2021年の米国株式市場は、当初想定を大きく上回る上昇でした。主因は企業利益が予想以上に上方修正されたことです。S&P500指数のEPSは2020年の140.46ポイントから2021年は205.55ポイントへ46%増の見込みです。パンデミック前の2019年が163.13ポイントですので、2021年がいかに高いかお分かりいただけるでしょう。
DXが一気に進んだことで大手IT企業の業績が大幅に伸び、それら以外の企業もパンデミックに素早く対応して、業績回復に努めました。根底には柔軟な労働市場を活かした米国経済の調整の速さがあるのでしょう。EPSの増加を伴った株価上昇となったため、予想PERは20倍前後と、市場の一部で言われる“バブル”というほどには高くなっていません。