2024年4月の実績、投資配分、寄与度
「SBIラップ AI投資コース(愛称:AIラップ)」(以下、「AIラップ」といいます)は、AIを使って市場動向を先読みしながら投資配分の最適化を目指し、人を凌駕するパフォーマンスを目指す資産運用サービスです。2022年3月31日より提供を開始し、2022年4月7日に運用を開始しています(※1)。2024年4月の世界の株式市場を振り返ると、下旬には米国のハイテク企業の好業績が好感されたことや長期金利の上昇が一服したこと等から反発する場面もありましたが、月間を通じてみると、インフレ持続懸念等による米国の利下げ観測の後退に加えて、中東情勢の悪化懸念等が重なり軟調に推移しました。為替は、米国長期金利が上昇したことで日米金利差拡大を意識した円売り・ドル買いが続きました。また下旬には日銀が政策維持を決定し、当面追加の利上げがないとの観測が広がったことで円が売られ、一時1ドル=160円と約34年ぶりの水準となる場面もありました。以下は、そのような環境下における2024年4月の約1ヵ月間のAIラップのパフォーマンス(※1,3)とAIラップの各投資対象ファンドの騰落率(※4)です。AIラップの投資対象である8種類の専用投資信託(以下、「投資対象ファンド」と表示)は、米国市場の終値を翌営業日に取り込み基準価額に反映しています。本レポートの2024年4月の運用実績は、4月29日までの米国市場の値動きが反映されています。
2024年4月のリバランスの内容
AIラップの2024年4月5日のリバランス時点における投資配分(※5)をリバランス前と比較すると、約34%保有していた米国債券を約29%に、約30%保有していた新興国株式を約17%に減らした一方で、約2%だった米国不動産を約21%に増やし、その他の資産は前月とほぼ変わらない比率でした。 比較的リスクの高い米国不動産への投資配分を高めた一方で、一般にリスクの低い資産とされる米国債券と金への投資配分を全体の約5割とし、攻めと守りのバランスを取った投資配分としていました。2024年4月のパフォーマンスの振り返り
2024年4月のマーケット動向を振り返ると、中東情勢への懸念の高まりや米国の利下げ観測の後退等で欧米を中心に不動産や株式が軟調に推移しましたが、新興国株式においては上昇もみられました。また、市場でリスク回避姿勢が強まったことで、一般に安全資産とされる金の投資妙味が高まり大幅に上昇しました。日米金利差の拡大等で円安・ドル高が4.26%進行した影響もあり、結果として円建てでは米国不動産以外のすべての投資対象ファンドが上昇しました。AIラップにおいては、8資産の中で一番高いパフォーマンスとなった金を約19%、次に高いパフォーマンスであった新興国株式を約17%保有していたことが奏功し、2024年4月の月間のパフォーマンスは+3.22%となりました。以下のグラフは、AIラップのリターンに対する各投資対象ファンドの寄与度(どの資産がどのくらいAIラップの騰落に影響を与えているか)です。(※4)リリース来の実績
以下の折れ線グラフは「AIラップ(※1)(青色線)」、「TOPIX(灰色線)」、そして「一般的なロボアドバイザー(※2)(水色線)」の比較グラフで、開始点はAIラップが運用を開始した2022年4月7日です。運用開始日の2022年4月7日から2024年4月30日の期間で、AIラップの運用実績は+26.21%(※1,3)となり、一般的なロボアドバイザー(※2,3)との比較では-6.27%(※6)となりました。また以下は、直近1ヵ月、3ヵ月、6ヵ月、1年およびAIラップのリリース来のパフォーマンスです。(※7)※1 AIラップの運用実績について 2022年4月7日(サービスリリースした3月31日に申込を行い最短で運用を開始した場合の投資対象ファンドの買付約定日)から表示日まで、または表示している期間において、AIラップに投資していた場合の運用実績です。過去の運用実績であり将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。 リバランスは最適ポートフォリオとの乖離がないように実施したと仮定して計算しています。(※3)
※2 一般的なロボアドバイザーの運用シミュレーションについて 一般的な運用アルゴリズム(ノーベル賞を受賞した理論に基づき、金融機関において広く使われている平均分散法を採用。平均分散法における期待リターンはCAPMを用いて算出しており、リスク許容度はやや高めとし、5%~40%の保有比率制限を設けて最適ポートフォリオを算出)を用いて、投資対象ファンドに分散投資を行ったと仮定したシミュレーション結果を示しています。(※3)
