日本株投資戦略特選「投資家の関心度が高い9月の株主優待銘柄」は?

日本株投資戦略特選「投資家の関心度が高い9月の株主優待銘柄」は?

投資情報部 鈴木 英之

2022/09/02

日本株投資戦略特選「投資家の関心度が高い9月の株主優待銘柄」は?

8月末の日経平均株価は前月末比1.0%上昇とプラスをキープしました。米国株(S&P500・同4.2%下落)に比べれば堅調と言えますが、月末にかけてはインフレ・金利上昇懸念が再燃する中で、やや波乱となりました。9月相場も、9/1(木)の日経平均株価が大幅安したこともあり、やや波乱を予期させるスタートになっています。

ただ、9月相場が仮に波乱となった場合、中長期的なスタンスで臨む投資家にとっては買い好機になるかもしれません。9月末に配当や株主優待の権利が確定する銘柄が多いため、安値でこれらの権利をつかむチャンスが広がるためです。

そこで今回の「日本株投資戦略」では、9月株主優待銘柄についてのチェックを行ってみました。9月末に株主優待の権利が確定する会社数は402社あり、3月末に確定する会社数(786社)に次ぎ、2番目に多くなっています。株主優待に強く関心をもつ投資家であれば、9月は重要な月と考えられます。

なお、「9月に権利が確定する株主優待銘柄」のほとんどが9/28(水)を権利付最終日としています。この場合、9/29(木)の権利落ち日以降に買い付けができても、配当および株主優待の権利を確保することはできませんので、ご注意ください。

また、権利付最終日に優待実施銘柄を買い、権利落ち日に売ることで、効率良く株主優待の権利獲得を考える投資家の方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここで注意すべき点は、買い付ける時の株価が予想外に高くなったり、売る時の株価が予想外に安くなったりなど、相当額の売却損がでてしまうケースです。配当取りも同様で、権利落ち日には配当実施分だけ株価が下がることが多くなっています。ノーコスト・ノーリスクで株主優待や配当を享受することは難しいでしょう。

それでも、コストやリスクを軽減して、株主優待の権利を確保する方法はあります。

ひとつは、複数銘柄に投資をし、リスク分散を図る方法です。
もうひとつは「つなぎ売り」を活用した取引です。「つなぎ売り」で株主優待をお得に活用する方法については、SBI証券のWebページでご紹介していますので、ご参考ください。ただ、「つなぎ売り」をした場合、信用取引の「売り」により、配当調整金を支払う必要が出て、実質的に配当を受け取れなくなるなど、重要な注意点*(下記脚注の詳細参照)もあります。メリットとデメリットを十分理解した上でのご利用をお願い申し上げます。

今回、「9月株主優待銘柄」として、ご紹介したい銘柄は、以下の条件により抽出された銘柄です。
(1)東証プライム市場上場銘柄
(2)9月に株主優待の権利確定を予定する銘柄で、権利付最終日が9/28(水)
(3)SBI証券の株主優待検索機能で「一般信用」、または「制度信用」対象銘柄
(4)9/1(木)までの10営業日で、もっとも出来高が少ない日でも1万株以上
(5)株主優待の権利確保に必要な最短保有期間の条件がない
(6)3月決算企業の場合、第1四半期の純損益が黒字。9月決算の場合、第3四半期累計の純損益が黒字
(7)継続企業の前提に疑義が生じていない
(8)信用取引規制が実施されていない(2022/9/2時点)
(9)SBI証券株主優待検索ページで、閲覧回数の多い上位50銘柄以内(2022/9/1時点)

