アメリカNOW! 今週の5銘柄 ~4-6月期決算発表を経て通期予想EPSが上方修正大の銘柄~

投資情報部 榮 聡
2022/08/15
先週は7月の消費者物価指数、生産者物価指数ともインフレピークアウトを示唆する内容となり、FRBによる利上げスタンスが和らぐとの期待から株式は大幅続伸となりました。今週の株価材料として、FOMC議事要旨、米10年国債利回りの行方、米国の消費市場の動向、などが注目されます。
今回は4-6月期決算の発表を挟んで通期EPSの上方修正が大きかった銘柄から、アルファベット A(GOOGL)、テスラ(TSLA)、テキサス インスツルメンツ(TXN)、アルベマール(ALB)、EPAMシステムズ(EPAM)を選んで今週の5銘柄といたします。
図表1 S&P500指数のローソク足(日足、6ヵ月)

一目均衡表では「雲」の上限、移動平均線では100日移動平均を下値支持ラインとしてもみ合ったあと、きれいに上放れました。機関投資家による株式ポジション引き上げが背景にあるのではと推測されます。今回の相場上昇は年初から続いた「ベアマーケットラリー」でないことを確認でき、持続的な上昇につながる第1波と判断して良さそうです。
※当社WEBサイトを通じてSBI証券が作成
図表2 業種別指数騰落率・個別銘柄騰落率
S&P500業種指数騰落 | 5日 | 1ヵ月 | 3ヵ月 |
エネルギー | 7.1% | 14.0% | -2.4% |
金融 | 5.5% | 11.6% | 6.1% |
素材 | 5.1% | 12.5% | -1.5% |
コミュニケーションサービス | 4.5% | 7.1% | 1.9% |
不動産 | 4.1% | 10.9% | 5.7% |
資本財・サービス | 3.7% | 14.8% | 7.2% |
S&P500 | 3.3% | 10.8% | 6.4% |
一般消費財・サービス | 3.2% | 17.7% | 12.7% |
公益事業 | 3.1% | 9.6% | 7.5% |
情報技術 | 2.4% | 13.7% | 10.9% |
ヘルスケア | 1.6% | 2.5% | 3.9% |
生活必需品 | 1.2% | 3.4% | -2.3% |
騰落率上位(5日) | 騰落率 |
ウォルト・ディズニー・カンパニー | 14.0% |
アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG) | 10.8% |
コノコフィリップス | 10.7% |
オールステート | 10.6% |
ブッキング・ホールディングス | 10.2% |
騰落率下位(5日) | 騰落率 |
ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J) | -3.4% |
ビザ | -2.1% |
フェデックス | -1.8% |
エヌビディア | -1.5% |
エマソン・エレクトリック | -1.3% |
注:個別銘柄の騰落率上位、下位はS&P100指数が母集団です。銘柄名はBloombergの表記により、当社WEBサイト・本文中の表記と異なる場合があります。
※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
先週の米国株式市場
S&P500指数は週間で3.3%、NYダウは2.9%、ナスダック指数は3.1%の大幅な上昇となり、4週続伸です。
8/8(月)はエヌビディア、8/9(火)はマイクロンテクノロジーと、主要な半導体メーカーが相次いで売上見通しを下方修正したことからテクノロジー株への懸念が高まって相場下落を主導しました。
一方、8/10(水)には7月消費者物価指数がインフレのピークアウトを示唆して株式は大幅な反発となりました。8/11(木)には7月生産者物価でも同様の傾向が確認されました。
さらに、8/12(金)には、7月輸入物価が市場予想を大きく下回ってインフレへの懸念が追加で後退、また、8月ミシガン大学消費者信頼感指数もガソリン価格の反落を反映して前月から改善したことなどを背景に株式相場の上昇が続きました。
業種指数では、全業種がプラスとなり、景気敏感業種の上昇が大きくなっています。個別銘柄では、ウォルトディズニー(DIS)がトップでした。4-6月期決算はパーク事業の回復を背景にEPSは市場予想を10%上回り、ストリーミングサービスDisney+の新規加入者数が市場予想の9.8百万人に対して14.4百万人と大幅に上回りました。
経済指標では、7月消費者物価指数が前年比8.5%増(市場予想は同8.7%増、前月は同9.1%増)、同コア指数が前年比5.9%増(市場予想は6.1%増、前月は同5.9%増)と、インフレがピークアウトしつつあることを示唆しました。また、7月生産者物価指数も前年比9.8%増(市場予想は同10.4%増、前月は同11.3%増)、同コア指数は前年比7.6%増(市場予想は同7.6%増、前月は同8.2%増)と同様の傾向を示しました。
