店頭CFDで取扱う暗号資産ソラナを解説

店頭CFDで取扱う暗号資産ソラナを解説

提供:株式会社HashHub

2025/08/22

2025年上半期のソラナ市場の動向分析

はじめに

本レポートでは、SOLの価格動向と価格上昇要因について、現状分析を交えながら考察します。

Solanaブロックチェーンは、高速な処理性能と低い取引手数料が特徴です。近年ではユースケースが拡大を続け、注目を集めるエコシステムへと成長しています。

このようなエコシステムの発展は、SOLの価値向上に大きな追い風となる可能性を秘めています。ただし、暗号資産市場の規制動向や市場全体の投機性がリスク要因として作用するため、短期的な価格変動が継続する可能性には注意が必要です。

本レポートでは、SOLの価格形成に寄与する要因とエコシステムの最新状況を解説することで、価格変動の背景にあるメカニズムを分析します。

投資判断におけるリスク要因と成長可能性を包括的に理解することを目的としています。

SOL価格の動向:トレンドと市場背景

Solana(SOL)の価格関連情報(2025年7月24日時点)

● 時価総額:$99,728,073,726(約14.46兆円)

● 完全希薄化後の時価総額:$112,278,875,512(約16.28兆円)

● 24時間取引高:$22,817,248,714(約3.31兆円)

● 流通供給量:538,167,315 SOL

● 総供給量:605,895,799 SOL

● 最大供給量:上限なし。年間平均インフレ率 約4.395%

1米ドル=145円換算。データはいずれもCoinGeckoより引用。インフレ率はSolana Compassより引用。

SOL価格チャート:CoinGeckoより引用

Solana(SOL)は、直近1ヶ月間で注目すべき価格変動を見せています。特に7月23日には205ドルを記録し、市場の関心が大きく高まりました。

現在、SOLの時価総額ランキングは6位に位置しています。

暗号資産の時価総額ランキング:CoinGeckoより引用

暗号資産全体のトレンドとしては、市場全体が回復傾向にあるマクロトレンドを形成しており、BTCやETHだけでなく高い成長ポテンシャルのあるアルトコインへの物色も積極的な市場環境になろうとしています。

暗号資産時価総額チャート:CoinGeckoより引用

SOL価格影響要因の市場分析

結論からいえば、Solana (SOL) の価格は、広範な暗号資産市場の力強い回復、機関投資家からの顕著な関心、そしてSolanaエコシステム内での技術的基盤整備と活発な成長という複数の要因によって、上昇トレンドにあります。

機関投資家の関心:SOLステーキングETFの成功

機関投資家の関心は、Solana現物ETF(スポットETF)を巡る動きで確かに顕著になっています。VanEck(2024年6月提出)、Grayscale(2024年12月提出)、Fidelity(2025年3月提出)など複数社がSECに申請し、現在審査中です。

一方で、SECが承認済みであるREX-Ospreyが7月2日に上場させた「Solana + Staking ETF(SSK)」というETFの成功は特に注目すべき点です。SSKは、米国で初めてオンチェーンステーキング報酬を統合したSolana ETFであり、機関投資家と個人投資家の両方を強く惹きつけ、わずか12営業日で運用資産残高1億ドルを突破しました。

従来のETFが主に価格変動へのエクスポージャーを提供するのに対し、SSKは価格上昇に加え、SOLのネイティブなステーキング報酬という追加の利回りを提供します。機関投資家は、単なるキャピタルゲインだけでなく、安定したインカムゲインを重視する傾向があるため、ステーキング報酬の統合は、機関投資家にとってSOLの魅力を飛躍的に高める「付加価値」となり、他の暗号資産ETFとの差別化要因となります。

将来を見据えた技術基盤強化策:Firedancer(クライアント多様化)とAlpenglow(コンセンサス再設計提案)

