読売333の銘柄入替をチェック セイコーグループ・FUJIなど

読売333の銘柄入替をチェック セイコーグループ・FUJIなど

投資情報部 髙田航輝

2026/11/04

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読売333の銘柄入替をチェック

今回のテーマは「読売333」です。

ちょっと聞きなれないワードかもしれませんが、「読売333」とは「読売株価指数」のことで、日経平均株価やTOPIXなどと同じ日本の株価指数です。SBI証券では2026年10月に「SBI証券 株アプリ」で読売株価指数の配信を開始しているので、見覚えがある投資家もいらっしゃるかもしれません。

読売333は比較的最近生まれた指数で、読売新聞社が2025年3月24日に算出・公表を開始しています。時価総額などを基準に選定された333銘柄によって構成されており、銘柄入替・リバランス時点で構成銘柄をすべて同じ比率で組み入れる「等ウェート型」である点が最大の特徴です。

日経平均株価やTOPIXは株価や時価総額によって、特定の銘柄が指数に与える影響が大きくなってしまう特徴があります。2026年も一部の半導体関連銘柄の株価変動が、日経平均株価の変動に大きな影響を与えています。

さて、11月は読売333の年1回の定期入替の月にあたります。今回は読売333の新規組入銘柄を紹介したいと思います。また、読売333については別のレポートで詳しく取り上げていますので、本レポート下部の「関連記事はこちら」よりご確認ください。

また、今回指数から除外された9銘柄についてはレポートの最後に掲載しておりますので併せてご確認ください。

読売333新規採用銘柄(2026年11月2日公表分)

取引 チャート ポートフォリオ コード 銘柄名 株価
【11/2・円】
昨年末比の
騰落指数
今期予想PER
【倍】
予想配当利回り
(今期予想1株当たり配当金)
1942 1942 1942 1942 関電工 4,594 91.3 14.0 2.82%
(130円)
4203 4203 4203 4203 住友ベークライト 7,932 153.6 19.8 1.76%
(140円)
5830 5830 5830 5830 いよぎんホールディングス 3,210 125.8 11.8 2.49%
(80円)
6134 6134 6134 6134 FUJI 5,976 164.1 11.9 3.17%
(190円)
7189 7189 7189 7189 西日本フィナンシャルホールディングス 4,368 136.0 12.6 3.20%
(140円)
7327 7327 7327 7327 第四北越フィナンシャルグループ 2,296.0 141.0 11.3 3.48%
(80円)
7337 7337 7337 7337 ひろぎんホールディングス 2,144.0 135.5 12.4 3.26%
(70円)
8050 8050 8050 8050 セイコーグループ 10,190 279.9 29.7 1.03%
(105円)
  • ※QUICKデータ、読売新聞社の公表資料をもとに、SBI証券が作成。
  • ※昨年末比の騰落指数は2025年12月30日の株価終値を100としたときの2026年11月2日の株価終値を指数化して掲載。
  • ※今期予想PER、今期予想1株当たり配当金はいずれも会社予想の業績をもとに掲載。
  • ※今期予想PER、予想配当利回りは2026年11月2日時点。
  • ※図表は銘柄コード順に掲載。

一部掲載銘柄を解説!

今回は新規に採用された8銘柄の中から、昨年末比で上昇率が高かった上位2銘柄のセイコーグループとFUJIについて解説します。

■セイコーグループ(8050)

◎ウオッチだけではないセイコーの事業

東証プライム市場に上場しており、時価総額は8,438億円です(2026年11月2日時点)。

1881年に創業し、1892年に時計の製造を開始しています。セイコーといえば腕時計のイメージがあると思いますが、現在では時計の製造販売以外の事業も手掛けています。

セグメントはエモーショナルバリューソリューション事業、デバイスソリューション事業、システムソリューション事業の3つに分かれています。

エモーショナルバリューソリューション事業ではウオッチの製造、卸売、販売などを行っています。高級腕時計のグランドセイコー(GS)やダイビング、スポーツなどに対応するプロスペックスなどのウオッチブランドがあります。ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手をアンバサダーとして起用しており、大谷翔平2026限定モデルが2026年11月7日発売予定となっています。

デバイスソリューション事業では電子デバイスなどの製造・販売を行っています。具体的には小型電池や、水晶発振器用ICを製造しています。水晶発振器用ICは水晶振動子を一定の周波数で振動させ、電子機器が必要とする正確なクロック信号を作るための半導体チップであり、AIサーバーやデータセンターなどで利用されます。

システムソリューション事業では、システム関連、IoT関連、決済関連ビジネスなどの開発・販売・保守などを行っています。外食向けのオーダーエントリーシステムなどもこの事業で扱っています。

2026年3月期の売上高全体の65.67%をエモーショナルバリューソリューション事業が占めています。

◎第1四半期は増収増益で好調 通期業績の上方修正も

8月7日に発表された2027年3月期第1四半期の業績は、売上高が990億8,900万円(前年同期比28.5%増)、営業利益が154億4,000万円(同88.8%増)の増収増益でした。年間の1株当たり配当金の会社予想は105円です。前期は1株当たり165円でしたが、同社は2026年4月1日付で1株を2株に分割しており、分割を考慮した前期年間の1株当たりの配当は82円50銭のため、実質的な増配計画となっています。今期の予想配当利回りは1.03%です(2026年11月2日時点)。

国内、海外ともにGSやプレサージュなどのグローバルブランドのウオッチ販売が好調で大幅な増収でした。デバイスソリューション事業ではAIサーバーやデータセンター光通信事業の拡大を背景として水晶発振器用ICが大きく伸びました。