※3 運用実績または運用シミュレーションの計算方法について 2022年4月7日から表示日までの、または表示している期間における、投資対象ファンドの基準価額(信託報酬やその他の費用、投資対象ファンドを通じて保有するETFの分配金が考慮されています。)をもとに、「(計算期間終了日時価/計算期間開始日時価)-1」で計算したものを%表示しています。運用手数料を年率0.66%(税込)徴収したと仮定して計算を行っています。本文及びグラフ上で表示している割合は年率ではありません。計算後の数値の小数第3位以下を切り捨てて表示しています。将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。
※4 騰落率グラフは2024年3月29日の基準価額を基準として、2024年4月30日における各投資対象ファンドおよび、AIラップのリターンを示したものです。各投資対象ファンドの騰落率の計算は、「(2024年4月30日時点の基準価額/2024年3月29日時点の基準価額)-1」で行い、%表示をしています。寄与度グラフは騰落率グラフのデータを用いて、AIラップの投資配分(指定期間の途中で行われたリバランスも考慮)に従って、AIラップのリターンに対する各投資対象ファンドの寄与度を示したものです。計算期間中に実施されるリバランスの影響により、騰落率グラフが示す各投資対象ファンドのリターンがプラスであっても、寄与度グラフにおいてはマイナスとなる場合があります(逆の場合もあります)。AIラップのリターンの算出方法については、※1をご参照ください。将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。
※5 表示の投資配分はリバランス実施時に目標とする比率であり、実際の運用では市場変動等の影響により表示の比率と乖離が発生することがあります。
※6 表示期間における、AIラップの運用実績と一般的なロボアドバイザーの運用シミュレーションの比較です。小数第3位以下を切り捨てて表示しているため、表示上の数値を用いて計算すると数値が一致せず誤差が生じる場合があります。
※7 1ヵ月、3ヵ月、6ヵ月および1年のパフォーマンスは、それぞれ直近Nヵ月前およびN年前の資産の評価額と2024年4月30日における評価額を元に計算しています。AIラップリリース来のパフォーマンスは、2022年4月7日の資産評価額と2024年4月30日における評価額を元に計算しています。表示している割合は年率ではありません。将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。
2024年4月のマーケットを振り返る
ここで2024年4月のマーケットを振り返ります。【米国市場概況】
米国株式市場の指標であるS&P500は上旬、インフレが持続するとの懸念等から、FRB(米連邦準備制度理事会)による利下げ観測が後退して、長期金利が上昇したことが嫌気されて下落しました。 中旬は引き続き長期金利の上昇が重石になったほか、中東を巡る地政学リスクへの懸念やハイテク株の下落等が重荷となり大きく下落しました。 下旬に入り、中東情勢に対する懸念の後退や、米ハイテク企業の好決算、長期金利上昇が一服したことなどが好感されて反発する場面もありましたが、最終的に前月比−4.16%となりました。【先進国市場概況】
日本株式市場の指標であるTOPIXは上旬、米国株式や為替の影響を受けて一進一退の動きでしたが、中旬に入ると中東情勢の緊迫化や日米の長期金利上昇が嫌気され大きく下落しました。下旬には中東情勢への懸念後退や米金利上昇の一服、日銀会合の結果等が好感され反発する場面もありましたが、最終的に前月比-0.91%となりました。欧州株式市場の指標であるストックス欧州600指数は上旬、ECB(欧州中央銀行)による利下げ期待等が下支えする一方で、米国の利下げ期待が後退したことなどが重石となり、一進一退の動きとなりました。中旬に入ると、中東情勢への警戒感や米金利上昇等から大幅に下落し、下旬には企業決算が好感され反発する場面もありましたが、最終的に前月比-1.51%となりました。【新興国市場概況】
中国株式市場の指標である上海総合指数は上旬、景気不安が一服して上昇した後、米中対立懸念が強まり下落しました。中旬は当局の政策期待が下支えとなった一方で、中東情勢の緊迫化が重石となり一進一退の推移となりました。下旬に入り米中対立への懸念からやや下落する場面もありましたが、月末にかけて再び当局の政策期待が高まり大きく上昇して、最終的に前月比+2.09%となりました。インド株式市場の指標であるインドSENSEXは上旬、経済指標やインド経済見通しの改善などが好感され堅調に推移しましたが、中旬に入ると米国の利下げ期待の後退や中東情勢の緊迫化等で下落しました。下旬には中東情勢への懸念が和らいだことに加え、インド経済や企業決算への期待が高まり上昇して、最終的に前月比+1.12%となりました。【為替・その他】
