大きいとされる企業です。その会社の内部留保が大きくハッキングによって実質的に奪われているので、「暗号資産業界で一番儲けているのは北朝鮮である。」という揶揄は、決して冗談ではなくなっています。これは非常に深刻な業界問題であると言えるでしょう。
30日は米ハイテク株も下落し、BTCは7万7,000ドルを下回りました。暗号資産固有の問題に、株式市場のリスク回避も重なった形です。複数の悪材料が同時に意識された週となりました。
需給面では、Farside Investorsの集計で、BTC現物ETFが10月30日に約6.43億ドル、11月2日に約3.99億ドルの純流出となりました。10月29日の小幅な純流入を含めても、この3営業日では約10.25億ドルの純流出です。ETH現物ETFも同じ3営業日で約4.01億ドルの純流出となりました。11月3日分は未集計で含めていませんが、前週から資金流出が続いている点は上値を抑える材料と考えられます。
金融政策では、日本時間10月29日未明に公表されたFOMC声明で、政策金利は3.75%〜4.00%に据え置かれました。ただし、2人の委員が0.25ポイントの利上げを主張して反対しました。米国時間29日公表の9月PCE物価指数は前年比3.6%、食品・エネルギーを除くコアは3.1%上昇しています。7〜9月期の実質GDPも前期比年率3.4%増となり、早期の金融緩和を見込みにくい内容と考えられます。
一方、企業の買い需要では変化もありました。Strategyは11月2日、10月26日〜11月1日に811BTCを約6,550万ドルで購入したと開示しました。前週に休止した買い増しを再開しており、企業需要が一律に後退しているわけではないことも確認されました。
今週以降の見通し
直近では米国時間11月3日の中間選挙の結果が注目されます。情報基準時点では投票が続いており、議会構成や政策への影響を断定できません。4日には米財務省の四半期資金調達計画、6日には10月雇用統計が公表される予定です。財政・金利の見通しと、雇用・賃金の動向を合わせて確認することが重要になるでしょう。
基本シナリオは、BTCが7万6,000ドル台の支持を保ち、7万8,000ドル台までの範囲で下値を固める展開です。Binanceの対応状況を確認しながら、ETFの流出が縮小するかを見極める局面と考えられます。
強気シナリオは、取引所への不安が和らぎ、金利上昇が抑えられるなかでETFへの資金流入が戻る場合です。BTCが7万8,700ドルを上回れば、7万9,500〜8万ドルへの回復が視野に入ります。
弱気シナリオは、資金流出と金利上昇への警戒が続き、BTCが7万6,400ドルを明確に割り込む場合です。ETHの2,180ドル、SOLの90ドルも維持できなければ、調整が広がる可能性があります。急落後の値頃感だけで判断せず、価格の下げ止まりと買い需要の回復を確認する姿勢が重要になるでしょう。
免責事項・注意事項
・本記事は投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたもので、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資に関する最終決定は投資家ご自身の判断と責任でなさるようお願いします。
・提供される情報は信頼性のある情報源から得ておりますが、その正確性や完全性を保証するものではありません。
・万一、本記事およびリンク先の内容に基づいてお客さまが損害を被ったとしても当社および情報提供者は一切その責任を負うものではありません。
・本記事は著作権によって保護されており、無断で転用、複製または販売等を行うことは固く禁じます。
店頭CFD取引に関するご注意事項(株式会社SBI証券からのご留意事項)
・本取引を行うにあたっては、「店頭CFD取引約款」および「店頭CFD取引の契約締結前交付書面」をご精読、ご理解の上、お取引を行ってください。
・取引手数料は無料ですが、株価指数CFD、コモディティCFDのうち先物が原資産である銘柄において、当社が定める日に建玉を保有していた場合には、当社で定めた価格調整額が発生します。また、取引時間終了時点で建玉を保有していた場合には、当社がカバー取引を行う際に発生する金利および貸株料として金利調整額が建玉に発生します。暗号資産CFDではロールオーバー時に保有している建玉ごとに毎取引日ファンディングレートが必要です。価格調整額および金利調整額、ファンディングレートは当社が取引日単位で指定する料率が適用されます。なお、料率は相場状況によって日々変動するため、固定値として事前にお示しすることができません。詳細は取引ツール内および当社ホームページよりご確認ください。
・取引価格には、売値と買値に価格差(スプレッド)があります。スプレッドは相場急変時等に拡げる場合がございます。
・本取引に際しましては、あらかじめ証拠金を差し入れる必要がございます。必要証拠金の計算にはその時点のCFDの価格および原資産が外貨で取引されているCFDの場合にはその時点の為替レートを使用します。
・本取引は、取引額(約定代金)に対して少額の必要証拠金をもとに取引を行うため、必要証拠金に比べ多額の利益を得ることもありますが、その一方で短期間のうちに多額の損失を被る可能性があります。
・本取引の取引対象である株価指数、商品現物、商品先物、暗号資産は、需給関係、対象株価指数等の相場状況、為替並びに金利相場の変動により損失が生ずるおそれがあり、かつその損失の額が預託した証拠金の額を上回ることがあります。加えて相場の急激な変動等により、意図した取引ができない可能性があります。
・店頭CFD取引に必要な証拠金の最低額は、株価指数CFDは各建玉の対価の額の10%、コモディティCFDは5%、暗号資産CFDは50%に相当する円価格です。また、相場の状況により必要証拠金率を変更する場合がございます。
・毎取引日取引終了時の清算価格で値洗いを実施し店頭CFD取引口座の時価評価額が必要証拠金額を下回ると証拠金不足が確定します。 値洗いで証拠金維持率が一定値(100%等)を下回った場合、メール等で自動通知します。
・各CFD取引口座の時価評価額が必要証拠金額の50%を下回ると自動ロスカットが発動し、全未約定注文が取消されかつ全建玉が強制返済されることがあります。なお、ロスカットの判定は一定の間隔で実施します。自動ロスカット注文は、損失が一定の割合にとどまることを保証するものではなく、証拠金以上の損失が発生する場合があります。
・本取引は元本及び利益が保証されるものではありません。
・店頭CFD(SBI CFD)は、取引所CFD(くりっく株365)とは異なる商品です
・暗号等資産は本邦通貨または外国通貨ではなく、特定の者によりその価値を保証されているものではありません。暗号等資産は、代価の弁済を受ける者の同意がある場合に限り代価の弁済に使用することができます。
・お客さま相談窓口:カスタマーサービスセンター
平日(年末年始を除く)8:00~17:00 固定電話の方 0120-104-214(携帯電話の方0570-550-104)
・特定非営利活動法人 証券・金融商品あっせん相談センター(FINMAC):0120-64-5005
・日本商品先物取引協会相談センター 03-3664-6243
・当社企業情報は、当社ホームページおよび日本商品先物取引協会ホームページ等で開示されております。