Solanaは将来の拡張性を見据え、二つの重要な取り組みを進めています。

●Firedancer: Jump Cryptoによって開発された独立したバリデータクライアントであり、パフォーマンスと回復力を目指して設計されています。フル版は2025年第四四半期リリースが目標とされます。

●Alpenglow: Anzaによって開発された、Solanaのコンセンサスメカニズムの完全な再設計で、トランザクションのファイナリティ(最終確定)時間を最大100倍、約12.8秒から100〜150ミリ秒という低水準に短縮することを目指す提案です。

これらはSolanaをWeb2と遜色ない性能へ近づけ、高頻度トランザクションを必要とする金融・ゲーム・リアルタイム通信など新たなユースケースの開拓を後押しする可能性があります。

Solanaブロックチェーンのエコシステム

Solanaエコシステムの成長

Solanaは、現在急速に成長を続けるブロックチェーンの1つです。

SolanaのTVL(Total Value Locked)は現在およそ100億ドル(約1.45兆円)に達し、Ethereumに次ぐ規模となっています。

SolanaのTVL。DeFiLlamaより。

TVLは、Solana上のアプリケーションに流動性提供やステーキングされロックされた資産の合計額を示しており、DeFi(分散型金融)の活発さを反映しています。

Solanaブロックチェーンの分散型取引所全体の取引高の推移(DeFiLlamaにリストされたものに限る)。DeFiLlamaより。

高いトランザクション速度と低コストの取引が、資金をSolanaに引き寄せてきましたが、アプリケーションの成熟とともに経済圏が次第に拡大しており、ネットワーク効果(チェーン上の活況がさらにアプリケーションやユーザー、資金を呼び込む効果)が働いていることも考えられます。

Solanaのアクティブウォレット数は、日次330〜360万アカウントに達しており、新規アカウントは堅調に推移を続けています。このユーザー基盤の成長は、Solanaのエコシステムの健全な発展を示しており、ブロックチェーンの利用が拡大していることを裏付けています。

Solanaブロックチェーンのアクティブウォレット数と複数のトークンをウォレットで保持するアカウント数の推移。Solscanより引用。

ただし、これらの中には取引ボットの数も含まれ、純粋な人間のユーザー数を示すものではない点には留意が必要です。

主要なプロジェクトの動向

Solana上の重要なプロジェクトの中でも、特に注目されているのがJupiter(分散型取引所)です。Jupiterは、Solana上のDEXの取引を集約してユーザーに最適なレートでの取引を可能にするアグリゲーター機能と、無期限先物取引を提供しています。

Solanaブロックチェーン上のアプリケーションごとのTVLランキング。JupiterはTVL第2位の分散型取引所。DeFiLlamaより引用。

また、ミームコイン取引・発行ができるプラットフォームであるPump.funでは、1日あたりの収益が最盛期には日次700万ドル(約10.15億円)を超える規模に達しました。なお、最近の収益は低下し日次100万ドル程度となっています。

Pump.funのTVL・日次収益の推移。DeFiLlamaより引用。

これらの動きは、Solanaでの取引の流動性を高めるだけでなく、ミームコインやその他の投機的なトークンの取引を活発化させることに寄与しています。

投機性は、一時的な過熱からもたらされることもあり、成長を保証しませんが、Solanaエコシステム成熟の一端を担っているのは確かであり、現状です。

Solanaは、ブロックチェーン上での取引高やユーザー数、プロジェクト提携の発表などが活発に行われており、エコシステム全体では拡大傾向にあります。これらの動向は、長期的にはSOL価格にポジティブな影響をもたらすものとなるはずです。

市場トレンドとSolana固有要因の相互作用

これまでに分析した通り、SOLの価格上昇トレンドは単一の要因ではなく、①暗号資産市場全体の回復というマクロトレンド、②機関投資家の資金流入という市場心理の変化、そして③Solana自身の技術的・エコシステム的なファンダメンタルズの強化という3つの要素が相互に作用した結果と考えられます。

