遺言書がない場合どうなる? 相続を自分で決められる「遺贈寄付」という選択肢を紹介(一般社団法人日本承継寄付協会2024.12.5)

子どもがいないと遺言書は不要?
子どもがいないおひとりさま、おふたりさまの方たちの中には、「私には子どもいないし、わざわざ遺言書は準備しておかなくても問題ないかな」と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
確かに、遺言書といえば、子どもや孫に財産を残すためのものというイメージが強いですよね。おひとりさまやおふたりさまであれば、遺言書は不要な気もしてきます。
ですが、子どもがいない方でも遺言書はしっかりと準備しておくことをオススメします。なぜなら、遺言書を準備しておかないと、自身の周りの方たちが困ってしまうことに繋がりかねないからです。
子どもがいない方は、遺言書や相続のことについて考えるのを後回しにしてしまったり、そもそも何も考えず準備をしなかったりしてしまうこともあるでしょう。この機会に「自身の遺言書はどうするか」について、少しだけ考えてみませんか?
今回は、「遺贈寄付」を文化にする活動を行っている私たち日本承継寄付協会が、「おひとりさまやおふたりさまの遺言書はどうしたらいいのか?」「相続を自分で決められる遺贈寄付って何?」といったテーマについて紹介いたします。
遺言書が無いと困る5つの理由

先ほど、子どもがいないおひとりさま、おふたりさまの方でも、遺言書を準備しておくことをオススメしました。
実は、「子どもがいないから」といって遺言書を準備しておかないと、困ってしまう理由が多くあるのです。
例えばですが、次のような5つの理由が挙げられます。
①法律上の相続人にしか財産を残せない。
遺言書を準備しておくことで、お世話になった人や団体など、ご自身が資産を譲りたいと思う人に資産を譲ることができるようになります。
②法律で決められた割合でしか財産を残せない。
遺言書を書くことで、お世話になった人へ多めに財産を残すなど、民法で決められた分配方法ではなく、ご自身で資産の行き先と割合を決めることができます。
③相続人同士がギクシャクしてしまう可能性がある。
遺言書を遺しておくことで、相続人同士の話し合いが不要になり、ギクシャクしたり、不仲になるリスクを減らすことができます。
④わずかな財産でも遺産分割の話し合いに膨大な労力がかかってしまう。
遺言書がないと、相続人は相続手続きに多くの必要書類を準備したり、遺産分割協議書を作成したりする必要があります。
⑤相続手続きに必要な書類と相続人の手間が増える。
遺言書がないと、相続人全員が遺産分割の協議に参加し、全員の合意を得る必要があります。遺産額が1,000万円以下でも裁判になるケースが多くあります。
このように子どもがいない場合であっても、遺言書を準備しておかないと、亡くなった後に自身の周りの人に手間が増えてしまったり、最悪の場合は人間関係がギクシャクしてしまったりする可能性があるのです。
また、遺言書がない場合は自身で財産を残す相手や分配の割合を決めることもできません。
自身の周りの方に負担を増やさないためにも、自身の財産を希望通りに使ってもらうためにも、遺言書を準備しておくことは大切なのです。
遺贈寄付という選択肢

「遺言書の大切さは分かったけれど、子どももいないし、誰に財産を遺せばいいのか分からない…。」
そんな方に選択肢の一つとしてご紹介したいのが、「遺贈寄付」という新たな財産の遺し方です。
唐突ですが、もし人生の最期にギフトを渡せるとしたら、あなたは誰に渡したいですか?
母校の部活動を応援したい、近所の子ども食堂を応援したい、など、人生を振り返ったときにお世話になった場所や、心に引っかかっていたことが思い浮かぶのではないでしょうか。
遺贈寄付をすれば、自身の財産をNPO団体や公益法人、教育機関、地方自治体などに寄付することができ、自分が実現したい社会の取り組みを応援することができます。
また、遺贈寄付は一般の寄付とは違い、老後のお金の心配をする必要がありません。「亡くなった後に生前に使いきれなかった財産を寄付する」という仕組みであるためです。
日本の相続額は年間約50兆円とも言われています。
この50兆円のうちの1%でも次世代に回すことができれば、そのお金で様々な取り組みができるようになります。
遺贈寄付は資産家や富裕層と呼ばれる人々だけの選択肢ではありません。少額(1万円~)からでも寄付ができるため、誰もが選択できる人生最期の選択肢です。
子どものいない方が遺贈寄付を行うメリット

最後に、おひとりさまやおふたりさまが遺贈寄付を行うメリットについてまとめていきます。
- 財産の使途を自分で決められる
- 老後資金の心配がいらない
- 少額からでも寄付ができる
- 節税効果がある
- 後世に想いや名前が残せる
- 家族や周りの人に誇りに思ってもらえる
実は、遺贈寄付には節税効果もあります。遺言書を作成して寄付をした財産には相続税がかかりません。
また、相続人が相続した財産も申告期限までに特定の寄付先に寄付を行うと、相続税がかからず、所得税も軽減される場合があります。
そして、遺贈寄付を行うと感謝状が送られたり、銘板で名前を残すこともできます。金額によっては、オリジナルの形が残されたり、名前をつけた基金を作られることも。
近年では遺贈寄付の認知度も高まり、家族や周りの人に「遺贈寄付」という選択を好意的に捉えてもらえることも多くなってきました。人生最期の選択だからこそ、誇りに思ってもらえる選択肢になることも遺贈寄付の大きなメリットです。
まとめ
遺言書は、子どもがいないおひとりさまやおふたりさまの方でも準備しておく方が良いものです。
この記事が「自身の遺言書はどうするか」について考えるきっかけになれば幸いです。
日本承継寄付協会では、遺贈寄付の寄付先が分かる資料の送付や遺言書作成費用助成キャンペーンなどを行っています。ぜひ公式サイトからチェックしてみてください。
https://www.izo.or.jp/index.html
監修:一般社団法人日本承継寄付協会
執筆:藤田 大地
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