ドル・円為替相場は上旬、151円台付近で推移していましたが、中旬に入ると米CPI(消費者物価指数)が市場予想を上回ったことなどでインフレ持続懸念が強まり、米利下げ観測が後退して日米金利差拡大が意識され円安・ドル高が加速しました。さらに下旬に日銀が緩和政策の維持を決定すると、当面追加利上げがないとの観測が広がったことでさらに円が売られ、最終的に前月比で4.26%円安・ドル高が進みました。米国10年債利回りは上旬、FRBの利下げ観測が後退して上昇しました。中旬以降も市場予想を上回るCPI等を受けて上昇した後は高止まりを続け、最終的に前月比で大きく上昇しました。また中東を巡る地政学リスクが高まったことで、市場でリスク回避姿勢が強まり、一般的に安全資産とされる金の価格が上昇しました。各指数等のデータはBloombergが提供する値を用いています。表示されている値(米国10年債利回りを除く)は、小数第3位以下を切り捨てています。
運用会社FOLIOからのメッセージ
2024年4月は、米国10年債利回りが大きく上昇したことに市場が警戒感を高め、リスク資産を中心に幅広い資産の価格が下落しました。AIラップの投資対象ファンドにおいては、米金利上昇の影響を受けやすい米国不動産や米国株式が軟調の推移となった一方で、金が大幅に上昇しました。本来であれば金利がつかない金は金利上昇局面では下落する傾向がありますが、今回は中東を巡る地政学的リスクの高まりが重なったことで、市場がリスク回避姿勢を強め、一般に安全資産とされる金に資金が流入して過去最高値を連日更新する展開となりました。結果として、AIラップ(※8)では金への投資配分を比較的高い水準としていたことが奏功して、月間で+3.22%(※10)と一般的なロボアドバイザーの+2.09%(※11)と比較して好パフォーマンスとなりました。AIラップは、今後も金融環境の変化などへの対応を目指してダイナミックに投資配分を変更していくことで、パフォーマンスの最大化を目指します。※8 過去の実績は将来の運用成果等を示唆又は保証するものではありません。AI予測の好事例のみを示しており、市場動向等によっては上記のような運用ができない場合があります。
※9 グラフの「米国株式」「先進国株式」「新興国株式」「米国不動産」「金」はAIラップの投資対象ファンドの基準価額をもとに、「(2024年4月30日時点の基準価額/同年3月29日時点の基準価額)-1」で計算したものを%表示しています。グラフ上で表示している割合は年率ではありません。AIラップの全ての投資対象ファンドの騰落率は、「2024年4月の約1ヵ月間におけるAIラップのパフォーマンスおよび各投資対象ファンドの騰落率」グラフをご確認ください。
※10 2024年3月29日から同年4月30日までAIラップに投資していた場合の運用実績(※1,3)です。計算後の数値の小数第3位以下を切り捨てて表示しています。
※11 2024年3月29日から同年4月30日までの一般的なロボアドバイザーの運用シミュレーション(※2,3)です。計算後の数値の小数第3位以下を切り捨てて表示しています。
※12 AIラップの投資対象ファンドの基準価額に市場価格が反映されるタイミングを考慮し、「米国10年債利回り」の表示開始日および終了日を前倒して表示しています。
また上述の通り、4月はこれまで比較的好調に推移していた欧米の株式市場などが下落基調となりましたが、株式等の比較的リスクが高い資産は、このような下落相場にも見舞われやすく、特に資産全体に占める割合が高い場合にはその影響を大きく受けることになります。以下のコラムでは、全世界株式や米国株式の指数に連動するインデックス・ファンドを保有されている方が多いNISA口座との組み合わせという観点で、「SBIラップ」を活用することで期待できる資産全体のリスクコントロール効果について説明しています。 最新の投資配分の確認方法AIラップではAIによる予測技術を利用して投資配分を決定しています。最新の投資配分が気になる方は、AIラップ契約後のサマリー画面にてご確認いただくことができます。口座開設・ログインはこちらスマートフォンでの利用方法SBI証券スマートフォン専用サイトや各種アプリを経由して、スマートフォンでもAIラップを便利にご利用いただけます。詳しくはコラムでご紹介しています。■本資料について
・投資環境に関する過去の事実等の情報提供や作成時点での見解をご紹介するために、AIラップの投資運用業務を行う株式会社FOLIOが作成した資料です。
・記載内容は作成時点のものであり、将来の市場環境の変動や運用成果等を示唆または保証するものではありません。
・信頼できると考えられる情報を用いて作成しておりますが、その正確性、完全性等について保証するものではありません。
■株式会社SBI証券
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