今週の米国株式市場
米国株式市場は6/17(金)に年初来安値をつけ、約1ヵ月の底練りを経て、7/14(木)を起点に順調な上昇波動を描いてきました。6月初旬の戻り高値を大きく上回ったことから、今回の上昇が年初来続いた「ベアマーケット」でなく、中期的な上昇波動に転換したと考えられます。しかし、短期的には戻り一巡となる可能性も高まっているとみられます。
というのは、今回の戻りの原動力は、インフレピークアウトによる利上げペースの緩和と金利の低下を背景とした「PERの上昇」だったと考えられるからです。そのS&P500指数の予想PERは2022年予想基準で18.9倍、2023年予想基準で17.5倍まで戻ってきました。
ただし、現在、景気減速とドル高による売上の目減りを背景にS&P500指数の予想EPSが下方修正されつつあります。EPSが下方修正されるような環境では、予想PERの回復にも限界があると考えておいたほうがよいでしょう。年内の相場の戻りはもっと大きいものと考えられますが、それはEPSの下方修正が落ち着いてからになると考えられます。
今週の株価材料として、FOMC議事要旨、米10年国債利回りの行方、米国の消費市場の動向、などが注目されます。
今回議事要旨が公表される7/26(火)、7/27(水)開催のFOMCでは、6月のFOMCに続いて0.75%ポイントの大幅な利上げが決まりました。パウエルFRB議長の会見では、9月には利上げペースが鈍化する可能性が示唆されたことから、相場は上昇で反応しました。9月以降の利上げペースについて、他のFOMCメンバーがどのような意見をもっていたか注目されます。
米10年国債利回りについては、先週インフレピークアウトの確度が高まり、FRBの利上げスタンス緩和が期待される中で上昇して、直感とは逆の反応となりました。解釈としては過度な利上げによる景気のオーバーキルの可能性が後退したということになりそうですが、引き続き動向に注目でしょう。
7月小売売上高のほか、小売の大手企業の決算発表が予定されており、米国の消費市場の健全性をチェックすることになります。小売売上高は前月比0.2%増と堅調が見込まれています。決算発表では、ウォルマート、ホームデポ、ターゲット、ロウズなどが予定されています。
経済指標では、8/16(火)に米国の7月住宅着工件数(前月比1.9%減の予想)、7月住宅建設許可件数(前月比2.7%減の予想)、8/17(水)に米国の7月小売売上高(前月比0.3%増の予想)、8/18(木)に米国の7月中古住宅販売件数(前月比4.5%減の予想)、などの発表が予定されています。
企業イベントでは、上記の大手小売企業のほか、シスコシステムズ、ジムインテクレーテッドシッピング、アプライドマテリアルズ、エスティーローダー、ディアなどの決算発表が予定されています。
今週の5銘柄
今回は4-6月期決算の発表を終えて、通期予想EPSの上方修正(過去4週)が大きい銘柄をご紹介いたします。
その前に全体の傾向ですが、今回の決算では通期予想EPSが上方修正となった銘柄が少ないのが特徴です。主要銘柄からなるS&P100指数採用銘柄では18銘柄、S&P500指数採用銘柄では147銘柄にとどまりました(8/11(木)時点のデータ)。
景気減速に加えてドル高による売上・利益の目減りが主因です。ドル高による目減りは一時的と捉えられることが多く、相場には額面通り織り込みませんので、一見したほどに懸念は必要ないとみられます。ただ、このような環境下で上方修正となった銘柄の希少価値は高いと言えるでしょう。
図表4に、上昇修正の比率が高い銘柄を、時価総額別に分けて抽出しています。ここから、アルファベット A(GOOGL)、テスラ(TSLA)、テキサス インスツルメンツ(TXN)、アルベマール(ALB)、EPAMシステムズ(EPAM)を選んでご紹介いたします。
図表3 米国ではインフレピークアウトの確認が進む

※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
図表4 4-6月期決算発表を経て通期予想EPSの上方修正が大きい銘柄(S&P500指数採用銘柄対象)
コード | 銘柄名 | 予想EPS 修正率 (通期、4週) (%) |
株価 (8/11) (ドル) |
予想PER (倍) |
目標株価 (ドル) |
時価総額1,000億ドル以上 | |||||
GOOGL | アルファベット | 5.0 | 118.84 | 20.0 | 142.67 |
TSLA | テスラ | 5.7 | 859.89 | 55.9 | 883.82 |
TXN | テキサス・インスツルメンツ | 3.8 | 182.06 | 20.0 | 177.85 |