すべての条件を満たす銘柄をSBI証券株主優待検索ページで、閲覧回数の多い順に並べたものが下の図表です。

*重要な注意点 ~つなぎ売りを利用した場合の「配当金(現物と信用)受け払いの差額」~
※権利付き最終日の大引け時点でつなぎ売りをしている場合、現物については税金が差し引かれた配当金(配当金の約80%)を受取り、一般信用売り建玉については配当落ち調整(配当金の100%)金をお支払いいただきます。したがいまして、配当金の約20%の差額をお客さまにご負担いただくことになります。
※現物株式の配当金は、源泉税(20.315%)が差し引かれた金額で支払われます。
※一般信用売り取引の場合は、配当落ち調整金として配当金の100%をお支払いいただきます。
※権利付き最終売買日と権利落ち日をまたいで信用売建玉がある場合、権利落ち日に予想配当金相当額(予定配当調整金)をあらかじめ委託保証金現金から拘束させていただき、配当金が確定後に拘束金から支払いを行います。信用売建玉に対する支払予定配当金相当額合計(予定配当調整金合計)は、「口座管理」>「信用建余力」>「建余力・追加保証金」の「増担保・配当調整金」に表示させていただいております。

図表 日本株投資戦略特選「投資家の関心度が高い9月の株主優待銘柄」は?

取引 チャート ポートフォリオ コード 銘柄名 株価(9/1) 9月予想配当 信用取引 優待獲得最低株数での優待内容
3397 3397 3397 3397 トリドールホールディングス 2,932 0.0 般・制 優待券(100円)30枚
2001 2001 2001 2001 ニップン 1,562 19.0 スクール無料体験他
3563 3563 3563 3563 FOOD & LIFE COMPANIES(9) 2,070 22.5 優待割引券1,100円相当
8798 8798 8798 8798 アドバンスクリエイト(9) 1,065 17.5 般・制 カタログギフト2,500円相当他
9831 9831 9831 9831 ヤマダホールディングス 477 0.0 優待割引券(500円)2枚
3341 3341 3341 3341 日本調剤 1,341 12.5 般・制 自社オンラインストア優待券1,500円相当
6055 6055 6055 6055 ジャパンマテリアル 1,886 0.0 般・制 クオカード1,000円相当
8153 8153 8153 8153 モスフードサービス 3,150 14.0 般・制 優待券(500円)2枚
1878 1878 1878 1878 大東建託 13,700 257.0 建築工事請負代金キャッシュバック30万円他
3778 3778 3778 3778 さくらインターネット 575 0.0 般・制 クオカード500円相当
6080 6080 6080 6080 M&Aキャピタルパートナーズ(9) 3,370 0.0 般・制 クオカード3,000円相当
8173 8173 8173 8173 上新電機 1,890 0.0 般・制 買物優待券5,000円相当(全株主)
8282 8282 8282 8282 ケーズホールディングス 1,258 22.0 優待券1,000円
1808 1808 1808 1808 長谷工コーポレーション 1,645 40.0 子会社商品を20%割引販売
  • ※会社公表データ、SBI証券株主優待検索ページを参考にSBI証券が作成。
  • ※銘柄名右横が(9)と記載された銘柄は9月末が決算期末の銘柄であり、「9月配当」は期末予想配当を意味しています。
  • ※銘柄名右横が無印の銘柄は3月末が決算期末の銘柄であり、「9月配当」は第2四半期末を意味しています。
  • ※「信用取引」の欄において、「般」は「一般信用取引」、「制」は「制度信用取引」での取引が可能であることを示しています。
  • ※「優待獲得最低株数での優待内容」は、優待獲得最低株数を保有時の株主優待の内容についてその概要を示しており、すべてを示していないこともありますので、ご注意ください。また、保有株数により、株主優待の内容が異なることもありますので、ご注意ください。
  • ※上新電機(8173)の優待券は、2,000円以上の買物につき2,000円ごとに1枚利用可。
  • ※長谷工コーポレーション(1808)の割引販売は、1回限り利用可で有効期間は12月上旬~翌年3月末。

  • 以下、一部の銘柄について、ポイントをご紹介します。

    株主優待の一部をご紹介

    ■トリドールホールディングス(3397)