結論として、SOLの価格は、市場全体の好景気を背景に、Solana自身のファンダメンタルズの強さが機関投資家と個人投資家の両方を惹きつけ、強力な上昇トレンドが形成されたと分析できます。

今後の価格動向を占う上では、アルトコインへ特に影響を強く持つ米国を中心とした暗号資産への規制スタンスに影響を与えるマクロな政治・経済イベントが、引き続き市場全体のセンチメントを左右する重要な要素となるでしょう。

関連レポート:米国の3大法案がもたらす暗号資産規制の不確実性の終焉とアルトコインシーズンの到来

SOL価格のポテンシャルとリスク要因

これまで見てきたように、Solanaの成長はエコシステムの拡大と市場からの高い期待に支えられています。ここでは、その成長を支える「前提条件(ポテンシャル)」と、見過ごすことのできない「リスク要因」を整理します。

現在のSOL価格を支える強気の前提

現在のSOL価格には、以下の4つのポジティブな期待が織り込まれていると考えられます。

1.良好な規制環境の継続:米国をはじめとする主要国が暗号資産市場に対して寛容な姿勢を維持し、機関投資家が参入しやすい環境が継続するという前提。

2.SOL現物ETFへの期待:Bitcoin、Ethereumに続き、SOLが現物ETFの承認を受ける有力候補であるという市場の期待感。

3.技術的アップグレードの成功:FiredancerやAlpenglowといった主要な技術基盤強化が計画通りに実装され、ネットワークの性能と信頼性が飛躍的に向上するという期待。

4.エコシステムのネットワーク効果:DeFi、GameFi、DePIN(分散型物理インフラ)などの多様な分野でユーザーと開発者を惹きつけ続け、エコシステムが持続的に成長するという期待。

これらの前提が維持・強化される限り、SOLの価値は長期的に向上する可能性があります。

注意すべき主なリスク要因

一方で、上記の前提を覆す可能性のあるリスク要因にも注意が必要です。これらのリスクが顕在化した場合、短期的な価格調整にとどまらず、長期的な成長シナリオが揺らぐ可能性があります。

規制リスク

● 政治動向の変化:米国などで暗号資産に否定的な規制が行われた場合、市場全体が急速に冷え込むリスク。

● DeFi・ミームコインへの規制強化:JupiterのようなDEXや、Pump.funのようなミームコイン発行プラットフォームが法規制の対象となり、エコシステムの活気が失われるリスク。

● インシデントリスク:FTX事件に代表されるような市場全体が停滞する可能性をはらむ大きな事件が起こるリスク。

市場リスク

● ETF承認の遅延または否決:市場の期待が過熱している分、SOL現物ETFの承認が遅れたり、否決されたりした場合、失望売りによる大幅な価格下落リスク。

● 投機マネーの流出:ミームコインブームのような一時的な熱狂が冷め、ユーザーと流動性が他の競合ブロックチェーンへ流出するリスク。

技術・ネットワークリスク

● ネットワーク障害の再発:過去に何度も発生したように、高い負荷によって再びネットワークが停止し、Solanaの信頼性そのものが問われるリスク。

● アップグレードの遅延・失敗:Alpenglow等の重要なアップデートが期待通りの成果を上げられず、競合に対する技術的優位性が失われるリスク。

総括

本レポートでは、SOLの価格動向と、その背景にある市場トレンド、技術開発、エコシステムの成長について多角的に考察しました。

SOLは、明確な技術的ビジョンと活発なコミュニティに支えられ、暗号資産市場で確固たる地位を築きつつあります。しかし、その価格は市場全体のセンチメントや規制動向といった外部要因にも大きく左右される、脆弱な側面も併せ持っています。

投資判断においては、本レポートで示したような価格上昇のポテンシャルと、その裏側にある複合的なリスク要因を常に比較検討し、特に「規制」「技術アップデートの進捗」「エコシステムの持続性」という3つのポイントを継続的に注視していくことが極めて重要です。

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