また、第1四半期の業績が好調だったことなどの理由で、通期業績予想(売上高・各段階利益)を上方修正しています。売上高は3,580億円から3,750億円(前期比11.7%増)に修正され、営業利益も335億円から410億円(同32.8%増)に修正されています。

◎株価の推移

株価は好調に推移しています。11月2日から過去6か月の日足チャートを見ると、75日移動平均線に下支えされる形で、おおむね右肩上がりで上昇しています。

一方で11月2日の株価は10,190円で、年初来170%上昇しています。好調な業績に支えられているとはいえ、速いペースで上昇していることには注意が必要です。

同業種のシチズン時計(7762)とバリュエーションを比較すると、シチズン時計の今期会社予想PERが16.2倍であるのに対し、セイコーグループの予想PERは29.7倍であり、セイコーグループの方が割高な水準になっています(2026年11月2日の株価にて算出)。セイコーグループは業績予想を保守的に発表しており(「2027年3月期第1四半期決算説明会 主な質疑応答」より)、次回決算発表での追加の上方修正が期待され、株価が上昇し、PERが高くなっているのかもしれません。

リスクとしてはウオッチの生産キャパシティのひっ迫による供給不足の懸念が挙げられます。

■FUJI(6134)

◎電子部品を基板に乗せる「表面実装機」を手掛ける

東証プライム市場に上場しており、時価総額は5,846億円です(2026年11月2日時点)。

1959年4月に前身の富士機械製造株式会社が設立され、旋削機械、その他工作機械の製造をスタートしました。主なセグメントは「ロボットソリューション」と「マシンツール」です。ロボットソリューションでは電子部品実装ロボットや半導体製造装置などを製造しています。具体的にはコンデンサやICなどの電子部品を高速・高精度でプリント基板に乗せる表面実装機を製造しています。マシンツールでは工作機械などを手掛けています。2026年3月期では外部顧客への売上高全体のうち93.4%をロボットソリューション事業が占めています。

◎第1四半期は増収増益、営業利益は前年同期比192%増

8月3日に発表された2027年3月期第1四半期の業績では、売上高が605億9,700万円(前年同期比45.9%増)、営業利益が152億1,200万円(同192.6%増)の増収増益でした。今期の年間1株当たり配当金の会社予想は190円です。前期は1株当たり90円だったため100円の増配です。今期の予想配当利回りは3.17%です(2026年11月2日時点)。

また、2027年3月期の中間期と通期の業績予想(売上高・各段階利益)を上方修正しています。通期業績では売上高を2,110億円から2,440億円(前期比35.1%増)に修正し、営業利益も436億円から600億円(同104.9%増)に修正しています。ロボットソリューション事業において、AIサーバー関連の設備需要が高水準で継続する見通しであることなどが理由として挙げられています。

◎株価の推移

2026年前半はAI・半導体関連銘柄の株価・業績が全体的に好調であり、投資環境としては同社にとっても追い風であったといえます。一方で、7月以降は、アメリカのハイパースケーラーの設備投資動向やAI開発減速などの報道によって、株価は軟調な展開です。11月2日の株価終値は5,976円であり、過去3か月の日足チャートを確認すると200日移動平均線(6,531円・11月2日時点)を下回っており、やや弱気なように見受けられます。

11月5日には決算発表が予定されており、AIサーバー関連の設備需要が引き続き堅調に推移する見通しなのか、通期の業績予想が上乗せされるかが焦点になりそうです。

■新規組入銘柄の半数が地方銀行

今回、新規に読売333の構成銘柄に採用された8銘柄のうち、半数の4銘柄が地銀(地方銀行)関連でした。2016年から2024年まで日銀によるマイナス金利政策の影響で、地銀は利ザヤ減少による収益性の悪化に苦しめられてきました。マイナス金利解除後の「金利のある世界」では利ザヤ拡大による収益性の改善や東証改革(※1)などの期待感が高まり、株価は好調に推移しているといえます。地方銀行や銀行持株会社から利益水準や財務状況などを勘案して銘柄を選定する「業界改革厳選ETF地銀(395A)」の基準価額は954円(2026年11月2日時点)で年初来で38.82%上昇しており、日経平均株価の年初来騰落率の25.31%上昇を上回っています。

今回の銘柄入替後の読売333には、地銀(銀行持株会社含む)が14銘柄含まれ、銘柄数の割合は全体の4.2%を占めます。日経平均株価構成銘柄のうち、地銀(銀行持株会社含む)は4銘柄で銘柄数の割合は1.7%です。さらに読売333は等ウェート型の指数のため、指数に与える地銀の株価の影響は日経平均株価よりも相対的に大きいといえます。

先述した通り、地銀はマイナス金利解除後の収益性向上などの期待感から、株価が好調に推移している銘柄が多いです。個別銘柄の投資ではなく、地銀というセクターに投資するという手法も有効かもしれません。例えば「業界改革厳選ETF地銀(395A)」のようなETFを活用したり、地銀のウェートが比較的高い指数に投資することが投資手法として挙げられます。

最後にリスクとしては、地方都市の人口減少という課題が残っていることが挙げられます。また、都市によって人口の流出入の傾向には差があり、地銀というセクターの中でも銘柄が選別されていくことが予想されます。

※1:2023年3月に東京証券取引所はPBR1倍割れなどの企業に対し、資本コスト、株価を意識した経営を要請。



【除外銘柄】

(銘柄コード/銘柄名)
2670 エービーシー・マート
3349 コスモス薬品
4540 ツムラ
6005 三浦工業
646A クラサスケミカル
6849 日本光電工業
9533 東邦瓦斯
9987 スズケン
9989 サンドラッグ


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