LIN | Linde PLC | 0.8 | 305.87 | 24.8 | 351.45 |
JPM | JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー | 0.7 | 120.14 | 9.8 | 138.37 |
時価総額200億ドル以上、1,000億ドル未満 | |||||
ALB | アルベマール | 79.9 | 265.70 | 10.8 | 297.40 |
EPAM | EPAMシステムズ | 22.3 | 435.61 | 39.8 | 485.08 |
NUE | ニューコア | 17.8 | 141.90 | 7.1 | 133.36 |
ENPH | エンフェーズ・エナジー | 14.0 | 292.90 | 66.9 | 272.46 |
ANET | アリスタネットワークス | 12.8 | 126.03 | 30.0 | 148.24 |
GM | ゼネラル・モーターズ(GM) | 10.7 | 38.46 | 5.5 | 51.09 |
VLO | バレロ・エナジー | 10.4 | 114.09 | 6.1 | 137.75 |
MPWR | モノリシック・パワー・システムズ | 10.4 | 517.97 | 38.3 | 567.89 |
O | リアルティ・インカム | 10.1 | 73.86 | 51.3 | 76.06 |
IT | ガートナー | 9.9 | 299.59 | 34.7 | 326.00 |
注:銘柄名はBloombergの表記により、当社WEBサイト・本文中の表記と異なる場合があります。
※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
今週の注目銘柄
買付 | チャート | 銘柄 | 株価 (8/12) |
予想PER (倍) |
ポイント |
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買付 | アルファベット A(GOOGL) | 121.68ドル | 21.7 | 【検索連動型広告が堅調】 ・ネット広告にはブランド広告(バナー広告)と検索連動広告があり、今回の決算発表で業績悪化が目立ったSNSは前者が主であり、アルファベットは後者が主であるため、業績の鈍化は相対的に軽微となりました。ブランド広告は企業の広告宣伝費に連動するため景気敏感である一方、検索連動型広告は消費者の購買行動によるためです。ただし、ブランド広告が主の「YouTube」売上は、1-3月期の前年同期比14%増から同5%増に鈍化しています。 ・4-6月期の売上は前年同期比13%増(為替の影響を除いて同16%増)、調整後EPSは同2%減で、いずれも市場予想を下回りました。しかし、広告収入は堅調な検索連動型広告に支えられて同12%増となり市場予想を上回り、クラウドの売上高は同36%増と高い伸びが続いたことから通期EPSの上方修正につながったと考えられます。 | |
買付 | テスラ(TSLA) | 900.09ドル | 72.3 | 【営業費用の抑制で予想以上の利益】 ・4-6月期の売上は7月初に販売台数が公表されているため市場予想並みながら、営業費用が市場予想を11%下回ったことで、EPSが市場予想を大きく上回りました。マスクCEOは最近、経済の先行きを警戒しているとし、特定分野で人員の削減を計画していると発言していましたが、営業費用は既に抑制されていたようです。 ・4-6月期の売上は前年同期比42%増、EPSは同57%増でした。営業費用は同13%に抑えられました。粗利率も25.0%と前年同期の24.1%から改善しており、原材料高による利益率悪化の圧力をかわしています。売上は上海工場がロックダウンで2ヵ月閉鎖された影響で1-3月期からは13%の減少でした。 | |
買付 | テキサス インスツルメンツ(TXN) | 185.38ドル | 19.5 | 【同社の半導体需要は相対的に堅調】 ・同社が1-3月期の決算発表時に出したガイダンスは中国の新型コロナによるロックダウンの影響をきつく見積もり過ぎていたため、4-6月期実績は市場予想を大幅に上回る結果となりました。7-9月期の売上ガイダンスは、49~53億ドル(前年比6~14%増)と、市場予想の46.5億ドルを大幅に上回りました。 ・エンド市場の需要動向は家電向けに弱さがみられるものの、同社売上の60%を占める自動車および産業向けは堅調に推移しています。景気減速の環境下でも半導体業界の中では相対的に堅調な売上を記録する可能性が高いと考えられます。アナログ半導体で22%のトップシェアを保有し、先進的な生産能力の拡大を行っていることが競争力の源泉になると考えられます。 | |
買付 | アルベマール(ALB) | 281.57ドル | 14.5 | 【リチウムの需要拡大から恩恵】 ・特殊化学品の老舗で、2021年12月期の売上構成比は、リチウム41%、臭素特殊品34%、触媒23%、その他2%からなります。EVバッテリーに使われるリチウムと、難燃剤として使われる臭素の価格上昇によって業績が大幅に伸びて、市場予想も大きく上回りました。 ・主力のリチウム売上は前年同期比2.8倍に伸びました。販売価格が市場価格の上昇に加えて顧客との契約価格見直しによって同2.6倍に上昇、数量もチリの設備拡張で同18%伸びています。通年の販売価格は前年比3.25~3.50倍となる見通しで部門の調整後EBITDA(利払い、税金、償却前利益)は、従来予想の前年比4.0倍から6.0~6.5倍の見通しに引き上げています。臭素特殊品の売上も前年同期比35%増と好調です。 | |
買付 | EPAMシステムズ(EPAM) | 444.91ドル | 45.4 | 【DXサービスを提供する会社】 ・企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)するためのサービスを提供するIT企業です。ソフトウェア開発・エンジニアリングとITコンサルティングサービスを提供しています。フォーチュン・グローバル2000企業のうち、280社以上にサービスを提供した実績があります。1993年に設立、2012年にニューヨーク証券取引所に上場、S&P500指数には2021年12月に採用されています。 ・4-6月期の売上は11.9億ドルで前年同期比36%増、買収した企業の寄与を除くオーガニックベースで同29%増、調整後EPSは同16%増と好調です。GAAPベースの営業利益率は7.8%で、株式報酬費用などを除いた調整後営業利益率は14.9%に達しています。7-9月期の売上は12.1億ドル(前年同期比22%増相当)以上を見込んでいます。 |
注:予想PERはBloomberg集計のコンセンサス予想EPSによります。使用した予想EPSの決算期は、いずれも2022年12月期です。
※会社資料、BloombergデータをもとにSBI証券が作成。
主要イベントの予定
経済指標・イベント | 企業決算・イベント | |
15(月) | ・日本実質GDP(4-6月期、速報値) ・中国鉱工業生産・小売売上高・固定資産投資(7月) ・中国調査失業率(7月) ・ニューヨーク連銀製造業景気指数(8月) ・NAHB住宅市場指数(8月) |
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16(火) | ・ドイツZEW景気指数(8月) ・米住宅着工・建設許可件数(7月) ・米鉱工業生産(7月) |
ホームデポ、ウォルマート |
17(水) | ・ユーロ圏実質GDP(4-6月期、改定値) ・米小売売上高(7月) ・米20年債入札 ・FOMC議事要旨(7月26日、27日開催分) |
ターゲット、シスコシステムズ、ロウズ ジムインテクレーテッドシッピング |
18(木) | ・フィラデルフィア連銀製造業景気指数(8月) ・米新規失業保険申請件数(8月13日に終わる週) ・米中古住宅販売件数(7月) ・カンザスシティ連銀ジョージ総裁講演 ・ミネアポリス連銀カシュカリ総裁講演 |
アプライドマテリアルズ、エスティーローダー |
19(金) | ディア | |
22(月) | ・シカゴ連銀全米活動指数(7月) | ズームビデオコミュニケーションズ |
23(火) | ・auじぶん銀行日本製造業PMI(8月) ・S&Pグローバルユーロ圏製造業PMI(8月) ・S&Pグローバル米国製造業PMI(8月) ・米新築住宅販売件数(7月) |
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24(水) | ・米耐久財受注(7月) ・米中古住宅販売成約(7月) |
エヌビディア(E)、セールスフォースドットコム |
25(木) | ・ドイツIFO企業景況感(8月) ・米実質GDP(4-6月期、改定値) ・米新規失業保険申請件数(8月20日に終わる週) |
ダラーゼネラル、アルタビューティ |
26(金) | ・米個人所得・個人支出(7月) ・米個人消費支出物価指数(7月) ・米ミシガン大学消費者物価指数(8月、確報値) |
注:日付は現地時間によります。(E)はBloombergによる予想を示します。企業決算の赤字でのハイライトは、当社顧客保有人数の1~30位、青字のハイライトは31~50位を示します。
※Bloombergデータ、各種報道をもとにSBI証券が作成
※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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