    当社は持株会社で、グループ各社はおもに飲食店を営んでいます。低価格なセルフ式うどん店の「丸亀製麺」が中心で2022年6月時点で830店を展開し、売上高の57.7%(2023/3期・第1四半期)を占めています。この他、ハワイアンカフェ「コナズカフェ」や焼き鳥ファミリーダイニング「とりどーる」など複数業態で展開しています。8/31(水)には傘下企業で、立ち飲み屋で関東No1店舗数を誇る「立呑み 晩酌屋」が関西初進出を実現しました。さらに海外(英国、米国、台湾)にも663店舗を展開しています。

    1株配当ついては、2023/3期末に7円50銭を予定していますが、中間配当の予定はありません。

    9/28(水)現在の株主に対し、以下の株主優待が実施される予定です。

    ・100株以上200株未満・・・優待券3,000円相当(100円×30枚)
    ・200株以上1,000株未満・・・優待券4,000円相当(100円×40枚)
    ・1,000株以上2,000株未満・・・優待券10,000円相当(100円×100枚)
    ・2,000株以上・・・優待券15,000円相当(100円×150枚)

    200株以上を1年以上継続保有した株主については、優待券3,000円相当(100円×30枚)が追加の予定です。
    また、3月優待に関しても同内容の株主優待が予定されています。

    ■ニップン(2001)

    当社は、日清製粉グループ本社(2002)に次ぐ国内第2位の製粉メーカーです。売上高(2023/3期・第1四半期)の33.1%が製粉事業(業務用小麦粉、および飼料等に使われる小麦粉の複製品である「ふすま」)、同56.3%が食品事業(家庭用小麦粉、加工食品、中食)となっています。

    1株配当ついては、中間期末(2022/9)に19.0円、期末(2023/3)に19.0円、年間で38.0円が会社予想です。9/1終値(1,562円)で計算された予想配当利回りは2.43%となっています。

    9/28(水)現在の株主に対し、以下の株主優待が実施される予定です。

    ・全株主・・・自社グループ会社指定商品(アマニ油・サプリメント・ワイン等)の優待価格販売
    ・100株以上保有・・・株式会社ジュンコ・フローラ・スクール 小麦粘土でつくる 『パンの花』1日体験レッスン&プレコース(初心者向け短期講座)の無料受講及び入会時の入会金無料ご優待
    ・500株以上を1年以上継続保有・・・1,500円相当の自社商品詰合せ(パスタ等)
    ※3月優待においては、同条件で3,000円相当の自社商品詰合せに変わります。なお、継続保有年数の条件はありません。

    ■上新電機(8173)

    当社は関西地盤の家電量販店大手企業です。中期計画によると店舗数は、大阪府54店、兵庫県38店はじめ関西地区が中心で、東海地区32店、埼玉県7店、千葉県5店等の関東地区、北信越地区にも進出し、全国で直営店208店舗、FC店5店舗の他、「BOOK OFF」または「TSUTAYA」にFC加盟店が10店舗もあります。
    近年はインターネット販売にも注力しており、その売上構成比は2019/3期13.5%から2022/3期は18.5%に上昇しており、業績拡大の下支え役になっています。

    1株配当ついては、中間期末(2022/9)に0円、期末(2023/3)に75.0円、年間で75.0円が会社予想です。9/1終値(1,890円)で計算された予想配当利回りは3.97%となっています。年間で高めの予想配当利回りとなっていますが、中間期末は無配予定ですので、注意が必要です。

    9/28(水)時点の「全株主」に対し、5,000円相当の買物優待券(200円券×25枚)が贈呈される予定です。この優待券の使用は、2,000円以上の買物につき、2,000円ごとに1枚(200円)となっていますので、注意が必要です。なお、3月末株主に対しても買物優待券の贈呈が予定されていますが、保有株数・期間等で枚数が異なりますので、別途ご注意ください。

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