投資信託金融緩和が終焉を迎える先の最適な資産運用法とは?

「超金融相場」が転換し「リスク管理と選別」の時代に

米FRBが「テーパリング(資産購入の段階的縮小)」を決定し、「コロナ・ショック」への対応で歴史的に緩んだ金融緩和政策からの転換が始まった。この背景には消費者物価指数が39年ぶりの高い伸びを示すなど、「インフレ懸念」が台頭したことがある。米国はゼロ%台に据え置いてきた政策金利を2022年には引き上げに転じるとみられている。
「金融緩和」という投資環境に慣れた投資家にとって、世界経済の中心である米国が金融引き締め政策に転じた影響は大きい。「リスク商品は何でも上がる」という状況が変化し、リスク管理と投資先の選別という資産運用には「当たり前の心得」が改めて必要とされる時代を迎えたといえる。

加速するESG投資、社会に必要とされる運用商品に

21年は「ESG(環境・社会・企業統治)投資」が大きな潮流になった。22年はこの流れが一段と加速するだろう。11月に開催された「COP26」で地球温暖化対策について世界が協力して取り組むことが合意され、「脱炭素」ファンドも多く設定された。
このESG投資は、多くの機関投資家が化石燃料を多く使う企業には投資しないなどの「ダイベストメント(投資撤退)」の動きにもなっている。個人投資家の間でも「環境や社会に貢献できるファンドを選びたい」という投資行動が表れている。ESG評価の高い企業は資金調達の面でも有利になるなどESG投資のパフォーマンスが向上する流れができつつある。

改正年金法の施行で長期目線での資産運用を一段と意識

2022年4月に年金制度改正法が施行される。公的年金と確定拠出年金の年金受給開始時期が現在の最大70歳までが75歳まで延長される。確定拠出年金の場合、受給開始年齢の延長は、非課税での運用期間の延長につながる。また、5月からiDeCo(個人型確定拠出年金)の加入可能年齢も60歳未満から65歳未満に拡大される。
年金制度が長寿に備えた改定を行うことは、資産運用にも一段と長期の目線での運用を促すと考えられる。「長期・積立・分散」の投資行動が一段と強く意識され、ファンドの商品設計においても運用費用の引下げや「予想分配金提示型」など、長期資産形成や長寿時代に対応した商品群が一段と存在感を高めよう。

朝倉 智也
ウエルスアドバイザー 代表取締役社長

1989年慶應義塾大学卒。95年米国イリノイ大学経営学修士号取得(MBA)。同年、ソフトバンク株式会社を経て、98年ウエルスアドバイザー株式会社設立に参画し、2004年より現職。 第三者の投信評価機関として、常に中立的・客観的な投資情報の提供を行い、個人投資家の的確な資産形成に努める。資産運用にかかわるセミナー講師を多数務め、各種メディアにおいても、個人投資家への投資教育、啓蒙活動を行う。

著書:『一生モノのファイナンス入門』(ダイヤモンド社)、『ものぐさ投資術』(PHP研究所)、『マイナス金利にも負けない究極の分散投資術』(朝日新聞出版)『「iDeCo」で自分年金をつくる』(祥伝社新書)、『ETFはこの7本を買いなさい』(ダイヤモンド社)、『つみたてNISA』(ダイヤモンド社)、『ものすごく真っ当で、ありえないほど簡単な お金の増やし方』(幻冬舎)、『怖がりの人ほど成功する! 丸投げ投資生活』(ナツメ社)、『お金の未来年表』(SBクリエイティブ)、「全面改訂 投資信託選びでいちばん知りたいこと」(ダイヤモンド社)等。

ご注意事項

  • ・当社の取扱商品は、各商品毎に所定の手数料や必要経費等をご負担いただく場合があります。また、各商品等は価格の変動等により損失が生じるおそれがあります(信用取引、先物・オプション取引、外国為替保証金取引、取引所CFD(くりっく株365)では差し入れた保証金・証拠金(元本)を上回る損失が生じるおそれがあります)。
    各商品等への投資に際してご負担いただく手数料等およびリスク情報につきましては、SBI証券WEBサイトの当該商品等のページ及び金融商品取引法に係る表示並びに契約締結前交付書面等の記載内容をご確認ください。
    金融商品取引法に係る表示
  • ・本資料は投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたもので、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資に関する最終決定は投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。万一、本資料に基づいてお客様が損害を被ったとしても当社及び情報発信元は一切その責任を負うものではありません。本資料は著作権によって保護されており、無断で転用、複製又は販売等を行うことは固く禁じます。
    重要な開示事項(利益相反関係等)について
  • ※掲載しているコンテンツ内でご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません