結婚して苗字が変わると、現在利用している身分証明書や金融機関の氏名・名義変更を行わなければなりません。個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」も名義変更の手続きが必要です。手続きの順番は以下の通りです。
婚姻届の提出→免許証の氏名変更→銀行口座・証券会社口座の名義変更→iDeCoの名義変更
ではこの順番に沿って流れを整理していきましょう。
まずは免許証の氏名変更をしよう
結婚後の手続きの際に、何かと必要となるのが身分証明書です。氏名が変わればこれまで利用していた身分証明書も使用できなくなります。その中でも運転免許証は使用頻度が高いため、結婚後にすぐ免許証の氏名変更を済ませることで他の手続きがスムーズになります。
免許証の氏名変更は、運転免許更新センター・試験場または、住所(引っ越した場合は新しい住所)を管轄する警察署で行うことができます。
免許更新センターは連日混雑していることが多いので、近くの警察署で手続きした方が無難でしょう。「運転免許記載事項変更届」という書類がもらえるので記入して提出します。それ以外に必要な書類としては、
・結婚前に取得した運転免許証
・新しい住民票の写し(引っ越しで本籍が変わった場合は本籍が記載されたもの。自治体によっては原本が必要)
・縦3.0cm×横2.4cmの証明写真(引っ越しで都道府県が変わる場合のみ)
があります。これらを提出すると、その場で変更後の免許証を受け取ることができます。ちなみにもし免許の更新が1ヵ月以内にあり、免許更新センターに行く場合には、その時に合わせて行うこともできます。
銀行口座・証券口座の名義変更を済ませよう
次に、銀行口座・証券口座の名義変更を済ませましょう。まず銀行口座の名義変更をする際は、届け出印の変更も合わせて必要なので、以下の書類等を持って最寄りの窓口で手続きをしましょう。
・通帳+証書
・キャッシュカード
・旧姓と新姓の届け出印
・免許証や戸籍抄本など氏名変更の事実を確認できる書類
引っ越し後に口座を他支店へ移したい際は、移動先の支店窓口で手続きしましょう。また、引っ越し前に名義だけ変更して後日住所のみを変更したいという方は、インターネットや電話で手続きできる銀行が多いので、ホームページ等で確認してください。
証券口座の名義変更の方法は証券会社によって異なります。例えばあるネット証券ではウェブ上で変更が可能で、ホームページにログイン後必要事項を入力し、免許証など本人確認書類の画像をアップロードすることで手続きは完了します。
一方で書類での手続きが必要な証券会社もあります。ウェブでログイン後、変更届をセルフ印刷または取り寄せて提出します。その際、本人確認書類やマイナンバー通知カードなど必要書類の添付も求められます。口座のある証券会社に必ず確認して進めましょう。
IDeCo(イデコ)も名義変更が必要!
そして、iDeCoをすでに利用している方は、名義変更が必要です。もし変更が行われていないと、資産状況に関する通知など重要な書類が届かない可能性があります。iDeCoの制度内容を規定した「個人型年金規約」では、変更の届出は14日以内に行う必要があるとされているので、忘れずに手続きをするようにしてください。
提出書類は、iDeCoに加入した金融機関から入手するか、iDeCoの公式サイトからプリントアウトすることができますので、記入の上郵送しましょう。
名義変更(住所変更)の場合は「加入者等氏名・住所変更届」が必要です。またご自身で指定した口座から掛金が引き落としされているという方は、銀行の名義変更に合わせて「加入者掛金引落機関変更届」が必要です。銀行や証券会社の口座名義を変更しただけではiDeCoの加入者情報までは変更されないので注意しましょう。
早めの手続きが肝要
結婚後に氏名変更が必要な書類は、クレジットカード、パスポート、公共料金、各種保険など他にもさまざまあります。もし1ヵ月以内に新居への引っ越しを考えているなら、氏名変更と住所変更を同時に行った方が便利でしょう。
いずれにしても本人確認書類が必要になる場面が多いので、免許証から手続きするのをおすすめします。iDeCoに関しては運用に支障が出ないよう、準備が整い次第なるべく早めに手続きするようにしましょう。
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